JP3008808B2 - 連続鋳造用鋳型の振動波形連続変更方法 - Google Patents

連続鋳造用鋳型の振動波形連続変更方法

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JP3008808B2 JP7070975A JP7097595A JP3008808B2 JP 3008808 B2 JP3008808 B2 JP 3008808B2 JP 7070975 A JP7070975 A JP 7070975A JP 7097595 A JP7097595 A JP 7097595A JP 3008808 B2 JP3008808 B2 JP 3008808B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融金属、特に溶鋼
の連続鋳造における鋳型の上下振動に起因する鋳片の表
面品質の悪化を抑制できる連続鋳造用鋳型の振動波形連
続変更方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属、特に溶鋼の連続鋳造において
は、鋳型と鋳片との間の摩擦を軽減し、焼付きを防止し
てブレークアウトを発生させることなく、安定鋳造状態
を得るため、潤滑剤(モールドパウダ)を供給し、かつ
鋳型に上下振動(以下オッシレーションという)を付与
するのが一般的である。従来、鋳型のオッシレーション
方法としては、鋳型の振動速度が正弦波となるような方
法が一般的に採用されていた。
【0003】上記連続鋳造においては、鋳型内メニスカ
ス部における凝固シェルが鋳型のオッシレーションの動
きに呼応して曲げられ、オッシレーションマークと呼ば
れる窪みが形成される。このオッシレーションマーク
は、鋳片の外観を損なうばかりでなく、窪みが深くなれ
ばその窪みがノッチの作用を果たして鋳片表面の割れを
招く。また、スラグの巻込みによるノロ咬み欠陥を惹起
する等の問題が生じる。したがって、オッシレーション
マークの発生は、可及的に回避または軽減するのが好ま
しい。
【0004】一般にオッシレーションマークは、引抜き
方向の断面を観察すると、爪(またはフック)と呼ばれ
る鈎爪状をした不連続組織が存在するものと、しないも
のとがある。爪のあるマークは、爪に沿ってP等の正偏
析が見られることが多く、一方、爪のないマークでは、
マーク底部にP等の溶質成分が正偏析した表面偏析層の
存在するものが見られる。これらの爪および表面偏析
は、マークが深いほど深く、顕著になる傾向があり、熱
間圧延あるいは熱間製管時の表面疵発生につながる。特
にステンレス鋼の場合は、熱間圧延あるいは熱間製管時
のスケールオフ量が少ないため、これら表面欠陥の影響
が大きい。したがって、熱延鋼板および熱延鋼帯あるい
は継目無鋼管の表面疵を改善するためには、オッシレー
ションマークを浅くして鋳片表面品質を向上させること
が必要である。
【0005】鋳型を上下方向に振動させる場合に鋳型面
にシェルが焼き付くのを防止するには、鋳型面と凝固シ
ェル間への鋳型振動1サイクル当たりの溶融パウダの流
入量を増加させ、鋳型面と凝固シェルとの間の摩擦力を
低減させることが必要である。鋳片引抜き速度を一定と
した場合は、下記(1)式で示されるポジティブストリ
ップ時間tpを可能な限り長くする必要がある。ポジテ
ィブストリップ時間tpとは、鋳型の振動速度が鋳片の
引抜き速度より遅い時間をいい、下記(2)式で示され
るネガティブストリップ時間tNとは、鋳型の振動速度
Mが鋳片の引抜き速度より速い時間をいう。 tP=1/f−tN (1)式 tN=1/πf・(cos-1){Vc/(π・f・S)} (2)式 ただし、tP:ポジティブストリップ時間(sec) tN:ネガティブストリップ時間(sec) f:振動数(サイクル/sec) S:振幅(mm) Vc:鋳造速度(mm/sec)
【0006】鋳型振動1サイクル当たりの溶融パウダの
流入量は、ポジティブストリップ時間tpを長くするほ
ど増加するが、ポジティブストリップ時間tpを長くす
るには、鋳片引抜き速度、すなわち鋳造速度を一定とし
た場合、鋳型の振動数を小さくせざるを得ない。しか
し、鋳型の振動数を小さくすると、ネガティブストリッ
プ時の鋳型の下降速度が小さくなるので、凝固シェルに
付与される圧縮力が小さくなり、安定した鋳片引抜きが
行えないこととなる。したがって、鋳型の振動数は、余
り小さくすることはできない(学術振興会、製鋼第19
委員会、凝固現象協議会、No.10430(1982
年)参照)。また、鋳片表面に生じるオッシレーション
マークの深さは、ネガティブストリップ時間tNが0.
