JP3011013B2 - 焼却炉の炉床構造 - Google Patents

焼却炉の炉床構造

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JP3011013B2
JP3011013B2 JP6060433A JP6043394A JP3011013B2 JP 3011013 B2 JP3011013 B2 JP 3011013B2 JP 6060433 A JP6060433 A JP 6060433A JP 6043394 A JP6043394 A JP 6043394A JP 3011013 B2 JP3011013 B2 JP 3011013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ごみ焼却炉や産業廃棄
物焼却炉における焼却炉の炉床構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図5〜図6に示すような焼却炉に
おいては、燃焼室内に乾燥帯域A、燃焼帯域B、後燃焼
帯域Cの各領域を連続して順次に形成している。各帯域
の炉床をなすストーカ1は、前方斜め上方に向けて傾斜
する可動ロストル列2と固定ロストル列3を焼却炉の前
後方向において交互に配置したものであり、可動ロスト
ル列2は複数個の可動ロストル4を、固定ロストル列3
は複数個の固定ロストル5をそれぞれ炉幅方向に並設し
たものである。
【0003】可動ロストル4は可動フレーム6に設けた
可動バー7に基端部4aにおいて抱き付くように嵌合
し、可動バー7の軸心方向に移動可能である。また、固
定ロストル5は固定フレーム8に設けた固定バー9に基
端部5aにおいて抱き付くように嵌合し、固定バー9の
軸心方向に移動可能である。
【0004】可動フレーム6にはクランク機構10を介
して駆動シリンダ装置11を接続しており、駆動シリン
ダ装置11の出退によって可動フレーム6で支持する複
数個の可動ロストル列2が一体的に固定ロストル列3に
対して摺動し、ストーカ1上のごみを次の帯域に搬送す
る。
【0005】また、空冷壁12と空冷壁12に対向する
可動ロストル4および固定ロストル5の間には、可動ロ
ストル4および固定ロストル5を可動バー7および固定
バー9の軸心方向に付勢するバネ部材(図示せず)を介
装しており、ごみ焼却時に熱膨張によって可動ロストル
4および固定ロストル5に生じる膨張量をバネ部材の収
縮によって吸収している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した焼却
炉の炉床構造では、バネ部材を炉側にしか配置すること
ができず、吸収可能な膨張量には限りがある。このた
め、焼却炉の規模が大きくなり、炉幅の拡幅とともに可
動ロストル4および固定ロストル5の数が増加して熱膨
張によって生じる膨張量が大きくなると、バネ部材によ
っては熱膨張量を吸収することが出来なく問題があっ
た。
【0007】本発明は上記した課題を解決するもので、
ごみ焼却時にストーカの可動ロストル列および固定ロス
トル列に生じる炉幅方向の膨張量を、バネ部材のような
弾性体を使用することなく、炉幅方向の複数箇所におい
て吸収することができる焼却炉の炉床構造を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明に係る焼却炉の炉床構造は、複数個のロ
ストルを炉幅方向に平行に配設してロストル列を形成す
るとともに、焼却炉の前後方向において複数のロストル
列を配設してストーカを形成し、炉幅方向の適当箇所に
おいてロストル列中に膨張量吸収手段を介装するもの
で、熱膨張量吸収手段は、炉床面を形成する上面プレー
ト部が左右に隣接するロストルより上方に突出して断面
形状がT字型をなすT型固定ロストルと、T型固定ロス
トルの両側に位置し、上面プレート部の下方位置におい
てロストル列方向に移動自在なサイドプレートからな
り、サイドプレートをT型固定ロストルに隣接するロス
トルに固定した構成としたものである。
【0009】また、ストーカの下方に形成するシュート
を、膨張量吸収手段を境として区分した各領域毎に設
け、隣接するシュートを膨張量吸収手段によって隔離し
た構成としたものである。
【0010】
【作用】上記した構成によれば、ごみ焼却時において熱
膨張によってロストル列に炉幅方向の伸びが発生する
と、ロストル列の熱膨張にともなってサイドプレートが
ロストル列方向に移動し、ロストル列の熱膨張量を吸収
する。
【0011】したがって、炉幅の拡張にともなってロス
トル列におけるロストル数が増加し、ロストル列におけ
る総熱膨張量が増大する場合には、ロストル列中に介装
する熱膨張量吸収手段の数を適宜に増加させることによ
って対応することができる。
【0012】また、ストーカの下方に形成するシュート
を、炉幅方向に沿った複数の領域に区分して設けること
により、各シュート毎に空気噴出量を調整することが可
能となり、炉幅方向の炉中心部における空気噴出量を炉
側部における空気噴出量に比べて多くすることによって
異常燃焼による炉壁の損傷等を防止できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。先に図5〜図6において説明したものと同様の
作用を行う部材については同一番号を付して説明を省略
