JP3012980B2 - 食品包装材及びその製造法 - Google Patents

食品包装材及びその製造法

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JP3012980B2
JP3012980B2 JP10224012A JP22401298A JP3012980B2 JP 3012980 B2 JP3012980 B2 JP 3012980B2 JP 10224012 A JP10224012 A JP 10224012A JP 22401298 A JP22401298 A JP 22401298A JP 3012980 B2 JP3012980 B2 JP 3012980B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品を包装するた
めのプラスチックフィルム食品包装材及びその製造方
法、更に詳しくは被包装食品と接触する面にポリオレフ
ィン系樹脂層を備えた熱収縮性及びガスバリヤー性多層
プラスチックフィルム食品包装材及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来加工肉等の食品を包装するための包
装材として熱収縮性及びガスバリヤー性を有する種々の
多層プラスチックフィルムが知られているが、その1つ
に包装されるべき食品と接触する面にポリオレフィン系
樹脂層を備えた熱収縮性及びガスバリヤー性多層プラス
チックフィルムがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】被包装食品と接する面
にポリオレフィン樹脂層を有する多層プラスチックフィ
ルムは、汎用されているにも拘らず、該樹脂層が食品殊
にハム、ソーセージ等の加工肉との密着性に乏しく、そ
の為に熱収縮包装直後又は経時により、加工肉と包装材
との間に隙間が生じ、該隙間に肉汁、水分等がたまるい
わゆる離水現象が生じ、雑菌が繁殖し易くなり加工肉の
保存性を低下させるという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はポリオレフィン
を被包装食品と接する面に有する多層プラスチックフィ
ルムのこのような従来の問題点を解決し、被包装食品と
の密着性に優れ従って食品の保存性に優れる食品包装材
を提供しようとするものである。
【0005】また本発明の目的は被包装食品に対し優れ
た密着性を有するにも拘らず、ブロッキング現象を伴う
ことのない食品包装材を提供しようとするものである。
【0006】また本発明の目的は上記食品包装材を容易
に製造できる方法を提供しようとするものである。
【0007】本発明の食品包装材は、包装されるべき食
品と接触する面にポリオレフィン系樹脂層を備えた熱収
縮性及びガスバリヤー性を有する多層プラスチックフィ
ルムであって、該ポリオレフィン系樹脂層の被包装材と
接触する面がコロナ放電処理されていることにより特徴
付けられる。更に本発明食品包装材は上記ポリオレフィ
ン系樹脂層のコロナ放電処理面が更にブロッキング防止
剤で処理されていることによっても特徴付けられる。
【0008】本発明者の研究に依れば、食品包装用多層
プラスチックフィルムの被包装食品と接するポリオレフ
ィン系樹脂層表面がコロナ放電処理されているときは、
該ポリオレフィン系樹脂層のハム、ソーセージ等の加工
肉との密着性が顕著に改善され製造直後はもとより経時
的にも離水現象を生ずることなく従って食品を長期に安
全に保存できることが見出された。
【0009】更に本発明者の研究によればポリオレフィ
ン系樹脂層のコロナ放電処理面がブロッキング防止剤で
処理されているときは、ポリオレフィン系樹脂層の加工
肉に対する上記優れた密着性を損なうことなくブロッキ
ング現象の発生のみを効果的に抑止し得ることが見出さ
れた。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明多層プラスチックフィルム
は、被包装食品と接する面にポリオレフィン系樹脂層を
備えている。ポリオレフィン系樹脂としてはたとえばオ
レフィン類の単独重合体、相互共重合体、他の共重合可
能なモノマーたとえば他のビニル系モノマー等との共重
合体及びこれらの変性重合体等を例示できる。具体的に
はたとえば低密度から高密度に亘る各種密度のポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、これらの相互共重
