JP3012778U - スリッパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境汚染等ゴミ公害が発生するおそれを少な
くし、ゴミ処理をしやすくする。 【構成】 スリッパ本体１は、芯材３の上面に綿製化粧
布４を、下面に紙製波板５を接着し、この波板の下面に
紙製底板６を接着した積層構造であり、波板は芯材の補
強を兼ねると共に弾性を付与し、全面に幅方向に連続す
るリブを形成してあり、スリッパ本体の先端に取付けた
甲部２は芯材９の上面を綿製化粧布１０で覆い、各芯材
３，９は綿状のパルプ３ｃ，９ｃを上下の薄い紙３ａ，
３ｂ、９ａ，９ｂで挟んだ三層構造である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、使い捨てスリッパ等として有効なスリッパに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、病院、レストラン、ホテル等では、例えば一時的に使用され廃棄される いわゆる使い捨てスリッパが広く利用されており、この種のスリッパは、先端部 に甲部を設けているスリッパ本体が、塩化ビニールからなる人工皮革底板上に厚 紙を介して芯材として軟質ウレタン（スポンジ）が貼り付けられ、この芯材の上 面を化粧布で覆う構造となっていた。また甲部も同様の芯材が使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のスリッパによると、構成部材として合成樹脂材を使用しているので、こ れが廃棄された後、腐食することなくゴミとして残り、仮りに焼却した場合にも 有毒ガスが発生する等、いわゆるゴミ公害が発生するおそれがあった。 この考案の目的は、環境汚染等ゴミ公害が発生するおそれを少なくし、ゴミ処 理をしやすくすることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案において、足を載せるスリッパ本体と、このスリッパ本体に取付けて あって足の甲部を差し入れる甲部とからなり、上記スリッパ本体は、足形に対応 した形状を備えている芯材を備えており、この芯材は綿状のパルプを上下の薄い 紙で挟んだ三層構造となっている。甲部を芯材とこの芯材の上面を覆う化粧布と で構成し、この芯材は綿状のパルプを上下の薄い紙で挟んだ三層構造とすること ができる。 この考案において、スリッパ本体は、芯材の下面に紙製底板を接着した積層構 造となっている。芯材の弾性が十分でない場合には中間の綿状のパルプの厚みを 厚くする。 この考案において、芯材の補強を兼ねると共に弾性を付与するために、芯材の 下面に凹凸紙板を接着した積層構造としている。凹凸紙板としては、全面に同一 方向に連続するリブを形成してある波板、表面に中空の突部を突設した凹凸板体 などが含まれる。 この考案において、波板等の凹凸紙板の下面に紙製底板を接着した積層構造と なっている。凹凸紙板が、その強度を増すことにより、紙製底板を兼用すること ができる。 この考案において、スリッパ本体は、足形に対応した形状を有する芯材と、こ の芯材の表面を覆う天然素材からなる化粧布と、上記芯材の下面に接着し、芯材 の補強を兼ねると共に弾性を付与している凹凸紙板と、この凹凸紙板の下面に固 着してある紙製底板とを積層した構造とし、上記芯材は綿状のパルプを上下の薄 い紙で挟んだ三層構造である。上記甲部は、芯材の表面を天然素材からなる化粧 布で覆っており、芯材は綿状のパルプを上下の薄い紙で挟んだ三層構造としてい る。上記スリッパ本体の外周を天然素材からなる縁布で縁取ってあり、上記縁布 は内面全面を薄い紙で覆ってある。 化粧布及び縁布は、例えば綿や絹等の天然素材からなる。