する。
【0014】ストーカ1には、炉幅方向の適当箇所にお
いて可動ロストル列2および固定ロストル列3の途中に
膨張量吸収手段21を介装している。膨張量吸収手段2
1は、複数の可動ロストル列2ないし固定ロストル列3
に又がる形状をなしており、断面形状がT字型をなすT
型固定ロストル22と、T型固定ロストル22の両側に
配置するサイドプレート23,23からなる。
【0015】T型固定ロストル22は、炉床面を形成す
る上面プレート部22aが左右に隣接する可動ロストル
4ないし固定ロストル5より上方に突出しており、垂直
な支持プレート部22bを固定フレーム8に固定してい
る。上面プレート部22aの側縁部には、当該側縁部に
対向する可動ロストル4のロストル列方向への移動を許
容する切欠部αを形成している。サイドプレート23,
23は、上面プレート部22aの下方位置においてロス
トル列方向(炉幅方向)に移動自在であり、T型固定ロ
ストル22に隣接する固定ロストル5に固定している。
【0016】また、ストーカ1の下方には、燃焼空気の
供給経路をなす複数のシュート24をロストル列方向
(炉幅方向)に沿って設けており、各シュート24は膨
張量吸収手段21を境として区分した各領域毎に存在す
る。隣接するシュート24の間は膨張量吸収手段21で
あるT型固定ロストル22によって隔離している。
【0017】以下、上記構成における作用について説明
する。ごみ焼却時にストーカ1を構成する各可動ロスト
ル2および各固定ロストル3が熱膨張し、可動ロストル
列2および固定ロストル列3にロストル列方向(炉幅方
向)の伸びが発生すると、可動ロストル列2および固定
ロストル列3の熱膨張にともなってサイドプレート2
3,23が上面プレート部22aの下方領域においてロ
ストル列方向に移動し、可動ロストル列2および固定ロ
ストル列3の熱膨張量を吸収する。
【0018】したがって、焼却炉の規模が大型化し、炉
幅の拡張にともなって可動ロストル列2および固定ロス
トル列3におけるロストル数が増加し、可動ロストル列
2および固定ロストル列3における総熱膨張量が増大す
る場合には、ロストル列中に介装する熱膨張量吸収手段
21の数を適宜に増加させることによって柔軟に対応す
ることができる。
【0019】また、ストーカ1の下方に形成するシュー
ト24を、炉幅方向に沿った複数の領域に区分して設け
ることにより、各シュート24毎に空気噴出量を調整す
ることが可能となり、炉幅方向の炉中心部における空気
噴出量を炉側部における空気噴出量に比べて多くするこ
とによって異常燃焼による炉壁12の損傷等を防止でき
る。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ごみ焼
却時において熱膨張によってロストル列に発生する炉幅
方向の伸びを、サイドプレートがロストル列方向に移動
することによって吸収することができる。したがって、
炉幅の拡張に対しては、ロストル列中に介装する熱膨張
量吸収手段の数を適宜に増加させることによって柔軟に
対応することができる。また、炉幅方向に沿った複数の
領域に区分して設けたシュートの間を熱膨張量吸収手段
によって隔離することにより、各シュート毎の空気噴出
量の調整が可能となり、異常燃焼による炉壁の損傷等を
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による焼却炉の炉床構造にお
ける膨張量吸収手段の断面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】同実施例における膨張量吸収手段の配設状態を
示す断面図である。
【図4】同実施例における膨張量吸収手段の平面図であ
る。
【図5】従来の焼却炉におけるストーカの説明図であ
る。
【図6】従来のストーカの断面図である。
【符号の説明】
1 ストーカ 2 可動ロストル列 3 固定ロストル列 4 可動ロストル 5 固定ロストル 21 膨張量吸収手段 22 T型固定ロストル 22a 上面プレート部 23 サイドプレート 24 シュート

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のロストルを炉幅方向に平行に配
    設してロストル列を形成するとともに、焼却炉の前後方
    向において複数のロストル列を配設してストーカを形成
    し、炉幅方向の適当箇所においてロストル列中に膨張量
    吸収手段を介装するもので、熱膨張量吸収手段は、炉床
    面を形成する上面プレート部が左右に隣接するロストル
    より上方に突出して断面形状がT字型をなすT型固定ロ
    ストルと、T型固定ロストルの両側に位置し、上面プレ
    ート部の下方位置においてロストル列方向に移動自在な
    サイドプレートからなり、サイドプレートをT型固定ロ
    ストルに隣接するロストルに固定したことを特徴とする
    焼却炉の炉床構造。
  2. 【請求項2】 ストーカの下方に形成するシュートを、
    膨張量吸収手段を境として区分した各領域毎に設け、隣
    接するシュートを膨張量吸収手段によって隔離したこと
    を特徴とする請求項1記載の焼却炉の炉床構造。
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