JP3008974B2 - 壁下地防水シートの取付け方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は壁下地防水シートの取
付け方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、壁板などの外壁材を柱、間柱など
の柱材表面に固定していく場合、まず柱、間柱の包絡表
面上に壁下地防水シートを貼付け、次いでその表面に外
壁材を適宜手段により貼付け固定していくことが行われ
る。しかし、構築すべき壁面の外側が隣地との隙間が非
常に狭い狭小地の場合、壁下地防水シートを貼付けてし
まうと、室内より外側へは外壁材の出入れが不可能とな
る。

【０００３】従って、従来では、このような場合は図５
に示すように一枚の外壁材Ａを貼る位置に対応させて防
水シートＢを貼付け、次いで、その上に屋内側から外壁
材Ａを運び出して柱、間柱などの柱材Ｃの包絡表面に固
定金具Ｅを使用して外壁材Ａを取付けることを順次繰り
返して取り付けることや、図６に示すように外壁材Ａの
倍あるいは３倍幅の防水シートＢを前記と同様に貼付
け、この防水シートＢに取付け金具Ｅを頭出させる切目
Ｆを設けた後、この切目Ｆを通した金具Ｅにより外壁材
Ａを固定していくことなどが行われていた。

【０００４】

【従来技術の問題点】しかしながら、上記図５に示した
手段の場合、外壁材Ａの幅に対応した防水シートＢを用
意する必要があり、通常防水シートＢの幅は外壁材Ａの
幅に対し２〜３倍幅とされていることから、施工現場で
長尺の防水シートを裁断するのは非常に面倒な作業とな
り、施工が困難となる欠点があった。また、この工法の
場合、壁下地防水シートＢの貼付けと外壁材Ａの貼付け
作業とを交互に進めて行く必要があるので作業が非常に
面倒となり効率も悪い欠点がある。

【０００５】図６に示した固定手段の場合は、防水シー
トＢの裁断の手間は省けるものの、固定金具Ｅ用の切目
Ｆを防水シートＢに設ける必要があり、この切目Ｆの後
補修作業が不可欠となり作業が面倒となる欠点があっ
た。さらに、柱材Ｃの間の空間から外壁材Ａを運びだす
際に、防水シートＢを引っかけて破断させてしまう事故
が起こりやすく、作業が非常に行い難いといった欠点も
あった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上記問題点
に鑑み、隣地との隙間が狭い狭小地において、防水シー
トと外壁材とを効率良くかつ防水性良く貼付け施工して
いくことのできる壁下地防水シートの取付け方法を提供
することを目的としてなされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】即ち、この発明の壁下地
防水シートの取付け方法は、外壁材１を支持する柱及び
間柱などの柱材２の側面３に、隣接する柱材２までの長
さに相当する長さの壁下地防水シート４の一端４Ａを取
付け、該柱材２外周に前記壁下地防水シート４を展開可
能に重積し、次いで柱材２、２間に外壁材１を固定し、
次いで前記壁下地防水シート４を展開し、外壁材１裏面
に沿わせると共に他端４Ｂを隣接する柱材２側面３に取
付け固定することを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】この発明において壁下地防水シート４は、外壁
材１を取り付けるまでは柱や間柱等の柱材２の外周に重
積されて仮支持される。従って、柱材２、２間の空間が
利用可能となり、その空間から壁下地防水シート４を損
傷する恐れなく外壁材１を外へ運び出すことが可能とな
る。そして、外壁材１を柱材２、２の表面に固定した後
は、壁下地防水シート４を外壁材１裏面に沿わせて展開
し、隣接する柱材２の側面に他端４Ｂを取付け固定すれ
ば外壁材１裏面の防水が完全となる。

【０００９】

【実施例】次にこの発明の実施例を説明する。図１〜図
４はこの発明の方法の実施状態を示す平面図である。

【００１０】〔実施例１〕図１に示すようにアスファル
ト含浸フェルト、通気防水シートなどの従来一般に使用
されている壁下地防水シート４の一端４Ａを外壁材１を
固定する柱及び間柱などの柱材２の側面３に両面接着テ
ープあるいはステープル６などを使用して固定し、柱材
２の外壁材１の取付表面を通して反対側面へ展開し、次
いで隣接する柱材２までの長さＬに相当する長さの壁下
地防水シート４を柱材２外周に重積し粘着テープ５で仮
止めした。なお、外壁材１用取付け金具（図示省略）
は、柱材２表面において壁下地防水シート４の表面から
固定した。

