JP3010791U - Ｙ形シリンダ制御弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリンダとピストンで弁体の行程と停止を制
御し、特殊な弁箱の構造により弁体の開閉動作を滑らか
に、且つ摩擦を防止するＹ形シリンダ制御弁。 【構成】 本考案は、一種のＹ形シリンダ制御弁であ
り、一つの弁箱並びに内径の異なる部分からなる二段式
のシリンダを組み合わせて成る。該シリンダ内部のピス
トンと、該シリンダの小径部分の阻止により、ピストン
の行程を制御し、これにより弁棒先端の弁体の行程を制
御する。並びに、弁箱の傾斜管内を径方向に拡大し、も
って弁の開閉時に弁体と傾斜管壁との摩擦による動作不
良を防ぐ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一種のＹ形シリンダ制御弁に関し、特にシリンダとピストンで弁体 の行程と停止を制御するものに関し、並びに特殊な弁箱の構造により、弁体の開 閉動作を滑らかに、且つ摩擦による干渉を起こしにくくしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

早期のシリンダ制御弁は、その中の弁箱内の流体の流線と弁体の開閉の移動線 が垂直を呈し、流体は、弁箱内で曲折して流動するため、乱流が発生し流体が滞 留し、圧力が降下した。

【０００３】 この問題を解決するために、Ｙ形シリンダ制御弁が開発された。これは、弁箱 内に流体が進出する通路をほぼ１直線に形成し、それと弁箱の開閉をコントロー ルする弁の移動線とを５０°を呈するように形成されている。これにより、流体 が弁箱内で停滞したり乱流を発生する現象が減少され、さらには弁体の入口と出 口の圧力降下の問題を改善した。

【０００４】 図１に示されるのは、従来のＹ形シリンダ制御弁であり、その中、弁箱９１内 部の弁体９２上端面には傾斜状の導角９３が形成され、中心の凹んだ溝の内壁に 浅い溝を設けてシールリング９５を固定している。この構造は、主に弁体に有効 な流体の漏れ止め効果を持たせる。並びに弁体の背圧を低くして弁箱の習慣的な 開閉動作に有利としている。

【０００５】 前述の従来のＹ形シリンダ制御弁中、弁体９２は開の時、上昇して連接管９６ の底端の孔中に至り停止する。この構造中、弁体９２の上面と連接管９６の底端 の孔が接触して停止するため、弁体９２の承受する力は相当に大きくなる。且つ 図１の拡大断面図に示されるように、弁体と弁壁の間隙は非常に小さいため、弁 体が流体の液圧を受けて斜めに偏るとき、容易に弁箱９１の傾斜壁面９７と接触 し、摩擦により動作不能となる欠点があった。

【０００６】 さらに、従来のＹ形シリンダ制御弁はシリンダ９８内の表示棒９９の頂端に防 護装置が無く、灰塵及び水液が表示棒９９の頂端からシリンダ９８内に進入し、 ピストンを損壊しやすかった。このため、この種のＹ形シリンダ制御弁は環境が 良くない場所で使用するときには、異物がシリンダ内に進入しないよう注意する 必要があった。

【０００７】 このほか、図１に示されるＹ形シリンダ制御弁中、その内の弁軸の軸線と流体 の通路は５０°の鋭角を呈し、これによりシリンダ９８と弁箱９１の流体の入口 から延伸されたパイプは比較的接近しており、これがパイプを延伸する上で不便 な影響を与えた。特に、フランジをパイプに連接する時には、ＪＩＳ規格に符号 させるためには５０°の制御弁は取付け上の困難を発生した。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、Ｙ形シリンダ制御弁において、弁体の受ける力を減少し、使用寿命 を延ばすことを課題とする。

