JP3011027B2 - 視覚障害者誘導用ブロック - Google Patents

視覚障害者誘導用ブロック

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JP3011027B2
JP3011027B2 JP6192458A JP19245894A JP3011027B2 JP 3011027 B2 JP3011027 B2 JP 3011027B2 JP 6192458 A JP6192458 A JP 6192458A JP 19245894 A JP19245894 A JP 19245894A JP 3011027 B2 JP3011027 B2 JP 3011027B2
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洋史 椎名
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歩道橋の昇降部、横断歩
道近傍の歩道等に埋設される視覚障害者誘導用ブロック
に関する。
【0002】
【従来の技術】視覚障害者誘導用ブロックは、歩道橋の
昇降部、横断歩道近傍の歩道等に埋設され視聴覚障害者
に靴の底を通して足の裏に方向、位置等を知らせるもの
で、その形状、大きさ、種類等がJIS A5304
「歩道用コンクリート平板」により規定されている。視
覚障害者誘導用ブロックの種類としては、図11に示す
ように線状ブロック(a)と、点状ブロック(b)の2
種類がある。線状ブロック1は表面に平行な線状の突起
からなる線状鋲2を形成し、この線状鋲2に方向表示機
能と滑り止め機能をもたせたものである。点状ブロック
3は、ブロック表面にリング状の突起からなる点状鋲4
を形成し、この点状鋲4に主に注意すべき位置や誘導対
象施設等の位置を示す機能と滑り止め機能を持たせたも
のである。大形のブロック1,3では1辺が300mm
程度、厚さが30mm程度の方形ブロックからなり、線
状鋲2および点状鋲4の表面に形成する突起の高さは5
mm程度とされる。線状鋲2の突起は通常長円形もしく
は棒状に形成されている。ブロック表面および突起表面
の色彩は、原則として黄色とされる。黄色は弱視者にも
よく識別でき、また晴眼者にもよく遠望できることから
選定されている。そして、この種の視覚障害者誘導用ブ
ロックの材質としては種々のものが知られているが、十
分な強度を有し、歩行性、耐久性、耐候性、耐摩耗性、
滑り難さ等に優れていることが要求されることから、コ
ンクリート製のものが一般的である。また、黄色に着色
されたポリカーボネート製のブロックに平滑表面のステ
ンレス製の鋲を埋設したものも知られている。なお、滑
り易さは歩行性と密接な関連を持つもので、滑り易いと
歩幅が狭くなり、必要以上に筋肉を使って疲労し易くな
ることから、滑り難いものが選定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンク
リート製の視覚障害者誘導用ブロックは、安価であるた
め高級感に乏しく、また一般のコンクリート製敷石との
識別性に乏しい。また、突起は摩耗したり衝撃によって
欠け易いという欠点を有している。ポリカーボネート製
のブロックはコンクリート製と同様に高級感に乏しく、
また廃物処理する際に焼却すると公害問題を起こすとい
う問題があった。また、近年舗装に天然石を用いて美観
を向上することも試みられ、その際にステンレス製鋲を
用いているが、高価であると同時に滑り易く、抜け易い
という問題もあった。
【0004】したがって、本発明は上記したような従来
の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、高級感に優れ、また突起部が摩耗したり破損した
りすることがなく、しかも廃物処理する際に公害問題を
起こすことがない視覚障害者誘導用ブロックを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、表面に線状、点状等の適
宜な突起部が突設されまたその頭部下面には充填剤溜部
が形成された頭部と周面に抜け止め部が形成され前記頭
部の下面に一体に突設された脚部とからなる金属製の鋲
と、地中にその上面を地表面に露出させて埋設される天
然石製の敷石ブロックとからなり、前記鋲の脚部が前記
敷石ブロックの表面に形成された埋込穴に充填剤により
埋め込み固定されていることを特徴とする。請求項2に
記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記鋲
が点状鋲または線状鋲であることを特徴とする。請求項
3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明におい
