JP3014833B2 - 構造物レベル計測装置 - Google Patents

構造物レベル計測装置

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JP3014833B2
JP3014833B2 JP3264036A JP26403691A JP3014833B2 JP 3014833 B2 JP3014833 B2 JP 3014833B2 JP 3264036 A JP3264036 A JP 3264036A JP 26403691 A JP26403691 A JP 26403691A JP 3014833 B2 JP3014833 B2 JP 3014833B2
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賢治 斉藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造物の多数点のレベ
ルをレ−ザ光線を利用して計測する計測装置の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】構造物の不同沈下の計測など、構造物に
設置された多数の計測点のレベル変化を知る方法とし
て、最近レ−ザ光線の発光器と受光器を用いて計測を行
う電子計測方法が多く採用されている。
【0003】例えば特開昭60−25413号公報に
は、レ−ザ光線の発光器を基準点に設置し、被測定部位
に受光器を取り付け、上下方向に多数の受光素子を配置
した受光器にレ−ザ光線を照射することにより、受光し
た素子の位置からその測定部位のレベルを判断するもの
が提案されている。構造物の不同沈下のように測定点が
多数にわたり、しかも定期的な計測を必要とする場合に
は、受光器をその位置にセットしておき、その出力をコ
ンピュータに入力させることにより、能率の良い測定を
実施することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがこの場合、レ
ベル計測の精度(分解能)を高めるには受光器に上下方
向へ配列する受光素子の配列密度を高くする必要がある
が、測定点が多数にわたる場合は、受光器の設置個数が
増えることもあって、このような素子密度の高い受光器
を多数準備しなければならず、計測装置を非常に高価な
ものにしてしまい、さらに、分解能を高めるには周囲の
振動、作業用の車両や人員などの外乱による計測誤差を
検知して排除しなければならない。
【0005】そこで本発明は、以上の問題点を解決すべ
くなされたもので、計測誤差の少ない高精度の構造物レ
ベル計測装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図1にお
いて、構造物の計測点に設置してレ−ザ光線の受光によ
り受光信号を出力する受光器2と、レ−ザ光線を水平方
向に照射しながら所定の速度で水平旋回するレ−ザ照射
器1と、このレ−ザ照射器1を所定の速度で上下させる
昇降装置と、レ−ザ照射器1の発光レベルの変化を所定
の単位毎に検出する手段19と、この検出手段19が検
出する各レ−ザ発光レベルにおける前記受光器2の受光
信号の出力回数の平均値とから受光器2を配置した計測
点のレベルを演算する受光位置演算手段30と、受光レ
ベルの最高値と最低値の差が予め設定した許容値を越え
るときに計測異常を判定するレベル分布比較手段32
と、この比較手段32の異常判定時には少なくとも前記
演算手段30のレベル演算結果の無効を表示し、再計測
する制御手段31を備える。
【0007】第2の発明は、図1において、構造物の計
測点に設置してレ−ザ光線の受光により受光信号を出力
する受光器2と、レ−ザ光線を水平方向に照射しながら
所定の速度で水平旋回するレ−ザ照射器1と、このレ−
ザ照射器1を所定の速度で上下させる昇降装置と、レ−
ザ照射器の発光レベルの変化を所定の単位毎に検出する
手段19と、この検出手段19が検出するレ−ザ発光レ
ベルの変化と、これらの各レベルにおける前記受光器2
の受光信号の出力回数の平均値とから受光器2を配置し
た計測点のレベルを演算する受光位置演算手段30と、
前記昇降装置の上昇方向での前記演算手段30の結果と
下降方向での演算手段30の結果との差が予め設定した
許容値を越えるときに計測異常を判定する往復値比較手
段33と、この比較手段33の異常判定時には少なくと
