JP3007652B2 - プラスチック成形品 - Google Patents

プラスチック成形品

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JP3007652B2 JP13000990A JP13000990A JP3007652B2 JP 3007652 B2 JP3007652 B2 JP 3007652B2 JP 13000990 A JP13000990 A JP 13000990A JP 13000990 A JP13000990 A JP 13000990A JP 3007652 B2 JP3007652 B2 JP 3007652B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水
素添加物で形成されたプラスチック成形品に関し、さら
に詳しくは、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、機械的強度
等が改善されたプラスチック成形品に関する。
〔従来の技術〕
従来、例えば、光ディスク基板やプラスチックレンズ
等の光学用透明プラスチック成形材料として、ポリカー
ボネート(PC)およびポリメチルメタクリレート(PMM
A)が主として用いられてきた。しかしながら、PCは複
屈折が大きく、また、PMMAは吸水性が大きく、耐熱性も
不十分であり、ますます高度化する要求に応えることが
ることが困難になってきている。
従来からノルボルネン系モノマーの開環重合体が光学
用途に検討されてきているが、このポリマーは、そのま
までは炭素・炭素の不飽和結合が残っているために耐候
性や安定性が不充分であった。
最近、ノルボルネン系モノマーの開環重合体に水素添
加することにより不飽和結合を減らしたり、ノルボルネ
ン系モノマーとエチレンとを付加重合することにより不
飽和結合をなくした熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマ
ーが、光ディスク基板などの光学用プラスチック成形材
料として注目をあびてきている(特開昭60−26024号、
同64−24826号、60−168708号、61−115912号、同61−1
20816号など)。
これらの熱可塑性飽和ノルボルネン系ポリマーは、透
明性に優れ、複屈折が小さく、耐候性、安定性、耐熱
性、耐吸水性等に優れており、光学用として極めて好適
な材料である。さらに、該ポリマーは、強度、耐水性、
電気絶縁性、耐溶剤性、酸やアルカリ等への耐薬品性に
も優れており、光学用途以外にも、電気絶縁材料、容器
やフィルム等の耐湿包装材料としても有用である。
しかしながら、用途によっては、該ポリマーの耐熱
性、耐溶剤性、機械的強度などがさらに改善されること
が望ましい。例えば、情報伝送用のプラスチック光ファ
イバー等の用途では、光学特性や成形性が低下しない限
り、機械的強度は高ければ高いほど、耐久性等に優れ、
使用可能分野も広がることから好ましい。また、ファイ
バーやチューブ、フィルム等では、成形品の断面積が小
さいため、単位面積あたりの機械強度が充分に高いこと
が要求される。
ところで、一般に、プラスチック成形品は、同一の構
造の場合、原料ポリマーの分子量が大きくなるにしたが
って機械的強度が高くなる。しかし、熱可塑性飽和ノル
ボルネン系ポリマーは、分子量が大きくなると、溶融粘
度が急激に高くなるため、射出成形や押出成形などの溶
融加工が困難となる。また、高分子量になると、溶剤に
溶解しにくくなるため、キャスチング成形法の適用も困
難となる。さらに、高分子量のノルボルネン系ポリマー
の合成は、反応条件の制御が困難であり、安定して一定
品質のものを得ることが難しい。
これらの理由により、機械的強度や耐熱性などを向上
させる手段として、単に分子量を増大させる方法には限
界がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、ノルボルネン系モノマーの開環重合
体の水素添加物で形成された成形品であって、ポリマー
の合成や成形加工が容易であるとともに、耐熱性、耐溶
剤性、耐薬品性、機械的強度などが大幅に改善されたプ
ラスチック成形品を提供することにある。
本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ね
た結果、ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添
加物(水添ポリマー)を、先ず、所望の形状に成形した
後、活性エネルギー線を照射して、架橋すれば、耐熱性
や耐溶剤性、機械的強度等の改善された成形品の得られ
ることを見出した。
水添ポリマー中に残存する不飽和結合を利用するか、
あるいは架橋助剤を添加することにより、活性エネルギ
ー線照射によって容易に架橋反応が進行する。架橋助剤
の添加は、水添ポリマー中に配合するか、あるいは一次
成形品の表面に浸透させるなどの方法により行なうこと
ができる。
この方法によれば、高分子量化に伴う合成上および加
工上の問題がなく、諸物性に優れた成形品を得ることが
できる。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至った
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
