JP2000052009A - 連続鋳造における鋳型の振動方法 - Google Patents

連続鋳造における鋳型の振動方法

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JP2000052009A
JP2000052009A JP22604498A JP22604498A JP2000052009A JP 2000052009 A JP2000052009 A JP 2000052009A JP 22604498 A JP22604498 A JP 22604498A JP 22604498 A JP22604498 A JP 22604498A JP 2000052009 A JP2000052009 A JP 2000052009A
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mold
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lubrication
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powder
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JP22604498A
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Masahiro Ikeda
正裕 池田
Munehito Mizuno
宗人 水野
Taiji Araki
泰治 荒木
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 与えられた条件下(使用パウダー、機械特性
など)で最大限の潤滑を確保するための鋳型振動方法を
提供すること。 【解決手段】 鋳片表面でのネガティブストリップ面積
率(RNA)とポジティブストリップ時間(Tp)をと
り、そのそれぞれの指数の積として、LI=RNA m×T
n (但し、m、nはそれぞれ実験的に求められる常
数)を規定し、このLI値を使用して振動を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続鋳造の鋳込み中
における鋳型の振動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製鋼における連続鋳造法の発展は設備コ
ストと操業コストの大きな低減をもたらしている。最
近、更なるコストダウンを目的に鋳込み厚さを薄くし、
それと引き換えに鋳込速度は飛躍的に増大する傾向にあ
る。その場合の問題として、鋳型と鋳片との潤滑不良が
クローズアップされている。潤滑は、鋳型内の溶鋼表面
にある溶融スラグ(溶融パウダーとも言う)でなされ
る。鋳型とそれに接した凝固シェルの間に十分な溶融パ
ウダーが流入せず、そこで潤滑不良が起こると、鋳型と
鋳片との間に焼き付きが生じ、ブレークアウトが発生
し、著しく鋳造機の生産性を損なう結果となる。
【0003】鋳型内潤滑に係わる鋳型振動に関する基準
としては、ネガティブストリップ速度率として広く次の
(1)式が使われている。
【0004】 NE (%)={(2・S・F−Vc)/Vc}・100 (1) 但し、Sは振動幅、Fは振動周波数、Vcは鋳込速度を
表す。
【0005】この(1)式で表される数値は、正弦波で
振動する鋳型の下降速度の平均値(2・S・F)と鋳型
内での鋳片下降速度との差(鋳型の鋳片に対する下向き
相対速度)の鋳片下降速度に対する割合を示している。
そして、この値が大きい方がパウダーの流入が多いとさ
れてきた。
【0006】しかしながら、鋳型速度の平均値を使うこ
との物理的意味は必ずしも合理的なものではない。ま
た、振動が非正弦波であれば、式(1)中の2・S・F
は全く意味を持たなくなり、従って、(1)式はもはや
使うことが出来ない。
【0007】一方、1サイクルの振動中に鋳型下降速度
が鋳込速度より大きくなる時間をとり、これをネガティ
ブストリップ時間(TN )と呼んでいる。さらに、その
逆のポジティブストリップ時間(Tp)もよく単独で操
業指数として使われている。また、ネガティブストリッ
プ時間は1サイクルでの時間率に置き換えても使われ
る。最近では上記の(1)式に代わって、その時間率の
方をより良い指標として、これを大にする方向で操業さ
れている。
【0008】また、別の研究ではポジティブストリップ
時間が大きい程パウダー流入が多いことが示された。こ
れは、従来の(1)式や上記のネガティブストリップを
重視する考えとは逆の傾向であり、この間の矛盾がまだ
十分説明されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これまでにパウダー消
費量に及ぼす操業パラメータの影響は種々論じられ、研
究報告や特許出願がなされている。それらは操業データ
の単なる多次元解析に基づくものが多く、鋳型振動がパ
ウダー消費に及ぼす機構からの解明がないため限られた
データには適用出来ても一般に普遍性に乏しいものであ
った。
【0010】本発明は、与えられた条件下(使用パウダ
ー、機械特性など)で最大限の潤滑を確保するための鋳
型振動方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、連続鋳造の鋳
込み中における鋳型の振動方法において、鋳片表面での
ネガティブストリップ面積率(RNA)を指標として振動
を行うことを特徴とする。
【0012】本発明によればまた、前記ネガティブスト
リップ面積率(RNA)に加えて、ポジティブストリップ
時間(Tp)を指標とし、そのそれぞれの指数の積とし
て、LI=RNA m ×Tpn (但し、m、nはそれぞれ実
験的に求められる常数)を規定し、該LI値を使用して
振動を行うことを特徴とする連続鋳造における鋳型の振
動方法が提供される。
【0013】なお、m/n比を0.2から1.0の範囲
で、且つ、装置の機械的、物理的及び電気的制限の範囲
内で前記LI値を大きい値にすることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、溶融パウダーのメニ
スカスへの流入機構を考察し、ネガティブストリップと
ポジティブストリップの両者の作用を矛盾なく説明し、
パウダー流入量(鋳片表面積当たりのパウダー消費量)
を両者を変数とする形の関数を見出している。そして、