【０００５】

【実施例】

以下この考案の実施例を説明する。 図１〜図３において、スリッパは、スリッパ本体１と、このスリッパ本体の先 端側に取り付け、足の甲部を差し入れる甲部２とからなる。 スリッパ本体１は、紙製芯材３と、化粧布４と、凹凸紙板である波板５と、底 板６とからなる。芯材３は、図１，図４〜図５に示すように足形に合わせた形状 に形成されており、上下の薄い紙３ａ，３ｂと中間のパルプ３ｃとからなる。パ ルプ３ｃは綿状のものであって、上下両面が薄い紙３ａ，３ｂで覆われて、紙３ ａ，３ｂ及びパルプ３ｃが一体となった三層構造である。また芯材３の上面は、 この芯材と同一の大きさのコットン（この例ではパイル地）からなる化粧布４で 覆われ、その表面が化粧されている。化粧布４は、上側の紙３ａ上面に貼り付け られている。芯材３は、下面にこの芯材より一回り小さい大きさの凹凸紙板であ る波板５を貼り付けている。 波板５は、図１，図６及び図７に示すように台紙部５ａ上に凹凸面を形成する 凹凸板部５ｂを貼り付けたものである。凹凸板部５ｂは、その幅方向に一端から 他端まで伸びかつ長さ方向に連続した凹凸部を構成するリブ５ｂ１が設けられて いる。波板５は、芯材３の補強を兼ねると共に、クッション性を発揮させたり、 スリッパ本体のボリューム感を出すものとして機能する。各リブ５ｂ１の上面に 芯材３の下側の紙３ｂが接着されている。波板５は、紙製底板６上面に接着され ている。 紙製底板６は、芯材３と同じ大きさのもので、化粧布４とその大きさが一致し ている。紙製底板６と化粧布４とは、両者の間に配置された芯材３及び波板５を 挟持し、この挟持状態は化粧布４の外周を縫製糸７で紙製底板６に縫付けること によって固定されている。スリッパ外周の縫付け部分は、コットン（綿）からな る縁布８で縁取りされている。縁布８の内面全面は、薄い紙８ａで覆ってある。 このために特に底板６の裏面の床やジュータンに接触する縁布８の縁部の糸がほ つれて、その糸の一部が糸くずとしてジュータン等に付着する問題がない。 甲部２は、図１及び図８に示すように芯材９の表面をパイル生地からなる化粧 布１０で覆い、その前後を折り返えして縫製糸で化粧布を芯材に結合している。 芯材９の構造は、スリッパ本体１の芯材３と同様の構造であり、綿状のパルプ９ ｃを挾んで薄い紙９ａ，９ｂで挟持した三層構造のものである。

【０００６】 化粧布４，１０の材質はコットンに限られず、絹でも良く、絹製化粧布とすれ ば、殺菌性や抗菌性が得られるから医療機関用スリッパとして有益である。 図１の例では、凹凸板５を設けているが、凹凸板５を必ずしも設けなくてもよ い。この場合には、芯材３の中間層のパルプ３Ｃの厚みを厚くしてクッション性 を出して、スリッパ本体１を芯材３とこの芯材の下面に接着した底板６の積層構 造とするものである。 凹凸紙板としての波板は、図６の例に限られず、図９に示す波板１５のように リブ１５ｂ１の方向を長さ方向に配設してもよい。また凹凸紙板の他の例として 、図１０及び図１１に示すように凹凸面を中空の凸部２５ｂ１を全面に設けた凹 凸紙板２５としてもよい。 凹凸紙板５，１５，２５を、その強度を高めることにより底板を兼用してもよ く、こうすれば底板を省略できる。 縁布８は必要に応じて設け、常に取付けること要しない。

【０００７】

【考案の効果】

この考案によれば、構成部材を天然素材である紙又は布としているので、廃棄 焼却しても環境汚染等の公害の問題が従来例に比較して少なくてすむ。またこの 考案によれば、凹凸紙板を使用することにより、芯材の強度を補強でき、クッシ ョン性を確保できて履き心地が損なわれず、スリッパのボリューム感が維持でき 外観上の商品価値の低下を防ぐことができる。この考案によれば、縁布は内面全 面を薄い紙で覆ってあるために、縁布の縁部の糸がほつれにくい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す一部切欠拡大平面図
である。