かくして、本発明によれば、ノルボルネン系モノマー
の開環重合体を水素添加して成る水素添加率が80%以上
で、数平均分子量が1万以上20万以下の水素添加物で形
成された一次成形品を、架橋助剤の存在下または不存在
下に、照射量10〜70Mradの活性エネルギー線を照射し
て、架橋して成ることを特徴とするプラスチック成形品
が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
開環重合体の水素添加物 (ノルボルネン系モノマー) 本発明で用いる成形材料は、ノルボルネン系モノマー
の開環重合体の水素添加物である。
ノルボルネン系モノマーとしては、下記一般式〔I〕
で表される化合物を挙げることができる。
(ただし、式中、R1、R2、R3およびR4は、水素、炭素数
1〜10の飽和または不飽和の炭化水素残基、ハロゲン、
エステル、ニトロ、ピリジル等の極性基から選ばれ、そ
れぞれ同一または異なっていてもよく、また、R1とR3
で互いに環を形成していてもよい。pは、0または正の
整数である。) また、式〔I〕の特殊な変形物として、R1とR2、また
はR3とR4の片方または両方がアルキリデン構造をもった
化合物、例えば、式〔II〕で表わされる化合物も挙げら
れる。
(ただし、式中、R5、R6、R7およびR8は、水素、炭素数
1〜10の飽和または不飽和の炭化水素残基、ハロゲン、
エステル、ニトロ、ピリジル等の極性基で、それぞれ同
一または異なっていてもよく、また、R6とR7とで互いに
環を形成していてもよい。pは、0または正の整数であ
る。) このようなノルボルネン系モノマーとしては、例え
ば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/または
アルキリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボ
ルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチ
ル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等;ジシクロペ
ンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、お
よびこれらのメチル、エチル、プロピル、ブチル等のア
ルキル置換体、およびハロゲン等の極性基置換体;ジメ
タノオクタヒドロナフタレン、およびそのアルキルおよ
び/またはアルキリデン置換体、例えば、6−メチル−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン
−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒド
ロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノー1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4
a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシ
カルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−
オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの3〜
4量体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,
9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:
6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a
−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等を挙
げることができる。
(開環重合体の水素添加物の合成) 本発明の成形品は、上記のノルボルネン系モノマー群
から選ばれた少なくとも1種のモノマーを使用し、公知
の開環重合方法により重合して得られる開環重合体を、
通常の水素添加方法により水素添加して製造される水添
ポリマーからなる。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体は、一般式〔II
I〕で表わされる構造単位を含み、主鎖に不飽和結合を
有するポリマーである。
(ここで、R9、R10、R11およびR12は、式〔I〕または
〔II〕に対応した構造の残基を表わす。nは、正の整数
を表す。) また、式〔I〕でR1〜R4に不飽和結合のある場合や式
〔II〕のアルキリデン基を有するモノマーの場合には、
主鎖以外にも不飽和結合のある開環重合体となる。
この開環重合体を水素添加して水添ポリマーとする
が、分子中に残留する不飽和結合が多すぎると、耐光劣
化性や耐候劣化性が低下するので、開環重合体中の不飽
和結合全体の80%以上を水素添加することが好ましい。
一般に、活性エネルギー線は、特に電子線照射の場合に
は、成形品の表面から入射した後、吸収され、減衰する
ため、成形品の深いところまで届きにくいという性質が
ある。未水添または水添率が80%未満と低い場合には、
厚さ1mm程度以下の板やシート、フィルム状の場合はよ
