JP3013262B2 - 7H―ピリド〔3,2,1―ij〕〔2,1〕ベンズオキサジン誘導体 - Google Patents

7H―ピリド〔3,2,1―ij〕〔2,1〕ベンズオキサジン誘導体

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JP3013262B2
JP3013262B2 JP33895890A JP33895890A JP3013262B2 JP 3013262 B2 JP3013262 B2 JP 3013262B2 JP 33895890 A JP33895890 A JP 33895890A JP 33895890 A JP33895890 A JP 33895890A JP 3013262 B2 JP3013262 B2 JP 3013262B2
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孝明 鯖戸
雅史 長谷
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株式会社フジモト・ブラザーズ
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般式(I) (式中、Xは窒素原子で置換した5〜7員環の飽和環状
アミン類を意味し、これらのアミン類はヘテロ原子を含
むこともあり、低級アルキル基、アミノ基、低級アルキ
ルアミノ基、アセチルアミノ基もしくはヒドロキシル基
が置換することもある。)で表される新規な7H−ピリド
[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジン誘導体およびそ
の薬理学的に許容しうる塩に関するものである。
ここでXとしては、ピペラジニル基、チオモルホリニ
ル基、ピロリジニル基、ホモピペラジニル基、ピラゾリ
ジニル基またはイソオキサゾリジニル基等が包含され
る。低級アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル
及びイソプロピル基等が挙げられる。また、塩として
は、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸等の如き無機もしく
はグルコン酸、酒石酸等の有機酸との塩、あるいはカル
ボン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム塩等が具
体例として挙げられる。
従来の技術 現在、グラム陰性菌及びグラム陽性菌による感染症の
治療薬として、ノルフロキサシン(特公昭55−3414
4)、エノキサシン(特公昭57−10109)及びシプロフロ
キサシン(特公昭63−56224)等の合成抗菌剤が開発さ
れ用いられている。しかし、これらはキノリンやナフチ
リジン環を基本骨格とするピロドンカルボン酸系誘導体
であり、この母核は抗菌活性と生体利用率のバランスの
点で種々の欠点が指摘されている。
一方、これらの欠点を解決するため、近年、7H−ピリ
ド[1,2,3−de][1,4]ベンズオキサジンを基本骨格と
して持つオフロキサシンなる抗菌剤が開発された(特公
昭61−11955)。この化合物は、抗菌活性に優れかつ生
体利用率も良く、in vitro及びin vivoにおいてバラン
スのとれた挙動を示す抗菌剤である。
発明が解決しようとする問題点 この様に、合成抗菌剤が生体に対して有効に作用する
ためには、抗菌活性と生体利用率の両方が優れている必
要がある。本発明はこのような問題点を解決したもので
ある。
問題点を解決するための手段 我々は、以前から抗菌活性が優れかつ生体利用率の良
い抗菌剤の開発に着手し研究を重ねてきた。そして、7H
−ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジンの如き
新規な縮行ヘテロ環骨格を有する化合物が、低毒性でか
つ適度な親水性、親油性のバランスを持つことを見い出
した。そこで、既存の合成抗菌剤の置換基である飽和環
状アミン類をこれに導入した多くの化合物を合成し、種
々の菌に対する抗菌活性を測定したところ、これらの化
合物が緑膿菌の如きグラム陰性菌のみならずグラム陽性
菌に対しても強い抗菌活性を有し、かつ生体利用率の点
で優れていることを見い出し本発明を完成した。
作用 上記一般式(I)で表される化合物は新規骨格を有す
る文献未載の化合物であり、我々によって初めて製造さ
れた。製造方法の例を下記の反応式に示して説明する。
(式中、Xは上記に同じ。) すなわち、上記(II)で表される化合物を、エタノー
ル、アセトニトリル、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、トルエン、キシ
レンの如き不活性溶媒中で、上記の飽和環状アミン類ま
たはその塩と室温〜200℃、好ましくは70℃〜150℃で、
10分〜10時間、通常20分〜5時間混合撹拌することによ
って化合物(I)は製造することが出来る。本反応で、