合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性ポリオレフィ
ン系樹脂等を例示できる。ここで変性ポリオレフィン系
樹脂には、上記オレフィン類の単独又は共重合体等にた
とえばマレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸又は
その酸無水物、エステル若しくは金属塩等の誘導体を共
重合たとえばグラフト共重合した変性重合体を代表的な
ものとして例示でき、上記変性重合体の単独又は他の成
分、例えば他のポリオレフィン系樹脂との混合物が含ま
れる。特に好ましいポリオレフィン系樹脂は低密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン、アイオノマー樹
脂、変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル
共重合体等である。上記ポリオレフィン系樹脂は単独で
或は2種以上混合して用いられ得る。
【0011】本発明積層フィルムは、要求される強度や
ガスバリヤー性等の程度に応じ、2層〜5層或はそれ以
上の樹脂層を以って構成される。被包装食品と接触する
面を形成するポリオレフィン系樹脂は、それ自身酸素等
に対するガスバリヤー性に乏しいものがあり、そのよう
な場合にはこれに積層される樹脂層の少くとも1つはガ
スバリヤー性を有する樹脂が用いられる。ガスバリヤー
性を有する樹脂には、ナイロン6、ナイロン6.6、こ
れらの共重合体等のポリアミド系樹脂(ナイロン)、芳
香族系ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−ビニルアル
コール共重合体等を例示することができる。またガスバ
リヤー性に乏しい樹脂として、前記に例示した如きポリ
オレフィン、その相互共重合体、酢酸ビニルやアクリル
酸との共重合体、変性ポリオレフィン系樹脂、アイオノ
マー樹脂等のポリオレフィン系樹脂等を例示することが
でき、更にガスバリヤー性につき上記両者の中間的な樹
脂としてポリエステル系樹脂等を例示することもでき
る。
【0012】好ましい積層フィルムの態様は、被包装食
品と接触する最内層を形成するポリオレフィン系樹脂層
に中間層を介し又は介さずに耐衝撃性及び耐摩耗性に優
れた樹脂層を最外層であるベースフィルムとして積層し
たフィルムであり、好ましい1例としてたとえば最外層
ベースフィルム、中間接着層、ポリオレフィン系樹脂最
内層の三層構成のフィルムをあげることができる。上記
性質を有するベースフィルムとしては、好ましくはナイ
ロン6、ナイロン6.6及びその共重合体等のポリアミ
ド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル
系樹脂等が用いられる。特に好ましいのはナイロン6、
ナイロン6.6及びその共重合体等のポリアミド系樹脂
等である。ベースフィルムが充分なガスバリヤー性を有
し且つ最内層ポリオレフィン系樹脂層に接着性を有する
ときは、両者の間に中間層を介在させる必要はない。し
かし両者が接着性を有しないか乏しい時、両者に接着性
を有する中間層を接着層として介在させる必要がある。
またベースフィルムがガスバリヤー性を有しないか或は
有していても更に高度のガスバリヤー性を要求される時
中間層としてガスバリヤー性を有する樹脂層を介在させ
て要求されるガスバリヤー性を充足させることができ
る。中間層は1層であってもよいが、2層以上であって
もよい。中間層として各種の樹脂を使用できたとえば変
性ポリオレフィン系樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン
−エチルアクリレート樹脂、エチレン−アクリル酸樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、芳香族系ポ
リアミド樹脂、エチレン−メタアクリル酸共重合体及び
これらの混合物等を例示できる。中間層樹脂としては隣
れる樹脂層に良好な接着性を有する樹脂が選択使用され
る。また中間層にガスバリヤー性や強度が要求される場
合にはその程度に応じて適当な性質を有するものが選択
使用される。たとえば最外層ベースフィルムとしてガス
バリヤー性に優れ且つ強靱なナイロン6、ナイロン6.
