JP3010543U - エアクリーナユニットのフィルタエレメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸入時に乱流が生じないようにして、吸入空
気音を小さくし、また、乱流による吸気量損失もないよ
うにした露出タイプエアクリ−ナユニットのフィルタエ
レメントを提供すること。 【構成】 波形断面のフィルタ材をテ−パ筒状に形成
し、その大径側開口部をエンジンの吸気ダクトに接続す
るように形成したフィルタエレメント１において、該フ
ィルタエレメント１の小径側開口部内に、該開口部を根
元部分で塞ぎ、かつ、先端を前記フィルタエレメント１
の大径側開口端部乃至はその近くに位置付けた整流コ−
ン部材５を垂設したこと、更に、整流コ−ン部材５の付
設に加え大径側開口部に形成された吸気ダクト接続部３
ａの内面側をエアファンネル状に形成したこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車エンジン等に装備されるエレメント露出タイプのエアクリー ナユニットのフィルタエレメントの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車エンジンの吸気系に装備されるエアクリーナ装置としては、吸気 ダクトに接続されるエアクリーナケース内にフィルタエレメントを収容したカバ −ドタイプが一般的であるが、エアクリーナケースによるカバ−を使用せず、フ ィルタエレメント自体を吸気ダクトに直接接続するようにしたエレメント露出タ イプのものがオプション装備品やいわゆるアフターパーツとして知られている。

【０００３】 エレメント露出タイプのエアクリーナユニットは、フィルタエレメントが外部 に露出しているので、カバ−ドタイプに比べると空気吸入効率がよく、これによ ってエンジンの出力増大効果を得ることができるために、例えば、スポ−ツタイ プの乗用車では既設品を取外しそれに代えて使用されることが多い。しかし、エ ンジンルーム内は設置スペ−スが限られているため、吸入効率のよいフィルタエ レメントを装着するには、フィルタエレメントの形状、構造に種々の工夫がこら されている。

【０００４】 図２は、上述の従来のエレメント露出タイプのエアクリーナユニット１０の一 例を断面図で示したもので、フィルタエレメント１１は、紙，布，不織布等の適 宜フィルタ材による濾過壁面を波形断面に形成したテーパ筒状に形成され、この エレメント１１の大径側開口端部には吸気ダクト接続口12aを有する合成ゴム製 のリング状の接続部材１２が、また、小径側開口端部には、合成ゴム製のエッジ 部材１３に、金属製の盲蓋部材13aが、それぞれ加硫接着により一体接続され形 成されている。このエアクリーナユニット１０は、ゴム製等の接続カラ−２１を 介して接続したジョイント金具２０に上記吸気ダクト接続口12aを嵌合固定する と共に、前記カラ−２１をエンジン側の吸気管２２に接続することにより、エン ジンに装着されるようになっている。

【０００５】 なお、前記エアクリーナユニット１０の盲蓋部材13aはエッジ部材１３と外周 部のみをリング状の一体の合成ゴム製とした形式のものもある。

【０００６】 前記図２に示した従来のエアクリーナユニット１０は、フィルタエレメント１ １が波形断面のテーパ筒状をなす吸気面に形成されることにより、占有容積を小 さく、即ち、外形を比較的コンパクトに形成しても吸気面積を大きくとれるので 、小さな外形のフィルタエレメント１１からより多くの空気を効率よく吸気でき るように工夫されたものである。

【０００７】 しかし乍ら、上記の従来型のエアクリ−ナユニット１０におけるフィルタエレ メント１１では、そのテ−パ筒状の濾過壁面から空気が吸入されるとき、盲蓋部 材13aの略直下に乱流が発生し、これによって空気吸入音が大きくなったり、か なりの吸気量損失のあることが指摘されている。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこのような点に鑑み、吸入時に乱流が生じないようにして、吸入空気 音を小さくし、また、乱流による吸気量損失もないようにした露出タイプエアク リ−ナユニットのフィルタエレメントを提供することをその課題とするものであ る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決することを目的としてなされた本考案フィルタエレメントの一 の構成は、波形断面のフィルタ材をテ−パ筒状に形成し、その大径側開口部をエ ンジンの吸気ダクトに接続するように形成したフィルタエレメントにおいて、該 フィルタエレメントの小径側開口部内に、該開口部を根元部分で塞ぎ、かつ、先 端を前記フィルタエレメントの大径側開口端部乃至はその近くに位置付けた整流 コ−ン部材を垂設したことを特徴とするものである。

【００１０】 また、本考案フィルタエレメントは、整流コ−ン部材の付設に加え大径側開口 部に形成された吸気ダクト接続部の内面側をエアファンネル状に形成したことも 特徴とするものである。

【００１１】

【作用】

本考案のフィルタエレメントは、エレメントのフィルタ面を通過して吸入され る空気が大径側開口部まで先端が延びた整流コ−ンの作用によりきわめて効果的 に整流されるので、吸入空気音が小さく、また、前記整流によって吸入空気の乱 流が殆んど生じないため吸入効率の低下がない。

【００１２】

【実施例】

次に、本考案の実施例を添付図面に基づいて具体的に説明する。 図１において、１は本考案フィルタエレメントを用いて形成したエアクリ−ナ ユニット、２はフィルタエレメント、３は該エレメント２の大径側開口端部に形 成したエンジン側の吸気ダクトに接続するための接続部材、４は前記エレメント ２の小径側開口端部に形成したエッジ部材、５は前記エレメントの小径側開口部 に根元側を接続して設けた整流コ−ン部材を、それぞれ示している。

