JP3007557B2 - 高耐食性永久磁石およびその製造方法 - Google Patents

高耐食性永久磁石およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐食性を有する
希土類永久磁石およびその製造方法に関し、特に焼結磁
石表面に超微粒子シリカを分散させたアルカリけい酸塩
水溶液によるガラス状保護層を均一に被覆したR−Fe
−B系高耐食性永久磁石およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類永久磁石は優れた磁気特性と経済
性のため電気・電子機器の分野で多用されており、近年
益々その高性能化が要求されている。これらの内R−F
e −B系永久磁石は、希土類コバルト磁石に比べて主要
元素であるNd がSm より豊富に存在すること、Co を
多量に使用しないことから原材料費が安価であり、磁気
特性も希土類コバルト磁石を遥かに凌ぐ極めて優れた永
久磁石材料であるため、これまで希土類コバルト磁石が
使用されてきた小型磁気回路がこれによって代替される
だけでなく、ハードフェライトあるいは電磁石が使われ
ていた分野にも広く応用されようとしている。しかし、
R−Fe −B系永久磁石は主成分として希土類元素およ
び鉄を含有するため、湿気を帯びた空気中で短時間の内
に容易に酸化するという欠点を有しており、磁気回路に
組み込んだ場合にこれらの酸化により磁気回路の出力を
低下したり、機器周辺への汚染の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような、R−Fe
−B系永久磁石の耐食性改善のために、樹脂塗装、イオ
ンプレーティング等の気相めっき、Ni めっき等の湿式
めっき等の各種表面処理法が提案されている。しかし、
これらの表面処理法は複雑な工程を必要とするため、R
−Fe −B系永久磁石に対する表面処理コストが高価で
あるという問題があった。また、より簡便な表面処理法
としてR−Fe −B系永久磁石にクロム酸処理のみを施
す技術(特開平6-302420号公報参照)が提案されている
が、クロム酸処理前に硝酸等による酸洗処理が必要であ
り、また、クロム酸処理液は廃液処理が容易でないた
め、必ずしも表面処理コストが安価であるとは言えな
い。本発明は、かかる課題を解決するために為されたも
ので、従来の表面処理法より安価にかつ簡便な方法で高
耐食性を有するR−Fe −B系永久磁石を提供すること
を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はR−Fe −B
系永久磁石に対する耐食性被膜およびその形成法につい
て鋭意検討した結果、超微粒子シリカを分散させたアル
カリけい酸塩水溶液からなる処理液にR−Fe −B系永
久磁石を浸漬するか、あるいは該処理液を磁石表面に塗
布した後、加熱処理を行ない該永久磁石表面にガラス状
保護層を形成することにより、長時間にわたって外観の
美観性が保持され、従来の表面処理法より安価に処理可
能であり、かつ廃液処理が容易であることを知見し、諸
条件を確立して本発明を完成したもので、その要旨は、
表面にシラノール基(≡Si-OH)を有する平均粒径5
〜50nmの超微粒子シリカを分散させたアルカリけい酸塩
水溶液からなる処理液に、R−Fe −B系永久磁石(こ
こにRはYを含む希土類元素の少なくとも1種)を浸
漬、あるいは該処理液を塗布した後、加熱処理を行いシ
ラノール基の脱水縮合を起こさせることにより、該磁石
表面にガラス状保護層を被覆することを特徴とする高耐
食性永久磁石の製造方法、および上記製造方法により製
造されたガラス状保護層を有することを特徴とする高耐
食性永久磁石にある。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
最大の特徴であるガラス状保護層の形成方法における処
理液の調整方法は、先ずアルカリけい酸塩水溶液にイオ