6等のポリアミト系樹脂が用いられた時、中間層として
は、最内層ポリオレフィン系樹脂層及び上記ポリアミド
系樹脂層に良好な接着性を有する変性ポリオレフィン系
樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−ビニルアルコール
共重合体等が用いられる。これらのうち殊に中間層とし
て変性ポリオレフィン系樹脂或はそれ自身ガスバリヤー
性と保香性を有するエチレン−ビニルアルコール共重合
体樹脂を用いるのは好ましい態様である。中間層を2層
以上設け積層フィルムのガスバリヤー性を向上させた
り、或は用途面から要求される各種特性を積層フィルム
に付与したりすることができる。
【0013】積層フィルムを構成する各層の樹脂として
は、種々の組合わせを採用できる。好ましい組合わせ例
を最外層/1又は複数の中間層/最内層の順に表示する
と以下の通りである。尚下記に於て各アルファベット記
号は下記の樹脂を表示するものとする。
【0014】A:ポリアミド系樹脂 B:変性ポリオレフィン系樹脂 C:ポリオレフィン系樹脂 D:ポリアミド系樹脂以外のガスバリヤー性樹脂 A/B/C、A/D/C、B/A/B、B/D/B、A
/D/B、B/A/B/C、B/D/B/C、A/D/
B/C、A/B/D/B、B/D/A/B、B/A/D
/B、C/B/D/B/C、A/B/D/B/C、B/
A/D/B/C、B/D/A/B/C、B/D-1/D-2
/B/C、D/A/B/C、A/B/C-1/C-2 尚上記に於てC-1及びC-2は夫々異なるポリオレフィン
系樹脂をD-1及びD-2は夫々異なるガスバリヤー性樹脂
を示す。
【0015】上記組合せに於てBをアイオノマー樹脂に
代えたもの、また最外層を塩化ビニリデン樹脂層(D)
におきかえたもの又は塩化ビニリデン樹脂層を更にコー
トしたものも包含される。またDとしてエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体(ガスバリヤー性を有する)を使
用することもできる。
【0016】本発明包装材の対象とする被包装食品とし
てはハム、ソーセージ、ベーコン等の食肉加工品、魚肉
加工品、並びにカマボコ、チクワ等のねり加工品等を例
示できる。また包装材の形態としては、ケーシング、袋
状物等を例示できる。多層プラスチックフィルムとして
シームレスチューブを用いる場合はたとえば適宜長にカ
ットし、そのままケーシング、袋状物等として用いる等
任意の方法を採ればよく、フラットなフィルムを用いる
場合は常法により適宜形態の包装材とすればよい。
【0017】また、本発明における包装されるべき食品
と接触する面のポリオレフィン系樹脂層は包装材の形態
によってはヒートシーラント層として作用する場合もあ
る。
【0018】本発明の積層フィルムはフラットな形態の
もの及びチューブ状の形態のものを包含し、最も好まし
いものはシームレスチューブ状の積層フィルムである。
コロナ放電処理はフラットなフィルムに対しては常法に
従って行えばよい。シームレスチューブ状の積層フィル
ムへのコロナ放電処理は、特に制限はないが、本発明に
よれば、チューブ内に気体を含ませた状態で該チューブ
の外部から内部に向けてコロナ放電処理する方法が好ま
しい方法として採用され、これによりチューブ内面のポ
リオレフィン系樹脂層の表面の濡れ張力を大巾に増大せ
しめ得る。これに反し気体を含ませない状態でチューブ
外部からコロナ放電処理しても内層のポリオレフィン系
樹脂層表面の濡れ張力を増大させることはできない。コ
ロナ放電処理に当たってチューブ内に含ませる気体は、
少くともチューブ状フィルムの内面同志が処理中に接触
することのない量を存在させればよい。フィルムの内面
と内面との間隔は通常コロナ放電の為の電極間間隔にほ
ぼ一致するから、これを保てるに充分な気体を含ませれ
ばよい。コロナ放電処理の為の装置はフラット或はチュ
ーブ状フィルムの何れに対しても公知のものを使用でき
る。通常放電電極と対電極とから成り、両電極間にフィ
ルムをおき、可動的に取付けられた一方の電極により適
宜の電極間間隔を設定して放電電極から対電極にコロナ
放電させればよい。コロナ放電条件は処理されるべきフ
ィルムの種類、厚さ、送り速度等の条件に応じて適宜定
められる。コロナ放電処理によりポリオレフィン系樹脂
