JP3009280U - 防水軽量石目調タイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック発泡板材、無機質軽量板材、木
質系板材等をタイル状の寸法に形成した軽量基材の表面
及び側面に防水石目調塗材を塗布し防水軽量石目調タイ
ルを提供する。 【構成】 プラスチック発泡板材、無機質軽量板材、木
質系板材等のいずれかをタイル形状寸法に切断加工した
軽量基材の表面及び側面に合成樹脂エマルジョンからな
る塗膜防水材のフィラーに耐水圧強度６００ｋｇｆ／ｃ
ｍ^２以上の微細中空セラミツク粒子および天然砕石粒子
を使用した防水石目調塗材を塗布し防水軽量石目調タイ
ルを形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本考案は鏝塗り、スプレー、ローラー塗り等によって石 目調模様を容易に表出し得る防水軽量タイル材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】 石目調を表出することのできる壁面用塗材としては、合成樹脂 エマルジョン系接着剤をバインダーとして天然石の粉末と着色雲母の粉末を混練 したものあるいは無機又は有機の粒体の表面に無機質粉末を展着した粒状着色骨 材とフレーク状着色雲母片を混練したものが知られている。しかし着色雲母をフ ィラーとしたものを均一に塗布形成せしめることは難しく熟練を必要としていた のである。

【０００３】 この他乾燥時に無色透明の被膜を形成する結合材に蛇紋岩、蛍石 などの着色粒子と光透過性骨材粒子を混練したものなどが知られている。

【０００４】 従来技術による石目調塗材は、無機又は有機のバインダーに、天 然石粉末、天然石砕石粒子、着色粒子、雲母、炭酸カルシウムなどが種々の組合 せによって配合されている。

【０００５】 かかる構成における石目調塗材は表面硬度が低くきずつき易いも のであり、塗材としてのなめらかさ、流動性に欠けるものであるため施工性が良 くないのである。

【０００６】 又石目調の白色味を出すため炭酸カルシウムを配合する例もある が酸に対して弱くなり酸性雨によって表面が浸食されてしまうのである。

【０００７】 従来技術による石目調塗材の比重は一般に２．２〜２．３程度で あるため、塗布形成時のだれが大きくまた乾燥収縮が大きい。このような種々の 欠点があったため天然石特有の風合い、色調を表出することははなはだ困難であ った。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】 本考案はプラスチック発泡板材、又は無機質 軽量板材又は木質系板材等をタイル状の寸法に形成した軽量基材の表面及び側面 に鏝塗り、スプレー、ローラー塗り等によって容易に石目調模様を表出せしめた 防水軽量石目調タイルを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】 本考案はかかる事情に鑑みなされたものであっ て、プラスチック発泡板材、無機質軽量板材、木質系板材等のいずれかをタイル 形状寸法に切断加工したものを基材として、該基材の表面及び側面に合成樹脂エ マルジョンからなる塗膜防水材のフィラーに耐水圧強度６００ｋｇｆ／ｃｍ^２以 上の微細中空セラミツク粒子および天然砕石粒子を使用した塗材を塗布形成した ものである。

【００１０】 プラスチック発泡板材、無機質軽量板材、木質系板材等をタイル 形状寸法に切断加工した基材は、軽量でありハンドリングがきわめて容易である 。基材の表面及び側面に防水機能を有したる石目調仕上げ材を塗布形成せしめる ことにより防水軽量石目調タイルと成すものである。

【００１１】

【作用】 本考案に成る防水軽量石目調タイルは、プラスチック発泡板材、無機 質軽量板材、木質系板材等いずれかをタイル形状寸法に切断加工して基材とする 。タイル形状寸法は特に限定した寸法ではなく一般市販のタイル寸法で良く、又 市販品にない特注寸法でもよい。基材の厚みは２〜１５ｍｍの範囲であり、より 好適なのは３〜６ｍｍである。

【００１２】 プラスチック発泡板材としてはポリスレンフォーム、ポリウレタ ンフォーム、塩化ビニールフォーム、塩化ビニリデンフォーム、フェノールフォ ーム等を使用することができる。