て、前記鋲の頭部表面に形成されている突起部が同心円
上に不連続に突設された複数個の突起で構成されている
ことを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項1
〜3のうちのいずれか1つに記載の発明において、前記
鋲がアルミニウム合金鋳物によって製作されていること
を特徴とする。
【0006】
【作用】天然石製の敷石ブロックは、一般のコンクリー
ト製敷石と識別を容易にする。また、コンクリートおよ
び樹脂製のものに比べて高級感がある。鋲は金属製で突
起部の損耗、破損等を防止し、耐久性に優れている。特
に、アルミニウム合金鋳物製鋲とすることによって更に
複雑形状のものを低コストのものとすることができる。
充填剤溜部と抜け防止部は、充填剤による敷石ブロック
と鋲との接合強度を増大させる。また、鋲表面の分割さ
れた突起部は滑り止めと排水路の機能を果たす。
【0007】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。図1(a),(b),(c)は本発明
に係る視覚障害者誘導用ブロックに用いられる鋲の一実
施例を示す平面図、正面図、I−I線断面図、図2は同
鋲を用いたブロックの要部平面図、図3は図2のIII −
III 線断面図である。本実施例は点状ブロックに適用し
た場合を示すもので、地中にその上面を地表面に露出さ
せて埋設される敷石ブロック11と、この敷石ブロック
11の表面に配設される複数個の点状鋲12とで点状ブ
ロック10を構成したのである。この場合、点状鋲には
敷石ブロック11に対して千鳥状など適宜の配列ともさ
れる。
【0008】前記敷石ブロック11の材質としては御影
石、大理石、玉石等の天然石(自然石)が用いられ、そ
の形状は例えば一辺の長さAが300mm程度、厚さB
が30mm程度の方形ブロックとされ、表面には複数個
の埋込穴13が所要の間隔をおいて縦横6列ずつマトリ
クス状に配列されて穿設されている。埋込穴13は、穴
径が15mm程度、深さが20mm〜23mm程度とさ
れる。
【0009】前記鋲12は、アルミニウム合金等の鋳物
製で、特には品質、コスト上からダイカスト法が好まし
いが、金型鋳造、普通ダイカスト鋳造、酸素置換ダイカ
スト鋳造、低圧鋳造等によって一体に製作されることに
より、表面に線状の突起部15が一体に突設された円板
状の頭部14と、頭部14の下面中央に一体に突設され
た脚部16とで構成されている。アルミニウム合金とし
ては、規格合金ではダイカスト用Al合金(ADC1〜
ADC12合金)、鋳物用Al合金(AC1A〜AC8
A合金)等が用いられる。頭部14は、直径が35mm
程度、厚さが5mm程度の円板とされる。また、頭部1
4の下面中央には適宜深さ、例えば1.Omm程度の凹
部からなる充填剤溜部17が形成されている。線状突起
部15は同心円上に不連続に突設された複数個、例えば
内、外側それぞれ4つからなる円弧状の突起で構成され
ている。この場合、分割された表示部15では雨水や散
水の排水路を形成すると共に、滑り止め機能を果たす。
脚部16の一部周面には深さが脚部16の先端に向かう
程深くなるU字状溝からなる抜け防止部18が形成され
ている。脚部16としては、その基部側外径が10mm
程度で、先端側外径が7mm程度の截頭円錐形とされ、
長さが13mm程度に設定されている。
【0010】点状ブロック10の製作に際しては、敷石
ブロック11の埋込穴13に充填剤19を充填し、各鋲
12の脚部16を埋込穴13に嵌挿して頭部14の周縁
部下面14aを敷石ブロック11の表面に密接すればよ
い。充填剤19としてはエポキシ樹脂などの樹脂系充填
剤、接着用セメント等が用いられる。脚部16を埋込穴
13に差し込むと、充填剤19の一部は埋込穴13から
溢れ出して充填剤溜部17および敷石ブロック11の表
面と頭部下面との隙間に侵入し、頭部14を敷石ブロッ
ク11の表面に接合固定する。なお、このような点状ブ
ロック10の施工にあたっては、不陸や不等沈下が生じ
ないように予め地面を突き固めて転圧し、地表面に形成
した凹みに充填剤、アスファルト等を充填し、点状ブロ
ック10を埋め込めばよい。
【0011】かくしてこのような構成からなる視覚障害
者誘導用ブロックにあっては、敷石ブロック11を御影
石、大理石、玉石等の天然石によって製作しているの
で、高級感に富み、一般のコンクリート製敷石との識別
が容易である。また、天然石は廃棄処理する際、砕いて
そのまま廃棄すればよいので、樹脂製ブロックに比べて
廃棄処理が簡単である。
【0012】また、本発明においては鋲12をアルミニ
ウム合金鋳物製とすると共にその上面に不連続な突起1
5が製作されているのでステンレス製に比べて滑り難