層の加工肉に対する密着性は著るしく改善される。被包
装食品を熱収縮包装すると包装材から被包装食品を何ら
の抵抗もなく剥離できる程度に密着性に乏しいフィルム
を、本発明に従いコロナ放電処理すると、少くとも剥離
に若干の抵抗がある程度に密着性が改善され、コロナ放
電処理の強度に応じ更に密着性は増大しかなりの抵抗を
持って剥離される程度、更には被包装食品の一部乃至ほ
ぼ全面が包装材に付着して剥離される程度の大きな密着
性を有するものも容易に得られる。被包装食品の種類に
応じ上記の適宜の密着性を有するフィルムを選定すれば
よいが、加工肉の場合、かなりの抵抗をもって剥離され
る程度以上、更には加工肉の一部が付着して剥離される
程度以上の密着性を有するものが望ましい。コロナ放電
処理によりポリオレフィン樹脂層の被包装食品に対する
密着性が改善される理由は明かではないが、ポリオレフ
ィン樹脂層表面の濡れ張力が向上することが1因となっ
ていると考えられる。従って限定的ではないが、コロナ
放電処理の条件を、コロナ放電処理されたポリオレフィ
ン樹脂表面の濡れ張力が35ダイン/cm以上、好まし
くは37ダイン/cm以上より好ましくは40〜50ダ
イン/cmとなるように設定するのが好ましい。
【0019】斯くしてコロナ放電処理された本発明包装
材は加工肉に対し優れた密着性を発現する。実際に収縮
包装直後はもとより経時的にも加工肉とフィルムとの密
着性は良好であり、長期に亘って離水現象を伴うことな
く加工肉を安全に保存できる。
【0020】本発明包装材の好ましい態様によれば、ポ
リオレフィン樹脂層の少くともコロナ処理面がブロッキ
ング防止剤により処理される。これにより加工肉との密
着性を実質的に損うことなくブロッキングが効果的に防
止される。ブロッキング防止剤は樹脂層に予め混合され
ていてもよいし、またコロナ放電処理面に付着されてい
てもよい。処理面への付着の方法はたとえば予めポリオ
レフィン系樹脂層表面にブロッキング防止剤の溶液又は
分散液を塗布乾燥して付着させておきコロナ放電処理す
る方法、コロナ放電処理された樹脂層表面にブロッキン
グ防止剤を撒布してコロナ放電処理面にブロッキング防
止剤を付着させる方法等が包含される。シームレスチュ
ーブ状積層フィルムに対するブロッキング防止剤撒布の
好適な方法は添附図面に基づき後に詳述する。使用され
得るブロッキング防止剤としては、食品衛生上問題がな
い限り、ブロッキング防止能を発現し得る各種物質を使
用できるが、たとえば澱粉及びコーンスターチ等は特に
好ましいものである。ブロッキング防止剤の使用量は、
広い範囲に亘って変化させることができ特に限定されな
い。好適な例では予めポリオレフィン系樹脂に配合する
場合樹脂に対し約0.1〜4重量%、好ましくは約1.
5〜3重量%程度用いればよい。また塗布又は撒布して
付着させる場合には樹脂層のm2当りの平均付着量が約
0.3〜3.5g、より好ましくは約0.5〜2.5g
となるように付着させるのがよい。
【0021】本発明包装フィルムの製法を、例示的且つ
概略的に示された第1図に基づき説明する。
【0022】図に於て1はインフレーション法により形
成されたシームレスチューブ状の熱収縮性ガスバリヤー
性多層プラスチックフィルムであり、最内層はポリオレ
フィン系樹脂で形成されている(フィルムの積層構造は
図示しない)。2は上記多層フィルムが巻かれている供
給ロールであり、基台(図示せず)に回転自在に支持さ
れている。3はフィルム1の案内ロールである。4,
4′及び5,5′は夫々一対のピンチロールで、この両
者ロール4,4′及び5,5′間に於てチューブ1内部
に予め導入された空気等の気体は気密に保持され、チュ
ーブ1は一杯にふくらんだ状態に保たれる。斯かる状態
にあるチューブ状フィルム1に該フィルム外部から内部
に向けてコロナ放電が行われる。コロナ放電の為の装置
Aは公知のものを使用すればよい。図示の装置Aでは、
上下に二組のコロナ放電部が設けられている。上部コロ
ナ放電部はコロナ放電電極ローラー6及びこれと対応す
る対電極ローラー6′とから成り、下部コロナ放電部は
放電電極ローラ7及びこれと対応する対電極ローラ7′
とから成っている。モーター(図示せず)により変速機
(図示せず)を介してローラ4、6.6′、7.7′、
後続の中間ニップローラー8.8′が駆動され、且つ図