その関数が正弦波のみならず、いかなる非正弦波にも適
用できる普遍性のあるものとしたことに特徴がある。
【0015】即ち、溶融パウダーのメニスカスへの流入
はネガティブストリップが行われている時に生じる粘性
スラグ内のシアストレス(せん断応力)によってのみ起
こるとする。従って、メニスカスにおいて溶融スラグの
供給が十分であれば、パウダー消費量は鋳片表面でネガ
ティブストリップが起こった面積率に比例すべきであ
る。
【0016】一方、スラグの供給量は溶融スラグの流路
の断面積又は溶鋼表面上の溶融スラグの厚さに比例する
ものである。溶融スラグは溶鋼の熱によりその上にある
粉末スラグの溶融によって作られるから、その厚さは一
定のパウダー特性と溶鋼温度条件(鋳込条件)下におい
ては、スラグが引き込まれていない時期、即ち、その時
の鋳型振動のポジティブストリップ時間に比例するはず
である。こうすると、パウダー消費量(鋳片の単位表面
積当たりのパウダー消費重量)はネガティブストリップ
面積率とポジティブストリップ時間との2つを変数とす
る関数として表され、そのどちらが欠けてもパウダーは
消費されない筈である。
【0017】その内、ネガティブストリップ面積率(R
NA)は次の(2)、(3)式で表される。
【0018】 RNA(%)={F・ND /Vc}・100 (2) ND =2・∫0 Tn/2(VM −Vc)・dt (3) 但し、VM は鋳型振動下降速度の波動関数を時間t=0
の軸に対照となるように変数変換をしたもので、Tn/
2はネガティブストリップ時間の1/2を意味する。
【0019】次に、ポジティブストリップ時間(Tp,
sec)は振動1サイクルでのネガティブストリップ時
間(TN ,sec)以外の時間であるから次の(4)式
で表される。
【0020】 Tp(sec)=(60/F)−TN (sec) (4) 但し、Fは鋳型振動数(cycle/min)である。
【0021】そこで、鋳型潤滑指数をLIとし、上記の
2つの数値(RNA,Tp)を変数とする(5)式で表す
とする。即ち、 LI=RNA m ×Tpn (5) 但し、m,nは実験的に決められる常数で、本発明では
m=0.3,n=0.5の近辺で、m/n比は0.2〜
1.0の範囲であることを見出した。
【0022】これを導いた過程を実際の例により示すと
次の様になる。鋳型振動のいくつかのパターンと前述の
記号と波動式を合わせて図1、図2と表1に示す。表1
は、図1の6つの振動波形を式に表すための振幅係数a
iを示している。
【0023】
【表1】 さらに、日本の連続鋳造機での種々の鋳込み方法のデー
タを、発表されている技術論文よりとり、それぞれで得
られたパウダー消費量と今回の発明であるLI値との関
係を示すと図3のようになる。図3中、黒の菱形、黒の
四角、白三角、及び×がそれぞれ、これまでの連続鋳造
機のデータを示している。この図3では(5)式のLI
をLI=RNA 0.3 ×Tp0.5 として最も高い相関関係が
得られているが、mとnの値はそのデータのばらつきや
採取データの条件範囲が変わると変化すると考えられ、
m/nの比で0.2〜1.0の範囲に入るものと考えて
良い。
【0024】この様な広範囲なデータを一つの指数で整
理して一つの関係式で表すことはこれまでになされたこ
とはなく、この様な関係に整理できることはこの発明の
指数が実際の現象を合理的に表している証拠である。
【0025】ここに使われるネガティブストリップ面積
率RNAとポジティブストリップ時間Tpはある鋳込速度
に対して鋳型を如何に振動させるかによって決まるもの
である。鋳型は偏心カムの回転や油圧シリンダーの往復
運動の伝達により振動させられるものである。従って、
振動機構の機械的、物理的又は電気的制約により、これ
らの指数は制限を受ける。その制限は鋳型速度と加速度
であり、各装置の設計条件で決まる。各装置ではその制
限の中でLI値を最大限に持ってゆくことがパウダー消
費量を増大し、それにより、鋳型内の潤滑を良くし、ひ
いてはブレークアウトを極少にすることができるのであ
る。
【0026】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば与えられた条件下(使用パウダー、機械特性など)で
最大限の潤滑を確保するための鋳型振動方法を提供する
ことができ、広範囲なデータを一つの指数で整理して一
つの関係式で表すことができるようにし、正弦波のみな
らず非正弦波にも適用できるようにしたことにより、鋳
型内の潤滑を良くし、ひいてはブレークアウトを極少に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における鋳型振動のパターンを示した図
である。
【図2】本発明における鋳込速度をネガティブストリッ
プ距離との関係を示した図である。
【図3】パウダー消費量と本発明によるLI値との関係
を示した図である。
【符号の説明】
Vc 鋳込速度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造の鋳込み中における鋳型の振動
    方法において、鋳片表面でのネガティブストリップ面積
    率(RNA)を指標として振動を行うことを特徴とする連
    続鋳造における鋳型の振動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋳型の振動方法におい
    て、前記ネガティブストリップ面積率(RNA)に加え
    て、ポジティブストリップ時間(Tp)を指標とし、そ
    のそれぞれの指数の積として、LI=RNA m ×Tp
    n (但し、m、nはそれぞれ実験的に求められる常数)
    を規定し、該LI値を使用して振動を行うことを特徴と
    する連続鋳造における鋳型の振動方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の鋳型の振動方法におい
    て、m/n比を0.2から1.0の範囲で、且つ、装置
    の機械的、物理的及び電気的制限の範囲内で前記LI値
    を大きい値にすることを特徴とする連続鋳造における鋳
    型の振動方法。
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Cited By (4)

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Effective date: 20021113