JP3012207U - 鳥類防護電線および鳥類防護装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラス、ムクドリ、スズメ、鳩等の鳥類を簡
便に追い払える鳥類防護電線および鳥類防護装置を提供
することを特徴としている。 【構成】 鳥類防護電線１は帯状の絶縁材２の両側縁に
沿って導電線３が一部を露出させて設けてある。鳥類防
護装置５は前記鳥類防護電線１を空中に張設し、導電線
３間に高電圧パルス発生電源６が接続してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、カラス、ムクドリ、スズメ、鳩等の鳥類による害を防ぐ為に使用 する鳥類防護電線および鳥類防護装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、鳥類による害を防ぐ装置として、大きな音響を定期的に発生させて鳥を 驚かす装置、人形様の部材に起伏等の動作を定期的に与えて、鳥を驚かす装置、 電線にパルス電流を通電して磁界の変化で鳥を追い払う装置（実開平５−２０５ ８３号）等が提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記の各種の装置において、大きな音響を発生させるようにしたものは、民家 に近い場所に設置できないなど、使用場所が制限され、また人形様の部材を動作 させるようにしたものは、可動部分の保守整備が必要とされ、また周囲の磁界を 変化するようにしたものは、比較的大きな電流の発生を必要として電源が大がか りとなるなど、夫々に問題があった。

【０００４】 この考案は前記のような問題点に鑑みてなされたもので、簡便に鳥類を追い払 える鳥類防護電線および鳥類防護装置を提供することを目的としている。

【０００５】 電線を用いて動物の接近を制御するようにしたものとして、電気牧柵、へびの 防護柵等が知られている。

【０００６】 これらは柵又は網等を介して張設した特殊電線（撚り糸の一部を電線としたロ ープ状の電線である）と地面との間に、高電圧パルス電源を接続したもので、主 として地面と接している動物に電撃ショックを与えられるようにしている。従っ て空中を飛ぶ鳥類の防護にはそのまま使用できないものである。

【０００７】

【課題を解決する為の手段】

この考案の鳥類防護電線は絶縁材条の長手方向に沿って２本の導電線が埋設し てあり、導電線の被覆部に、表面から導電線に至る高電圧導通部が設けてあるこ とを特徴とする鳥類防護電線である。

【０００８】 また帯状の絶縁材の両側縁に沿って導電線が埋設してあり、導電線の一側壁が 外部に露出させてあることを特徴とする鳥類防護電線である。

【０００９】 また帯状の絶縁材の両側縁に沿って導電線が埋設してあり、導電線の被覆壁に 導電線に至る細隙が形成してあることを特徴とする鳥類防護電線である。

【００１０】 前記絶縁材条は、帯状の絶縁材の他、断面円形、楕円形、方形の条とすること ができる。鳥がとまり易い形状として帯状の絶縁材が有利である。

【００１１】 高電圧導通部は、導電線を外部に露出させて、鳥の足が直接接触できるように する他、被覆部に細隙を形成して、細隙に沿って高電圧の縁面放電経路を形成し て導通部とする。細隙は、例えば３mm間隔等、所定の間隔毎に被覆部に導電線に 達するミシン目状の貫通孔を形成したものとすることもできる。又、被覆部の一 部を導電性プラスチック材で構成して、導通性を与えて導通部とすることもでき る。

【００１２】 次にこの考案の鳥類防護装置は、絶縁材条の長手方向に沿って２本の導電線が 埋設してあり、導電線の被覆部に、表面から導電線に至る高電圧導通部が設けて ある鳥類防護電線を空中に張設し、前記導電線間に高電圧パルス発生電源を接続 してあることを特徴とする鳥類防護装置である。

【００１３】 絶縁材条を帯状の絶縁材とする場合、帯の上下面を上下に向けて張設する場合 と、帯の上下面を左右に向けて張設する場合がある。防護の対象とする鳥類の習 性を考慮して張設の態様を決定する。

【００１４】

【作用】

この考案の鳥類防護装置において、空中に張設した鳥類防護電線に鳥がとまる と、２本の導電線を同時につかむので、高電圧パルスによる電撃ショックを鳥に 与えて追い払うことができる。

【００１５】 鳥類防護電線は、鳥類の足が休息時につかむ部材内に２本の導電線を配置でき 、地面に接していない鳥類にも電撃ショックを与えることを可能とする。

【００１６】

【実施例】

図１（ａ）乃至（ｄ）は実施例の鳥類防護電線１を示したものである。テレビ ジョン受像機とアンテナの間を接続するフィダー線のような構造のもので、ポリ プロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂製の帯状絶縁材２の両側縁に導電線３、 ３が長手方向に沿って設けてある。帯状絶縁材２は平板部２ａの両側に断面を略 円形とした被覆部２ｂを設けてあり、全体の幅はおよそ１０mm程度である。導電 線３は良導体であれば良く、ステンレス線、銅線、アルミニウム線等の単線若し くは撚線（０．４φ程度）を使用することができる。耐蝕性を考慮するとステン レス線が有利である。

