JP3012949B2 - 織機用リード材 - Google Patents

織機用リード材

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JP3012949B2
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進 坂本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織物を製造する織機に
用いられる杼口に入れた横糸を打ち込むリードの材料に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、織機に用いられるリードの材料と
しては、主として糸との耐摩耗性に優れたオーステナイ
ト系ステンレスSUS304やフェライト系ステンレス
SUS430の帯板にスリッター加工等を施されたもの
が使用されていた。しかし、近年織機の高速化に伴い、
リードの使用条件は益々苛酷になっており、従来の上記
材料を用いたリードでは対処できなくなりつつあり、よ
り耐摩耗性の大なるリードが要求されるようになってき
た。そこで、オーステナイト系ステンレスSUS304
では、加工硬化による硬度アップで耐摩耗性を上げる試
みがなされている。
【0003】
【発明を解決しようとする課題】従来のリード材では、
加工硬化による硬度アップを行っても、硬度はHV40
0〜450程度であるため、高速の織機による連続使用
に対して、糸との摩擦によるリードの摩耗が激しく、リ
ードの形状が早期に変化し織品質を低下させていた。そ
のため短期間でリードを交換しなければならず、生産性
を大きく阻害していた。
【0004】本発明は、以上の点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、耐摩耗性に優れ、か
つ製造容易な織機用リード材を提供しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の織機用リード材は、重量%でC:0.60〜
0.95、Si:1.0以下、Mn:1.0以下、Cr:12
〜18、残部Fe及び不可避的不純物からなる。より好
ましくは、上記構成において、重量%でMo:0.2〜
3.0、V:0.05〜0.3の1種又は2種を添加するもの
である。
【0006】ここで、各添加元素の化学成分を限定した
理由は、次の通りである。Cは、リード材に必要な硬さ
を与える重要な元素であるとともに微細な硬質Cr炭化
物を形成することにより耐摩耗性の向上に寄与する。こ
れらの効果を得るためには、少なくとも0.6%以上必要
である。しかし0.95%を超えると靱性及び加工性を害
するためこれを上限とした。
【0007】Siは、脱酸剤として添加されるものであ
るが、1.0%を超えると加工性を害するとともに靱性も
低下してくるため上限を1.0%とした。
【0008】Mnは、Siと同様脱酸剤として添加さ
れ、また強度を増す元素である。しかし1.0%を超える
と加工性を害するため上限を1.0%とした。
【0009】Crは、基地に固溶して耐食性を向上させ
る。一部は炭化物を形成し、耐摩耗性を与える重要な元
素である。これらの効果を発揮させるためには、Cとの
バランス上少なくとも12%以上を必要とする。しかし
18%を超えると加工性が低下してくるため、これを上
限とした。
【0010】Mo、Vは、焼戻し軟化抵抗を増大させる
とともに、硬質な炭化物を形成して耐摩耗性を改善す
る。これらの効果を得るため、Moは少なくとも0.2%
以上必要である。しかし3.0%を超えて添加させても、
その効果の増大は顕著ではなく、また靱性を低下させる
ので0.2〜3.0%の範囲とする。そしてVは、少なくと
も0.05%以上必要である。しかし0.3%を超えて添加
すると加工性、靱性を損なうので0.05〜0.3%の範囲
とする。
【0011】
【作用】本発明の織機用リード材は、上記化学成分を有
する鋼がマルテンサイト系ステンレス鋼であり、適度の
Cr炭化物を析出させることができ、耐摩耗性に優れて
いる。またリード材の加工が容易に行える。さらに、焼
入れによって硬度を上げることも可能で、より耐摩耗性
を向上させることができる。
【0012】
【実施例】まず、C、Si、Mn、Cr、Mo、Vの化
学成分による耐摩耗性及び加工性の効果を見るため、下
記表1に示す供試材を用いてリードを作った。
【0013】本発明、比較例の供試材 No.1〜21は、
線径φ5.5mmのマルテンサイト系ステンレス鋼線であ
り、伸線、焼鈍を繰り返して施し、その後、平圧延加工
を施し、そして仕上処理として、焼入れ焼戻しにより硬
度HV430〜450に調質し、図1に示すような厚み
寸法A=0.29mm、幅寸法B=2.10mmの断面形状が略
矩形のリード材1を作成し、そして図2に示すような多
数のリード材1と該リード材1を固定する枠2より成る
リード3に加工した。
【0014】
【表1】
【0015】次に、上記各種リードと従来例のリードを
織機に実際にセットして布を織る試験を行った。そし
て、リードの摩耗量を測定して耐摩耗性を評価し、また
各種リード材の製造に要した加工費から加工性を評価し
た。その結果を下記表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】ところで、表2に示す耐摩耗性は、供試材
No.22の従来例の摩耗量を100とした場合の指数で
表したものであり、数値が大きい方が耐摩耗性に優れて
いる。また、加工性は、加工の難易を評価したもので、
伸線、圧延等の加工に費やした加工費をもとにして、供
試材 No.22の従来例の加工費を100とした場合の指
数で表したものであり、数値が大きい方が加工性が劣っ
ている。すなわち、この試験結果において、耐摩耗性も
加工性も良い数値を示すものが実用的で優れたリード材
である。
【0018】表2の本発明の供試材 No.4、7、12、
13、14、18を用いたリードが耐摩耗性が180以
上であって、加工性は120以下を示しており、供試材
No.22、23を用いた従来例のリードと比較して、耐
摩耗性は約2倍の値を示しながらも、加工性は略同等の
値を示し、耐摩耗性の良いリード材を容易に得られるこ
とがわかる。
【0019】しかし、比較例の供試材 No.8、15、1
6、19、21を用いたリードにおいては、耐摩耗性は
200以上を示し最も良く、供試材 No.22、23を用
いた従来例のリードの2倍以上の値を示しているが、加
工性において従来品の1.6〜2倍の値を示しているため
実用性に劣る。
【0020】さらに、供試材 No.9、10、11、1
2、13、14、15、16は、Mo、Vの1種または
2種を添加したものである。特に本発明の供試材 No.1
2、13、14は、Mo、Vを添加しない供試材 No.7
と比較して、加工性は同等で、耐摩耗性が更に約10%
の向上を示すことが判明した。
【0021】
【発明の効果】本発明の織機用リード材は、素材として
特定の化学成分の鋼を用いることにより、優れた耐摩耗
性を有するリード材を容易に製造可能となり、またリー
ドとして織機に用いた時、長期間に亘る使用が可能とな
り、リードの交換周期を延長でき、織機の生産性を向上
させる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す拡大概略図である。
【図2】本発明の織機用リード材を用いたリードを示す
一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1 リード材 2 枠 3 リード

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC:0.6〜0.95、Si:1.0
    以下、Mn:1.0以下、Cr:12〜18、残部Fe及
    び不可避的不純物からなることを特徴とする織機用リー
    ド材。
  2. 【請求項2】 重量%でMo:0.2〜3.0、V:0.05
    〜0.3の1種又は2種を添加してなる請求項1記載の織
    機用リード材。
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