JP3013261B2 - 7H―ピリド〔3,2,1―ij〕〔2,1〕ベンズオキサジン誘導体 - Google Patents
7H―ピリド〔3,2,1―ij〕〔2,1〕ベンズオキサジン誘導体Info
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- JP3013261B2 JP3013261B2 JP2338957A JP33895790A JP3013261B2 JP 3013261 B2 JP3013261 B2 JP 3013261B2 JP 2338957 A JP2338957 A JP 2338957A JP 33895790 A JP33895790 A JP 33895790A JP 3013261 B2 JP3013261 B2 JP 3013261B2
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- pyrido
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般式(I) (式中、Rは水素原子あるいは低級アルキル基を意味す
る。) で表される7H−ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキ
サジン誘導体およびその塩に関するものである。
る。) で表される7H−ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキ
サジン誘導体およびその塩に関するものである。
ここで低級アルキル基は、メチル、エチル、n−プロ
ピル及びイソプロピル基等が挙げられる。また、塩とし
てはカルボン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム
塩等が具体例として挙げられる。
ピル及びイソプロピル基等が挙げられる。また、塩とし
てはカルボン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム
塩等が具体例として挙げられる。
従来の技術 現在、グラム陰性菌及びグラム陽性菌による感染症の
治療薬として、ノルフロキサシン(特公昭55−3414
4)、エノキサシン(特公昭57−10109)及びシプロフロ
キサシン(特公昭63−56224)等の合成抗菌剤が開発さ
れ用いられている。
治療薬として、ノルフロキサシン(特公昭55−3414
4)、エノキサシン(特公昭57−10109)及びシプロフロ
キサシン(特公昭63−56224)等の合成抗菌剤が開発さ
れ用いられている。
しかし、これらはキノリンやナフチリジン環を基体骨
格とするピリドンカルボン酸系誘導体であり、この母核
は抗菌活性と生体利用率のバランスの点で種々の欠点が
指摘されている。
格とするピリドンカルボン酸系誘導体であり、この母核
は抗菌活性と生体利用率のバランスの点で種々の欠点が
指摘されている。
一方、これらの欠点を解決するため、近年、7H−ピリ
ド[1,2,3−de][1,4]ベンズオキサジンを基本骨格と
して持つオフロキサシンなる抗菌剤が開発された(特公
昭61−11955)。この化合物は、抗菌活性に優れかつ生
体利用率も良く、in vitro及びin vivoにおいてバラン
スのとれた挙動を示す抗菌剤である。
ド[1,2,3−de][1,4]ベンズオキサジンを基本骨格と
して持つオフロキサシンなる抗菌剤が開発された(特公
昭61−11955)。この化合物は、抗菌活性に優れかつ生
体利用率も良く、in vitro及びin vivoにおいてバラン
スのとれた挙動を示す抗菌剤である。
発明が解決しようとする問題点 この様に、合成抗菌剤が生体に対して有効に作用する
ためには、抗菌活性と生体利用率の両方が優れている必
要がある。本発明はこのような問題点を解決したもので
ある。
ためには、抗菌活性と生体利用率の両方が優れている必
要がある。本発明はこのような問題点を解決したもので
ある。
問題点を解決するための手段 我々は、以前から抗菌活性が優れかつ生体利用率の良
い抗菌剤の開発に着手し研究を重ねてきた。そして、7H
−ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジンの如き
新規な縮合ヘテロ環骨格を有する化合物が、低毒性でか
つ適度な親水性、親油性のバランスを持つことを見い出
した。そこで、既存の合成項菌剤の置換基である飽和環
状アミン類をこれに導入した多くの化合物を合成し、種
々の菌に対する抗菌活性を測定したところ、これらの化
合物が緑膿菌の如きグラム陰性菌のみならずグラム陽性
