JP3024212U - エンジン用エアクリ−ナのフィルタエレメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 従来品と同じ濾過面積であれば従来品よ
り小さな占有空間しか必要とせず、また、フィルタエレ
メント本体の成形手間や製造手間を大幅に省くことがで
きるきわめて筒潔な構造のエアクリ−ナユニットのフィ
ルタエレメントを提供すること。 【解決手段】 平面略矩形状で断面を波形に形成したフ
ィルタ材１を、前記波形断面の一端側を中心側に集合さ
せると共に他端側を略円形に展開して当該フィルタ材１
の左右両端1c，1dを接合することより、平面視略円形状
乃至は円環状をなすフィルタエレメント本体Fbに形成
し、該フィルタエレメント本体Fbの中心部の上面側又は
上下両面に、錐状乃至はスピンナ−状をなすカバ−体
２，３を取付けてフィルタエレメントを構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、自動車エンジン等に装備されるエレメント露出タイプのエアクリ− ナユニットのフィルタエレメントの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車エンジンの吸気系に装備されるエアクリ−ナ装置としては、吸気 ダクトに接続されるエアクリ−ナケ−ス内にフィルタエレメントを収容したいわ ゆるカバ−ドタイプのものが一般的であるが、エアクリ−ナケ−スによるカバ− を使用せず、フィルタエレメント自体を吸気ダクトに直接接続するようにしたエ レメント露出タイプのものがオプション装備品やいわゆるアフタ−パ−ツとして 知られている。

【０００３】 エレメント露出タイプのエアクリ−ナユニットは、フィルタエレメントが外部 に露出しているので、カバ−ドタイプに比べると空気吸入効率がよく、エンジン の出力増大効果を得ることができるために、例えば、スポ−ツタイプの乗用車で は既設品を取外しそれに代えて使用されることが多い。しかし、エンジンル−ム 内は設置スペ−スが限られているため、吸入効率のよいフィルタエレメントを装 着するにはフィルタエレメントの形状，構造に種々の工夫がこらされている。

【０００４】 図５は上述の従来のエレメント露出タイプのエアクリ−ナユニット10の一例を 正断面図で示したもので、フィルタエレメント本体11は、紙，布，不織布等の適 宜フィルタ材による濾過壁面を波形断面に形成したテ−パ筒状に形成され、この エレメント本体11の大径側開口端部には吸気ダクト接続口12aを有する合成ゴム 製等のリング状をなすエッジ部材12が、また、小径側開口端部には、合成ゴム製 のエッジ部材13に、金属製の盲蓋部材13aが、それぞれ加硫接着により一体接続 され形成されている。このエアクリ−ナユニット10は、ゴム製等の接続カラ−21 を介して接続したジョイント金具20に上記吸気ダクト接続口12aを嵌合固定する と共に、前記カラ−21をエンジン側の吸気管22に接続することにより、エンジン に装着されるようになっている。なお、前記エアクリ−ナユニット10の盲蓋部材 13aはエッジ部材13と外周部のみをリング状の一体の合成ゴム製とした形式のも のもある。

【０００５】 図５に示した従来エアクリ−ナユニット10は、フィルタエレメント本体11を波 形断面のテ−パ筒状をなす吸気面に形成したことにより、占有容積を小さく、即 ち、外形を比較的コンパクトに形成しても吸気面積を大きくとれるので、小さな 外形のフィルタエレメント本体11であっても多くの空気を効率よく吸気すること ができる。