アミン類の量は化合物(II)より過剰量(2〜20当量)
が好ましい。それは遊離のアミン類を過剰に用いること
で、反応によって副生する酸HFの受容体の役割を兼させ
ることが出来るからである。アミン類の塩酸塩を用いる
場合は、別に酸受容体として塩基、例えば炭酸アルカ
リ、アルカリ金属アルコラート、トリエチルアミン等を
使用するのが一般的である。
また、化合物(I)で、アミン類の窒素原子が低級ア
ルキル基で置換した化合物は、対応する非置換化合物を
種々のアルデヒドと還元剤存在下反応させることでも得
られる。ここで、アルデヒド類としてはホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどが用
いられ、還元剤としてはギ酸、水素化ホウ素ナトリウ
ム、亜鉛/塩酸など、特にギ酸が好適である。
かくして得られる目的化合物及びその塩は、広ぐグラ
ム陰性菌および陽性菌に対し優れた抗菌活性を発揮する
と共に、吸収性に優れ各種感染症の治療薬として有用で
ある。
実施例 次に、参考例及び実施例を挙げて本発明化合物を更に
具体的に説明する。
参考例 9,10−ジフルオロ−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−
ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カ
ルボン酸(化合物II) (a)(6−アミノ−2,3−ジフルオロ)フェネチルア
ルコール4.68g(27mmol)及びエトキシメチレンマロン
酸ジエチル5.9g(27mmol)をエタノール30mlに溶解し2.
5時間還流する。反応後、溶媒を留去し得られた残渣を
四塩化炭素・ヘキサン(4:1)から再結晶すると白色結
晶として3,4−ジフルオロ−2−(2−ヒドロキシエチ
ル)アニリノメチレンマロン酸ジエチル7.81gを得る。
融点 :102−104℃ 質量分析 :343(M+),298,278,179,166,154 IR :3480,3150,2970,1680,1640,1625,1610,14
65,1270,1100,800(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.31,1.36(各々3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 2.68 (1H,brs,−CH2CH2OH) 2.98 (2H,dt,J=2Hz,6Hz,−CH2CH2O
H) 3.94 (2H,t,J=6Hz,−CH2CH2OH) 4.23,4.29(各々2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 6.6−7.4 (2H,m,C5−H,C6−H) 8.29 (1H,d,J=13Hz,NH−CH=) 11.15 (1H,brd,J=13Hz,−NH−CH
=) (b)上記化合物7.69g(22mmol)を酢酸30mlに溶解
し、無水酢酸2.1ml(22mmol)、濃硫酸2滴を加え、室
温で1時間攪拌する。反応後、溶媒を留去し得られた残
渣を四塩化炭素から再結晶すると白色結晶として2−
(2−アセチルオキシエチル)−3,4−ジフルオロアニ
リノメチレンマロン酸ジエチル6.61gを得る。
融点 :117−118℃ 質量分析 :385(M+),340,278,205,179,166 IR :3230,2980,1740,1685,1640,1590,1280,12
35,1040,800(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.32,1.39(各々3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 2.03 (3H,s,−COCH3) 3.09 (2H,dt,J=2Hz,6Hz,−CH2CH2O
−) 4.0−4.6 (6H,m,−CH2CH2O−,−CH2C
H3) 6.7−7.5 (2H,m,C5−H,C6−H) 8.32 (1H,d,J=13Hz,NH−CH=) 11.10 (1H,brd,J=13Hz,−NH−CH
=) (c)上記化合物6.44g(17mmol)、ポリリン酸エチル3
0gを仕込み、メカニカルスターラーで激しく攪拌しなが
ら110〜130℃で30分攪拌する。反応後、混合物を氷水15
0mlに注ぎ室温でしばらく攪拌した後、クロロホルムで
3回抽出する。有機層を5%炭酸カリウム、水の順に洗
浄したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮し、得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
す。塩化メチレンで溶出し、目的画分を集めて濃縮する
と8−(2−アセチルオキシエチル)−6,7−ジフルオ
ロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボン酸エチル3.