【０００９】 次に、本考案は、Ｙ形シリンダ制御弁において、弁体と傾斜管内壁とが接触し その摩擦による干渉を発生するのを防止することを課題とする。

【００１０】 第３に、本考案は、Ｙ形シリンダ制御弁において、表示棒の頂端を密閉し、灰 塵や水液の進入を防ぎ、弁の開き具合を表示することを課題とする。

【００１１】 第４に、本考案は、Ｙ形シリンダ制御弁において、シリンダと弁箱の流体の通 路を５５°の鋭角を呈するように形成し、弁と管路の間に比較的大きな空間を形 成し、取付けに便利とすることを課題とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】 本考案は、一種のＹ形シリンダ制御弁において、 ほぼ直線状を呈する流体の流通に供される通路と、並びに該通路から斜めに延 伸された傾斜管で上記通路内にある末端に一つの開口が形成されたものとを有す る、一つの弁箱と、 底部が一つの連接管で上述の傾斜管と連結し、内部に一つのピストンを有し、 該ピストン上方には回復力を提供するばねが設けられ、該ピストンの下には上述 の弁箱の開口の上方へと延伸された弁軸が設けられ、並びに底面には一つのシリ ンダシートが設けられ、該シリンダシート上の一つの進気口より送り込まれる高 圧ガスにより上述のピストンが推動される、一つのシリンダと、 上述の弁軸末端に設けられ、上述のピストンの移動により、上述の弁箱の開口 を開閉することができる、弁体と、 以上を包括し、 上述のシリンダは二段式とされ、上段内径は上述のピストン外径より小さく、 下段は上述のピストンが内部で上下に移動するのに供され、且つ上述のピストン の移動の最大の行程は、上段で阻止されることを特徴とする。 前記シリンダの上段の縮小部分は、導筒の機能を有し、もって前記のばねの上 方に固定され、ばねが圧縮時に偏移及び弯曲を発生してばねのねじれや断裂をも たらすのを防ぐ。

【００１３】 前記弁箱の傾斜管の内径を外に向かって拡大し、上述の弁体側辺との間に充分 な空間を形成する。

【００１４】 前記ピストン上方に一つの指示棒を延伸して設け、該指示棒の前記シリンダ頂 端より伸出する部分を、透明な中空の防塵蓋で密閉する。

【００１５】 前記防塵蓋には目盛りを設ける。

【００１６】 前記シリンダと前記弁箱通路の形成する角度は５５°とする。

【００１７】

【作用】

本考案は、一種のＹ形シリンダ制御弁であり、一つの弁箱並びに内径の異なる 部分からなる二段式のシリンダを組み合わせて成る。該シリンダ内部のピストン と、該シリンダの小径部分の阻止により、ピストンの行程を制御し、これにより 弁棒先端の弁体の行程を制御する。並びに、弁箱の傾斜管内を径方向に拡大し、 もって弁の開閉時に弁体と傾斜管壁との摩擦による動作不良を防ぐ。

【００１８】

【実施例】

図２に示されるように、本考案のＹ形シリンダ制御弁は、主に、管路中に連接 され、シリンダ１内部のピストン２の制御を利用して、弁箱３内部の弁体４に通 路中にて開閉を行わせるものであり、よって管路中の流体の流通を制御するもの である。

【００１９】 本考案は、基本的には、一つの弁箱３を有し、該弁箱３は一直線に近い通路３ １を形成する。その中、開口３２は弁体４で封じられ通路中の流体の流動を停止 する。また、本考案は一つのシリンダ１を有し、５５°の鋭角で弁箱３の傾斜管 ３３中に挿入され、もってＹ形に近い様態を示す。

【００２０】 シリンダ１の頂部には、一つの中空の透明な防塵蓋５が設けられ、その長さは 表示棒１１がピストン行程の移動に足るものとされ、並びに表面には目盛りが刻 まれ、もって表示棒１１の頂端位置を示し、ピストン位置を表示する。

【００２１】 該防塵蓋５は表示棒１１が伸出するシリンダの孔を密閉することができ、もっ て灰塵や水液がシリンダ１内に流入するのを防ぐ。

【００２２】 パッキン１２を経てシリンダ１に伸入した表示棒１１の末端には、一つのピス トンシート２１が設けられる。さらに一つのピストン固定板２２が該ピストンシ ート２１の下方に設けられ、並びに軸シール２３と組み合わされて全体のピスト ン２構造を形成している。ピストン２の上方と伸入の内頂間には、一つのばね１ ４が設けられ、ピストン２が下に押された時の回復力を提供する。このほか、シ リンダは２段式とされ、上段内径はピストン２の外径より小さく設けられ、もっ てピストン２が最大の行程を形成するのを阻止する（図３参照）。シリンダ１の 下段は、その内部でピストン２を移動させるのに供される。ピストン２の移動は 、シリンダシート１３の進気口１３１から高圧ガスを送り込むことで完成される 。高圧ガスが放出された後には、ばね１４の回復力によりピストンは図２に示さ れる位置に戻る。