【０００６】 しかし乍ら、上記の従来型のエアクリ−ナユニット10におけるフィルタエレメ ント本体11は、その形状がテ−パ筒状であるから、未だ占有空間が大きく、また 、エレメント本体11をテ−パ筒状に形成する手間や、その上下端の開口部にエッ ジ部材12，13を一体成形する必要があるなど、フィルタ材の成形やエレメント本 体の製造に手間を要するなど、未だ解決すべき問題がある。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこのような点に鑑み、従来品と同じ濾過面積であれば従来品より小さ な占有空間しか必要とせず、また、フィルタエレメント本体の成形手間や製造手 間を大幅に省くことができるきわめて簡潔な構造のエアクリ−ナユニットのフィ ルタエレメントを提供することを、その課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決することを目的としてなされた本考案フィルタエメントの一の 構成は、平面略矩形状で断面を波形に形成したフィルタ材を、前記波形断面の一 端側を中心側に集合させると共に他端側を略円形に展開して当該フィルタ材の左 右両端を接合することより、平面視略円形状乃至は円環状をなすフィルタエレメ ント本体に形成し、該フィルタエレメント本体の中心部の上面側又は上下両面に 、錐状乃至はスピンナ−状をなすカバ−体を取付けたことを特徴とするものであ る。

【０００９】 本考案フィルタエレメントは、その外周にエッジ部材を一体成形し、これをエ ッジ側吸気管に接続した、例えば、ファンネル状の接続アタッチメントの上部開 口面に取付けるように形成したことも特徴とするものである。

【００１０】

【考案の実施の形態】

次に、本考案の実施の形態の一例を図面により説明する。図１において、１は 本考案フィルタエレメントに使用するフィルタ材で、布，紙，不織布等により、 平面から見て長方形で正面から見た断面を波形断面をなすように形成している。 1aはフィルタ材の断面の山、1bは谷、1c，1dは左，右の側端部である。なお、フ ィルタ材１は、図示しないが、その内外両面を金属メッシュにより覆い補強され たものを用いる。金属メッシュで補強されていないものであっても、本考案フィ ルタエレメントとして使用できること勿論である。

【００１１】 前記フィルタ材１は、ここでは長方形であるが、横長台形状、或は、扇子の地 紙形状であってもよい。図１のフィルタ材１は、その断面波形の手前側を中心に 集合させると共に向う側を円形状に展開することにより、図２に例示するように 平面矩形のフィルタ材１の左，右端部1c，1dを対面当接させて、接着や止着具等 により一体化し、平面からみて略円形状で、正面から見るとほぼ平坦なフィルタ エレメント本体Fbに形成する。ここで、フィルタ材１が平面からみて台形状或は 地紙形状であるときは、図２に鎖線で示すように、中央部に穴Chが形成される場 合がある。また、フィルタ材１の縦，横の長さの比によっては、前記エレメント 本体Fbは、正面から見て平坦なもののほか、図示しないが、頂角が大きな鈍角（ 平面に近い）の錐状、或は、截頭錐状をなす場合もある。

【００１２】 上記エレメント本体Fbは、その外形の中央部分にフィルタ材１の波形断面の山 1aと谷1bが密集する一方、外周側では前記山1aと谷1bが開き加減になるが、山1a と谷1bが密集した中央部分は、空気の濾過面積が結果的に小さくなる。

【００１３】 そこで本考案では、上記フィルタエレメント本体Fbの中央部分の上下面に図３ に例示するように、錐状乃至はスピンナ−状をなす帽体状、或は、錐状をなすカ バ−体２，３を取付けた。本考案においてカバ−体２，３は、そのいずれか一方 を取付ける場合もある。フィルタエレメント本体Fbの中央に穴Chが形成されたも のでは、カバ−体２，３は両者を予め一体に形成したものを前記穴Chに接着など により固定するようにしてもよい。前記カバ−体２，３の平面形状は円錐形状， 角錐形状のいずれでもよく、また、その法面は膨出面でも凹弯曲面のいずれであ ってもよい。更に、カバ−体３を、カバ−体２よりも小さく、又は、大きく形成 することは任意である。

【００１４】 カバ−体２，３を中心部に取付けた平面視円形状のフィルタエレメント本体Fb は、その外周をゴム系乃至はプラスチック系材料により、例えば、断面矩形をな すエッジ材４を一体に設けて、本考案エアクリ−ナエレメントの一例に形成する 。