菌に対しても強い抗菌活性を有し、かつ生体利用率の点
で優れていることを見い出し本発明を完成した。
い抗菌剤の開発に着手し研究を重ねてきた。そして、7H
−ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジンの如き
新規な縮合ヘテロ環骨格を有する化合物が、低毒性でか
つ適度な親水性、親油性のバランスを持つことを見い出
した。そこで、既存の合成項菌剤の置換基である飽和環
状アミン類をこれに導入した多くの化合物を合成し、種
々の菌に対する抗菌活性を測定したところ、これらの化
合物が緑膿菌の如きグラム陰性菌のみならずグラム陽性
菌に対しても強い抗菌活性を有し、かつ生体利用率の点
で優れていることを見い出し本発明を完成した。
本発明にかかる上記(I)で表される化合物は、一般
式(II) (式中、Xは窒素原子で置換した5〜7員環の飽和環状
アミン類を意味し、これらのアミン類はヘテロ原子を含
むこともあり、低級アルキル基、アミノ基、低級アルキ
ルアミノ基、アセチルアミノ基もしくはヒドロキシル基
が置換することもある。) で表される医療上きわめて有用な7H−ピリド[3,2,1−i
j][2,1]ベンズオキサジン誘導体の中間体として重要
な化合物である。
式(II) (式中、Xは窒素原子で置換した5〜7員環の飽和環状
アミン類を意味し、これらのアミン類はヘテロ原子を含
むこともあり、低級アルキル基、アミノ基、低級アルキ
ルアミノ基、アセチルアミノ基もしくはヒドロキシル基
が置換することもある。) で表される医療上きわめて有用な7H−ピリド[3,2,1−i
j][2,1]ベンズオキサジン誘導体の中間体として重要
な化合物である。
作用 上記一般式(I)で表される化合物は新規骨格を有す
る文献未載の化合物であり、我々によって初めて製造さ
れた。製造方法は幾通りかあるが、例えば下記の反応式
に示して説明する。
る文献未載の化合物であり、我々によって初めて製造さ
れた。製造方法は幾通りかあるが、例えば下記の反応式
に示して説明する。
即ち、式(III)の化合物をエトキシメチレンマロン
酸ジエチルで処理することにより定量的に式(IV)の化
合物を得、次いでこれを無水酢酸で処理して水酸基を保
護した化合物(V)とし、更にポリリン酸エチルと共に
加熱処理して化合物(VI)を得る。続いて、この(VI)
をオキシ塩化リンのようなハロゲン化剤で処理した後、
アルカリで処理して脱保護し(VIII)を得る。この(VI
II)をm−クロロ過安息香酸のような酸化剤で処理する
ことによって、分子内閉環反応を伴って、目的の7H−ピ
リド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジン骨格を持つ
式(I)の化合物を得ることが出来る。
酸ジエチルで処理することにより定量的に式(IV)の化
合物を得、次いでこれを無水酢酸で処理して水酸基を保
護した化合物(V)とし、更にポリリン酸エチルと共に
加熱処理して化合物(VI)を得る。続いて、この(VI)
をオキシ塩化リンのようなハロゲン化剤で処理した後、
アルカリで処理して脱保護し(VIII)を得る。この(VI
II)をm−クロロ過安息香酸のような酸化剤で処理する
ことによって、分子内閉環反応を伴って、目的の7H−ピ
リド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジン骨格を持つ
式(I)の化合物を得ることが出来る。
こうして得た本発明の化合物(I)は、適当な5〜7
員環の飽和環状アミン類との反応により医療上きわめて
有用な7H−ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジ
ン誘導体を得ることが出来、よって本発明化合物はきわ
めて有用な中間体である。
員環の飽和環状アミン類との反応により医療上きわめて
有用な7H−ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジ
ン誘導体を得ることが出来、よって本発明化合物はきわ
めて有用な中間体である。
実施例 次に、実施例及び参考例を挙げて本発明化合物を更に
具体的に説明する。
具体的に説明する。
実施例1. (a)(6−アミノ−2,3−ジフルオロ)フェネチルア
ルコール(III)4.68g(27mmol)及びエトキシメチレン
マロン酸ジエチル5.9g(27mmol)をエタノール30mlに溶
解し2.5時間還流する。反応後、溶媒を留去し得られた
残渣を四塩化炭素・ヘキサン(4:1)から再結晶すると
白色結晶として3,4−ジフルオロ−2−(2−ヒドロキ
シエチル)アニリノメチレンマロン酸ジエチル(IV)7.