いけれども、それ以上の厚さの場合には、成形品の内部
まで架橋が進まないため、未架橋のポリマーの耐光性の
耐候性がそのまま反映され、成形品の安定性が悪くなり
好ましくない。ただし、不飽和結合は、活性エネルギー
線に対して感応性をもっており、少割合の不飽和結合が
残存していると、架橋反応が効果的に進むため、水素添
加率は80%以上で99.5%以下であることが特に好まし
い。しかしながら、水素添加率がほぼ100%(99.5%超
過)であっても、感度は低いながら架橋反応がすすむこ
と、また、架橋助剤を用いれば架橋反応を効果的に行な
うことができることなどから、水素添加率がほぼ100%
であっても使用することができる。
分子量の範囲は、ベンゼンを溶剤とするGPC(ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー)分析により測
定した数平均分子量(Mn)で1〜20万が適当である。こ
の範囲よりも分子量が小さい場合には、架橋反応を行な
っても充分な強度の成形品を得ることが困難であり、ま
た、溶融時の粘度が低すぎて成形しにくい。逆に、分子
量が大き過ぎる場合には、溶融時の粘度が急激に高くな
り、射出成形や押出成形が困難となり、また、溶液キャ
ストするための溶剤に溶解しにくくなる。さらに、合成
反応時に反応を制御しにくくなり、安定した品質のもの
が得られないなどの不都合が生じる。
数平均分子量の特に好ましい範囲は、射出成形により
成形品を得る場合には2〜5万、押し出し成形により成
形品を得る場合には3〜10万である。ただし、溶液にし
てキャストする場合には、さらに高い分子量であっても
差し支えない。
また、開環重合反応の過程で、α−オレフィンやシク
ロオレフィンなどの他のモノマー成分を共重合したもの
も使用できる。さらに、使用目的に応じて、他のポリマ
ーをブレンドしてもよい。
(成形方法) 本発明では、前記水添ポリマーを、予め所望の形状に
成形した後に、該成形品の表面に活性エネルギー線を照
射する。なお、活性エネルギー線とは、電子線または放
射線を意味する。
成形品およびその成形方法は、特に制限されない。例
えば、光ディスクやレンズのように射出成形によって得
られるもの、チューブや棒状に溶融押出成形したもの、
溶融押出しロールで巻き取ったシートやフィルム、材料
の塊を熱プレスによりシート状に成形したもの、適当な
溶剤に溶解し溶液をキャストして得られるフィルム、さ
らにフィルムやシートを延伸したものなどが挙げられ
る。
架橋方法 これらの成形品を架橋するには、公知の種々の方法を
利用できるが、電子線や放射線等の活性エネルギー線を
照射して架橋する方法が適している。
本発明の水添ポリマーは、電子線や放射線を照射する
ことにより各種活性種が生成し、架橋反応が起こる。こ
の架橋反応は、特に架橋助剤を用いなくても、照射エネ
ルギーが十分に高ければ、進行する。特に、水素添加率
が80〜99.5%で不飽和結合が残存する水添ポリマーの場
合には、架橋反応が効率的に起こる。また、各種の架橋
助剤を添加すれば、水素添加率が高い水添ポリマーでも
効率よく架橋反応を行なうことができる。
一方、加熱架橋も可能であるが、一次成形品が、例え
ば、160℃で30分程度の長時間、高温にさらされるた
め、熱変形することがあり、加熱温度を下げると架橋反
応にさらに長時間を必要とし、エネルギーの消費も大き
い欠点がある。電子線や放射線による架橋は、エネルギ
ー消費量が少なく、処理速度が大きく、成形品の温度上
昇が小さいという利点がある。
電子線や放射線による架橋は、EBC法等、塗料分野で
使われているキュアリング技術を応用できる。
架橋助剤としては、例えば、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェノキシエ
チルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、
テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、1,
3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物
のアクリレート、1,3−ジオキサンアクリレート、その
他の高級アルキルアクリレートおよびメタクリレート等
の単官能アクリレートモノマー類;エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、トリメチ
ロールプロパン、テトラメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール等のポリオール類に2個以上のアクリレー
トまたはメタクリレートが結合した多官能アクリレート
モノマー類;N,N′−ヘキサメチレンビスメタクリルアミ
ド等の分子内に複数のアクリル基をもつ多官能モノマー
類;末端にアクロイル基をもつポリエステルアクリレー
ト;分子鎖中にエポキシ基かつ末端にアクロイル基をも
つエポキシアクリレートまたはウレタンアクリレート;
分子鎖中に二重結合をもつ不飽和ポリエステル;側鎖に
不飽和結合をもつアクリル樹脂;1,2−ポリブタジエン等
の不飽和ポリオレフィン;主鎖または側鎖に不飽和結合
またはエポキシ基またはビニルエーテル基等の反応性基
をもつオリゴマー類または樹脂類;ギアリルセバケート
やトリアリルシアヌレート等の分子中に複数のアリル基