【００１１】次いで、図２に示すように柱材２、２の間
から外壁材１を運び出し、室内側から開いた空間を利用
して外壁材１を柱材２、２表面に固定し、壁下地防水シ
ート４の幅に相当する高さ（図２の紙背方向）まで外壁
材１を貼付け固定した。次いで、仮止めしていた壁下地
防水シート４を解き、図３に点線矢印で示すように外壁
材１裏面に沿わせて展開し、適宜両面テープ５Ａを使用
して貼付け、その他端４Ｂを柱材２の側面に粘着テープ
又はステープル６で貼付け固定した。

【００１２】〔実施例２〕断面105mm ×105mm の柱と断
面50mm×50mmの間柱とを中心線間隔450mm で立設した柱
材２のそれぞれに幅1000mmのアスファルト含浸フェル
ト、通気防水シートなどの従来一般に使用されている壁
下地防水シート４の一端４Ａを柱材２、２の側面３に沿
わせ、両面接着テープあるいはステープル６などを使用
して固定し、次いで前記壁下地防水シート４を柱材２、
２外周に一周巻きつけ、次いでこの巻回終端から隣接す
る柱２、２までの長さＬに相当する長さの壁下地防水シ
ート４を柱２外周に重積し粘着テープ５で仮止めした他
は実施例１と同様にして壁下地防水シート４を仮止めし
た。

【００１３】次いで、実施例１と同様にして外壁材１を
柱材２表面に固定し、壁下地防水シート４の幅に相当す
る1000mmの高さまで外壁材１を取付け固定した。その
後、仮止めしていた壁下地防水シート４を解き、外壁材
１裏面に沿わせて展開し、適宜両面テープ５を使用して
取付け、その他端４Ｂを柱２、間柱２Ａの側面に粘着テ
ープ又はステープル６で取付け固定した。このとき、柱
材２から隣の柱材２へ展開した壁下地防水シート４の他
端４Ｂは隣接した柱材２の側面に約30mmの幅で固定さ
れ、展開した壁下地防水シート４の他端４Ｂは柱材２の
側面全面幅で固定された。

【００１４】

【発明の効果】この発明は以上説明したように、隣接地
との空間が非常に狭い狭小地において壁下地防水シート
を取付け、その外面に外壁材を取付ける場合、必要な
幅、長さの壁下地防水シート４を予め柱材２に重積ある
いは巻付けておき、その状態で外壁材１を取付け施工す
るから、柱材２、２間の空間を有効に利用することがで
き外壁材１の運び出しが非常に容易となる。また、壁下
地防水シート４を重積した後はその壁下地防水シート４
の幅だけ外壁材１を壁面全体に一時に取付け固定するこ
とができるので作業が簡略化され施工も容易となる。さ
らに、壁下地防水シート４は、各柱材２、２の表面に沿
わされ外壁材１と共に固定されるので、柱材２表面の防
水性も良いなど種々の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の方法の実施状態を示す平面図であ
る。

【図２】この発明の方法の実施状態を示す平面図であ
る。

【図３】この発明の方法の実施状態を示す拡大平面図で
ある。

【図４】この発明の他の実施例を示す拡大平面図であ
る。

【図５】従来例を示す斜視図である。

【図６】他の従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…外壁材 ２…柱材 ３…柱又は間柱の側面 ４…壁下地防水シート ４Ａ…壁下地防水シートの一端 ４Ｂ…壁下地防水シートの他端 ５…粘着テープ ５Ａ…両面テープ ６…両面テープ又はステープル

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外壁材１を支持する柱及び間柱などの柱
   材２の側面３に、隣接する柱材２までの長さに相当する
   長さの壁下地防水シート４の一端４Ａを取付け、該柱材
   ２外周に前記壁下地防水シート４を展開可能に重積し、
   次いで柱材２、２間に外壁材１を固定し、次いで前記壁
   下地防水シート４を展開し、外壁材１裏面に沿わせると
   共に他端４Ｂを隣接する柱材２側面３に取付け固定する
   ことを特徴とする壁下地防水シートの取付け方法。