JP3011980U - サッシ下枠の位置決め治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クサビを使用して簡便な操作で下枠の位置決
めを可能にする。 【構成】 平板状の基板上に、該基板を水平に位置させ
た状態において、サッシ下枠の下面に突出する複数の突
出部のうちの少くとも２つの突出部をそれぞれ下から受
支すべき受支部を設け、上記各受支部で下枠の各突出部
を受支した状態で、上記基板に対する下枠の室内外方向
への移動を抑止するためのずれ止め部を設けた、サッシ
下枠の位置決め治具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は、建物躯体の開口部にサッシ枠を取りつける場合に使用される下枠 取りつけ用位置決め治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、サッシ下枠を開口部の取りつけ位置に正確に位置決めする方法として、 上記開口部の下辺上面と下枠下面との間に複数枚のクサビ板を重ねて差しこむと 共に、クサビ板を適宜叩いて変位させることにより下枠の上下および内外位置を 調整する方法が行われていた。 しかし、従来のクサビ方法は、クサビが差しこまれるべき下枠下面に凹凸があ るため、クサビの差しこみ変位が容易でなく、ときには下枠の位置調整が不能に 至ることもあり、また多くの場合下枠下面の室内側端部が下方へ若干突出し、室 外側端部がそれよりも下方へ突出しているため、該室内側および室外側両突出部 ２点においてそれぞれクサビ調整操作を行わなければならない作業の煩雑さがあ った。

【０００３】 これを改善するため、下枠下面の突起部にアンカー板を係止し、一方、ボック ス内に摺動自在に支持されたスライドブロックに垂直ネジ棒および水平ネジ棒を それぞれ螺合してなる調整器を開口部の下辺上面に設置すると共にその垂直ネジ 棒の上端部を上記アンカー板に連結し、その状態で上記垂直ネジ棒の回し操作に より下枠の上下調整を、水平ネジ棒の回し操作によりスライドブロックを介して 下枠の内外調整をそれぞれ行うもの（特開昭６３−２８４３９０）、その他種々 の構造の位置決め治具が提案された。 しかし、従来のいずれの位置決め治具も、構造が大がかりで簡便さに欠けるた め、現場作業に不向きなものとして敬遠される結果となっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 本願考案は、クサビを使用するが、クサビの差しこみ変位を容易にし、簡便な 操作で下枠の位置決めを可能にすることを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決する手段として、本願考案は、 平板状の基板上に、該基板を水平に位置させた状態において、サッシ下枠の下 面に突出する複数の突出部のうちの少くとも２つの突出部をそれぞれ下から受支 すべき受支部を設け、 上記各受支部で下枠の各突出部を受支した状態で、上記基板に対する下枠の室 内外方向への移動を抑止するためのずれ止め部を設けた、 サッシ下枠の位置決め治具を提案する。 以下図面を参照して本願考案の実施例について説明する。

【０００６】

【実施例】

図１、２に示す位置決め治具（１）は、上下枠および左右枠からなる窓枠（Ｆ ）の下枠（Ａ）を躯体開口部（Ｐ）の下辺上面（ｆ）に位置決めするもので、本 例の下枠（Ａ）は、その下面の室内側端部から突出部（ｂ）を、室外側端部近く からそれよりも下方に位置する突出部（ｃ）をそれぞれ垂直に突出してあり、こ れに対応して本例の位置決め治具は、矩形平板状の基板（２）の室内がわに位置 されるべき端部に起立板（３）を直角に起立し、該起立板（３）のほぼ中間部室 外側面に、上記下枠（Ａ）の室内側突出部（ｂ）を受支すべき受支板（４）を直 角に固定すると共に、該受支板（４）の先端部を上方へ直角に屈曲して一方のず れ止め突条（５）を形成し、このずれ止め突条（５）と平行する起立板（３）の 上部を他方のずれ止め突条（５’）として、両ずれ止め突条（５）、（５’）間 に、上記下枠の室内側突出部（ｂ）に被嵌して室内外方向への移動を抑止するた めのずれ止め溝を形成している。また、基板（２）の室外がわに位置されるべき 端部近くの上面を、上記下枠（Ａ）の室外側突出部（ｃ）を受支すべき受支面（ ６）とし、該受支面（６）の室内側端辺に位置出し片（７）を直角に突設してあ る。

