JP3010844U - 掲示具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で、軽量、且つ嵩を低く出来、しかも種
々の掲示方法を採れる掲示具を提供する。 【構成】 色紙を保持する台紙５の裏面に厚紙９を貼着
し、該厚紙９の上側の部位に、掲示具を縦向き立て掛け
るための支持片１１を、縦開きに折り曲げ可能に切り込
みを入れて形成する。又該厚紙９の下側部位に、前記支
持片１１に係合して該支持片１１の位置を固定するため
の固定片１３を、折り曲げ可能に切り込みを入れて形成
する。又前記支持片１１の一側端には、掲示具を横向き
に立て掛けるための突起部１６を設けてなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、色紙や写真等の被掲示物を掲示するために用いる掲示具に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、色紙ａは、例えば図６に示す状態で台紙ｂに保持されて壁に吊り下げて 掲げられるのが通常であったが、展示場によっては、壁掛け以外にテーブル上面 に立て掛けて、写真のように鑑賞出来るようにすることも要請されていた。

【０００３】 このような要請に応じんとする場合、写真を入れる写真立てを利用して色紙を 立て掛けることが考えられる。こうした写真立てを利用する場合、写真立ての裏 面には、通常、写真立てを所定の後方傾斜の状態で支持するために、回動自在の 木製の支持片を設けてある。この木製の支持片は、折り畳んでも裏面に突出した 状態となるので、この写真立を重ねて梱包したりすると、その支持片の突出分だ け梱包の嵩が増えることになるし、全体が木製であると重量も増し、又製造コス トも増すという問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案者は、このような掲示具を構成するに際し、前記写真立てと同様 の本体を、木ではなく台紙で構成すると共に、図７〜８に示すように、台紙ｃの 裏面に、紙製の三角筒の支持体ｄを設けることとし、又この三角筒の支持体ｄの 底辺部ｅを中折れ式に折り畳み出来るように構成し、図７〜８に示すように支持 体ｄの底辺部ｅを引き延ばした三角筒状態で、台紙に取り付けた色紙をテーブル 上面ｆ等に立て掛けることが出来、一方図９に示すように支持体を折り畳んだ状 態で、出荷及び取り扱いが出来るようにすることを考えた。

【０００５】 しかし乍ら、この構造の掲示具の場合、更に次の如き問題があった。 中折れ式に折り畳み出来る三角筒の支持体ｄを別途準備し、且つ、該支持体 ｄをその固定片ｆで台紙ｃの裏面に貼着することを要して製造に手間がかかり、 又台紙が大きくなる程それに合わせて大型の支持体を貼着しなければならないこ とともなって、製造コストの上昇を招く問題があった。

【０００６】 三角筒の支持体ｄを台紙の裏面に貼着する構成であったため、三角筒を折り 畳んだ状態でも嵩張って、箱詰め数量を多くとれず、梱包、搬送に不利であった 。又積層状態に梱包したとき、裏面に突出した部分が下段の掲示具を損傷する恐 れがあった。加えて、裏面を見たときに、折り畳み状態の支持体が台紙裏面に突 出状態となって体裁が悪いという問題もあった。

【０００７】 三角筒の支持体ｄを用いているため、この掲示具は、写真立てのように、縦 向きに立て掛けることしか出来ず、種々の使用態様が採れない問題があった。

【０００８】 本考案者は、かかる問題点に鑑み、安価で、軽量、且つ嵩を低く出来、しかも 、種々の使用態様（掲示方法）の採れるところの掲示具の提供を目的とするもの である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するため以下の手段を採用する。 即ち本考案に係る掲示具は、色紙や写真等の被掲示物を保持する掲示具であっ て、被掲示物を保持する台紙（一枚板状体でも、中がくり抜かれた枠状体でもよ い）の裏面に厚紙を固着し、該厚紙の上側の部位に、前記掲示具を縦向きに立て 掛けるための支持片を、縦開きに折り曲げ可能に切り込みを入れて形成し、又該 厚紙の下側の部位には、前記支持片に係合して支持片の位置を固定するための固 定片を、折り曲げ可能に切り込みを入れて形成してなり、且つ前記支持片は、そ の一側端に、前記掲示具を横向きに立て掛けた際に載置面と当接する当接部を有 することを特徴とするものである。