【００２３】 このほか、ピストン２の中心には下に延伸された弁軸６が連接されている。弁 軸６はシリンダシート１３を貫通し、連接管１５を経て弁箱３の傾斜管３３に伸 入し、並びにその末端は弁体４に連接している。該弁軸６には連接管１５内にあ って、一つの補償ばね１７とＶ型シールリング１８が装着される。

【００２４】 弁体４は従来のものより長さを短く形成されることができ、その上端面には傾 斜状の導角４１が設けられ、中心の陥没する溝の内壁には浅溝を設けてワッシャ ー４２でシールリング４３が固定される。シールリング４３の内径と外径の間の 区域は弁箱３の中間の開口３２を封じることができ、もって流体の漏出を防ぎ、 並びに弁体４の背圧を低くし、弁箱の瞬間的な開動作を行いやすくする。弁体４ の詳しい構造は、図３中拡大部分の部分拡大図に示される。

【００２５】 本考案の構造中、弁体４を弁箱３の開口３２にて開閉させる制御を行うのはシ リンダ１内部のピストン２であり、その最大の行程は、ピストン２が上昇してシ リンダ１の上段の比較的小さい径の位置に至ったとき停止する。これは、弁体４ の開動作が完成されたことを示し、シリンダによりピストン２の衝撃が承受され るため、弁体４自身には外力を受けることがない（通路３１内の流体の圧力以外 ）。このため弁体４の長さは大幅に短縮されることができる。これの利点は、流 体が弁体４を通過する時に発生する抵抗力を低くし、乱流の発生を減らし、圧力 を減らす。このほか、ピストン２で行程をストップさせるため、弁体４の受ける 力は減少し、損壊しにくくなり、使用寿命が延ばされる。弁体４が短縮されるこ とで、流体の圧力を受けて発生する受力もまた相対的に低くなり、弁体４の偏移 動が発生せず、これにより弁体４と傾斜管３３内壁の接触を防止し、よって摩擦 による動作不能状態を回避することができる。

【００２６】 当然、弁体４の摩擦による動作不良を解決するために、本考案ではさらに弁箱 ３の傾斜管３３の内壁が外向きに拡大され、図２の拡大部分に示されるように、 弁体４の側辺と傾斜管内壁との間に１段の空間Ｓ２が形成される。これにより、 たとえ弁体４に僅かな偏移が発生しても、管壁と接触して摩擦による干渉を受け ることがない。以上の本考案の利点は、従来の技術を示した図１の拡大部分と、 本考案を示した図２の拡大部分或いは図３の拡大部分とを比較すると明瞭である 。

【００２７】 このほか、本考案で増設した防塵蓋５は、異物のシリンダ内への進入を防ぐ効 果並びに表示機能を有し、これは従来の予防装置が備わらないものより優れてい る。

【００２８】 さらに、図２に示されるように、本考案におけるシリンダ１と弁箱３の通路３ １は５５°の鋭角を呈し、これは従来の５０°のものより比較的大きな管線連接 の空間を有し、特にＪＩＳ規格中にあって、特にフランジの取付けにおいて有利 である。

【００２９】 また、図２中に示されるシリンダ１は、図１に示されるシリンダ９８と比較す ると、本考案のシリンダ１の上段は内径が縮小されてピストン２を停止させるほ か、さらに導筒の作用を有し、ばね１４が圧縮されるとき、偏移や弯曲を発生し てばねのねじれや断裂を造成するのを防止し、従来のものよりも優れている。

【００３０】

【考案の効果】

本考案は、Ｙ形シリンダ制御弁において、弁体の開状態での終端位置がシリン ダ中のピストンが当接して停止するシリンダの縮小位置に相応し、もって弁体を 停止装置としないため、弁体の受ける力を減少し、使用寿命を延ばすことができ る。