1〜0.2秒付近で最小値を示すが、ネガティブストリ
ップ時間tNを0.1〜0.2秒にするには、鋳型の振
動数を大きくする必要がある。この点からも鋳型の振動
数を余り小さくすることはできない。一方、凝固シェル
の単位表面積当たりの溶融パウダの流入量は、鋳片引抜
き速度が増加するにしたがって減少する。
【0007】近年の油圧式オッシレータ導入により、オ
ッシレーション波形を描く自由度が増加して正弦波以外
のオッシレーション波形を自由に描ける特徴を活かし、
非正弦波を描く方法として、連続鋳造用鋳型をその振動
変位波形が同一の周波数および実質的に同一の振幅を有
する正弦波形から偏倚した、前記鋳型の振動変位および
振動速度が滑らかに変化する、下記(3)式によって表
される偏倚正弦波形となるように上下方向にオッシレー
ションさせている。 y=a1・sin2π・f・t+a2・sin4π・f・t+a3・sin6π・ f・t+……… (3)式 ただし、y:鋳型の変位(mm)、 a1、a2、a3………:振幅(mm)、 f:振動数(サイクル/sec) t:時間(sec)。 そして、前記鋳型を、その振動速度波形が正弦波形とな
るように上下方向に振動させた場合に比べて、 ネガティブストリップ期間の前記鋳型の最大下降速
度を大きくし、 ポジティブストリップ期間の前記鋳型の最大上昇速
度を小さくし、 ネガティブストリップ時間を短く、そして、 ポジティブストリップ時間を長くなるように調整
し、かつ、前記鋳型の振動加速度の大きさを、重力加速
度Gの0.6以下に限定する方法(特公平4−7974
4号公報)が提案されている。この特公平4−7974
4号公報に開示の方法は、フーリエ級数式を用いるもの
である。 上記フーリエ級数式とは、一般に下式で与えられる1次
〜n次までの正弦波形の合成法である。
【0008】
【数1】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記フーリエ級数式に
おいて各係数aiは、オッシレーション波形の形状を決
定するものであるので、波形の形状に対応した定数を与
えなければならない。実機においては非正弦波形の形状
は、図14ならびに(4)式に示される非sin歪率λ
で与えられるのが一般的である。 非sin歪率λ=b/a (4)式 非sin歪率λの増大は、例えば、特公平4−7974
4号公報やCAMP−ISIJ Vol.5(199
2)、P1221に述べられているように、モールドパ
ウダの流入量を増加させる作用があり、鋳型内潤滑性改
善に有効である。一方、非sin歪率λの急激な上昇
は、パウダ流入量を急激に増大させることから、λ=0
の正弦波形から非正弦波形への移行は、連続的かつ緩や
かであることが望ましい。その理由は、パウダ流入量の
急激な増大はパウダの溶融・滓化に遅れを生じさせ、未
滓化パウダの噛み込み等のパウダ性欠陥の原因となるか
らである。
【0010】一方、フーリエ級数式により非sin歪率