示しない上記モーターから別の減速機(図示せず)を介
してピンチローラー5が駆動され供給ロールに捲き取ら
れたフィルムが所定の速度で引出される。コロナ放電電
極ローラー6及び7に備えられたコロナ放電の為の機構
は図示しない。電極間間隔即ち放電電極ローラー6及び
7とそれぞれの対電極ローラー6′及び7′との間の間
隔は何れか一方の電極(放電電極又は対電極)を可動電
極とすることにより任意に調整できる。設定された電極
間間隔に基づきチューブ1内の空気によりチューブ1内
面同志は少くともコロナ放電時には接触しない状態に保
持される。コロナ放電処理時にチューブの内面と内面が
接することは避けなければならない。チューブ内面同志
が接触した状態でコロナ放電処理しても放電効果を最内
層表面に発現せしめ得ない。コロナ放電処理は放電電極
ローラー6及び7からそれぞれの対電極ローラー6′及
び7′に向けて行われる。即ちチューブ状フィルム1の
外部から内部に向けてコロナ放電して、放電電流をフィ
ルム外部から内部を通して反対側の外部に導く。これに
よりチューブ内層のポリオレフィン系樹脂表面の濡れ張
力が増大する。こうしたコロナ放電処理は、放電電極を
1個で行うと片側からの処理となるために処理が不均一
になるので、図示の装置のように好ましくは放電電極を
2個以上用い、放電電極をそれぞれ反対側に対称的に取
付け、右左両面から処理が可能な如き構成にすることが
望ましく、本発明の好ましい1つの実施態様である。
【0023】コロナ放電処理の強度は、フィルムの種
類、送り速度、チューブの厚さ、チューブの径等に応じ
て適宜定めればよい。処理強度は広い範囲に亘り得る
が、ポリオレフィン系樹脂内層の表面の濡れ張力が好ま
しくは35ダイン/cm以上となるように制御すればよ
い。内層表面のより好ましい濡れ張力は37ダイン/c
m以上、特に40〜50ダイン/cmである。
【0024】コロナ放電処理の方法は第1図の装置によ
る方法に限られず、各種の方法を採ることができる。た
とえば第1図には2対の放電電極6、7と対電極6′、
7′を用いたものを示したが、更に第2図に示すように
該ローラー6、7と直角方向に放電電極ローラー14、
15及び対応する対電極ローラー14′、15′を設け
たものを用いることができる。これにより放電電極ロー
ラー6、7、14、15より対電極ローラー6′、
7′、14′、15′に向けてコロナ放電処理して四方
からのコロナ放電処理が可能となる。またコロナ放電処
理装置の代わりにプラズマ処理装置を用いてプラズマ処
理することも可能である。
【0025】斯くしてコロナ放電処理されたチューブ
は、間隔が自在に調節できる中間ニップローラー8、
8′により絞られた後、チューブ1内表面にブロッキン
グ防止剤の撒布をうける。図示の装置では、振動により
防止剤を撒布する方式のものが示されている。即ち二本
の対向する遊びロール9、9がチューブのふくらんだ状
態に於ける径より若干小さい間隔を存して配置され、該
ロール9、9上部のチューブ1内に、ふくらんだチュー
ブの径よりやや小さいが遊びロール9、9間の間隔より
やや大きく従ってロール9、9間を通って下方に落下す
ることのないブロッキング防止剤撒布部材10が遊置さ
れている。ロール9、9は不織布、ネル等の柔軟材料で
被覆されていて、撒布部材10によりチューブの内面層
がきづ付きにくいように考慮されている。撒布部材10
は粉末状ブロッキング防止剤が充填された筒を備えその
底面にはブロッキング防止剤が好ましい状態で撒布され
る程度の大きさの網目を有する網11が設けられてい
る。ロール9、9はチューブ1の進行につれて回転し、
ブロッキング防止剤撒布部材10は該ロール9、9に乗
る状態でロール9、9の回動、チューブ進行方向への力
及び筒の自重等の作用で小きざみに上下運動を起し、ブ
ロッキング防止剤が部材10底面の網11からチューブ
内面に撒布される。斯くして撒布されたブロッキング防
止剤はコロナ放電処理の全面に付着する。撒布部材10
を振動せしめる装置はどのような構成のものでもよく、
要は撒布部材がゆれて、ブロッキング防止剤の撒布が可
能ならばよい。また、遊びロールのような振動装置を用
いずに撒布部材10の内部に撹拌装置等を設けて撒布す
ることもできる。また撒布部材として袋等を用いてもよ