46gを得る。
融点 :209−211℃(分解) 質量分析 :339(M+),296,280,250,234,207 IR :3080,1740,1720,1690,1475,1230,1030,80
5(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 1.59(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 2.20(3H,s,−COCH3) 3.70(2H,dt,J=2Hz,7Hz,−CH2CH2O−) 4.60(2H,t,J=7Hz,−CH2CH2O−) 4.77(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 8.41(1H,t,C5−H) 9.48(1H,s,C2−H) (d)上記化合物3.81g(11mmol)、オキシ塩化リン9.1
ml(98mmol)およびトルエン50mlを仕込み、1.5時間還
流する。反応後、溶媒を留去し残渣をクロロホルムに溶
解した後、5%炭酸カリウム、水の順に洗浄し無水硫酸
ナトリウムで乾燥して濃縮し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付す。クロロホルムで溶
出し目的画分を集めて濃縮すると、8−(2−アセチル
オキシエチル)−4−クロロ−6,7−ジフルオロキノリ
ン−3−カルボン酸エチル3.57gを得る。
融点 :59−61℃ 質量分析 :357(M+),314,297,286,268 IR :3070,2900,1730,1490,1260,1240,1035,80
5(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.48(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 1.98(3H,s,−COCH3) 3.63(2H,dt,J=2Hz,7Hz,−CH2CH2O−) 4.44(2H,t,J=7Hz,−CH2CH2O−) 4.51(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 8.06(1H,dd,J=9Hz,11Hz,C5−H) 9.16(1H,s,C2−H) (e)上記化合物3.97g(11mmol)をエタノール200mlに
溶解し氷冷する。そこへ2N−水酸化ナトリウム5.55ml
(11mmol)を内温3〜4℃で滴下し、同温度で1時間攪
拌する。反応後、1N−酢酸11ml(11mmol)を滴下し溶媒
を留去し、クロロホルムに溶解して水で洗浄する。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、四塩
化炭素・クロロホルム(1:1)で溶出し目的画分を集め
て濃縮する。四塩化炭素から再結晶して4−クロロ−6,
7−ジフルオロ−8−(2−ヒドロキシエチル)キノリ
ン−3−カルボン酸エチル2.07gを得る。
融点 :103−4℃ 質量分析 :315(M+),298,285,270,257 IR :3290,2940,1735,1710,1490,1260,1215,10
40,805(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 144(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 3.14(1H,brs,−CH2CH2OH) 3.49(2H,dt,J=2Hz,6Hz,−CH2CH2O−) 3.95(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 4.46(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 7.97(1H,,dd,J=8Hz,10Hz,C5−H) 9.08(1H,s,C2−H) (f)上記化合物2.07g(6.6mmol)及びm−クロロ過安
息香酸2.26g(13.1mmol)をクロロホルム50mlに溶解
し、64時間還流する。反応後、5%炭酸カリウム、水の
順に洗浄したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液:クロロホルム)に付す。目的物は混合画分
として溶出されるので、これを更にカラムクロマトグラ
フィー(溶出液:四塩化炭素:酢酸エチル=4:1)に付
す。目的の画分を集めて濃縮すると9,10−ジフルオロ−
7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−ij]
[2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸エチル0.12g
を得る。
融点 :242−3℃ 質量分析 :295(M+),250,223,220,193,165 IR :2980,1720,1620,1600,1470,1240,1040,80
5(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 1.55(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 3.58(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 4.71(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 4.99(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 8.40(1H,dd,J=8Hz,5Hz,C8−H) 9.36(1H,s,C5−H) (g)上記化合物1.17g(4.0mmol)に濃塩酸・酢酸混液