【図２】図１Ａ−Ａ線拡大断面図である。

【図３】図１Ｂ−Ｂ線拡大断面図である。

【図４】芯材の平面図である。

【図５】図４Ｃ−Ｃ線拡大断面図である。

【図６】波板の平面図である。

【図７】図６Ｄ−Ｄ線拡大断面図である。

【図８】図１Ｅ−Ｅ線拡大断面図である。

【図９】この考案の波板の他の実施例を示す平面図であ
る。

【図１０】この考案の凹凸紙板の他の実施例を示す縮小
平面図である。

【図１１】図１０に示す凹凸紙板の凹凸面の一部を拡大
して示す断面図である。

【符号の説明】

１ スリッパ本体 ２ 甲部 ３ 紙製芯材 ３ａ 紙 ３ｂ 紙 ３ｃ パルプ ４ 化粧布 ５ 凹凸紙板（波板） ５ｂ 凹凸板部 ５ｂ１ リブ ６ 底板 ９ 芯材 ９ａ 紙 ９ｂ 紙 ９ｃ パルプ １０ 化粧布 １５ 凹凸紙板（波板） １５ｂ 凹凸板部 １５ｂ１ リブ ２５ 凹凸紙板 ２５ｂ１ 凸部

Claims (8)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 足を載せるスリッパ本体と、このスリッ
   パ本体に取付けてあって足の甲部を差し入れる甲部とか
   らなり、 上記スリッパ本体は、足形に対応した形状を備えている
   芯材を備えており、この芯材は綿状のパルプを上下の薄
   い紙で挟んだ三層構造としていることを特徴とするスリ
   ッパ。
2. 【請求項２】 請求項１において、スリッパ本体は、芯
   材の下面に紙製底板を接着した積層構造となっているこ
   とを特徴とするスリッパ。
3. 【請求項３】 請求項１において、スリッパ本体は、芯
   材の下面に凹凸紙板を接着した積層構造となっており、
   上記凹凸紙板は芯材の補強を兼ねると共に弾性を付与し
   ていることを特徴とするスリッパ。
4. 【請求項４】 請求項１において、スリッパ本体は、芯
   材の下面に凹凸紙板を接着した積層構造となっており、
   上記凹凸紙板は芯材の補強を兼ねると共に弾性を付与
   し、スリッパ底板を兼用していることを特徴とするスリ
   ッパ。
5. 【請求項５】 請求項１において、スリッパ本体は、芯
   材の下面に凹凸紙板を接着した積層構造となっており、
   上記凹凸紙板は芯材の補強を兼ねると共に弾性を付与
   し、全面に同一方向に連続するリブを形成してある波板
   であることを特徴とするスリッパ。
6. 【請求項６】 請求項１において、スリッパ本体は、芯
   材の上面に天然素材からなる化粧布を下面に凹凸紙板を
   それぞれ接着し、この凹凸紙板の下面に紙製底板を接着
   した積層構造となっており、上記凹凸紙板は芯材の補強
   を兼ねると共に弾性を付与し、全面に同一方向に連続す
   るリブを形成した波板であることを特徴とするスリッ
   パ。
7. 【請求項７】 請求項１において、スリッパ本体は、芯
   材の上面に天然素材からなる化粧布を、下面に凹凸紙板
   をそれぞれ接着し、この凹凸紙板の下面に紙製底板を接
   着した積層構造となっており、上記凹凸紙板は芯材の補
   強を兼ねると共に弾性を付与し、全面に同一方向に連続
   するリブを形成してある波板であり、甲部は芯材の上面
   を天然素材からなる化粧布で覆っており、芯材は綿状の
   パルプを上下の薄い紙で挟んだ三層構造となっているこ
   とを特徴とするスリッパ。
8. 【請求項８】 足を載せるスリッパ本体と、このスリッ
   パ本体に取付けてって足の甲部を差し入れる甲部とから
   なり、 上記スリッパ本体は、足形に対応した形状を有する芯材
   と、この芯材の表面を覆う天然素材からなる化粧布と、
   上記芯材の下面に接着し、芯材の補強を兼ねると共に弾
   性を付与している凹凸紙板と、この凹凸紙板の下面に固
   着してある紙製底板とを積層した構造となっており、上
   記芯材は綿状のパルプを上下の薄い紙で挟んだ三層構造
   であり、 上記甲部は、芯材の表面を天然素材からなる化粧布で覆
   っており、芯材は綿状のパルプを上下の薄い紙で挟んだ
   三層構造となっており、 上記スリッパ本体の外周を天然素材からなる縁布で縁取
   ってあり、上記縁布は内面全面を薄い紙で覆ってあるこ
   とを特徴とするスリッパ。