JP3012999B2 - 光部品の接続構造 - Google Patents

光部品の接続構造

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JP3012999B2 JP3065507A JP6550791A JP3012999B2 JP 3012999 B2 JP3012999 B2 JP 3012999B2 JP 3065507 A JP3065507 A JP 3065507A JP 6550791 A JP6550791 A JP 6550791A JP 3012999 B2 JP3012999 B2 JP 3012999B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導波路や光ファイバ
等の光部品間を光学的に接続する光部品の接続構造に関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来、3次元光導波路と光ファイバを接続
する方法には、以下のようなものがあった。
【0003】直接光ファイバと光導波路の端面同士を
接続するようにしたもの(BUTT-JOINT法)。両者間の固
定には、接着剤を用いたり、レーザ溶着を行う。
【0004】光ファイバ先端を先球状にしたり、光フ
ァイバのコア形状を細くしたりして、該コア形状を光導
波路の断面形状に近づけることにより、その結合効率を
高めるようにしたもの。
【0005】光ファイバと光導波路の間にレンズを入
れたり、光導波路の接続端面付近をレンズ効果を持たせ
るような形状にしたもの。
【0006】光導波路に光ファイバを接着する固定用
接着剤に集光効果を持たせたものとして、屈折率の異な
る2種類の接着剤を用いて、接着剤内にコア部とクラッ
ド部を形成したり、レンズを作ったりして、光ファイバ
出射端面からの光の広がりを小さくした構造のもの。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記各従
来例には、以下のような問題点があった。
【0008】(1)上記の従来例においては、接続の
結合効率が、直接光ファイバと光導波路の位置合わせ精
度によって決定されてしまうため、位置決めの許容誤差
が厳しくなり、少しでもその位置がずれると結合効率が
かなり悪くなってしまう。
【0009】(2)上記の従来例において、光ファイ
バのコア形状を光導波路の断面形状に近づける方法は困
難である。また、光ファイバ先端が先球状の場合、該光
ファイバの光導波路への接続固定方法が、通常に端面を
カットしてある光ファイバの光導波路への接続固定方法
に比較して不安定である。
【0010】(3)上記の従来例において、光ファイ
バと光導波路間にレンズを入れる場合、数十ミクロンの
レンズの製作が高価となる。また光導波路側にレンズ部
を形成する場合は、光導波路の作製が複雑になる。
【0011】(4)上記の従来例においては、接着剤
による接着・固定の工程が複雑になる。
【0012】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、光導波路と光ファイバ
との光の結合効率を安定して高めることができ、しかも
その構造が簡単で、その接続作業が容易な光部品の接続
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明は、光部品の接続構造を以下の〜の構成要
件によって構成した。
【0014】使用する波長の光に対して光学的に透明
で、楕円面或いは回転楕円体面からなる反射面を有する
ブロックを具備すること。ここでこのブロックとして
は、楕円面(楕円柱の側面)或いは回転楕円体面形状の
側面を有するガラスブロック、有機高分子樹脂などの個
体ブロックが考えられる。
【0015】前記楕円の2つの焦点上又はその近傍に
それぞれ2つの光部品の光入出射端面を配置すること。
この光部品としては、例えば、レーザーダイオード、発
光ダイオード、光ファイバ、光導波路デバイス、などが
考えられる。
【0016】一方の焦点に配置された光部品から出射
された光の全てが前記反射面で反射されること。つまり
一方の焦点に配置された光部品から出射された光が直接
他方の焦点に入射することがないこと。
【0017】該反射面で反射されて他方の焦点に配置
された光部品に入射する光の入射角がその光部品の光の
最大開口角(最大受光角)よりも小さくなるように、前
記2つの光部品の配置角度を設定したこと。