【００３１】 次に、本考案は、Ｙ形シリンダ制御弁において、弁箱の傾斜管の内径を外向き に拡大し、もって弁体と傾斜管内壁とが接触しその摩擦による干渉を発生するの を防止する。

【００３２】 第３に、本考案は、Ｙ形シリンダ制御弁において、シリンダ頂端に透明な防塵 蓋が設けられて表示棒の頂端が密閉され、灰塵や水液の進入を防ぎ、且つ目盛り が設けられたことで弁の開き具合を表示することができる。

【００３３】 第４に、本考案は、Ｙ形シリンダ制御弁において、シリンダと弁箱の流体の通 路を５５°の鋭角を呈するように形成することで、弁と管路の間に比較的大きな 空間を形成し、取付けに便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のＹ形シリンダ制御弁の、その部分拡大図
と共に示した断面図である。

【図２】本考案のＹ形シリンダ制御弁の好ましい実施例
の、部分拡大図と共に示した断面図である。

【図３】本考案の上記図２の実施例における弁が開状態
の時の、部分拡大図と共に示した断面図である。

【符号の説明】

１・・・シリンダ ２・・・ピストン ３・・・弁箱
４・・・弁体 ５・・・防塵蓋 ６・・・弁軸 １１・・・表示棒
１２・・・パッキン １３・・・シリンダシート １４・・・ばね １５・・
・連接管 １７・・・補償ばね １８・・・Ｖ型シールリング ２１・・・ピストンシート ２２・・・ピストン固定板
２３・・・軸シール ３１・・・通路 ３２・・・開口 ３３・・・傾斜管
４１・・・導角 ４２・・・ワッシャー ４３・・・シールリング １３
１・・・進気口 Ｓ２・・・空間 ９１・・・弁箱 ９２・・・弁体 ９３・・・導角 ９
５・・・シールリング ９６・・・連接管 ９７・・・傾斜壁面 ９８・・・シ
リンダ ９９・・・表示棒 Ｓ１・・・空間

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一種のＹ形シリンダ制御弁において、 ほぼ直線状を呈する流体の流通に供される通路と、並び
   に該通路から斜めに延伸された傾斜管で上記通路内にあ
   る末端に一つの開口が形成されたものとを有する、一つ
   の弁箱と、 底部が一つの連接管で上述の傾斜管と連結し、内部に一
   つのピストンを有し、該ピストン上方には回復力を提供
   するばねが設けられ、該ピストンの下には上述の弁箱の
   開口の上方へと延伸された弁軸が設けられ、並びに底面
   には一つのシリンダシートが設けられ、該シリンダシー
   ト上の一つの進気口より送り込まれる高圧ガスにより上
   述のピストンが推動される、一つのシリンダと、 上述の弁軸末端に設けられ、上述のピストンの移動によ
   り、上述の弁箱の開口を開閉することができる、弁体
   と、 以上を包括し、 上述のシリンダは二段式とされ、上段内径は上述のピス
   トン外径より小さく、下段は上述のピストンが内部で上
   下に移動するのに供され、且つ上述のピストンの移動の
   最大の行程は、上段で阻止されることを特徴とする、Ｙ
   形シリンダ制御弁。
2. 【請求項２】 前記シリンダの上段の縮小部分は、導筒
   の機能を有し、もって前記のばねの上方に固定され、ば
   ねが圧縮時に偏移及び弯曲を発生してばねのねじれや断
   裂をもたらすのを防ぐことを特徴とする、請求項１に記
   載のＹ形シリンダ制御弁。
3. 【請求項３】 前記弁箱の傾斜管の内径を外に向かって
   拡大し、上述の弁体側辺との間に充分な空間を形成する
   ことを特徴とする、請求項１に記載のＹ形シリンダ制御
   弁。
4. 【請求項４】 前記ピストン上方に一つの指示棒を延伸
   して設け、該指示棒の前記シリンダ頂端より伸出する部
   分を、透明な中空の防塵蓋で密閉する、請求項１に記載
   のＹ形シリンダ制御弁。
5. 【請求項５】 前記防塵蓋には目盛りを設ける、請求項
   ４に記載のＹ形シリンダ制御弁。
6. 【請求項６】 前記シリンダと前記弁箱通路の形成する
   角度は５５°とする、請求項１に記載のＹ形シリンダ制
   御弁。