ン交換水を加えて濃度を調整し、さらに所定の量の超微
粒子シリカを添加する。該超微粒子シリカが粉末の場合
には超音波を用いて分散させる。アルカリけい酸塩濃度
は下記ガラス状保護層の膜厚(5nm〜10μm )を得るた
めに、Si O2 として3〜 200g/L となるように調整す
る。3g/L 未満では十分な耐食性が得られず、 200g/L
を越えるとアルカリけい酸塩水溶液の粘度が高くなり、
加熱処理後に膜厚にムラが出来てしまい外観上好ましく
ない。アルカリけい酸塩としては具体的には水ガラス
(Si O2 とNa2Oが主成分)、けい酸カリウム、けい
酸リチウムなどが挙げられるが、水ガラスの場合、Si
2 とNa2Oのモル比(Si O2 /Na2O)は 1.5〜2
0.0が好ましい。 1.5未満ではガラス状保護層中のアル
カリイオン濃度が高くなり、耐水性の低いガラス状保護
層となり十分な耐食性が得られない。また、20.0を越え
るとアルカリイオン濃度が低いために、加熱処理時にシ
ラノール基の脱水縮合によるガラス状保護層の収縮が過
度に起こり、ガラス状保護層にクラックが生じ十分な耐
食性が得られない。
【0006】上記アルカリけい酸塩水溶液に添加する超
微粒子シリカは表面にシラノール基(≡Si-OH)を有
し、平均粒径5〜50nmのものを用いる。市販品では、ア
エロジル(日本アエロジル(株)製商品名)、スノーテ
ックス(日産化学(株)製商品名)等が挙げられ、いず
れもシラノール基を1〜15モル%含有し、平均粒径は5
〜50nmである。特にアエロジル(前出)は、高温火炎加
水分解法で製造されているため、Na 等のアルカリ成分
を殆ど含んでいない。そのため、処理液中のアルカリイ
オン濃度を増加させることなく、超微粒子シリカを添加
することが可能であるため、耐食性の良いガラス状保護
層を得ることができる。別に水ガラス、あるいはテトラ
エトキシシラン等の金属アルコキシドから作ってもよ
い。水ガラスの場合は、陽イオン交換樹脂、または半透
膜を通して強制的にNa2Oを除去し、次いで重合させる
方法や、酸で中和して副生塩を除去して製造する方法等
がある。金属アルコキシドの場合は、アルコールで希釈
し、水分を加え、さらに酸またはアルカリの存在下で加
水分解することにより製造することができる。
【0007】この超微粒子シリカの添加量は処理液中の
アルカリけい酸塩のSi O2 濃度の1/50〜1/2とな
るように加えれば良い。該超微粒子シリカが粉末の場合
には、添加後超音波を用いて処理液中に分散させる。処
理液中に分散した超微粒子シリカは、加熱処理時に、超
微粒子シリカ表面のシラノール基とアルカリけい酸塩の
シラノール基が脱水縮合を起こしシロキサン結合(≡S
i-O- Si ≡)をつくり凝集してガラス状保護層を形成
する。その結果、超微粒子シリカはガラス状保護層内に
取り込まれるが、この状態は超微粒子シリカ粒子がガラ
ス状保護層中に単独で分散している状態ではなく、アル
カリけい酸塩と結合して超微粒子シリカ粒子もガラス状
保護層の一部となった状態である。従って、本発明によ
り得られるガラス状保護層中の超微粒子シリカであった
部分にはアルカリイオンが存在しない。大気中の水分は
ガラス状保護層のアルカリイオンと反応して水酸化物を
つくりガラス状保護層を侵食するので、本発明により得
られたガラス状保護層はアルカリイオンが存在しない部
分を有することにより、アルカリけい酸塩水溶液より得
られるガラス状保護層に比べて耐水性の良いガラス状保
護層となる。
【0008】超微粒子シリカの添加量がアルカリけい酸
塩中Si O2 濃度の1/50未満では、ガラス状保護層に
取り込まれる超微粒子シリカの量が僅かであるため、耐
水性の低いガラス状保護層となり、そのため十分な耐食
性を有するガラス状保護層を得ることが出来ない。ま
た、水分と反応したアルカリイオンがさらに大気中の二
酸化炭素と反応してガラス状保護層表面に炭酸塩が析出
するため、機器周辺への汚染の問題が起こり好ましくな
い。さらに一般にR−Fe −B系磁石を使用する場合、