をもつモノマー類;その他、EBC塗料に用いられている
各種のモノマー、ポリマー、オリゴマーが挙げられる。
これらの他に、ヒドロペルオキシド類、ジアルキルペ
ルオキシド類、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシエ
ステル類等のペルオキシド類等の有機過酸化物の添加も
有効である。
これらの架橋助剤を水添ポリマー中に添加する方法と
しては、成形前の材料に練り込むドライブレンド法、合
成の途中で系中に入れる方法などがある。ただし、成形
方法として、射出成形法または押出成形法等の高温での
加熱溶融による成形を行なう場合には、架橋助剤が成形
中に分解、揮散しないように、沸点や分解温度の高い架
橋助剤を用いることが好ましい。プレス成形のような加
熱時間が比較的短い場合、あるいは水添ポリマーと架橋
助剤を一緒に溶剤に溶解してキャストや紡糸して成形す
る場合、成形品の表面から架橋剤、架橋助剤を染み込ま
せるような場合には、沸点や分解温度が特に高い架橋助
剤である必要はない。
活性エネルギー線の照射量は、10〜70Mradである。加
速電圧は、通常、10〜750kV程度である。
活性エネルギー線としては、例えば、放射性同位元素
からのα線、β線、γ線;あるいは、バンデグラーフ型
電子線加速器、コッククロフト、ウォルトン型電子線加
速器、線型電子線加速器等の各種加速器からの電子線や
各種電離性放射線;および紫外線ランプからの紫外線お
よび遠紫外線;マイクロ波等がある。また、X線も用い
ることができる。
その他の添加剤 本発明の水添ポリマーは、必要に応じて、分散剤、充
填剤、可塑剤、粘着付与剤、着色剤、発泡剤、発泡助
剤、滑剤、老化防止剤、その他添加剤を含んでいてもよ
い。
充填剤としては、例えば、カーボンブラック、ホワイ
トカーボン(ケイ酸化合物)、炭酸カルシウム、タル
ク、クレーなどの無機充填剤;ハイスチレン樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、フェノール樹脂、リグニン、変性メ
ラミン樹脂、石油樹脂などの有機充填剤を挙げることが
できる。このうち特に無機充填剤が好ましく使用され
る。
軟化剤としては、プロセス油、潤滑油、パラフィン、
流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石
油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチなどの
コールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ
油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤;トール油;サブ;密
ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類;リシノ
ール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステア
リン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸および
脂肪酸塩;石油樹脂などの合成高分子物質;を挙げるこ
とができる。
可塑剤としては、フタル酸エステル系、アジピン酸エ
ステル系、セバシン酸エステル系、リン酸系など、粘着
付与剤としては、クマロインデン樹脂、テルペン・フェ
ノール樹脂、キシレン・ホルマリン樹脂など、着色剤と
しては、無機および有機顔料など、発泡剤としては、重
炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、N,N′−ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、アゾカルボンアミド、ア
ゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド、トルエンスルホニルヒドラジド、カルシウムアミ
ド、パラトルエンスルホニルアジドなど、発泡助剤とし
ては、サリチル酸、フタル酸、尿素などを例示すること
ができる。
また、配合物の製造は、オープンロールミル、バンバ
リーミキサー、ニーダー、一軸または二軸押出機などを
用いる公知の方法を採用できる。
水添ポリマーを溶媒に溶解して、溶液状態で必要な添
加剤を混合してもよい。
本発明の方法によって得られる架橋成形品は、耐溶剤
性、耐熱性、機械的強度等が優れ、各種用途への使用が
可能である。
〔実施例〕
以下に実施例、参考例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定される
ものではない。
[参考例1](水添ポリマーの合成−1) 6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a.5,6,7,8,8a
−オクタヒドロナフタレン(MTD)を開環重合し、次い
で水素添加した。
得られた水添ポリマー(P1)の数平均分子量は28,00
0、水添率は99.5%、ガラス転移温度は142℃であった。
[参考例2](水添ポリマーの合成−2) MTDと5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)の混
合モノマー(MTD/ENB=70/30モル比)を開環重合し、次