(1:4)20mlを加え、100〜110℃で3.5時間攪拌する。反
応後、水50mlを加えて氷浴で攪拌しながら冷却する。析
出結晶を濾取しアセトンで洗浄後乾燥し、DMF・エタノ
ール(1:3)から再結晶すると白色結晶として9,10−ジ
フルオロ−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド
[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン
酸(II)0.746gを得る。
融点 :279−83℃(分解) 元素分析 :C12H7F2NO4(MW=267.187) 理論値 H 2.64%,C 53.94%,N 5.24
% 実測値 H 2.51%,C 53.94%,N 5.20
% 質量分析 :267(M+),223,193,165 IR :3050,1705,1625,1550,1470,1320,815(cm
-1) NMR :CF3COOD(ppm) 3.61(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 5.01(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 8.42(1H,dd,J=8Hz,9Hz,C8−H) 9.40(1H,s,C5−H) 実施例1. 9−フルオロ−7−オキソ−10−(1−ピペラジニル)
−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベ
ンズオキサジン−6−カルボン酸 参考例で得た化合物II0.21g(0.77mmol)及び無水ピ
ペラジン0.33g(3.85mmol)をジメチルスルホキシド2ml
に加え、100〜110℃で20分攪拌する。反応後、水を加え
10%酢酸で中和し氷浴で攪拌しながら冷却する。析出結
晶を濾取し水及びアセトンで洗浄後乾燥し、DMF・水か
ら再結晶して得る(収量0.20g)。
融点 :246℃(分解) 元素分析 :C16H16FN3O4・3/4H2O 理論値 H 5.09%,C 55.41%,N 12.1
2% 実測値 H 5.09%,C 55.65%,N 12.0
0% 質量分析 :333(M+),291,289,259,233,189 IR :2850,1601,1580,1450,1380,1265,830(cm
-1) NMR :CF3COOD(ppm) 3.2−4.4(10H,m,−CH2CH2O−,piperazin
e−CH2) 4.91 (2H,t,−CH2CH2O−) 8.34 (1H,d,J=12Hz,C8−H) 9.37 (1H,s,C5−H) 実施例2. 9−フルオロ−10−(4−メチル−1−ピペラジニル)
−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−i
j][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸 (a)参考例で得た化合物II0.18g(0.67mmol)にN−
メチルピペラジン0.37ml(3.34mmol)及びジメチルスル
ホキシド1.8mlを加え、100〜110℃で25分攪拌する。反
応後、溶媒を留去し残渣に水とメタノールを加えて溶解
し、これをシリカゲルに吸着後カラムクロマトグラフィ
ーに付す。クロロホルム・メタノール(9:1)で溶出し
目的画分を集めて濃縮し、ヘキサン・エタノールから再
結晶して得る(収量0.178g)。
融点 :224−5℃(分解) 元素分析 :C17H18FN3O4(MW=347.346) 理論値 H 5.22%,C 58.78%,N 12.1
0% 実測値 H 5.23%,C 58.78%,N 12.1
2% 質量分析 :347(M+),332,303,275,203,148 IR :2930,1715,1620,1540,1455,1370,1355,12
65,820(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 3.21 (3H,s,piperazine−NCH3) 3.3−4.4(10H,m,−CH2CH2O−,piperazin
e−CH2) 4.91 (2H,t,−CH2CH2O−) 8.32 (4H,d,J=11Hz,C8−H) 9.33 (1H,s,C5−H) (b)実施例1.で得た化合物0.07g(0.21mmol)に90%
ギ酸0.5ml及び35%ホルマリン0.5mlを加え2時間還流す
る。反応後、水を加え炭酸カリウムで中和後濃縮し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、
(a)と同様に処理して得る(収量0.038g)。分析結果
は(a)で得た化合物と一致した。
実施例3. 9−フルオロ−10−(4−ヒドロキシ−1−ピペラジニ
ル)−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1
−ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸 参考例で得た化合物II(0.30g(1.12mmol)、1−ヒ