く、また必要ならば適宜の振動装置を用いたとえば微細
メッシュ状の孔を有する袋からブロッキング防止剤(閉
塞防止用粉)を撒布するべくしてもよい。斯くしてブロ
ッキング防止剤の撒布されたチューブは、ピンチロール
5、5′、案内ロール13を経てモーター(図示せず)
により駆動される捲取りロール12に捲取られる。撒布
するブロッキング防止剤は殊にたとえばコーンスター
チ、デンプン粉等を用いるのが好ましくこれにより食品
への悪影響を伴わず衛生性も良好で、食品との密着性を
阻害せずブロッキング防止能を発現する。このような撒
布に用いるブロッキング防止剤の平均粒径は特に制限は
ないが好ましくは5〜50μ程度更に好ましくは10〜
20μ程度である。ブロッキング防止剤の平均付着量は
広い範囲に亘り得るが好ましくはチューブ内面のm2
り約0.3〜3.5g殊に0.5〜2.5gとなるよう
に撒布するのが望ましい。
【0026】上例ではチューブ体をふくらます際、空気
を用いたが、その他チッソガス、炭酸ガス、不活性ガス
等のガス体を用いればコロナ処理の効果がより高められ
ることもあり、空気以外にも適宜の気体を用いてもよ
い。また、本例ではチューブ体の進行方向は上方から下
方としたが、第1図におけるブロッキング剤撒布工程を
チューブ体が下方から上方に進むようにし、その過程で
設けてもよく、コロナ放電処理工程をチューブ体が横方
向に進む過程で設けてもよいし、特に制限はなく処理や
撒布がし易いように自由に設計すればよい。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例を挙げる。
【0028】実施例−1 表面のベースフィルム層としてナイロン6とナイロン6
6との共重合体、中間の接着層として線状低密度ポリエ
チレンに無水マレイン酸をグラフト共重合した変性共重
合体を含む変性ポリオレフィン系樹脂、内面層として線
状低密度ポリエチレンを用い、環状ダイスより共押出し
てなるインフレーション法により成形した三層フィル
ム、即ち三層チューブを2軸延伸を施して80℃(熱
水)×30秒に於ける熱収縮率が縦、横20%程度のガ
スバリヤー性を有するシームレス状の熱収縮性多層チュ
ーブを得た。この方法により得たフィルムは試料No.1
のものは厚さが表面から20/5/20μで折径(扁平
にした状態での巾)160mmであり、試料No.2は表
面から25/5/25μで折径100mmのものであっ
た。
【0029】こうして得られたチューブを第1図に示す
コロナ処理装置を用いて35m/min のスピードで、放
電電極ロール6及び7から放電を行い、コロナ処理を施
した。この際、放電電極ロール(ゴム被覆ロールを使
用、長さ420mm)と対電極ロール(金属ロールを使
用、長さ420mm)との間隔は1.3mmであり、空
気によりチューブ体をぱんぱんにふくらました状態で処
理を行った。斯くして処理時のチューブは約1.3mm
の間隔に絞られ内面同志は接していないが略々扁平に近
い状態にあった。続いて第1図の装置によりNo.1のチ
ューブに対しては径97mmの筒体及びNo.2のチュー
ブに対しては径59mmの筒体であって、多孔性の底面
の付設された粉収納筒体からコーンスターチ粉末の撒布
を行ったところ、粉体はチューブの内面に撒布された。
この際粉収納筒体を振動させるため遊びロール9、9を
上記筒体の径よりややしぼった状態で用いており、粉収
納筒体はこの遊びロール上にチューブを介してチューブ
内部に載置され、チューブの進行とロール9、9の回転
につられてチューブ内部を上下に小きざみに揺れ動き、
好ましい状態でコーンスターチ粉末が撒布された。
【0030】このようにして製造された多層チューブを
No.1、No.2共に長さ40cmに切断して加工肉用ケー
シングとした。そのそれぞれにハムとソーセージを脱気
充填して金環状のクリップに両側を密閉して80℃で2
時間(又は100℃で1時間)の加熱殺菌を行い、冷却
したところ加工肉とチューブ内面とは好ましい状態で密
着していた。またチューブの熱収縮性の為に包装状態も
良好であった。しかも加工肉を充填する際チューブの開
口性は十分であり、ブロッキングは認められなかった。
【0031】これらの結果を第1表に示す。
【0032】第1表には実施例1に於ける本発明による
加工肉包装の結果を、対照として未処理シームレスチュ