λを連続的に変化させるためには、最終目標の非sin
歪率に至るまでの多くの過渡的非sin歪率に対して係
数aiを有するか、あるいは複雑な計算処理によって波
形の急激な変化を抑制することが必要である。実機にお
いてこれらを実行するためには、オッシレータ制御部に
係数aiを多く記憶させておくか、あるいは複雑な計算
処理をさせる必要があるので、計算負荷が増大する。ま
た、オッシレータ制御部での複雑な計算処理は、内容の
伝承がなされ難くブラックボックス化し易い。上記理由
によって実機では、非sin歪率λ=0の正弦波形から
非正弦波形への移行は、断続的に切換えられる場合が多
いという問題点を有している。
【0011】この発明の目的は、上記従来技術の問題点
を解消し、複雑な計算処理を要することなく、正弦波形
から非正弦波形への移行を連続的、かつ緩やかに行うこ
とができる連続鋳造用鋳型の振動波形連続変更方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、非正弦
波形におけるオッシレーション変位yの演算に振動数−
時間パラメータZを用い、かつZを時間tの5次以上の
関数式とすることによって、任意の非sin歪率λに対
応する非正弦波形が簡単に得られ、正弦波形から目的と
する非正弦波形への移行を連続的、かつ緩やかに行うこ
とができることを究明し、この発明に到達した。
【0013】すなわちこの発明は、連続鋳造用鋳型の振
波形連続変更方法において、鋳型の振動変位波形を、
Zが時間tの5次以上の関数式の下記式によって表される
波形となるよう、鋳型を上下振動させることを特徴とす
る連続鋳造用鋳型の振動波形連続変更方法。
【0014】
【作用】波形におけるオッシレーション変位yは、 y=S/2×sinZπ (5)式 ただし、S:振幅 Z:振動数−時間パラメータ(0≦Z≦2) で与えられる。一方、非sin歪率λ=0の正弦波形の
とき、オッシレーション変位yは、 y=S/2×sin2π・f0・t (6)式 ただし、S:振幅 f0:振動数 t:時間 で与えられる。
【0015】上記(5)式、(6)式の比較から正弦波
形の場合は、 Z=2f0・t (7)式 で表される。非正弦波形は、振動数が時間の関数として
変化する波形と考えることができる。このことは、例え
ば、前記図14の非正弦波形の場合、上昇過程は小さな
振動数へ、下降過程は大きな振動数へと振動数が連続的
に変化している正弦波形と考えることができる。このと
き、時間関数として連続的に変化する振動数をFとおく
と、非正弦波形の場合、 Z=2・F・t (8)式 と表される。したがって、正弦波形の場合のオッシレー
ション変位yとZとの対応は、図9に示すとおりで、非
正弦波形の場合のオッシレーション変位yとZとの対応
は、図10に示すとおりである。Zの満たすべき条件
は、t=0のとき Z=0、t=(1+λ)/4f0
のとき Z=0.5、t=1/2f0のとき Z=
1.0、t=(3−λ)/4f0のとき Z=1.