81gを得る。
ルコール(III)4.68g(27mmol)及びエトキシメチレン
マロン酸ジエチル5.9g(27mmol)をエタノール30mlに溶
解し2.5時間還流する。反応後、溶媒を留去し得られた
残渣を四塩化炭素・ヘキサン(4:1)から再結晶すると
白色結晶として3,4−ジフルオロ−2−(2−ヒドロキ
シエチル)アニリノメチレンマロン酸ジエチル(IV)7.
81gを得る。
融点 :102−104℃ 質量分析:343(M+),298,278,179,166,154 IR :3480,3150,2970,1680,1640,1625,1610,146
5,1270,1100,800(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.31,1.36(各々3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 2.68 (1H,brs,−CH2CH2OH) 2.98 (2H,dt,J=2Hz,6Hz,−CH2CH2
OH) 3.94 (2H,t,J=6Hz,−CH2CH2OH) 4.23,4.29(各々2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 6.6−7.4 (2H,m,C5−H,C6−H) 8.29 (1H,d,J=13Hz,NH−CH=) 11.15 (1H,brd,J=13Hz,−NH−CH
=) (b)上記化合物7.69g(22mmol)を酢酸30mlに溶解
し、無水酢酸2.1ml(22mmol)、濃硫酸2滴を加え、室
温で1時間攪拌する。反応後、溶媒を留去し得られた残
渣を四塩化炭素から再結晶すると白色結晶として2−
(2−アセチルオキシエチル)−3,4−ジフルオロアニ
リノメチレンマロン酸ジエチル(V)6.61gを得る。
5,1270,1100,800(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.31,1.36(各々3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 2.68 (1H,brs,−CH2CH2OH) 2.98 (2H,dt,J=2Hz,6Hz,−CH2CH2
OH) 3.94 (2H,t,J=6Hz,−CH2CH2OH) 4.23,4.29(各々2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 6.6−7.4 (2H,m,C5−H,C6−H) 8.29 (1H,d,J=13Hz,NH−CH=) 11.15 (1H,brd,J=13Hz,−NH−CH
=) (b)上記化合物7.69g(22mmol)を酢酸30mlに溶解
し、無水酢酸2.1ml(22mmol)、濃硫酸2滴を加え、室
温で1時間攪拌する。反応後、溶媒を留去し得られた残
渣を四塩化炭素から再結晶すると白色結晶として2−
(2−アセチルオキシエチル)−3,4−ジフルオロアニ
リノメチレンマロン酸ジエチル(V)6.61gを得る。
融点 :117−118℃ 質量分析:385(M+),340,278,205,179,166 IR :3230,2980,1740,1685,1640,1590,1280,123
5,1040,800(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.32,1.39(各々3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 2.03 (3H,s,−COCH3) 3.09 (2H,dt,J=2Hz,6Hz,−CH2CH2
O−) 4.0−4.6 (6H,m,−CH2CH2O−,−CH2CH
3) 6.7−7.5 (2H,m,C5−H,C6−H) 8.32 (1H,d,J=13Hz,NH−CH=) 11.10 (1H,brd,J=13Hz,−NH−CH
=) (c)上記化合物6.44g(17mmol)とポリリン酸エチル3
0gを仕込み、メカニカルスターラーで激しく攪拌しなが
ら110〜130℃で30分攪拌する。反応後、混合物を氷水15
0mlに注ぎ室温でしばらく攪拌した後、クロロホルムで
3回抽出する。有機層を5%炭酸カリウム、水の順に洗
浄したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮し、得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
す。塩化メチレンで溶出し、目的画分を集めて濃縮する
と8−(2−アセチルオキシエチル)−6,7−ジフルオ
ロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボン酸エチル
(VI)3.46gを得る。
5,1040,800(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.32,1.39(各々3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 2.03 (3H,s,−COCH3) 3.09 (2H,dt,J=2Hz,6Hz,−CH2CH2
O−) 4.0−4.6 (6H,m,−CH2CH2O−,−CH2CH
3) 6.7−7.5 (2H,m,C5−H,C6−H) 8.32 (1H,d,J=13Hz,NH−CH=) 11.10 (1H,brd,J=13Hz,−NH−CH
=) (c)上記化合物6.44g(17mmol)とポリリン酸エチル3
0gを仕込み、メカニカルスターラーで激しく攪拌しなが
ら110〜130℃で30分攪拌する。反応後、混合物を氷水15
0mlに注ぎ室温でしばらく攪拌した後、クロロホルムで
3回抽出する。有機層を5%炭酸カリウム、水の順に洗
浄したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮し、得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