も前記演算手段30のレベル演算結果の無効を表示し、
再計測する制御手段31を備える。
【0008】
【作用】第1の発明は、受光位置演算手段がレ−ザ光線
の各発光レベルとそのレベルにおける受光器の受光回数
の積の総和を総受光回数で除した結果を計測レベルと
し、レベル分布比較手段は前記受光位置演算手段におい
て受光信号が発生したレベルの最高値と最低値との差を
予め設定した許容値と比較して、最高値と最低値の差が
許容値を越えるた場合、計測値異常と判定して前記受光
位置演算手段の演算結果を無効とするとともに、計測制
御手段により計測値の異常を表示し、昇降装置を原点に
復帰させて再度計測を行い、外乱による計測値の異常を
排除する。
【0009】第2の発明は、受光位置演算手段がレ−ザ
光線の各発光レベルとそのレベルにおける受光器の受光
回数の積の総和を総受光回数で除した結果を計測レベル
とし、この計測レベルを昇降装置の上昇方向及び下降方
向のそれぞれで算出し、さらに往復値比較手段でこれら
レベルの差を算出し、この算出した差と予め設定した許
容値とを比較し、この差が許容値を越えると前記受光位
置演算手段の演算結果を無効とするとともに、計測値異
常と判定して計測制御手段により表示装置に計測値の異
常を表示し、昇降装置を原点に復帰させて再度計測を行
い、外乱による計測値の異常を排除する。
【0010】
【実施例】以下、図面に従って本発明の実施例を説明す
る。
【0011】図2において、1はレ−ザ光線を照射する
レ−ザ照射器1で、レ−ザ光線を受光する数多くの受光
器2がレ−ザ照射器の周囲の各計測点に配置される。
【0012】受光器2はレ−ザ光線を受光することで電
気的な信号を出力する単一の受光素子を備える。この受
光素子には例えばフォトトランジスタやフォトダイオー
ドが使用される。
【0013】レ−ザ照射器1は昇降装置15に支持さ
れ、レ−ザ光線を水平方向に発射しながら所定の速度で
水平に旋回する。
【0014】このためにレ−ザ照射器1は所定の一定速
度で回転する旋回用モータを備える。また、昇降装置1
5との間に水平調整装置4を備える。水平調整装置4は
直交する水平の回転軸まわりにそれぞれレ−ザ照射器1
を回転させるモータと、各軸回りのレ−ザ照射器1の傾
斜角度を検出する傾斜センサを備え、制御装置20が傾
斜センサの検出角度に基づき各モータを駆動することに
より、レ−ザ照射器1を水平に維持する。
【0015】また、昇降装置15は例えばモータの回転
により送りがかかるねじ機構などで構成され、所定の一
定速度で伸縮する。なお、昇降装置15は油圧シリンダ
などで構成することもできる。
【0016】昇降装置15と並列に上下位置検出器19
が設けられる。上下位置検出器19はレ−ザ照射器1の
発光レベルが所定の計測単位Δh変化するごとに、その
レベルを検出し、制御装置20に高さ信号として出力す
る。
【0017】制御装置20には前述の傾斜センサの出力
する傾斜信号に基づきモータを駆動してレ−ザ照射器1
を水平に維持すると共に昇降装置15を駆動し、同時に
前記上下位置検出器19、受光器2の出力に基づいて計
測点のレベルを演算し、また、この計測が正常に行われ
たかどうかを判断し、異常時にはエラーを表示するとと
もに再計測を行う。
【0018】制御装置20は、受光器2によるレ−ザ光
線の受光期間内に上下位置検出器19が検出するレ−ザ
発光レベルと、これらの各レベルにおける受光信号の出
力回数の平均値とから受光器2を設置した計測点のレベ
ルを演算する。すなわち、レ−ザ発光レベルとそのレベ
ルにおける受光信号の出力回数との積を各レベルについ
て合計し、これを受光信号の出力総数で除することによ
り、計測点のレベルを演算する。
【0019】そして、前記受光位置演算手段において受
光信号が発生した各レベルについて、これらレベルの最
高値と最低値の差を演算し、演算結果が所定の範囲内に
あるかを比較し、範囲外の場合は計測異常と判定し、再
計測を行わせる。
【0020】さらに、レ−ザ照射器1の上昇中に算出し
た計測レベルと下降中に算出した計測レベルとの差を演
算し、この演算結果が所定の範囲内にあるかを判断し、
範囲外のときは前記と同様に計測異常と判断し、エラー
を表示するとともに再計測を行う。
【0021】図6のフローチャートを参照してさらに詳
しく説明する。
【0022】ステップ50で計測が開始されると、昇降
装置15に支持されたレ−ザ照射器1は、所定の速度で