5、t=1/f0のとき Z=2.0の5点を通る滑
らかな曲線で、かつ、0≦t≦1/f0において、0≦
Z≦2を満たすことである。振動数−時間パラメータZ
が上記条件を満たす曲線であるためには、Zは時間tの
5次以上の関数式でなければならない。
【0016】オッシレーション変位yを前記(5)式で
表したとき、振動数−時間パラメータZは、正弦波時に
は図9上段に示すとおり直線(Z=2f0t)、非正弦
波時には図10上段に示すとおり曲線(Z=2Ft)と
なる。したがって、使用するオッシレータにおける非s
in歪率λの最大値λ1のときの振動数−時間パラメー
タZ1を5次以上の時間関数として求めておくと、最大
非sin歪率λ1に至るまでの過渡的段階(0≦λ≦
λ1)におけるZは、以下のように簡単に算出できる。 Z=1/λ1×{(λ1−λ)×2f0t+λ×Z1} (9)式 (ここで、2f0t:正弦波時のZ) (9)式により求めたZの値を(5)式に代入すると、
0≦λ≦λ1における任意の非sin歪率λに対応する
オッシレーション変位yを求めることができる。このよ
うに振動数−時間パラメータZを用いると、任意の非s
in歪率λに対応する非正弦波形が簡単に得られるの
で、正弦波形(λ=0)から目的とする非正弦波形(0
≦λ≦λ1)への移行を連続的に行うことができる。振
動数−時間パラメータZを用いると波形の変更が容易に
行えるのは、前記オッシレーション変位yの式、 y=S/2×sinZπ (5)式 が簡単な構成であることに起因している。
【0017】従来のフーリエ級数式を用いた計算法は、
前記(1)式に示されるように1〜n次までの正弦波形
の合成法であり、係数a1〜anにより直接オッシレーシ
ョン変位yを決定する方法である。このように直接オッ
シレーション変位yを求める場合には、任意の非sin
歪率λに対応した波形を得るために全ての非sin歪率
λに対応する係数a1〜anを求めておかなければならな
い。これは、オッシレーション変位yの波形の簡単な合
成によっては目的とする波形を得ることができないから
である。例えば、非sin歪率λ=0とλ=0.45の
場合のフーリエ級数式により求めたオッシレーション波
形(変位)を図11に示すが、図11中に破線で示すλ
=0とλ=0.45の変位の平均値は、λ=0、λ=
0.45とは振幅が異なる波形となり、非sin歪率λ
=0からλ=0.45へ至る過渡的波形とはなり得ない
ことが明白である。
【0018】これに対しこの発明方法によれば、振動数
−時間パラメータZを単純に合成すれば、任意の非si
n歪率λに対応するオッシレーション波形(変位)を得
ることができる。例えば、図12に破線で示す非sin
歪率λ=0の場合のZ■=0とλ=0.45の場合のZ
■=0.45の変位の平均値Z=(Z■=0+Z■=0.45)/2
を、前記(5)式に代入して得られる波形は、図13に
破線で示すとおり、非sin歪率λ=0からλ=0.4
5へ至る過渡的波形である。前記したとおり、一般に非
sin歪率λ=0からλ=λ1に至るまでの過渡的段階
(0≦λ≦λ1)における振動数−時間パラメータZ
は、前記(9)式によって算出できる。 Z=1/λ1×{(λ1−λ)×2f0t+λ×Z1} (9)式 ここで、Z1:λ=λ1におけるZ 2f0t:正弦波時のZ(Z■=0) また、数学的には、任意の非sin歪率λに対応する振
動数−時間パラメータZを直接計算することも可能であ
る。
【0019】
【実施例】
実施例1 オッシレーション変位 y=S/2×sinZπ オッシレータにおける非sin歪率の最大値λ1=0.