【００１５】 上記の本考案エレメントは、図３に例示するように、自動車等のエンジンの吸 気側に接続するために別途製造して用意されたロ−ト状乃至はファンネル状の接 続アタッチメント５の上部開口端5aに前記エッジ材４において開閉可能なクラン プ７により着脱自在に取付け、当該アタッチメント５の下部開口端5bをエンジン 吸気側との接続管６に接続することにより、エアクリ−ナとして使用されるので ある。

【００１６】 本考案エレメントを使用したエアクリ−ナは、エンジンの空気吸引力が接続ア タッチメント５の内部に作用すると、円形状のエレメント本体Fbの外面から当該 本体Fbを通して空気が吸引されるが、吸引される空気はカバ−体２，３によって よく整流されつつ接続アタッチメント５の内部に吸入されて接続管６に吸入され るので、吸入騒音が低く、また空気吸入時の乱流も生じ難い。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上の通りであって、平面略矩形状で波形断面のフィルタ材を、その 平面内又はほぼ平面内で、平面から見て円形状に成形し、中央部に錐状のカバ− 体を設けると共に、外周にエッジ部を形成してフィルタエレメント本体を形成し たので、エレメント本体の成形が、従来の筒形に形成し上下の開口端にエッジ部 を成形する型式のものより容易かつ簡略である。また、エレメント本体は平面か ら見て円形状乃至は円環形状であるため、従来の筒形のエレメント本体を使用し たフィルタエレメント露出タイプのエアクリ−ナに比べて、本考案フィルタエレ メントを使用したエアクリ−ナの占有空間は略半分以下となるので、エンジンル −ム内などにおける取付空間の問題もクリア−し易いという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案フィルタエレメントに使用するフィルタ
材の一例の斜視図。

【図２】図１のフィルタ材を本考案フィルタエレメント
に成形する過程の斜視図。

【図３】本考案フィルタエレメントを使用したエアクリ
−ナユニットの正断面図。

【図４】従来のエアクリ−ナユニットの正断面図。

【符号の説明】

１ フィルタ材 1a 波形断面の山 1b 波形断面の谷 1c，1d フィルタ材１の両側端 Fb フィルタエレメント本体 ２，３ カバ−体 ４ エッジ材 ５ 接続アタッチメント ６ 接続管 ７ クランプ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 平面略矩形状で断面を波形に形成したフ
   ィルタ材を、前記波形断面の一端側を中心側に集合させ
   ると共に他端側を略円形に展開して当該フィルタ材の左
   右両端を接合することより、平面視略円形状乃至は円環
   状をなすフィルタエレメント本体に形成し、該フィルタ
   エレメント本体の中心部の上面側又は上下両面に、錐状
   乃至はスピンナ−状をなすカバ−体を取付けたことを特
   徴とするエンジン用エアクリ−ナのフィルタエレメン
   ト。
2. 【請求項２】 フィルタ材は、平面からみて横長の台形
   状、又は、扇子の地紙状に形成した請求項１のエンジン
   用エアクリ−ナのフィルタエレメント。
3. 【請求項３】 フィルタエレメント本体は、正面から見
   て略平坦面形状、又は、頂角が鈍角の錐状または截頭錐
   状をなす請求項１のエンジン用エアクリ−ナのフィルタ
   エレメント。
4. 【請求項４】 カバ−体は、フィルタエレメント本体の
   中心部上面、又は、下面、若しくは、上，下両面に設け
   た請求項１〜３のいずれかのエンジン用エアクリ−ナの
   フィルタエレメント。
5. 【請求項５】 フィルタエレメント本体の外周にはエッ
   ジ材を前記本体と一体に設け、該エッジ材においてエン
   ジンの吸気側に接続される接続アタッチメントに取付け
   るようにした請求項１〜４のいずれかのエンジン用エア
   クリ−ナのフィルタエレメント。