【００１０】 本考案に係る掲示具のより好ましい態様は、被掲示物を保持する台紙の裏面に 厚紙を固着し、該厚紙の上側の部位に、前記掲示具を縦向きに立て掛けるための 支持片を、縦開きに折り曲げ可能に切り込みを入れて形成し、又該厚紙の下側の 部位には、前記支持片に係合して該支持片の位置を固定するための固定片を折り 曲げ可能に切り込みを入れて形成してなり、且つ前記支持片は、その一側端に、 前記掲示具を横向きに立て掛けた際に載置面と当接する突起部が突設されてなる ことを特徴とするものである。該掲示具において、支持片の有する突起部の外側 辺の、厚紙の縦方向に対する傾斜角度を、掲示具の横向き立て掛け時の後方への 傾斜角度に略等しい角度に設定するのがよい。

【００１１】 前記各掲示具において、支持片に、固定片の一部を係合させるための係止孔を 開穿するのがよい。その場合、より好ましくは、固定片の先端側の部分に、首部 と、その先端で左右に突出した係合頭部とからなる略Ｔ字状の係合突片を形成し 、一方支持片に、前記係合頭部を挿入させるための横方向に延びる横係止孔と、 該横係止孔の中央部位に連設されて前記首部を挿入させるための縦方向に延びる 縦係止孔とからなる略Ｔ字状の係止孔を設けるのがよい。

【００１２】 前記各掲示具において、台紙が、被掲示物を挿入状態で保持するように、該被 掲示物を挿入するための挿入溝を具えるように構成するのがよい。又掲示具の上 部の左右に、掲示具を吊り下げるための紐取付け孔を設けるのがよい。

【００１３】

【作用】

然して本考案によるときは、支持片及び固定片が折り畳まれた状態においては 、これらが厚紙の厚さに納まるため、掲示具は一枚板状に非常に嵩の低い状態と なり、梱包、搬送、取り扱いが容易である。

【００１４】 そして吊り下げ用の紐取付け孔を具える場合、吊り紐によって、この嵩の低い 板状の状態で、掲示具を従来と同様にして壁に吊り下げることが出来る。

【００１５】 又この掲示具は、支持片を縦開きに折り曲げると共に、固定片を起こして、こ れを支持片に係合させることにより、テーブル面等の載置面に縦向きに立て掛け ることが出来る。この係合は、支持片に設けた係止孔に固定片の一部を係合させ ることによって行われる。特に、固定片が略Ｔ字状の係合突片を有し、且つ支持 片が略Ｔ字状の係止孔を有する場合は、係合頭部を横係止孔に挿入した後、係合 突片の首部を縦係止孔に挿入せしめ、係合頭部を縦係止孔の両側縁部分と係合さ せることによって行われる。

【００１６】 又、掲示具を横向きにし、且つ支持片を略直角に開いてその当接部又は突起部 をテーブル面等の載置面に当接させることにより、掲示具を横向きに立て掛ける ことが出来る。特に、突起部の外側辺の、厚紙の縦方向に対する傾斜角度を、掲 示具の横向き立て掛け時の後方への傾斜角度に略等しい角度に設定したときは、 この傾斜した外側辺の端面が、載置面に線接触（厚紙とみた場合には長い面接触 ）して安定した支持が得られることになる。

【００１７】 このように本考案に係る掲示具は、従来と同様に、壁に吊り下げて掲げること が可能であるばかりか（吊り下げ用の紐取付け孔を具える場合）、縦向きにも横 向きにも立て掛けることが出来るのであり、三態様の掲示法を容易に選択出来る 。

【００１８】

【実施例】

以下本考案に係る掲示具の実施例を図面に基づいて説明する。 図１〜５において本考案に係る掲示具１は、色紙や写真等の被掲示物２を保持 する、中央部に矩形の開口３を有する矩形板状の台紙５の裏面に、その両側縁部 分６，６及びその下縁部分７に貼着された正面視でコ字型をなす浮かし片８を介 在させて、矩形板状をなす厚紙（例えば、掲示具の立て掛け状態を支持出来る強 度を持つ１mm程度の厚みを有するもの）９を貼着してなり、この台紙５と厚紙９ との間に、前記被掲示物２を挿入させるための上方開放の挿入溝１０が形成され ている。

【００１９】 前記厚紙９には、その上側の部位において（本実施例では厚紙の中央部位にお いて）、掲示具を図３〜４に示すように縦向きに立て掛けるための支持片１１を 、下端縁１２において後方に向け折り曲げ可能に切り込みを入れて形成すると共 に、該厚紙９の、支持片１１の下側に位置する部位には、前記支持片１１に係合 して支持片の位置を固定するための固定片１３を、下端縁１５において後方に向 け折曲げ可能に切込みを入れて形成してなる。

