JP3008515B2 - 米飯の食味改良方法 - Google Patents

米飯の食味改良方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は米飯の食味改良方法に係
り、特に、古米の炊飯特性を改良することを目的とする
米飯の食味改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炊飯とは、米の内部(胚乳部)に天然の
結晶状態で貯蔵される生デンプン(βデンプンともい
う)が水と温度とによって糊(のり)状のαデンプンに
変化すること(=α化)であり、したがって、炊飯には
必要かつ十分に水及び温度が不可欠である。例えば、α
化の始まる65℃では十数時間を要するが、98℃では
20〜30分で炊飯が終了する。また、米粒中の水分が
多いほどα化が速く、炊飯前の予備浸水がα化を促進す
るのであるが、しかしながら、多量の水で長時間加熱す
ることによってデンプン粒子が分散されて十分α化され
ても、これでは食味の良い米飯にはならない。日本にお
いて食味の良い米飯とは、味や香りに加えて粘性・弾性
・舌触といった要素で優れていることが求められ、な
かでも、粘性・弾性・舌触りなどの物理的要素(テクス
チャー)は、米の主成分であるデンプンの物性、つまり
α化度合に大きくかかわっている。生デンプンは、米粒
の含水率が30%以下では均一かつ十分にα化すること
は困難である。米のように、デンプン貯蔵細胞中にぎっ
しりとタンパク質などに包まれて存在するデンプンにあ
っては、膨潤が抑制されるために更に多量水が必要で
ある。
【0003】米を十分予備浸漬しないで炊飯すると、芯
(しん)のある米飯ができやすい。これは、米の内部の
水分が不足するために中心部のデンプンがα化されにく
いからである。つまり、米の外層部は、温度上昇が速
く、かつ十分な水によって、いち速くα化が起こり、こ
れと共に、デンプン粒は周囲から周囲から水を奪って膨
潤するが、このとき、外部だけでなく内部からも、内部
のデンプンのα化に必要な自由水を奪い、さらに、α化
したデンプン層は水の通過を妨げることになり、ますま
す中心部のα化が困難となる。このように、米粒内部の
水分分布が少ないと、炊飯直後の暖かいときはさほどで
もなくても、わずかの時間に内部のαデンプンの老化
(β化)が休息に進み(αデンプンは水分30〜40%
で最も老化が速い)、芯の固い米飯となってしまう。こ
のため、炊飯前に少なくとも30分の浸漬を行い(30
分で、当初約15%の水分が13〜20ポイント上昇す
る)、内部の水分が35%程度になってから炊飯を始め
ることにより、デンプンのα化温度である65℃前後ま
で温度が上昇する間に、α化に必要な水分が米の中心部
まで供給されるものと考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、炊飯に先
立って30分程度の浸漬を行うことにより、米粒内部まで
均一にα化が進行するのであるが、食味の良くないとい
われる古米にあっては、一般的に吸水速度が遅いので長
時間の浸漬が必要とされるが、この浸漬にもかかわらず
食味は新米より劣る。これは、デンプン貯蔵細胞の細胞
膜の機能が低下したことに加え、細胞室内にあってデン
プン粒を生成する無色のプラスチドであるアミロプラス
ト膜の機能減退によるものと考えられ、したがって、本
発明者らは、浸漬時又は炊飯初期においてアミロプラス
ト膜内に透過する水が不足してα化度が向上しないため
と考えた。
【0005】そこで、本発明は前記問題点にかんがみ、
アミロプラスト膜を破壊することによってデンプン粒子
と水分子との結合を容易にさせ、古米であってもα化度
の高い食味の良い米飯を得ることのできる米飯の食味改
良方法を提供することを技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明の米飯の食味改良方法においては、米飯に300
Mpa以上の高圧処理を施すことにより、デンプン貯蔵
細胞中のアミロプラスト膜を一部破壊して米粒内部に吸
水を促進させ、米粒含水率が35%以上に達した後、炊
飯するものである。
【0007】
【作 用】アミロプラスト膜が高圧下で破壊されること
により、この個所から水が侵入し、アミロプラスト内の
デンプン粒子と水分子との結合が容易に行われる。更
に、アミロプラスト膜が破壊されることにより米粒内部
への水の浸透が促進される。
【0008】
【実施例】試料には自然古米及び標準価格米を用い、各
試料とも浸漬水と共にプラスチック袋に封入し、 300及
び 500Mpa で各10分間加圧処理を行った後、各々炊飯し
た。そして、各米飯につきテクスチュロメータによるバ
ランス度の測定を行った。このバランス度とは、テクス
チュロメータの試料台に乗せた米飯に対し、プランジャ
ーによる押圧と引張とを人間の咀嚼(そしゃく)速度に
合わせて行い、引張力、すなわち米飯の粘りを、押圧
力、すなわち米飯の固さで除した値をいい、米飯の食味
の良否を判定する方法の一つとして知られている。日本
の米(ジャポニカ種)はおおよそ0.1 〜0.2の間に分布
しており、バランス度の大きい方が食味が良いとされて
いる。ちなみに、「コシヒカリ」は0.2 内外、「みちこ
がね」は0.1 程度である。
【0009】この結果、表1に示すように、各試料とも
無処理時に比べ、いずれの圧力においても固さが減少す
るとともに粘りが増加し、バランス度が向上した。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、高圧
下でアミロプラスト膜を破壊することにより、デンプン
粒子と水分子との結合を容易にするとともに、米粒内部
への水の供給が促進され、α化度合を増加させて米飯の
食味を向上させることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米粒に300Mpa以上の高圧処理を施
    すことにより、デンプン貯蔵細胞中のアミロプラスト膜
    一部破壊して米粒内部に吸水を促進させ、米粒含水率
    が35%以上に達した後、炊飯することを特徴とする米
    飯の食味改良方法。
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