45 λ=λ1のときの振動数−時間パラメータZ1を、 Z1=aX11+bX9+cX7+dX5+eX3+fX+1 ただし、X=2f0t−1 a=−0.051573、 b=2.5047、 c=
−5.0500 d=5.4574 e=−3.4461、 f=
2.0497 f0:振動数 t:時間 とすれば、任意の非sin歪率λ(0≦λ≦0.45)
における振動数−時間パラメータZは、前記(9)式 Z=1/λ×{(λ1−λ)×2f0t+λ×Z1} として自由に求めることができる。例えば、振動数f0
=260サイクル/min、振幅S=6mm、非sin
歪率の最大値λ1=0.45の場合の時間tと、鋳型の
変位、振動速度および振動加速度との関係は、図1に示
すとおりとなる。
【0020】実施例2 任意の非sin歪率λ(0≦λ≦0.45)における振
動数−時間パラメータZを直接計算する場合には、 オッシレーション変位 y=S/2×sinZπ Z5=aX5+bX4+cX3+dX2+eX M=(1+λ)/2 N=(3−λ)/2 E=M3−3M2+3M F=−M3+3M2−2M G=M5−11M3+18M2−8M H=M4−4M3
+5M2−2M I=N3−3N2+3N J=−N3+3N2−2N K=N5−11N3+18N2−8N L=N4−4N3
+5N2−2N a={H(1.5−I−J・p)−L(0.5−E−F
・p)}/(H・K−L・G) b=(0.5−E−F・p−G・a)/H c=−11a−4b+1−p d=−15a−7b−3c e=1−a−b−c−d p=1.92 X=2f0t ここで、λ:非sin歪率 f0:振動数 t:時間 Z1=(2f0)/(1+λ)×t [0≦t≦(1
+λ)/(4f0)] Z1=2(f0t+λ)/(1+λ) [(3−
λ)/(4f0)≦t≦1/f0] 以上のようにZ5、Z1を定めたときのZを、 Z=qZ1+(1−q)Z5 [0≦t≦(1+λ)
/(4f0)] Z=Z5 [(1+λ)/(4f0)≦t
≦(3−λ)/(4f0)] Z=rZ1+(1−r)Z5 [(3−λ)/(4f
0)≦t≦1/(2f0)] q=0.5cos(4f0)/(1+λ)×tπ+0.
5 r=0.5cos(4f0)/(1+λ)×(t−1/
0)π+0.5 とすれば、振動数f0=260サイクル/min、振幅
S=6mm、非sin歪率の最大値λ1=0.45の場
合の時間tと、鋳型の変位、振動速度および振動加速度
との関係は、図2に示すとおりとなる。
【0021】比較例1 オッシレーション変位 y=S/2×sinZπ Z=aX3+bX2+cX X=2f0t a=(0.5−M)/F M=(1+λ)/2
F=M3−3M2+2M b=−3a c=1+2a の場合においては、図3に示すとおり、Zは、0≦Z≦
2を満たすことができず、また、図4に示すとおり、オ
ッシレーション変位yの波形はいびつな波形となる。す
なわち、振動数−時間パラメータZは、時間tの5次以
上の関数式でなければ、Zの満たすべき条件を満足しな
いのである。
【0022】比較例2 5次までのフーリエ級数式を用いた計算により、非si
n歪率の最大値λ=0.45の波形を得る場合におい
て、任意のλに対応する波形を得るためには、係数a1
〜a5を全てのλに対して無数に定めておく必要があ
る。下記5次までのフーリエ級数式を用いた計算法で
は、振動数f0=260サイクル/min、振幅S=6
mm、非sin歪率の最大値λ1=0.45の場合の時
間tと、鋳型の変位、振動速度および振動加速度との関
係は、図5に示すとおりとなる。
【0023】
【数2】
【0024】ただし、a1=0.8675、 a2=−
0.3012、 a2=−0.3012 a3=0.1191、 a4=−0.0393、 a
5=0.0078 S:振幅、 f0:振動数、 t:時間。
【0025】実施例3 オッシレーション波形を正弦波形から非正弦波形に切替
え時には、鋳型と鋳片間に流入するパウダー流入量が急
激に増大するため、モールドパウダーの溶融・滓化がそ
れに追従せず、未溶融・滓化のモールドパウダーの噛み
込みによる表面欠陥発生率が上昇する。また、オッシレ
ーション波形を正弦波形から非正弦波形に切替え時に
は、鋳型の加速度が急激に変化するため、オッシレータ
のベアリング摩耗が増大する。そこで、厚さ100m
m、幅1000mmの炭素鋼スラブを、引抜き速度1.