【0018】
【作用】上記の如く光部品の入出射端面を楕円の2つの
焦点上又はその近傍に配置したので、一方の光部品から
光学的媒体中に放射されその反射面で反射された光は、
もう一方の焦点に集光され、該焦点に配置した光部品中
に入射される。しかも該入射する光の入射角はいずれも
該光部品の最大開口角よりも小さくなるように構成され
ているので原理上全て該光部品中に入射・伝搬されてい
く。従って、光部品間の光の結合効率が安定して高めら
れる。
【0019】また本発明においては、一方の光部品から
光学的媒体中に放射される光はすべてその反射面で反射
され、他方の光部品中に導入されるが、楕円の性質から
一方の焦点から他方の焦点に至るまでの光学的媒体中で
の光の光路長は全て等しい。このため光の位相が光学的
媒体中を通過する光の経路によって変化することはな
く、全て一致する。
【0020】
【実施例】以下、本発明にかかる光部品の接続構造の実
施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の1実施例を示す図であり、
同図(a)は平面図、同図(b)は斜視図である。同図
に示すようにこの実施例においては、光ファイバ5と光
導波路6の光入出射端面をブロック1に接続して構成さ
れている。以下各構成部品について説明する。
【0022】ブロック1は、使用する波長の光に対して
光学的に透明な材料(例えばガラス、有機高分子樹脂な
ど)で構成されており、その形状は長軸を中心に回転し
た回転楕円体をその長軸を含む面で2つに切断した形状
に構成されている。またこのブロック1の一端部(同図
の右端部)は、回転楕円体の長軸に垂直で焦点Bを含む
面で切断されている。この切断面を光導波路接続面11
とする。
【0023】そして光導波路6は、その端面の中心がブ
ロック1の焦点B上に位置するように、その端面をブロ
ック1の光導波路接続面11に接続する。
【0024】一方光ファイバ5は、そのコア端面がブロ
ック1の焦点A上に位置するように、その端面をブロッ
ク1の面に接続させる。
【0025】なお光ファイバと光導波路6のブロック1
への接続角度には、所定の条件が必要であるが、該条件
の説明は次の作用の説明の中で行なう。
【0026】図2はこの実施例の作用を説明するための
図である。同図に示すように光ファイバ5のコア端面か
らブロック1内に出射された光は、該コア端面を中心に
して所定の放射角度をもって放射される。ここでこの放
射光の内、最も右側(最も光導波路6に近い側)の放射
光と長軸(2つの焦点A,Bを結ぶ直線)のなす角度を
θとする。
【0027】一方この光ファイバ5は長軸に対して垂直
に取り付けられているので、該放射光の全てはブロック
1の回転楕円体面によって反射される。つまり該放射光
の内で直接焦点Bに向かう光はない。
【0028】そして該回転楕円体面によって反射された
反射光の全ては、回転楕円体面の性質によって、もう一
方の焦点Bに集光される。ところで光導波路6には該光
導波路6内に光を導入できる最大開口角α(開口数N
A)がある(同図に点線で示す)。そして同図に示すよ
うに焦点Bに集光される反射光の全てはこの最大開口角
α以下の角度で入射するので、これら反射光の全ては光
導波路6内を有効に伝搬していくこととなる。
【0029】ここで光ファイバー5から発射された光が
光導波路6内に全て導入され伝搬されていく条件は、以
下のとおりである。
【0030】即ち、光ファイバ5から放射される光の
内、最も右側の光(最も光導波路6に近い側の光)が2
つの焦点A,Bを結ぶ軸となす角度をθとし、また光導
波路6の最大開口角が2つの焦点A,Bを結ぶ軸となす
角度をαとすると、それぞれの角度θ,αが、式(1)
の条件を満たすときである。
【0031】
【数1】
【0032】なお同式において、aは楕円長軸半径、b
は楕円短軸半径、
【0033】この条件を満たせば、光ファイバ5から光
導波路6へ導入される光の結合効率は、反射損失や伝搬
損失を除くと、原理上100%を得ることができる。
【0034】なお上記式(1)は以下の方法によって求め
る。即ち、図2に示す任意の光線Lについて、光ファイ
バ5から出射された光線Lが楕円の長軸(x軸)となす
角度をθ1とし、該光線Lが楕円面Pで反射されてもう
一方の焦点Bに向かうときに長軸となす角度をψとし
て、該角度θ1とψの関係を求めると、式(2)に示す
ものとなる。
【0035】
【数2】
【0036】ここで、出射光線Lが全て光導波路6に入