ーブを用いた場合の結果と併記する。
【0033】 第 1 表 本発明 対称 No.1 No.2 No.1 内面の濡れ張力(ダイン/cm) 42 41 31 肉密着性 *2) A A E 離水現象 *3) なし なし 肉汁が生じた 開口性 ○ ○ ○ 保存性 良好 良好 不充分 注1)肉密着性の測定は加工肉から包装材を剥離した際の
状態から、下記基準に従い評価した。
【0034】A:ケーシングのみを剥離しようとした
時、加工肉がケーシングに付着する(密着性きわめて優
秀) B:ケーシングのみを剥離しようとした時加工肉がとこ
ろどころでケーシングに付着する(密着性優秀) C:ケーシングのみがかなりの抵抗をもって剥離される
(密着性優) D:ケーシングのみが若干の抵抗をもって剥離される
(密着性良) E:ケーシングのみが抵抗なく剥離する(密着性不良) 2)離水現象は80℃×2時間の加熱殺菌を行い、冷却後
の製品につき肉眼で判定した。
【0035】3)開口性 下記基準に従い判定した。
【0036】○ 指で容易に開く × ブロッキング発生 4)保存性 剥離現象を生じないものを良好、生じたものを不充分と
判定した。
【0037】
【発明の効果】本発明の食品包装材は、加工肉等の包装
食品に対し著るしく優れた密着性を発現しいわゆる離水
現象を伴うことなく食品の長期保存を可能にする。しか
もコロナ放電処理面を更にブロッキング防止剤で処理し
た本発明包装材は加工肉に対する上記密着性を実質的に
損なうことなくブロッキング現象を起すことはない。
【0038】本発明の製造方法によれば、食品包装材と
して用いるシームレスチューブ状の多層プラスチックフ
ィルムをそのままの形態で外部からコロナ放電処理して
最内層表面にその効果を発現せしめることができ、シー
ムレスチューブに対するコロナ放電処理を著るしく容易
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法を実施するための装置の1
例を示す概略説明図である。
【図2】図2は、他の1例を示す概略説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 房三 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ 株式会社男子寮 (56)参考文献 特開 昭59−214643(JP,A) 特開 昭54−76674(JP,A) 特開 昭62−125883(JP,A) 特開 昭60−234536(JP,A) 特公 昭61−20581(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A22C 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包装されるべき食品と接触する面にポリ
    オレフィン系樹脂層を備えた熱収縮性及びガスバリヤー
    性を有する多層プラスチックフィルムであって、該ポリ
    オレフィン系樹脂層の被包装材と接触する面がコロナ放
    電処理されており、且つポリオレフィン系樹脂層に予め
    ブロッキング防止剤が混合されていることを特徴とする
    食品包装材。
  2. 【請求項2】 多層プラスチックフィルムが、最外層ベ
    ースフィルム、中間接着層及び包装されるべき食品と接
    触するポリオレフィン系樹脂最内層の三層から成り、最
    外層ベースフィルム及び中間接着層の少くとも一方がガ
    スバリヤー性を有する請求項1記載の食品包装材。
  3. 【請求項3】 最外層がポリアミド系樹脂であり、中間
    接着層が変性ポリオレフィン系樹脂である請求項2記載
    の食品包装材。
  4. 【請求項4】 包装されるべき食品が加工肉である請求
    項1〜請求項3の何れかに記載の食品包装材。
  5. 【請求項5】 多層プラスチックフィルムがシームレス
    チューブ状である請求項1〜請求項4の何れかに記載の
    食品包装材。
  6. 【請求項6】 ブロッキング防止剤が澱粉、コーンスタ
    ーチである請求項1〜請求項5の何れかに記載の食品包
    装材。
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