【０００７】 上例の作用を使用例と共に次に説明する。開口部（Ｐ）内に窓枠（Ｆ）を位置 させ、その上枠および左右枠を適宜の位置決め治具によりそれぞれ保持し、また 下枠（Ａ）は、図２のように位置決め治具（１）の受支板（４）上に室内側突出 部（ｂ）を受支させると共にずれ止め突条（５）、（５’）間に保持させ、また 受支面（６）上に室外側突出部（ｃ）をのせ、その状態で基板（２）と開口部下 辺上面（ｆ）との間にクサビ板（８）…を適宜差しこんで保持する。この場合平 板状の基板（２）の下に差しこむのであるから、クサビ差しこみ作業が容易に行 える。 ついで、クサビ板を室内外方向に叩いて調整変位させ、下枠（Ａ）を上下方向 および室内外方向へ移動させて所定の取付位置に調整する。上記クサビ板の変位 作業においても平板状の基板（２）の下で行うから、円滑に変位でき、また下枠 （Ａ）の室内側突出部（ｂ）がずれ止め突条（５）、（５’）の間に保持されて いるから、上記各作業において下枠（Ａ）が位置決め治具と一体となって変位し 、所定の位置調整がなされる。

【０００８】 下枠（Ａ）が所定の取りつけ位置に正確に位置決めされたら、従来と同様に下 枠（Ａ）下面に係止されたアンカー板を躯体開口部の鉄筋に溶接して下枠（Ａ） を固定し、同様に上枠および左右枠も開口部に固定した後、クサビ板（８）…を 取り除いて位置決め治具（１）を取りはずす。上記治具（１）は繰返し使用され る。

【０００９】 図３の他の実施例は、下枠のずれ止めを二重にした例で、下枠（Ａａ）の室内 側突出部（ｂａ）を受支板（４ａ）にのせると共にずれ止め突条（５ａ）、（５ ’ａ）間に保持させ、室外側突出部（ｃａ）を受支面（６ａ）にそれぞれのせた 状態で、起立板（３ａ）上部を下枠の室内側突出部（ｂａ）の室内側面に当接し 、該起立板（３ａ）上部と突出部（ｂａ）をずれ止めネジ（９ａ）により着脱自 在に螺着し、他の構造は上例と実質的に同一としてある。本例では、工場におい てずれ止めネジ（９ａ）の螺着により位置決め治具（１ａ）を予め下枠（Ａａ） 下面の所定位置に仮止めし、その状態で現場へ搬送すれば、作業が一層能率化さ れる。

【００１０】 上記ずれ止め突条（５ａ）を除き、ずれ止めネジ（９ａ）のみによるずれ止め 手段を備え、他の構造は図３と実質的に同一の例もえられる。 上記各例の位置決め治具（１）、（１ａ）は、アルミニウム合金の押出成形、 合成樹脂の成形等により一体に成形したものであってもよい。

【００１１】

【考案の効果】

本願考案のサッシ下枠の位置決め治具によれば、平板状の基板の下にクサビ板 を差しこむから、クサビ板の差しこみおよび調整変位が円滑に行えるようになり 、しかも上記クサビ板の差しこみおよび調整変位作業時にサッシ下枠がずれ止め 部により基板と一体に保持されているから、基板の変位通りの位置に下枠を確実 に位置決めすることができ、これらが相まって現場作業に適した簡便な位置決め 作業を可能にするのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】位置決め治具の斜面図である。

【図２】使用状態の一部垂直断面図である。

【図３】他の実施例の使用状態の一部垂直断面図であ
る。

【符号の説明】

１、１ａ サッシ下枠の位置決め治具 ２、２ａ 基板 ３、３ａ 起立板 ４、４ａ 受支板 ５、５’、５ａ、５’ａ ずれ止め片 ６、６ａ 受支面 ９ａ ずれ止めネジ Ａ、Ａａ 下枠 ｂ、ｂａ、ｃ、ｃａ 突出部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平板状の基板上に、該基板を水平に位置
   させた状態において、サッシ下枠の下面に突出する複数
   の突出部のうちの少くとも２つの突出部をそれぞれ下か
   ら受支すべき受支部を設け、 上記各受支部で下枠の各突出部を受支した状態で、上記
   基板に対する下枠の室内外方向への移動を抑止するため
   のずれ止め部を設けた、サッシ下枠の位置決め治具。
2. 【請求項２】 上記ずれ止め部が、上記受支部の少くと
   も１つにおいて上記下枠の突出部の室内外両側にそれぞ
   れ起立された突条である、請求項１に記載のサッシ下枠
   の位置決め治具。
3. 【請求項３】 上記ずれ止め部が、上記基板の室内側端
   部から起立した起立板と、上記起立板に下枠を仮止めす
   べき着脱自在のずれ止めネジとからなる、請求項１に記
   載のサッシ下枠の位置決め治具。