射するには、入射角ψが光導波路6の開口角αより小さ
ければ良い。つまり tanα>tanψ ・・・式(3) であればよいから、この式(3)を式(2)に代入する
とともにθ1をθに置き換えれば、式(1)が求められ
るのである。つまりこの式(1)を満足する限り光ファ
イバ5端面から出射された光は全て光導波路6に集光さ
れ、伝搬される。
【0037】ところで、以上の条件を満たしさえすれ
ば、上記実施例以外の角度でブロック1に光ファイバ5
と光導波路6を接続してもよい。
【0038】図3はこのような他の実施例を示す図であ
る。この実施例においては、上記図1に示す実施例と相
違し、光ファイバ5と光導波路6の接続角度を異ならせ
ている。このような角度で接続しても、上記条件を満た
すようにθとαを定めれば、原理上光ファイバ5から発
射された光の全ては光導波路6に入射、伝搬されていく
こととなる。
【0039】上記各実施例においては、いずれも光学的
媒体として回転楕円体形状のブロック1を用いたが、回
転楕円体の代わりに図4に示すような楕円柱形状のブロ
ック1′を用いてもよい。この場合も2つの焦点A,B
にそれぞれ2つの光部品の端面を接続し、上記式(1)の
条件を満たすように両光部品を配置すれば、一方の光部
品からブロック1′中に放射されその楕円面で反射され
た光の殆どは、他の光部品中に導入され伝搬されること
となる。
【0040】
【0041】なお本発明においては、一方の光部品から
光学的媒体中に出射される光はすべてその反射面で反射
された後に他方の光部品中に導入されるが、この場合、
楕円の性質から一方の焦点から他方の焦点(即ち一方の
光部品から他方の光部品)に至るまでの光学的媒体中で
の光の光路長は全て等しい。このため光の位相が光学的
媒体中を通過する光の経路によって変化することはな
く、全て一致する。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる光部品の接続構造によれば、以下のような優れた効
果を有する。
【0043】光部品間の光の結合効率を安定して高め
ることができる。
【0044】ブロックを用いるので、光ファイバや光
導波路などの光部品の光入出射端面の構造を特別な形状
にしなくてもよい。このためこれら各光部品の製造及び
これら各光部品の接続が容易且つ確実となる。
【0045】一方の光部品からブロック中に出射され
他方の光部品に入射される光は全てその位相が一致す
る。
【0046】ブロックの2つの焦点を含む接続面を備
え、これら2つの焦点上又はその近傍に2つの光部品の
光入出射端面を当接するだけでその接続ができるので、
正確に位置決めすることが容易に行なえる。またブロッ
とこれに接続する光部品の端面はいずれも平面状に構
成できる。そして平面状に構成した場合は、接触面積が
広く取れ、さらにその接続が安定して確実・容易に行な
える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す図であり、同図(a)
は平面図、同図(b)は斜視図である。
【図2】図1に示す実施例の作用を説明するための図で
ある。
【図3】本発明の他の実施例を示す図である。
【図4】光学的媒体の他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,1′ ブロック(光学的媒体) A,B 焦点 5 光ファイバ(光部品) 6 光導波路(光部品)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/10 G02B 6/26 - 6/43

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用する波長の光に対して光学的に透明
    で、楕円面或いは回転楕円体面からなる反射面を有する
    ブロックを具備し、該ブロックは2つの焦点を含む接続面を備え、これら
    つの焦点上又はその近傍に2つの光部品の光入出射端面
    当接して接続し、 前記一方の焦点に配置された光部品から出射された光の
    全てが前記反射面で反射されるとともに、該反射面で反
    射されて他方の焦点に配置された光部品に入射する光の
    入射角が該光部品の光の最大開口角よりも小さくなるよ
    うに、前記2つの光部品の配置角度を設定したことを特
    徴とする光部品の接続構造。
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