いで水素添加した。
得られた水添ポリマー(P2)の数平均分子量は52,00
0、水添率は95%、ガラス転移温度は122℃であった。
[参考例3](水添ポリマーの合成−3) MTDとジシクロペンタジエン(DCP)との混合モノマー
(MTD/DCP=70/30モル比)を開環重合し、次いで水素添
加した。
得られた水添ポリマー(P3)の数平均分子量は27,00
0、水添率は99.5%、ガラス転移温度は133℃であった。
[比較例1] 参考例1の水添ポリマーP1を170℃、3分間の条件で
プレス成形し、厚さ1mmのシート状成形品を得た。
得られたシートの曲げ弾性率は25,000kg/cm2、引張強
度600kg/cm2、ASTM D648に準拠して測定した熱変形温
度は125℃であった。また、シートをシクロヘキサン溶
剤に5分間浸漬したところ表面が溶けてしまった。
[実施例1] 参考例1の水添ポリマーP1100gに対して、0.1gのトリ
アリルシアヌレートを混合機で混練し、170℃、3分間
の条件でプレス成形して、厚さ1mmのシート状物を得
た。このシートに15Mradのγ線を照射した。
得られたシートの曲げ弾性率は29,000kg/cm2、引張強
度780kg/cm2、熱変形温度150℃であった。また、シート
をシクロヘキサン溶剤に5分間浸漬したところ表面が溶
けることはなく、良好な耐溶剤性を示した。
[比較例2] 参考例2の水添ポリマーP2を170℃、3分間の条件で
プレス成形し、厚さ1mmのシート状成形品を得た。
得られたシートの曲げ弾性率は29,000kg/cm2、引張強
度710kg/cm2、熱変形温度115℃であった。また、耐溶剤
性は無かった。
[実施例2] 参考例2の水添ポリマーP2100gに対して、0.01gのベ
ンゾインイソプロピルエーテルを混練機で混練し、170
℃で3分間の条件でプレス成形して、厚さ1mmのシート
状成形品を得た。
このシートに、3kWのメタルハライドランプにより50J
/cm2の紫外線を照射した。
得られたシートの曲げ弾性率は33,000kg/cm2、引張強
度880kg/cm2、熱変形温度135℃であった。また、良好な
耐溶剤性を示した。
[比較例3] 参考例3の水添ポリマーP3を170℃、3分間の条件で
プレス成形し、厚さ0.5mmのシート状成形品を得た。
得られたシートの曲げ弾性率は22,000kg/cm2、引張強
度550kg/cm2、熱変形温度118℃であった。また、耐溶剤
性は良くなかった。
[実施例3] 比較例3と同様にして得たシートに、25Mradのγ線を
照射した。
このようにして得られたシートの曲げ弾性率は28,000
kg/cm2、引張強度620kg/cm2、熱変形温度142℃であっ
た。また、良好な耐溶剤性を示した。
[比較例4] 参考例2の水添ポリマーP2を170℃、3分間の条件で
プレス成形し、厚さ0.5mmのシート状成形品を得た。
得られたシートの曲げ弾性率は29,000kg/cm2、引張強
度710kg/cm2、熱変形温度115℃であった。また、耐溶剤
性は無かった。
[実施例4] 比較例4と同様にして得たシートに、加速電圧20kVで
60Mradの電子線を照射した。
このようにして得られたシートの曲げ弾性率は35,000
kg/cm2、引張強度750kg/cm2、熱変形温度120℃であっ
た。また、良好な耐溶剤性を示した。
[比較例5] γ線照射量を8Mradとする以外は実施例1と同様にし
てシートを作成した。
シートをシクロヘキサン溶剤に5分間浸漬したとこ
ろ、表面が溶けることはなかったが、膨潤して軟化し、
触指で崩れ易く、耐溶剤性は不良であった。
[比較例6] γ線照射量を100Mradとする以外は実施例1と同様に
してシートを作成した。
シートは良好な耐溶剤性を示したが、シートは著しく
変色し、外観が不良であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ノルボルネン系モノマーの開環重合
体の水素添加物で形成された成形品であって、一次成形
品を成形した後、活性エネルギー線照射による架橋処理
を行なうことにより、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、機
械的強度などが大幅に改善されたプラスチック成形品が
成形性よく提供される。
本発明の成形品は、光学用途をはじめ、電気絶縁材
料、容器やフィルム等の耐湿包装材料など広範な分野で
使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−206704(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/00 - 3/28 C08J 7/00 - 7/18 C08L 1/00 - 101/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水
    素添加して成る水素添加率が80%以上で、数平均分子量
    が1万以上20万以下の水素添加物で形成された一次成形
    品を、架橋助剤の存在下または不存在下に、照射量10〜
    70Mradの活性エネルギー線を照射して、架橋して成るこ
    とを特徴とするプラスチック成形品。
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