【００２０】 前記支持片１１は、より具体的には、上側に向かうにつれて幅広となる台形板 状を呈し、その短辺となる前記下端縁１２においてのみ台紙５に連なっている。 又該支持片１１には、一方の側辺の上端部分が台紙の側方に向けて矩形板状に張 り出して、突起部１６が形成されており、該突起部１６の外側辺１７の、厚紙の 縦方向に対する傾斜角度αは、図５に示すように掲示具１を横向きに立て掛けた ときの、後方への傾斜角度に略等しい角度に設定されている。又該支持片１１の 略中央部位の稍上側に位置させて、横方向に延びる横係止孔１９と、該横係止孔 の中央部位に連設された縦方向に延びる縦係止孔２０とからなる略Ｔ字状の係止 孔２１が開穿されている。

【００２１】 一方前記固定片１３は、より具体的には、上方に向かうにつれて幅狭となる台 形状をなし、その長辺となる前記下端縁１５においてのみ台紙５に連なっており 、その上端部分には、首部２２と、その先端で左右に突出した係合頭部２３とか らなる略Ｔ字状の係合突片２５が設けられている。

【００２２】 然して、掲示具１を縦向きに立て掛けるには、図３〜４に示すように支持片１ １を前記下端縁１２において後方に向け下方に開き（縦開きし）且つ固定片１３ も前記下端縁１５において後方に開き、該固定片先端部分をなす略Ｔ字状の係合 突片２５の係合頭部２３を前記係止孔２１の横係止孔１９に挿入して後、首部２ ２を縦係止孔２０に挿入せしめ、係合頭部２３の両側部分２６，２６を縦係止孔 ２０の両側部分２７，２７と係合状態とする。これによって、支持片１１が開き 状態で固定される。従って掲示具１は、該支持片１１に安定的に支持されて、縦 向きの立て掛け状態で保持されることとなる。

【００２３】 一方掲示具１を横向きに立て掛けるには、図５に示すように、掲示具を横向き にし且つ支持片１１を略直角に開いて、支持片の突起部１６の傾斜した外側辺１ ７の端面２９をテーブル面等の載置面２９に当接させると、外側辺１７の略全域 に亘って当接した状態となって、掲示具が横向きに安定的に立て掛けられること となる。

【００２４】 又厚紙９の上縁部分の中央部左右に設けた紐取付け孔３０，３０に吊り紐３１ が取付けられており（図２〜３）、掲示具１は、支持片１１と固定片１３が折り 畳まれた図２に示す状態において、壁に吊り下げることが出来るようになされて いる。又被掲示物は、図６に示すと同様にして、台紙の四隅部分において、保持 ゴム３２によって保持されてもよい。

【００２５】

【考案の効果】

本考案に係る掲示具は以下の如き優れた効果を奏する。 本考案に係る掲示具は、台紙の裏面に安価な厚紙を具え、これに支持片及び 固定片が切り込みを入れて形成されており、この支持片及び固定片を折り曲げ可 能としている。従って、支持片及び固定片が折り畳まれた状態においては、それ が厚紙の厚さに収まって掲示具は非常に嵩の低い状態となるため、箱詰め数量を 多く出来、梱包、搬送に有利である。

【００２６】 支持片及び固定片を厚紙を用いて製作するため、従来の写真立てのように木 製支持片を具える場合に比して、重量増加を最小限に抑えることが出来る。

【００２７】 支持片及び固定片が折り畳まれた状態においては、それが厚紙の厚さに収ま って一枚板状になるため、積層状態に梱包したときにも、下段の掲示具を損傷す るといった問題が発生しない。

【００２８】 本考案に係る掲示具は、支持片を縦開きに折り曲げると共に、固定片を起こ して、これを支持片に係合させることにより、テーブル面等の載置面に縦向きに 立て掛けることが出来る。又掲示具を横向きにし、且つ支持片を略直角に開いて 支持片の当接部又は突起部をテーブル面等の載置面に当接させることにより、掲 示具を横向きに立て掛けることが出来る。特に支持片が突起部を具えるときは、 支持片を極力小型に形成して、掲示具を横向きに立て掛けることが可能となる。 又掲示具が吊り下げ用の紐取付け孔を具える場合、それに取り付けられた吊り紐 により、掲示具を従来と同様にして壁に吊り下げることが出来る。 このように本考案に係る掲示具は、従来と同様に壁に吊り下げることが可能で あるばかりか、縦向きにも横向きにも立て掛けることが出来るのであり、三態様 の掲示法を容易に選択出来る利点がある。