エポキシ樹脂系接着剤、アクリル系接着剤等の各種接着
剤を用いて接着により磁気回路内に組み込まれるが、添
加量が2%(=1/50)未満の処理液により被覆された
ガラス状保護層を有する磁石を接着した場合、経時変化
による接着力の劣化が大きくなり使用に耐えない事態を
生ずる。
【0009】また、超微粒子シリカの添加量がアルカリ
けい酸塩中Si O2 濃度の1/2を越えると、超微粒子
シリカの含有量が多くなり、加熱処理時にシラノール基
の脱水縮合によるガラス状保護層の収縮が過度に起こ
り、ガラス状保護層にクラックが生じる。そのため、十
分な耐食性を有するガラス状保護層を得ることが出来な
い。また、処理液の粘度が高くなり加熱処理後に膜厚に
ムラが出来てしまい外観上好ましくない。さらに、添加
量が多くなると超微粒子シリカの分散性が悪くなり、超
微粒子シリカが凝集して沈殿を起こすため処理液の安定
性も良くない。上記の理由により、超微粒子シリカの添
加量は加えられたアルカリけい酸塩のSi O2 濃度の1
/50〜1/2となるように加えるのがよく、1/20〜1
/3の範囲にすれば本発明の効果がより顕著に現われて
好ましい。
【0010】この発明の表面処理法において、処理液に
浸漬あるいは塗布後の加熱処理は、水分の蒸発、シラノ
ール基の脱水縮合を十分に行なわさせるために、温度50
〜450 ℃、より好ましくは 120〜450 ℃であることが望
ましい。処理時間としては1〜120 分の条件が好まし
い。50℃未満では水分の蒸発およびシラノール基の脱水
縮合が十分ではなく、また、処理時間が長時間になるた
めコスト的にも好ましくない。なお、 120℃以上では水
分の蒸発およびシラノール基の脱水縮合がより十分にな
る。また、 450℃を越えるとR−Fe −B系磁石組織に
影響が生じて磁気特性が劣化し好ましくない。さらに処
理時間が1分未満では水分の蒸発およびシラノール基の
脱水縮合が十分に進行せず、 120分を越えると実用上問
題はないが生産性が低下しコスト的に好ましくない。ま
た、上記の浸漬または塗布および加熱処理の工程を2回
以上繰り返すことも可能である。
【0011】本発明において、超微粒子シリカを分散さ
せたアルカリけい酸水溶液より形成されるガラス状保護
層の膜厚は5nm〜10μm が適当である。5nm未満では磁
石表面の凹凸に対して十分な被覆が出来ずに十分な耐食
性は得られない。また、10μm を越えると耐食性につい
ては実用上問題はないが、均一な膜厚を得ることが難し
くなり外観上も好ましくない。さらに、ガラス状保護層
を厚くすると外観形状が同一であっても使用できるR−
Fe −B系永久磁石の体積が小さくなるため、磁石使用
上も好ましくない。
【0012】本発明の表面処理法において、前処理とし
てはR−Fe −B系永久磁石の処理液への浸漬の直前、
あるいは磁石表面への処理液の塗布の直前に超音波洗浄
を行うことが望ましい。ガラス状保護層の密着力および
耐食性を低下させる原因である物理的に吸着あるいは磁
気的に吸引されて磁石表面に残存する微小な加工屑や磁
粉を超音波洗浄により磁石表面から脱離させることで、
ガラス状保護層の密着力および耐食性を向上させること
ができる。通常、Ni めっき等の湿式めっき法、リン酸
亜鉛処理等の化成処理法においては前処理として、油分
の除去を行なう脱脂工程、保護層を被覆しにくい希土類
元素酸化物等の層を除去するための酸洗工程、保護層形
成を確実に行なうための活性化工程等の複雑な前処理を
行なうことにより、密着力および耐食性の高い保護層を
磁石表面に被覆している。しかし、本発明により得られ
るガラス状保護層は湿式めっき、化成処理等により得ら
れる保護層とは異なり、希土類元素酸化物等の上にも容
易に保護層を形成することが可能であり、また、磁石表
面と処理液が反応して保護層を形成する方式ではないの
で、上記のような酸洗工程、活性化工程等の前処理は必
ずしも必要でなく、磁石表面の微細な磁粉や加工屑を除