【００１３】 無機質軽量板材としては、軽量骨材入りセメント、発泡セメント 、ＡＬＣ、泡ガラス、セラミツクフォーム、軽量骨材結合発泡体、発泡石膏等の 無機質発泡体やロックウール、グラスウール等の無機質繊維を板状に形成せしめ たもの、珪酸カルシウム板、炭酸マグネシウム板等の無機質成形板等を使用する ことができる。

【００１４】 木質系板材としては天然の木材、木質繊維板、チップボード、木 片セメント板、人工木材等を使用することができる。

【００１５】 基材として使用する素材は、軽量であることが必要であり比重は １．０以下であり、より好適なのは０．４以下である。

【００１６】 基材の表面および側面を石目調に塗布する塗材に使用する塗膜防 水材の合成樹脂エマルジョンとしてはアクリル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニル 系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン系樹脂エ マルジョン、スチレン、ブタジエン系樹脂エマルジョン、エボキシ系樹脂エマル ジョンおよびアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、ビニルエステル、酢酸 ビニル、合成ゴム等との共重合したものである。

【００１７】 例えばこれらの共重合したものとしてアクリル／酢酸ビニル共重 合体、塩化ビニリデン／ブチルアキリレート共重合体、エチレン／酢酸ビニル共 重合体等が挙げられる。

【００１８】 塗材のフィラーには耐水圧強度６００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上の微細 中空セラミツク粒子が必要である。耐水圧強度とは微細中空セラミツク粒子の圧 縮強度と同意語である。微細中空セラミツク粒子の圧縮強度を測定する場合粒子 を水に入れこの水に圧力を加える。水に加えられた圧力が微細中空セラミツク粒 子に伝わり圧縮強度を測定することができる。微細中空セラミツク粒子の耐水圧 強度が低いと原料の混練過程で大半が破壊し、所期の目的を完全に達成すること ができない。

【００１９】 耐水圧強度６００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上の強度の高い微細中空セラ ミツク粒子を用いることによって、本考案に成る防水軽量石目調タイルは従来の 技術で成し得なかった次のような所期の目的が達成できた。軽量な塗材を使用す ることによって軽量なタイルが形成され旋工が容易となる。断熱性が高く本考案 に係る防水軽量石目調タイルを取り付けた躯体は、夏期太陽熱による温度上昇を 防止できる。防水軽量石目調タイルの表面硬度が高くきずがつき難い。基材に塗 布する塗材は流動性に優れなめらかさが表現できる。塗材のだれ塗りむらが無く なり未熟練者でも容易に塗布施工ができる。微細中空セラミツク粒子の粒子径の 小さいものは純白に近いものであり、石目調の白色味を表出することができ、酸 に対して強固である。

【００２０】 従来の無機系微細中空発泡体にはシラスバルーン、ガラスバルー ン、シリカバルーン等があるが耐水圧強度はシラスバルーンが僅か８０ｋｇｆ／ ｃｍ^２しかなく、ガラスバルーン、シリカバルーンも１５０〜２００ｋｇｆ／ｃ ｍ^２程度であるため本考案の目的を満足させることは出来ない。

【００２１】 本考案は６００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上の耐水圧強度を有する微細中 空セラミツク粒子を使用するため塗材原料の混練工程においても、又塗布施工時 においても微細粒子は全く破壊されることはない。このため破壊による塗材容積 の減少、破壊された粒子による配合組成の変化はない。完成したる塗材は設計通 り所期の目的を完全に達成することができるのである。

【００２２】 塗材のフィラーには、さらに天然砕石粒子を配合する。天然石は 御影石、安山岩、大理石、蛇紋岩等いずれのものでも良く限定するものではない 。天然砕石粒子は網目、中目、荒目としそれぞれ粒子の径を細目は０．１〜０． ５ｍｍ、中目は０．５〜１．５ｍｍ、荒目は１．５〜３．４ｍｍに調整して使用 する。