【００２９】 特に、突起部の外側辺の、厚紙の縦方向に対する傾斜角度を、掲示具の横向 き立て掛け時の後方への傾斜角度に略等しい角度に設定したときは、この傾斜し た外側辺の端面が、テーブル面等の載置面に略全面支持された状態となるため、 安定した額の立て掛けが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】掲示具を説明する正面図である。

【図２】掲示具を説明する背面図である。

【図３】掲示具を縦向きに立て掛けた状態を示す斜視図
である。

【図４】掲示具を縦向きに立て掛けた状態を示す側面図
である。

【図５】掲示具を横向きに立て掛けた状態を示す斜視図
である。

【図６】色紙を壁に吊り下げて掲げる従来の掲示方法を
説明する正面図である。

【図７】三角筒の支持体を有する従来の写真立てを説明
する斜視図である。

【図８】支持体の折り畳み要領を併せて示す、その側面
断面図である。

【図９】支持体を折り畳んだ状態を示す、その側面図で
ある。

【符号の説明】

１ 掲示具 ２ 被掲示物 ５ 台紙 １０ 厚紙 １１ 支持片 １３ 固定片 １６ 突起部 １７ 外側辺 １９ 横係止孔 ２０ 縦係止孔 ２１ 係止孔 ２２ 首部 ２３ 係合頭部 ２５ 係合突片 ３０ 紐取付け孔

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 色紙や写真等の被掲示物を保持する掲示
   具であって、被掲示物を保持する台紙の裏面に厚紙を固
   着し、該厚紙の上側の部位に、前記掲示具を縦向きに立
   て掛けるための支持片を、縦開きに折り曲げ可能に切り
   込みを入れて形成し、又該厚紙の下側の部位には、前記
   支持片に係合して支持片の位置を固定するための固定片
   を、折り曲げ可能に切り込みを入れて形成してなり、且
   つ前記支持片は、その一側端に、前記掲示具を横向きに
   立て掛けた際に載置面と当接する当接部を有することを
   特徴とする掲示具。
2. 【請求項２】 色紙や写真等の被掲示物を保持する掲示
   具であって、被掲示物を保持する台紙の裏面に厚紙を固
   着し、該厚紙の上側の部位に、前記掲示具を縦向きに立
   て掛けるための支持片を、縦開きに折り曲げ可能に切り
   込みを入れて形成し、又該厚紙の下側の部位には、前記
   支持片に係合して支持片の位置を固定するための固定片
   を、折り曲げ可能に切り込みを入れて形成してなり、且
   つ前記支持片は、その一側端に、前記掲示具を横向きに
   立て掛けた際に載置面と当接する突起部が突設されてな
   ることを特徴とする掲示具。
3. 【請求項３】 支持片の有する突起部の外側辺の、厚紙
   の縦方向に対する傾斜角度を、掲示具の横向き立て掛け
   時の後方への傾斜角度に略等しい角度に設定したことを
   特徴とする請求項２記載の掲示具。
4. 【請求項４】 支持片に、固定片の一部を係合させるた
   めの係止孔が開穿されていることを特徴とする請求項
   １、２又は３記載の掲示具。
5. 【請求項５】 固定片の先端側の部分には、首部と、そ
   の先端で左右に突出した係合頭部とからなる略Ｔ字状の
   係合突片が形成されており、一方支持片には、前記係合
   頭部を挿入させるための横方向に延びる横係止孔と、該
   横係止孔の中央部位に連設されて前記首部を挿入させる
   ための縦方向に延びる縦係止孔とからなる略Ｔ字状の係
   止孔が設けられていることを特徴とする請求項１、２、
   ３又は４記載の掲示具。
6. 【請求項６】 台紙が、被掲示物を挿入状態で保持する
   ように、該被掲示物を挿入するための挿入溝を具えるよ
   うに構成されていることを特徴とする請求項１、２、
   ３、４又は５記載の掲示具。
7. 【請求項７】 請求項１、２、３、４、５又は６記載の
   掲示具において、その上部の左右に、掲示具を吊り下げ
   るための紐取付け孔が設けられていることを特徴とする
   掲示具。