【００１３】 本考案フィルタエレメント２は、布，紙，不織布等によるフィルタ材をテーパ 筒状に形成したものであるが、フィルタ面の濾過面積を大きくするため、筒状成 形体の円周方向に沿った断面を波形断面をなすように形成している。なお、フィ ルタエレメント２は、図示しないが、その内外両面が金属メッシュに覆われて補 強されているものとするが、金属メッシュで補強されていないものであっても、 フィルタエレメントとしての機能に変りはない。

【００１４】 図１の接続部材３は、前記フィルタエレメント２の大径側開口部の端部２ａが 埋設されるように、該端部２ａに加硫接着して一体化された合成ゴム製等による リング状をなし、内周側は段付き穴状の吸気ダクト接続口３ａに形成されている 。吸気ダクト接続口３ａは、エンジンの吸気系を構成する吸気管ＩＮに、この例 ではゴム製カラ−ＣＯを介して接続されたジョイント金具ＪＭに対して嵌合固定 されるようになっている。

【００１５】 上記フィルタエレメント２の上端は、合成ゴム等によるリング状のエッジ部材 ４が加硫接着されて、ここでは、後述する整流コ−ン部材５の支持リングとして 機能するように形成されている。

【００１６】 整流コ−ン部材５は、その根元側（又は大径側）５ｂをエッジ部材４の外形に 沿って弯曲折返部５ｃに形成することにより、図１に示すように、フィルタエレ メント２の小径側開口端部２ｂのエッジ部材４の外面側に接着等により保持させ ると共に、その先端５ａがフィルタエレメント２の大径側開口端部２ａと略同位 に位置付けられるように形成されている。

【００１７】 上記整流コ−ン部材５の材質は、紙，プラスチック，金属，セラミックス等に よる任意の材質のものでよく、該コ−ン部材５の外表面は滑らかなエキスポ−ネ ンシャルな円錐状に形成されている。また、前記コ−ン部材５をポ−ラスな材料 により形成し、このコ−ン部材５からも外部空気が吸引されるようにしてもよい 。この場合の通気率は、整流効果を保持するためにフィルタエレメント２の通気 率より低いものが好ましい。

【００１８】 図１に示した本考案フィルタエレメントの全周外面から当該エレメント２内に 吸引される空気は、前記整流コ−ン部材５の外表面でその流れが整えられて吸気 管ＩＮ側に流入していくので、従来の整流コ−ン部材５を具備していなかったフ ィルタエレメントに生じていた乱流が発生せず、従って、空気吸入音がきわめて 小さく、また、乱流が生じないので吸入効率も低下しない。

【００１９】 本考案においては、上記整流コ−ン部材５による整流効果を補完乃至は更に高 めるため、フィルタエレメント２の大径側開口端部２ａに形成した接続部材３の 内側に、図１に仮想線で示したエアファンネル部材６を設ける。このエアファン ネル部材６は、メインフィルタ２の全面から吸引される空気の吸入効率を妨げる ことがないように、接続部材３の内面側に設けることにより整流効果，吸入効率 をより好ましいものとしている。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は以上の通りであって、テ−パ筒状のフィルタエレメントの内部に、先 端が大径側開口端部近くに位置するように形成した整流コ−ン部材を配置して吸 入空気の乱流が生じないようにしたので、空気吸入音が小さく、また、乱流によ る吸入効率の低下をもたらさないという効果がある。

【００２１】 また、フィルタエレメントの大径側開口端部に設けた接続部材の内側に、エア ファンネル部を設けたことにより、前記の乱流防止，吸入効率確保の効果が更に 増強されるので、エアフィルタエレメントとしてきわめて有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案フィルタエレメントの第一例の縦断面
図。

【図２】従来のエアクリ−ナユニットにおけるフィルタ
エレメントの縦断面図。

【符号の説明】

１，１１，１２ 本考案フィルタエレメント ２ メインエレメント ２ａ 大径側端部 ２ｂ 小径側端部 ３ 接続部材 ３ａ 吸気ダクト接続口 ４ リング部材 ５ 整流コ−ン部材 ６ エアファンネル部材 ＩＮ 吸気管 ＣＯ ゴム製カラ− ＪＭ ジョイント金具

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 波形断面のフィルタ材をテ−パ筒状に形
   成し、その大径側開口部をエンジンの吸気ダクトに接続
   するように形成したフィルタエレメントにおいて、該フ
   ィルタエレメントの小径側開口部内に、該開口部を根元
   部分で塞ぎ、かつ、先端を前記フィルタエレメントの大
   径側開口端部乃至はその近くに位置付けた整流コ−ン部
   材を垂設したことを特徴とするエアクリーナユニットの
   フィルタエレメント。
2. 【請求項２】 整流コ−ン部材は、その根元側をフィル
   タエレメントの小径側開口部の外面側に位置付けて取付
   けた請求項１のエアクリーナユニットのフィルタエレメ
   ント。
3. 【請求項３】 テ−パ筒状のフィルタエレメントの大径
   側開口部に形成された吸気ダクト接続部の内側にはエア
   ファンネルを形成した請求項１又は２のエアクリーナユ
   ニットのフィルタエレメント。