く、歩行性のよい視覚障害者誘導用ブロックを形成する
ことができる。また、アルミニウムの場合はステンレス
に比べて製造性に優れ、安価に製作することができる。
【0013】また、本発明は脚部16の周面に抜け防止
部18を設け、頭部14の下面に充填剤溜部17を設け
ているので、充填剤19による敷石ブロック11と鋲1
2との接合強度が大きく、鋲12を敷石ブロック11に
確実に接合固定することができる。したがって、鋲12
が剥がれたりすることがない。
【0014】また、突起部15を不連続な突起で構成す
ると、その不連続部が排水路を形成し、突起部15の内
側に溜まった雨水や散水を外側に流れ易くするため、水
はけがよく、鋲12の表面に水が溜まるのを防止するこ
とができる。
【0015】図4は本発明の他の実施例を示す要部断面
図である。この実施例は点状鋲12の脚部16の中間部
と先端部を小径化して段部を設け、その中間の大径部分
を抜け防止部18としたものである。このような構成に
おいても上記実施例と同様な効果が得られる。
【0016】図5は本発明の更に他の実施例を示す要部
断面図である。この実施例は点状鋲12の脚部16の中
間部に貫通穴からなる抜け防止部18を形成したもので
ある。このような構成においても充填剤が抜け防止部1
8に進入するので、敷石ブロック11と鋲12との結合
強度が大きく、鋲12の抜けを確実に防止することがで
きる。
【0017】図6は点状鋲の更に他の実施例を示す要部
平面図である。この実施例は点状鋲12の頭部表面に形
成される突起部15を、同心円上に配列形成された多数
の短い突起15’で構成したものである。このような構
成においても図1に示した実施例と同様な効果が得られ
る。
【0018】図7は線状ブロックの実施例を示す要部平
面図、図8は図7のVIII−VIII線断面図、図9は図7の
IX−IX線断面図である。この実施例は線状鋲30の
頭部34を長円形の板状に形成し、その表面に複数個の
突起部35を並設し、下面に左右と中央の計3個の脚部
36を一体に突設したものである。頭部34の長さは2
89mm程度、幅は35mm程度、板厚は5mm程度と
される。全長に対して9個隔設される各突起部35は、
図1に示した実施例と同様、同心円上に不連続に突設さ
れた複数個、例えば内、外それぞれ4つずつからなる半
円形の突状体によって構成されている。また、頭部34
の下面には充填剤溜部37が全長に形成され、各脚部3
6の一部周面には深さが脚部36の先端に向かう程深く
なるU字状の溝からなる抜け防止部39が形成されてい
る。
【0019】図10は本発明を線状鋲の他の実施例を示
す要部平面図である。この実施例は図7〜図9に示した
上記実施例と同様に線状鋲30’の頭部34を長円形の
板状に形成し、その表面に複数個の直線状突起部40と
円弧状突起部41とを形成し、下面に左右と中央の計3
個の脚部36を一体に突設すると共に、適宜深さの凹部
からなる充填剤溜部(図示せず)を形成したものであ
る。頭部34の長さは289mm程度、幅は35mm程
度、板厚は5mm程度とされる。直線状突起部40は、
長さlが10〜16mm程度、幅wが1mm程度、高さ
が1.0mm程度で、長手方向を頭部34の長手方向と
一致させて頭部34の幅方向に所要の間隔をおいて複数
個の突起40a,40b,40c・・・で構成されてい
る。内側2列の突状体の間隔d1 は12mm程度、外側
と隣接する内側の突状体の間隔d2 は6mm程度とされ
る。頭部34の端部に位置する円弧状突起部41は同心
円上に突設された円弧状の突起41a,41bで構成さ
れている。その他の構成は上記実施例と同様である。
【0020】このような構成からなる視覚障害者誘導用
ブロックにおいても上記実施例と同様な作用効果が得ら
れることは言うまでもない。
【0021】なお、本発明は上記した実施例に何等特定
されるものではなく、敷石ブロックの大きさ、例えば1
00mm〜500mmの範囲でのいずれかの大きさによ
っても鋲数や脚数を調節し得るし、種々の変形、変更が
可能である。例えば抜け防止部18を突起で構成しても
よい。また、突起部15を同心円上に配列した複数の突
起で構成する代わりに小さな突起をランダムに形成して
もよく、その場合は同心円上に設けた場合に比べて滑り
止めの方向性を少なくすることができる。また、例えば
150mm角の敷石ブロックに対しては点状鋲を3列3
行状に配設するとか、対応する長さとした線状鋲では2
列に配設するとかの態様を採り得るものである。更に、
鋲表面に表面処理を施して着色皮膜を形成したものを適
用してもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る視覚障