ドロキシピペラジン・2塩酸塩1.97g(11.2mmol)及び
炭酸水素ナトリウム1.89(22.5mmol)を仕込み、ジメチ
ルスルホキシド20mlを加えて室温でしばらく攪拌した後
120℃で3.5時間攪拌する。反応後、溶媒を留去し残渣に
水及び1N−酢酸を加え、氷浴で攪拌しながら冷却して粗
結晶を得る。これをクロロホルム・メタノール(15:1)
を溶離液とするカラムクロマトグラフィーに付す。目的
画分を集めて濃縮し、DMF・エタノール・ヘキサンから
再結晶して得る(収量0.051g)。
融点 :270℃(分解) 元素分析 :C16H16FN3O5(MW=349.318) 理論値 H 4.62%,C 55.01%,N 12.0
3% 実測値 H 4.66%,C 54.94%,N 11.8
5% 質量分析 :349(M+),332,305,229,216 IR :2830,1710,1620,1445,1265,1050,810(cm
-1) NMR :CF3COOD(ppm) 3.3−4.7(10H,m,−CH2CH2O−,piperazin
e−CH2) 4.93 (2H,brt,−CH2CH2O−) 8.31 (1H,d,J=12Hz,C8−H) 9.31 (1H,s,C5−H) 実施例4. 9−フルオロ−10−(4−チオモルホリニル)−7−オ
キソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−ij][2,
1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸 参考例で得た化合物II0.30g(1.12mmol)、チオモル
ホリン1.5ml(14.9mmol)及びジメチルスルホキシド15m
lを仕込み、75℃で、4時間攪拌する。反応後、溶媒を
留去し残渣に水を加えて析出結晶を濾取する。これをク
ロロホルムを溶離液とするカラムクラマトグラフィーに
付し目的画分を集めて濃縮し、DMF・エタノール・ヘキ
サンから再結晶して得る(収量0.058g)。
融点 :293℃(分解) 元素分析 :C16H15FN2O4S(MW=350.368) 理論値 H 4.32%,C 54.85%,N 8.00
% 実測値 H 4.33%,C 54.69%,N 7.93
% 質量分析 :350(M+),306,276,232,174 IR :2910,1725,1625,1520,1450,1295,1115,81
0(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 2.8−3.2(4H,m,thiomorpholine−CH2S) 3.48 (2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 3.7−4.1(4H,m,thiomorpholine−CH2N) 4.89 (2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 8.25 (1H,d,J=12Hz,C8−H) 9.27 (1H,s,C5−H) 実施例5. 10−(3−アセトアミド−1−ピロプリジニル)−9−
フルオロ−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド
[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン
酸 参考例で得た化合物II0.32g(1.2mmol)、3−アセト
アミドピロリジン1.03g(8.0mmol)及びジメチルスルホ
キシド13mlを仕込み、80〜90℃で30分攪拌する。反応
後、溶媒を留去し残渣に水を加え1N−酢酸で中和し、氷
浴で攪拌しながら冷却する。析出結晶を濾取し水で洗浄
後乾燥して得る(収量0.41g)。
融点 :265.5℃〜6℃(分解) 元素分析 :C18H18FN3O5(MW=375.356) 理論値 H 4.83%,C 57.60%,N 11.1
9% 実測値 H 4.92%,C 57.54%,N 11.0
8% 質量分析 :316,272,241,203(M+:375無し) IR :3280,3080,1720,1630,1545,1520,1445,13
70,800(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 2.46 (5H,brs,−COCH3,pyrrolidine−
C4−H2) 3.2−3.7(2H,brm,−CH2CH2−O) 3.7−4.5(4H,m,pyrrolidine−C2−H2,C5
−H2) 4.5−5.1(3H,m,−CH2CH2O−,pyrrolidin
e−C3−H) 8.21 (1H,d,J=12Hz,C8−H) 8.60 (1H,brd,−NHCO−) 9.21 (1H,s,C5−H) 実施例6. 10−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−9−フルオロ
−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−i
j][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸 実施例5.で得た化合物0.503g(1.34mmol)に塩酸・酢
酸混液(2:1)24mlを加え、100〜110℃で4時間攪拌す
る。反応後、溶媒を留去し残渣にエタノールを加え氷浴
で攪拌しながら冷却し0.468gの粗結晶を得る。これをク
ロロホルム・メタノール・28%アンモニア水(85:15:
2)を用いてシリカゲルに吸着させた後、カラムクロマ
トグラフィーに付す。クロロホルム・メタノール・酢酸
(8:2:1)で溶出し、目的画分を集めて濃縮乾固し、残
渣を2N−塩酸・エタノールから再結晶し塩酸塩として得
る(収量0.101g)。
融点 :280.5℃(分解) 元素分析 :C16H16FN3O4・HCl・H2O 理論値 H 4.94%,C 49.56%,N 10.8
4% 実測値 H 5.04%,C 49.19%,N 10.8
1% IR :3300,3050,1690,1630,1550,1450,1050,81
0(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 2.1−2.7(2H,br,pyrrolidine−C4−H2) 2.9−3.6(2H,br,−CH2CH2O−) 3.7−4.5(5H,brm,pyrrolidine−C2−H2,
C5−H2,C3−H) 4.5−5.2(2H,br,−CH2CH2O−) 6.9−7.8(3H,br,−NH3 +) 8.15 (1H,d,J=13Hz,C8−H) 9.12 (1H,s,C5−H) 実施例7. 9−フルオロ−10−(1−ホモピペラジニル)−7−オ
キソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−ij][2,
1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸 参考例で得た化合物II0.3g(1.2mmol)及びホモピペ
ラジン0.562g(5.62mmol)をジメチルスルホキシド3.5m
lに加え、100〜110℃で5分間攪拌する。反応後、溶媒
を留去し残渣に水を加え攪拌する。析出結晶を濾取し
水、メタノール及びアセトンの順に洗浄後乾燥し、DMF
・エタノールから再結晶して得る(収量0.252g)。
元素分析 :C17H18FN3O4(MW=347.346) 理論値 H 5.22%,C 58.78%,N 12.1
0% 実測値 H 5.41%,C 58.95%,N 12.0
4% 質量分析 :347(M+),305,287,223,129 IR :3450,3050,2900,1620,1570,1455,1350,12
65,820,755(cm-1) 更に、この結晶を55%塩酸に加温溶解しエタノールで
結晶化して塩酸塩を得る。
融点 :265℃(分解) 元素分析 :C17H18FN3O4・HCl・1/2H2O 理論値 H 5.13%,C 51.98%,N 10.7
0% 実測値 H 5.26%,C 52.20%,N 10.5
4% 質量分析 :347(M+),305,287,229,174,146 IR :3500,3030,2970,1720,1620,1540,1445,13
00,805(cm-1) NMR :CF3CDDO(ppm) 2.1−2.7(2H,m,homopiperazine−C6
H2) 3.3−4.2(10H,m,−CH2CH2O−,homopiper
azine−H8) 4.92 (2H,m,−CH2CH2O−) 8.31 (1H,d,J=11Hz,C8−H) 9.31 (1H,s,C5−H) 実施例8. 9−フルオロ−10−(4−メチル−1−ホモピペラジニ
ル)−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1
−ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸 実施例7.で得た遊離塩基化合物0.142g(0.41mmol)に
90%ギ酸1ml及び35%ホルマリン1mlを加え1.5時間還流
する。反応後、溶媒を留去し残渣にアセトン・エーテル
混液を加え攪拌し粗結晶を得る。これをクロロホルム・
メタノール(19:1)を溶離液とするカラムクラマトグラ
フィーに付す。目的画分を集めて濃縮し、ヘキサン・エ
タノールから再結晶して得る(収量0.095g)。
融点 :204−6℃(分解) 元素分析 :C18H20FN3O4・1/4H2O 理論値 H 5.65%,C 59.09%,N 11.4
9% 実測値 H 5.69%,C 59.20%,N 11.3
4% 質量分析 :361(M+),345,331,317,258 IR :2940,1720,1625,1450,1380,1270,805(cm
-1) 実施例9. 9−フルオロ−10−(1−ピラゾリジニル)−7−オキ
ソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−ij][2,1]
ベンズオキサジン−6−カルボン酸 参考例で得た化合物II0.40g(1.5mmol)と粗製のピラ
ゾリジン5.4gを仕込み、ジメチルスルホキシド4mlを加
えて75〜115℃で25分間攪拌する。反応後、系に水及び1
0%酢酸を加えて氷冷下攪拌する。析出結晶を濾取し水
で洗浄後乾燥して得る(収量0.23g)。
融点 :239.5℃〜240℃(分解) 元素分析 :C15H14FN3O4(MW=319.292) 理論値 H 4.42%,C 56.43%,N 13.1
6% 実測値 H 4.55%,C 56.23%,N 13.0
2% 質量分析 :319(M+),273,245,217,187 1R :3050,1720,1620,1530,1430,990,810,(cm
-1) NMR :CF3COOD(ppm) 2.80(2H,m,pyrazolidine−C4−H2) 3.5(6H,m,−CH2CH2O−,pyrazolidine−C