例えば最低位置(以下原点とする)から上昇し、所定の
速度で旋回しながらレ−ザ光線を水平方向に発射し、こ
のレ−ザ光線が受光器2に入ると受光器2が受光信号を
制御装置20に出力する。
【0023】ところで、レ−ザ照射器1の発射するレ−
ザ光線は円形断面の平行レ−ザ光線であることから、受
光器2は図3で示すようにレ−ザ光線の中心が、高さh
a±αの範囲に入るとレ−ザ光線を受光し、受光信号を
出力する。
【0024】その結果、レ−ザ光線がこの高さ範囲にあ
る間は、受光器2はレ−ザ照射器1の旋回速度に応じた
一定の間隔で制御装置20に受光信号を出力する。ま
た、レ−ザ照射器1のレ−ザ発光レベルが図4に示すΔ
hずつ上昇するごとに上下位置検出器19から新たなレ
−ザ発光レベルを示す高さ信号が制御装置20に入力さ
れる。
【0025】つまり、受光信号の出力範囲であっても上
下位置検出器19が検出するレ−ザ発光レベルは微妙に
変化するので、一個の高さ信号のみでは受光器2のレベ
ルを正確に決定することはできない。
【0026】そこで、制御装置20は上記入力信号に基
づいて次の方法で受光器2のレベルを演算する。
【0027】まず図4に示す単位高さΔhずつ異なる各
レ−ザ発光レベルにおいて同一の受光器2から入力され
る受光信号のパルス数n1、n2、n3、...nnをカウ
ントし、次にこの単位高さΔhごとに高さ信号の中心値
1、h2、h3、...hnを求める。そして、これらの
値に基づいて、下記の計算を行って受光器2のレベルを
求める。
【0028】
【数1】
【0029】しかし、上式によって求められる受光器2
のレベルhaは、図7に示す正常時の計測値のような平
行レ−ザ光線の半径に基づく検出高さのばらつきを排除
しただけであり、外乱による計測誤差は排除されていな
い。
【0030】そこで、ステップ51では、外乱による計
測の乱れを除去する。例えば、上昇方向でのレベル計測
中に構造物の付近を大型車両などが通過すると、図4で
示すようにレ−ザ照射器1の振動によりレーザー光線も
振動して、受光器2の受光信号及び受光信号が発生する
レベル範囲が図7で示す正常時に較べて大きく乱れてし
まい、このまま上式で受光器2のレベルを求めると、実
際のレベルと異なる計算結果となる。
【0031】高さ信号hiの最低値h1と最高値hnを検
出して、次式により高さ信号の分布範囲であるΔHiを
求める。
【0032】ΔHi = |hn − h1
【0033】次にステップ51で上式で求めたΔHiと
予め設定した高さ信号の分布範囲の許容値ΔHlとの比
較を行い、ΔHiが許容値ΔHlを越えていると算出し
たレベルを無効とするとともに計測値が異常であること
の信号を出力し、制御装置20の図示しない表示装置で
エラーを表示させ(ステップ60)、昇降装置15を原
点に復帰させて再度計測を行う。
【0034】ステップ51で計測値に異常がなければ上
昇方向、下降方向でそれぞれレベルを計測し、原点に復
帰して計測を終了する(ステップ52)。
【0035】しかし、前記レベル分布比較で排除できる
外乱による計測値の異常は、振動などによりレーザー光
線が乱れた場合であり、レーザー光線が障害物により遮
断された場合の計測値の異常は排除されていない。
【0036】例えば、レ−ザ照射器1の上昇方向での計
測中にレ−ザ照射器1と受光器2との間を作業用車両あ
るいは作業員の通過などによってレ−ザ光線が一時的に
遮断された場合、図5の実線で示す部分が計測値とな
る。
【0037】すなわち、レ−ザ光線が遮断されたため
に、受光器2で受光信号が検出されるレベルの最高値は
nとなり、本来なら計測できるレベルの最高値hn′ま
での計測値が欠落してしまい、誤差のある計測レベルを
出力する。
【0038】そこで、上昇方向での計測で受光器2のレ
ベルをhaU、下降方向での計測で受光器2のレベルを
haDとし(ステップ53、54)、往復して計測した
受光器2のレベルの誤差ΔMiを次式により算出する。
【0039】ΔMi = |haU−haD
【0040】次にステップ55において、上式で求めた
誤差ΔMiと予め設定した誤差の許容範囲ΔMlとを比
較を行い、ΔMiが許容値ΔMlを越えている場合は、
算出したhaU及びhaDを無効とするとともに計測値が
異常であることの信号を出力し、制御装置20の図示し
ない表示装置でエラーを表示させ(ステップ60)、昇
降装置15を原点に復帰させて再度計測を行う。