す。塩化メチレンで溶出し、目的画分を集めて濃縮する
と8−(2−アセチルオキシエチル)−6,7−ジフルオ
ロ−4−ヒドロキシキノリン−3−カルボン酸エチル
(VI)3.46gを得る。
融点 :209−211℃(分解) 質量分析:339(M+),296,280,250,234,207 IR :3080,1740,1720,1690,1475,1230,1030,805
(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 1.59(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 2.20(3H,s,−COCH3) 3.70(2H,dt,J=2Hz,7Hz,−CH2CH2O−) 4.60(2H,t,J=7Hz,−CH2CH2O−) 4.77(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 8.41(1H,t,C5−H) 9.48(1H,s,C2−H) (d)上記化合物3.81g(11mmol)、オキシ塩化リン9.1
ml(98mmol)およびトルエン50mlを仕込み、1.5時間還
流する。反応後、溶媒を留去し残渣をクロロホルムに溶
解した後、5%炭酸カリウム、水の順に洗浄し無水硫酸
ナトリウムで乾燥して濃縮し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付す。クロロホルムで溶
出し目的画分を集めて濃縮すると、8−(2−アセチル
オキシエチル)−4−クロロ−6,7−ジフルオロキノリ
ン−3−カルボン酸エチル(VII)3.57gを得る。
(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 1.59(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 2.20(3H,s,−COCH3) 3.70(2H,dt,J=2Hz,7Hz,−CH2CH2O−) 4.60(2H,t,J=7Hz,−CH2CH2O−) 4.77(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 8.41(1H,t,C5−H) 9.48(1H,s,C2−H) (d)上記化合物3.81g(11mmol)、オキシ塩化リン9.1
ml(98mmol)およびトルエン50mlを仕込み、1.5時間還
流する。反応後、溶媒を留去し残渣をクロロホルムに溶
解した後、5%炭酸カリウム、水の順に洗浄し無水硫酸
ナトリウムで乾燥して濃縮し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付す。クロロホルムで溶
出し目的画分を集めて濃縮すると、8−(2−アセチル
オキシエチル)−4−クロロ−6,7−ジフルオロキノリ
ン−3−カルボン酸エチル(VII)3.57gを得る。
融点 :59−61℃ 質量分析:357(M+),314,297,286,268 IR :3070,2900,1730,1490,1260,1240,1035,805
(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.48(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 1.98(3H,s,−COCH3) 3.63(2H,dt,J=2Hz,7Hz,−CH2CH2O−) 4.44(2H,t,J=7Hz,−CH2CH2O−) 4.51(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 8.06(1H,dd,J=9Hz,11Hz,C5−H) 9.16(1H,s,C2−H) (e)上記化合物3.79g(11mmol)をエタノール200mlに
溶解し氷冷する。そこへ2N−水酸化ナトリウム5.55ml
(11mmol)を内温3〜4℃で滴下し、同温度で1時間攪
拌する。反応後、1N−酢酸11ml(11mmol)を滴下し溶媒
を留去し、クロロホルムに溶解して水で洗浄する。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、四塩
化炭素・クロロホルム(1:1)で溶出し目的画分を集め
て濃縮する。四塩化炭素から再結晶して4−クロロ−6,
7−ジフルオロ−8−(2−ヒドロキシエチル)キノリ
ン−3−カルボン酸エチル(VIII)2.07gを得る。
(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.48(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 1.98(3H,s,−COCH3) 3.63(2H,dt,J=2Hz,7Hz,−CH2CH2O−) 4.44(2H,t,J=7Hz,−CH2CH2O−) 4.51(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 8.06(1H,dd,J=9Hz,11Hz,C5−H) 9.16(1H,s,C2−H) (e)上記化合物3.79g(11mmol)をエタノール200mlに
溶解し氷冷する。そこへ2N−水酸化ナトリウム5.55ml
(11mmol)を内温3〜4℃で滴下し、同温度で1時間攪
拌する。反応後、1N−酢酸11ml(11mmol)を滴下し溶媒
を留去し、クロロホルムに溶解して水で洗浄する。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮し、得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、四塩
化炭素・クロロホルム(1:1)で溶出し目的画分を集め
て濃縮する。四塩化炭素から再結晶して4−クロロ−6,
7−ジフルオロ−8−(2−ヒドロキシエチル)キノリ
ン−3−カルボン酸エチル(VIII)2.07gを得る。
融点 :103−4℃ 質量分析:315(M+),298,285,270,257 IR :3290,2940,1735,1710,1490,1260,1215,104