3−H2,C5−H2)−4.6 4.96(2H,t,−CH2CH2O−) 8.40(1H,d,J=12Hz,C8−H) 9.38(1H,s,C5−H) 実施例10. 9−フルオロ−10−(2−メチル−1−プラゾリジニ
ル)−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1
−ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸 実施例9.で得た化合物0.23g(0.72mmol)に、90%ギ
酸0.74ml及び35%ホルマリン0.74mlを加え90℃で30分攪
拌する。反応後、溶媒を留去し残渣に水を加え攪拌し粗
結晶を得る。これをクロロホルム・メタノール(50:1)
を溶離液とするカラムクロマトグラフィーに付す。目的
画分を集めて濃縮し、エタノールから再結晶して得る
(収量0.08g)。
融点 :217℃−8℃(分解) 元素分析 :C16H16FN3O4(MW=333.319) 理論値 H 4.84%,C 57.66%,N 12.6
1% 実測値 H 4.84%,C 57.48%,N 12.4
7% 質量分析 :333(M+),317,291,259,229,203 IR :2950,1720,1625,1520,1440,1295,985,800
(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 2.82 (2H,m,pyrazolidine−C4−H2) 3.35 (3H,s,pyrazolidine−NCH3) 3.5−4.7(6H,m,−CH2CH2O−,pyrazolidi
ne−C3−H2,C5−H2) 5.02 (2H,t,−CH2CH2O−) 8.49 (1H,d,J=12Hz,C8−H) 9.47 (1H,s,C5−H) 実施例11. 9−フルオロ−10−(2−イソオキサゾリジニル)−7
−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−ij[2,
1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸 参考例で得た化合物II0.3g(1.12mmol)、イソオキサ
ゾリジン塩酸塩2.461g(22.5mmol)及び炭酸水素ナトリ
ウム1.888g(22.5mmol)を仕込み、ジメチルスルホキシ
ド30mlを加えて室温でしばらく攪拌した後120℃で4.5時
間攪拌する。反応後、水を加えて氷冷下攪拌し粗結晶を
得る。これをクロロホルムを溶離液とするカラムクラマ
トグラフィーに付し目的画分を集めて濃縮し、ヘキサン
・クロロホルムから再結晶して得る(収量0.164g)。
融点 : 225−6℃(分解) 元素分析 :C15H13FN2O5(MW=320.276) 理論値 H 4.09%,C 56.25%,N 8.75
% 実測値 H 4.05%,C 55.93%,N 8.40
% 質量分析 :320(M+),276,246,220 IR :3060,1720,1620,1520,1445,1310,1035,80
5(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 2.61 (2H,quint,J=7Hz,isoxazolid
ine−C4−H2) 3.69 (2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 4.10,4.16(各々1H,t,J=7Hz,isoxazolid
ine−C3−H) 4.30 (2H,t,J=7Hz,isoxazolidine
−C5−H2) 4.81 (2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 8.15 (1H,d,J=13Hz,C8−H) 9.17 (1H,s,C5−H) 7)発明の効果 本発明化合物の抗菌剤としての有用性は、以下の生物
学的試験によりその効果が証明された。試験管内抗菌試
験は日本化学療法学会指定の方法[Chemotherapy,29,76
(1981)]に準じて実施し、対照薬物としてはノルフロ
キサシン、オフロキサシンを用いた。本発明化合物中、
実施例1及び2の化合物における試験結果を表1.に示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷 雅史 大阪府羽曳野市南恵我之荘2丁目7―14 (72)発明者 大坪 恵美子 大阪府南河内郡河南町大宝4―24―2 審査官 谷尾 忍 (56)参考文献 特開 平2−157282(JP,A) 特開 昭57−46986(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 498/06 A61K 31/535 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Xは窒素原子で置換した5〜7員環の飽和環状
    アミン類を意味し、これらのアミン類はヘテロ原子を含
    むこともあり、低級アルキル基、アミノ基、低級アルキ
    ルアミノ基、アセチルアミノ基もしくはヒドロキシル基
    が置換することもある。)で表される7H−ピリド[3,2,
    1−ij][2,1]ベンズオキサジン誘導体およびその薬理
    学的に許容しうる塩。
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