【0041】このようにして算出された受光器2のレベ
ルから振動などによる計測値の異常を排除し、さらにレ
−ザ光線の遮断による計測値の異常を排除するため、計
測の対象となるすべての受光器2についてレベルを高精
度で計測することができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、レ−
ザ受光期間中の各レ−ザ発光レベルにおける受光信号の
出力回数とそのレベルの分布が適正であるかを判定し、
判定結果が不適正である場合は演算したレベルを無効と
するとともに制御装置で計測値の異常を表示し、昇降装
置を原点に復帰させて再度計測するため、構造物の振動
による計測値の異常を排除して精度及び信頼性の高いレ
ベル計測を行うことが可能となる。
【0043】また、第2の発明によれば1カ所の受光器
についてレ−ザ光線の上昇方向と下降方向でそれぞれレ
ベルを演算し、これらレベルの差が適正であるかを判定
し、判定結果が不適正である場合は前記演算したレベル
を無効とするとともに制御装置で計測値の異常を表示
し、昇降装置を原点に復帰させて再度計測するため、偶
発的なレ−ザ光線の遮断による計測値の異常を排除して
精度及び信頼性の高いレベル計測を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の実施例を示す構成図である。
【図3】受光器2の受光範囲を示す説明図である。
【図4】外乱によって乱れた受光信号パルスと高さ信号
との関係を示すグラフである。
【図5】一部が欠落した受光信号パルスと高さ信号との
関係を示すグラフである。
【図6】制御装置における制御のフローチャートであ
る。
【図7】正常な受光信号パルスと高さ信号との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 レ−ザ照射器 2 受光器 15 昇降装置 19 上下位置検出器 20 制御装置 30 受光位置演算手段 32 往復値比較手段 33 レベル分布比較手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 3/00 - 5/00 G01C 15/00 G01B 11/00 - 11/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の計測点に設置してレ−ザ光線の
    受光により受光信号を出力する受光器と、レ−ザ光線を
    水平方向に照射しながら所定の速度で水平旋回するレ−
    ザ照射器と、このレ−ザ照射器を所定の速度で上下させ
    る昇降装置と、レ−ザ照射器の発光レベルの変化を所定
    の単位毎に検出する手段と、この検出手段が検出する各
    レ−ザ発光レベルにおける前記受光器の受光信号の出力
    回数の平均値とから受光器を配置した計測点のレベルを
    演算する受光位置演算手段と、受光レベルの最高値と最
    低値の差が予め設定した許容値を越えるときに計測異常
    を判定するレベル分布比較手段と、この比較手段の異常
    判定時には少なくとも前記演算手段のレベル演算結果の
    無効を表示し、再計測する制御手段を備えたことを特徴
    とする構造物レベル計測装置。
  2. 【請求項2】 構造物の計測点に設置してレ−ザ光線の
    受光により受光信号を出力する受光器と、レ−ザ光線を
    水平方向に照射しながら所定の速度で水平旋回するレ−
    ザ照射器と、このレ−ザ照射器を所定の速度で上下させ
    る昇降装置と、レ−ザ照射器の発光レベルの変化を所定
    の単位毎に検出する手段と、この検出手段が検出するレ
    −ザ発光レベルの変化と、これらの各レベルにおける前
    記受光器の受光信号の出力回数の平均値とから受光器を
    配置した計測点のレベルを演算する受光位置演算手段
    と、前記昇降装置の上昇方向での前記演算手段の結果と
    下降方向での演算手段の結果との差が予め設定した許容
    値を越えるときに計測異常を判定する往復値比較手段
    と、この比較手段の異常判定時には少なくとも前記演算
    手段のレベル演算結果の無効を表示し、再計測する制御
    手段を備えたことを特徴とする構造物レベル計測装置。
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