0,805(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.44(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 3.14(1H,brs,−CH2CH2OH) 3.49(2H,dt,J=2Hz,6Hz,−CH2CH2O−) 3.95(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 4.46(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 7.97(1H,dd,J=8Hz,10Hz,C5−H) 9.08(1H,s,C2−H) (f)上記化合物2.07g(6.6mmol)及びm−クロロ過安
息香酸2.26g(13.1mmol)をクロロホルム50mlに溶解
し、64時間還流する。反応後、5%炭酸カリウム、水の
順に洗浄したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液:クロロホルム)に付す。目的物は混合画分
として溶出されるので、これを更にカラムクロマトグラ
フィー(溶出液:四塩化炭素:酢酸エチル=4:1)に付
す。目的の画分を集めて濃縮すると9,10−ジフルオロ−
7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−ij]
[2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸エチル(I
のRがエチル基の化合物)0.12gを得る。
0,805(cm-1) NMR :CDCl3(ppm) 1.44(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 3.14(1H,brs,−CH2CH2OH) 3.49(2H,dt,J=2Hz,6Hz,−CH2CH2O−) 3.95(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 4.46(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 7.97(1H,dd,J=8Hz,10Hz,C5−H) 9.08(1H,s,C2−H) (f)上記化合物2.07g(6.6mmol)及びm−クロロ過安
息香酸2.26g(13.1mmol)をクロロホルム50mlに溶解
し、64時間還流する。反応後、5%炭酸カリウム、水の
順に洗浄したのち無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液:クロロホルム)に付す。目的物は混合画分
として溶出されるので、これを更にカラムクロマトグラ
フィー(溶出液:四塩化炭素:酢酸エチル=4:1)に付
す。目的の画分を集めて濃縮すると9,10−ジフルオロ−
7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−ij]
[2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸エチル(I
のRがエチル基の化合物)0.12gを得る。
融点 :242−3℃ 質量分析:295(M+),250,223,220,193,165 IR :2980,1720,1620,1600,1470,1240,1040,805
(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 1.55(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 3.58(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 4.71(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 4.99(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 8.40(1H,dd,J=8Hz,5Hz,C8−H) 9.36(1H,s,C5−H) 実施例2. 実施例1.で得た化合物1.17g(4.0mmol)に濃塩酸・酢
酸混液(1:4)20mlを加え、100〜110℃で3.5時間攪拌す
る。反応後、水50mlを加え氷浴で攪拌しながら冷却す
る。析出結晶を濾取しアセトンで洗浄後乾燥し、DMF・
エタノール(1:3)から再結晶すると白色結晶として9,1
0−ジフルオロ−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリ
ド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボ
ン酸(IのRが水素原子の化合物)0.746gを得る。
(cm-1) NMR :CF3COOD(ppm) 1.55(3H,t,J=7Hz,−CH2CH3) 3.58(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 4.71(2H,q,J=7Hz,−CH2CH3) 4.99(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 8.40(1H,dd,J=8Hz,5Hz,C8−H) 9.36(1H,s,C5−H) 実施例2. 実施例1.で得た化合物1.17g(4.0mmol)に濃塩酸・酢
酸混液(1:4)20mlを加え、100〜110℃で3.5時間攪拌す
る。反応後、水50mlを加え氷浴で攪拌しながら冷却す
る。析出結晶を濾取しアセトンで洗浄後乾燥し、DMF・
エタノール(1:3)から再結晶すると白色結晶として9,1
0−ジフルオロ−7−オキソ−1,2−ジヒドロ−7H−ピリ
ド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボ
ン酸(IのRが水素原子の化合物)0.746gを得る。