【００２３】

【実施例】 本考案の実旋例を図面に基づき具体的に説明する。

【００２４】 図１はタイル形状寸法に切断加工したプラスチック発泡板材にポ リスチレンフォーム４を使用しその表面及び側面を防水石目調塗材３で塗布した 防水軽量石目調タイルの断画図である。

【００２５】 図２はタイル形状寸法に切断加工したポリスチレンフォーム５両 端の小端を切り欠き相欠き継ぎ仕口６，７とした防水軽量石目調タイルの断面図 である。

【００２６】 図３は図１の防水軽量石目調タイル１を用いてコンクリート躯体 に接着剤８で貼着施工した状態を示す断面図である。図４は図２の相欠き継ぎ仕 口を有する防水軽量石目調タイル２を用いて発泡プラスチック躯体に接着剤８で 貼着施工した状態を示す断面図である。発泡プラスチック躯体はアルミ製骨組の 表面をポリスチレンフォームで被覆したものである。貼着施工すべき躯体は金属 系素材、無機系素材、有機系素材、及び木質系素材いずれも可能である。

【００２７】 ここに用いた防水石目調塗材の配合は次の通りである。使用した 耐水圧強度６００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上の微細中空セラミツク粒子は粒径が２０〜 ３００μｍ、かさ比重０．４でフィラー全体の３０重量％とした。

【００２８】 天然砕石粒子は御影石の砕石粒子を使用し細目６０重量％と中目 ３０重量％と荒目１０重量％とから構成するものをフィラー全体の７０重量％と した。

【００２９】 耐水圧強度６００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上の微細中空セラミツク粒子 ３０重量％に御影石の砕石粒子の粒度調整配合したものを７０重量％を混合して 防水石目調塗材のフィラーとした。この防水石目調塗材のフィラーを８５重量部 としこれに合成ゴム変性アクリル共重合エマルジョンからなる塗膜防水材を１５ 重量部加え防水石目調塗材とした。該塗材を厚さ５ｍｍのポリスチレンフォーム 基材の表面及び側面に１ｍｍの厚みでローラー塗りにより塗布した。

【００３０】

【考案の効果】 本考案に係る防水軽量石目調タイルは、比重が僅か０．３〜０ ．５程度であるため接着剤を用いて容易に貼着施工をすることができ未熟練者で も作業を可能ならしめたのである。又その表面硬度は微細中空セラミツク粒子に よりきわめて硬くきずつき難いものである。基材並びに塗材に使用している耐水 圧強度６００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上の微細中空セラミツク粒子により断熱性が高く 躯体を暑さから保護することができ、さらに酸性雨に対する抵抗性が高く浸食さ れる心配の無いものを提供することを可能とした。

【図面の簡単な説明】

【図１】 防水軽量石目調タイルの断面図

【図２】 相欠き継ぎ仕口を有する防水軽量石目調タイ
ルの断面図

【図３】 防水軽量石目調タイル施工断面図

【図４】 相欠き継ぎ仕口を有する防水軽量石目調タイ
ル施工断面図

【符号の説明】

１．防水軽量石目調タイル ２．相欠き継ぎ仕口を有する防水軽量石目調タイル ３．防水石目調塗材 ４．ポリスチレンフォーム ５．相欠き継ぎ仕口を有するポリスチレンフォーム ６．相欠き継ぎ仕口 ７．相欠き継ぎ仕口 ８．接着剤 ９．コンクリート躯体 １０．発泡プラスチック躯体 １１．ポリスチレンフォーム １２．アルミ製骨組

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０４Ｂ 41/63 // Ｃ０４Ｂ 32/00 Ｚ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項 １】 プラスチック発泡板材、又は無機質軽
   量板材をタイル状寸法に形成して基材とし該基材の表面
   及び側面を合成樹脂エマルジョンからなる塗膜防水材と
   耐水圧強度６００ｋｇｆ／ｃｍ^２以上の微細中空セラミ
   ック粒子と天然砕石粒子から構成される塗材で塗布形成
   せしめることを特徴とする防水軽量石目調タイル。
2. 【請求項 ２】 基材が木質系板材である請求項１記載
   の防水軽量石目調タイル。