8〜2.4m/min、溶鋼過熱度25〜40℃で連続
鋳造するに当たり、鋳型に振動数260サイクル/mi
n、振幅6mmで、図6に実線で示すように前記実施例
1の方法により、非sin歪率を0から0.45まで連
続的に変化させた場合と、図6に破線で示すように前記
比較例2の方法により、非sin歪率を0から0.45
まで断続的に切替えた場合のそれぞれについて、得られ
た鋳片のパウダー性表面欠陥発生率とオッシレータのベ
アリング摩耗量とを比較した。その結果を図7および図
8に示す。
【0026】図7、図8に示すとおり、前記実施例1の
方法により非sin歪率を0から0.45まで連続的に
変化させた場合は、比較例2の方法により非sin歪率
を0から0.45まで断続的に切替えた場合に比較し、
パウダー性表面欠陥発生率ならびにオッシレータのベア
リング摩耗量共に少ないことが明らかである。
【0027】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法におい
ては、複雑な計算を要することなく、正弦波形から非正
弦波形への移行を連続的に実施でき、従来法に比較しパ
ウダー性表面欠陥発生率ならびにオッシレータのベアリ
ング摩耗量を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により得られた振動数f0=260サ
イクル/min、振幅S=6mm、非sin歪率の最大
値λ1=0.45の場合の時間tと、鋳型の変位、振動
速度および振動加速度との関係を示すグラフである。
【図2】実施例2により得られた振動数f0=260サ
イクル/min、振幅S=6mm、非sin歪率の最大
値λ1=0.45の場合の時間と、鋳型の変位、振動速
度および振動加速度との関係を示すグラフである。
【図3】比較例1により得られた振動数f0=260サ
イクル/min、振幅S=6mm、非sin歪率の最大
値λ1=0.45の場合の時間tと振動数−時間パラメ
ータZとの関係を示すグラフである。
【図4】比較例1により得られた振動数f0=260サ
イクル/min、振幅S=6mm、非sin歪率の最大
値λ1=0.45の場合の時間tと鋳型の変位yとの関
係を示すグラフである。
【図5】比較例2により得られた振動数f0=260サ
イクル/min、振幅S=6mm、非sin歪率の最大
値λ1=0.45の場合の時間と、鋳型の変位、振動速
度および振動加速度との関係を示すグラフである。
【図6】実施例3における非sin歪率λ変更パターン
を示すグラフである。
【図7】実施例3におけるパウダー性表面欠陥発生率の
比較を示すグラフである。
【図8】実施例3におけるオッシレータのベアリング摩
耗量の比較を示すグラフである。
【図9】正弦波形の時間tと、変位yおよび振動数−時
間パラメータZとの関係を示すグラフである。
【図10】非正弦波形の時間tと、変位yおよび振動数
−時間パラメータZとの関係を示すグラフである。
【図11】非sin歪率λ=0とλ=0.45の時の時
間tと変位yとの関係を示すグラフである。
【図12】非sin歪率λ=0の場合のZ■=0とZ
■=0.45の平均値(Z■=0+Z■=0.45)/2の時間tと
振動数−時間パラメータZとの関係を示すグラフであ
る。
【図13】非sin歪率λ=0の場合のZ■=0とZ
■=0.45の平均値(Z■=0+Z■=0.45)/2をy=S/
2×sinZπに代入して得られる波形の時間tと変位
yとの関係を示すグラフである。
【図14】オッシレーション波形の正弦波形、非正弦波
形の時間と変位との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−150437(JP,A) 特開 平7−251251(JP,A) 特開 平8−192255(JP,A) 特開 平8−150454(JP,A) 特開 平6−198407(JP,A) 特開 昭62−296945(JP,A) 特開 昭60−87955(JP,A) 特開 昭57−190760(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/16 105 B22D 11/04 315

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造用鋳型の振動波形連続変更方法
    において、鋳型の振動変位波形を、Zが時間tの5次以上
    の関数式の下記式によって表される波形となるよう、鋳
    型を上下振動させることを特徴とする連続鋳造用鋳型の
    振動波形連続変更方法。
JP7070975A 1995-03-02 1995-03-02 連続鋳造用鋳型の振動波形連続変更方法 Expired - Fee Related JP3008808B2 (ja)

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