融点 :279−83℃(分解) 元素分析:C12H7F2NO4(MW=267.187) 理論値 H2.64%,C53.94%,N5.24% 実測値 H2.51%,C53.94%,N5.20% 質量分析:267(M+),223,193,165 IR :3050,1705,1625,1550,1470,1320,815(c
m-1) NMR :CF3COOD(ppm) 3.61(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 5.01(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 8.42(1H,dd,J=8Hz,9Hz,C8−H) 9.40(1H,s,C5−H) 参考例 実施例2.で得た化合物0.21g(0.77mmol)及び無水ピ
ペラジン0.33g(3.85mmol)をジメチルスルホキシド2ml
に加え、100〜110℃で20分攪拌する。反応後、水を加え
10%酢酸で中和し氷浴で攪拌しながら冷却する。析出結
晶を濾取し水及びアセトンで洗浄後乾燥し、DMF・水か
ら再結晶すると9−フルオロ−7−オキソ−10−(1−
ピペラジニル)−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−
ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸を0.20g
を得る。
m-1) NMR :CF3COOD(ppm) 3.61(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 5.01(2H,t,J=6Hz,−CH2CH2O−) 8.42(1H,dd,J=8Hz,9Hz,C8−H) 9.40(1H,s,C5−H) 参考例 実施例2.で得た化合物0.21g(0.77mmol)及び無水ピ
ペラジン0.33g(3.85mmol)をジメチルスルホキシド2ml
に加え、100〜110℃で20分攪拌する。反応後、水を加え
10%酢酸で中和し氷浴で攪拌しながら冷却する。析出結
晶を濾取し水及びアセトンで洗浄後乾燥し、DMF・水か
ら再結晶すると9−フルオロ−7−オキソ−10−(1−
ピペラジニル)−1,2−ジヒドロ−7H−ピリド[3,2,1−
ij][2,1]ベンズオキサジン−6−カルボン酸を0.20g
を得る。
融点 :246℃(分解) 元素分析:C16H16FN3O4・3/4H2O 理論値 H5.09%,C55.41%,N12.12% 実測値 H5.09%,C55.65%,N12.00% 質量分析:333(M+),291,289,259,233,189 IR :2850,1610,1580,1450,1380,1265,830(c
m-1) NMR :CF3COOD(ppm) 3.2−4.4(10H,m,−CH2CH2O−,piperazine
−CH2) 4.91 (2H,t,−CH2CH2O−) 8.34 (1H,d,J=12Hz,C8−H) 9.37 (1H,s,C5−H)
m-1) NMR :CF3COOD(ppm) 3.2−4.4(10H,m,−CH2CH2O−,piperazine
−CH2) 4.91 (2H,t,−CH2CH2O−) 8.34 (1H,d,J=12Hz,C8−H) 9.37 (1H,s,C5−H)
フロントページの続き 審査官 谷尾 忍 (56)参考文献 特開 平2−157282(JP,A) 特開 昭57−46986(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 498/06 A61K 31/535 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】一般式 (式中、Rは水素原子あるいは低級アルキル基を意味す
る。) で表される7H−ピリド[3,2,1−ij][2,1]ベンズオキ
サジン誘導体およびその塩。 - 【請求項2】Rが水素原子である請求項等1項記載の化
合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2338957A JP3013261B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 7H―ピリド〔3,2,1―ij〕〔2,1〕ベンズオキサジン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2338957A JP3013261B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 7H―ピリド〔3,2,1―ij〕〔2,1〕ベンズオキサジン誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04208287A JPH04208287A (ja) | 1992-07-29 |
JP3013261B2 true JP3013261B2 (ja) | 2000-02-28 |
Family
ID=18322929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2338957A Expired - Lifetime JP3013261B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 7H―ピリド〔3,2,1―ij〕〔2,1〕ベンズオキサジン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3013261B2 (ja) |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP2338957A patent/JP3013261B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04208287A (ja) | 1992-07-29 |
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