【００１７】 製造は、図１の（ａ）に示したように、帯状絶縁材２の両側縁に沿って設けら れた断面円形の被覆部２ｂ内に導電線３を埋設した状態とし、その後、被覆部２ ｂの外側を切除することによって導電線３の一部を外部へ露出させる。切除をス リット状としても良い。前記切除又はスリットの加工は、帯状絶縁材２の全長に 亘って形成する場合と、一定の間隔毎に形成し、隣接する切除部又はスリット間 に連結部を残し、被覆部２ｂが拡開し難くする場合がある。（ｂ）は、被覆部２ ｂの外側に沿って導電性プラスチックによる導通部４を設けて、導電線３から被 覆部２ｂの表面に導電性を与えたものである。

【００１８】 （ｃ）は、導電線３の被覆部２ｂに、表面から導電線３に至る細隙２ｃを形成 し、細隙２ｃに沿って高電圧の縁面放電が可能として導通部としたものである。

【００１９】 図の（ｄ）、（ｅ）は前記切除やスリット、細隙の加工をしないようにしたも ので、（ｄ）のように被覆部４の成形に当り断面三角形の導電線３の一つの稜線 ３ａが突出するように配置して成形したり、（ｅ）のように、導電線３の外側３ ｂが露出するように、断面円形の被覆部２ｂの形状を制御して成形することで製 造するようにしたものである。

【００２０】 図２は前記の鳥類防護電線１を用いた鳥類防護装置５を示したもので、鳥類防 護電線１が空中に張設してあり、鳥類防護電線１の２本の導電線３、３間に、高 電圧パルス発生電源６が接続してある。高電圧パルス発生電源６は、６０００〜 １００００ボルトの高電圧パルスが０．７５秒以上の間隔で（例えば１秒間に１ パルス）発生できるようにした電源である。

【００２１】 上記の鳥類防護装置５において、鳥類防護電線１に鳥類がとまる場合、鳥類の 足が鳥類防護電線１の２本の導電線３、３を同時ににぎるので、高電圧パルス発 生電源６で発生した高電圧パルスに感電させ電撃ショックを与えて追い払うこと ができる。鳥の足が導電線３に直接接触して感電するのは言うまでもない。被覆 部の一部を導電性プラスチックとしたものは、この導電性プラスチックを通して 感電する。被覆部に、スリットや細隙を形成したものは、鳥の足と導電線は接触 しないが、導電線３に高電圧が印加されるので、スリットや細隙の部分で縁面放 電し、感電する。

【００２２】 鳥類防護電線１は、帯状絶縁材２の平板部２ａが水平となるように張設したり 、或いは垂直になるように張設することができ、防護の対象の鳥類の習性を考慮 し、とまり易い状態に張設して防護効果を高めるようにする。

【００２３】 尚、実施例では鳥類防護電線１の帯状絶縁材２を平板部２ａとその両側縁の断 面略円形の被覆部２ｂで構成したが、図３のように比較的肉厚の平板でなる帯状 絶縁材７とし、この帯状絶縁材７の両側縁に沿って導電線８、８を一部を露出さ せて埋設するようにして構成することができる。又、帯状絶縁材に代えて、断面 円形、楕円、又は方形とした絶縁条に導電線を埋設したものでも前記と同様に実 施し、同様の効果を得ることができる。

【００２４】

【考案の効果】

この考案の鳥類防護電線によれば、空中を飛ぶ鳥類に対して電撃ショックを与 え得る電線を構成できる効果がある。

【００２５】 またこの考案の鳥類防護装置によれば、鳥類に電撃ショックを与えて、追い払 い、鳥類による被害を回避できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）乃至（ｅ）はこの考案の鳥類防護電線の
実施例の断面図である。

【図２】この考案の鳥類防護装置の実施例の斜視図であ
る。

【図３】この考案の鳥類防護電線の他の実施例の断面図
である。

【符号の説明】

１ 鳥類防護電線 ２、７ 帯状絶縁材 ２ａ 平板部 ２ｂ 被覆部 ２ｃ 細隙 ３、８ 導電線 ４ 導通部 ５ 鳥類防護装置 ６ 高電圧パルス発生電源

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁材条の長手方向に沿って２本の導電
   線が埋設してあり、導電線の被覆部に、表面から導電線
   に至る高電圧導通部が設けてあることを特徴とする鳥類
   防護電線。
2. 【請求項２】 帯状の絶縁材の両側縁に沿って導電線が
   埋設してあり、導電線の一側壁が外部に露出させてある
   ことを特徴とする鳥類防護電線。
3. 【請求項３】 帯状の絶縁材の両側縁に沿って導電線が
   埋設してあり、導電線の被覆壁に導電線に至る細隙が形
   成してあることを特徴とする鳥類防護電線。
4. 【請求項４】 絶縁材条の長手方向に沿って２本の導電
   線が埋設してあり、導電線の被覆部に、表面から導電線
   に至る高電圧導通部が設けてある鳥類防護電線を空中に
   張設し、前記導電線間に高電圧パルス発生電源を接続し
   てあることを特徴とする鳥類防護装置。