害者誘導用ブロックにおいては、表面に線状、点状等の
適宜な突起部が突設されまた頭部下面には充填剤溜部が
形成された頭部と周面に抜け止め部が形成され前記頭部
の下面に一体に突設された脚部とからなる金属製の鋲
と、地中にその上面を地表面に露出させて埋設される天
然石製の敷石ブロックとからなり、前記鋲の脚部を前記
敷石ブロックの表面に形成した埋込穴に嵌挿し充填剤に
より接合固定したので、高級感に富み、一般のコンクリ
ート製敷石との識別が容易であり、適切に滑り防止も果
たすことができる。また、天然石は廃棄処理する際、砕
いてそのまま廃棄することができるので、樹脂製ブロッ
クに比べて廃棄処理が簡単である。
【0023】また、本発明は鋲の脚部周面に抜け防止部
を設け、頭部下面に充填剤溜部を設けているので、充填
剤による敷石ブロックと鋲との接合強度が大きく、鋲を
敷石ブロックに確実に接合固定することができ、その抜
けを防止することができる。また、本発明は鋲の頭部表
面に形成されている突起部を同心円上に不連続に突設さ
れた複数個の突起で構成したので、不連続部が排水路を
形成し、水はけをよくする。
【0024】また、本発明においては鋲がアルミニウム
合金鋳物製で、特により好適にはダイカスト品とする
と、所要の特性を充足しながら安価に提供でき、歩行性
のよい視覚障害者誘導用ブロックを提供するすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b),(c)は本発明に係る視覚
障害者誘導用ブロックに適用する点状鋲の一実施例の平
面図、正面図、I−I線断面図である。
【図2】 同点状鋲を配設したブロックの要部平面図断
面図である。
【図3】 図2のIII −III 線断面図である。
【図4】 本発明の他の実施例を示す要部断面図であ
る。
【図5】 本発明の更に他の実施例を示す要部断面図で
ある。
【図6】 本発明の更に他の実施例を示す要部平面図で
ある。
【図7】 本発明の線状鋲を適用した他の実施例を示す
要部平面図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】 図7のIX−IX線断面図である。
【図10】 本発明の他の態様の線状鋲を線状ブロック
に適用した場合の実施例を示す要部平面図である。
【図11】 (a),(b)は従来の線状ブロックと点
状ブロックの平面図である。
【符号の説明】
1…線状ブロック、2…線状鋲、3…点状ブロック、4
…点状鋲、10…視覚障害者誘導用ブロック、11…敷
石ブロック、12…点状鋲、13…埋込穴、14…頭
部、15…突起部、16…脚部、17…充填剤溜部、1
8……抜け防止部、19…充填剤、30,30’…線状
鋲、34…頭部、35…突起部、41a,41b〜41
n…突起。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に線状、点状等の適宜な突起部が突
    設され、またその頭部下面には充填剤溜部が形成された
    頭部と周面に抜け止め部が形成され前記頭部の下面に一
    体に突設された脚部とからなる金属製の鋲と、地中にそ
    の上面を地表面に露出させて埋設される天然石製の敷石
    ブロックとからなり、前記鋲の脚部が前記敷石ブロック
    の表面に形成された埋込穴に充填剤により埋め込み固定
    されていることを特徴とする視覚障害者誘導用ブロッ
    ク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の視覚障害者誘導用ブロッ
    クにおいて、前記鋲が点状鋲または線状鋲であることを
    特徴とする視覚障害者誘導用ブロック。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の視覚障害者誘導用
    ブロックにおいて、前記鋲の頭部表面に形成されている
    突起部が同心円上に不連続に突設された複数個の突起で
    構成されていることを特徴とする視覚障害者誘導用ブロ
    ック。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちのいずれか1つに記
    載の視覚障害者誘導用ブロックにおいて、前記鋲がアル
    ミニウム合金鋳物によって製作されていることを特徴と
    する視覚障害者誘導用ブロック。
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FR2959664B1 (fr) * 2010-05-04 2012-05-11 Semco Plot podo-tactile
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