去するだけの前処理でも十分な密着力および耐食性を有
するガラス状保護層を形成することができる。従って、
本発明の前処理としては脱脂工程、酸洗工程、活性化工
程等を行った後超音波洗浄を行ってもよいが、超音波洗
浄のみの前処理が工程の簡素化およびコストの点からよ
り好ましいと言える。
【0013】この発明において、R−Fe −B系永久磁
石に用いるRは、組成の5〜40重量%を占めるが、Rと
してはYまたはLa 、Ce 、Pr 、Nd 、Pm 、Sm 、
Gd、Tb 、Dy 、Ho 、Er 、Lu 、Yb の内から選
択される1種もしくは2種以上が使用される。その中で
もCe 、La 、Nd 、Pr 、Dy 、Tb の内少なくとも
1種を含むのが好ましい。Bは 0.2〜8重量%の範囲と
する。Fe は50〜90重量%の範囲である。ただし、Fe
の一部をCo で置換することにより温度特性を改善する
ことができる。ただし、Co の添加量が 0.1重量%以下
では十分な効果が得られず、一方、15重量%を越える
と、保磁力が低下するのでその量は 0.1〜15重量%が好
ましい。また、磁気特性の改善、あるいは、コスト低減
のためにNi 、Nb 、Al 、Ti 、Zr 、Cr 、V、M
n 、Mo 、Si 、Sn 、Cu 、Ca、Mg 、Pb 、Sb
、Ga およびZn から選ばれる少なくとも1種を添加
することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の作用は、アルカリけい酸
塩水溶液にに添加した超微粒子シリカが加熱処理時に、
超微粒子シリカ表面のシラノール基とアルカリけい酸塩
のシラノール基が脱水縮合を起こしてシロキサン結合
(≡Si-O- Si ≡)をつくり凝集してガラス状保護層
を形成する。このガラス状保護層中の超微粒子シリカで
あった部分にはアルカリイオンが存在しない。大気中の
水分はガラス状保護層のアルカリイオンと反応して水酸
化物をつくりガラス状保護層を侵食するので、本発明に
より得られたガラス状保護層はアルカリイオンが存在し
ない部分を有することにより、アルカリけい酸塩水溶液
より得られるガラス状保護層に比べて耐水性の良いガラ
ス状保護層となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施態様を実施例および比較
例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。 (実施例1〜6、比較例1〜3)Ar 雰囲気の高周波溶
解により重量比で、32Nd − 1.2B−59.8Fe −7Co
なる組成の鋳塊を作製した。このインゴットをジョウク
ラッシャーで粗粉砕し、さらに窒素ガスによるジェット
ミルで微粉砕を行なって、平均粒径が 3.5μm の微粉末
を得た。次にこの微粉末を 10kOe磁界が印加された金型
内に充填し、1.0t/cm2の圧力で成形した。ついで真空中
1100℃で2時間焼結し、さらに 550℃で1時間時効処理
を施して永久磁石とした。得られた永久磁石から径21mm
×厚み5mm寸法の磁石体試験片を切り出し、さらにバレ
ル研磨処理を行なった。得られた試験片を前処理として
超音波洗浄を行った後、Si O2 として30g/L 濃度の水
ガラスに平均粒径12nmの超微粒子シリカを表1に示した
量を添加し、超音波で分散させた処理液に浸漬後、熱風
型オーブン中にて 150℃、20分の加熱処理を行なった。
耐食性の評価は、80℃、90%RH、 100時間後の外観観察
によって行った。また、試験片をエポキシ樹脂系接着剤
を用いて鉄片に接着した後、80℃、90%RH、 100時間前
後の剪断力の測定を行い接着力劣化率を求めた。比較例
1、2として適応範囲外の添加量を加えた処理液に浸漬
したもの、および比較例3として未処理の試験片につい
ての耐食性評価および接着力評価の結果を示す。表1か
ら解かるように、超微粒子シリカの添加量が水ガラス中
のSi O2 濃度の1/50〜1/2の範囲内にあれば耐食
性が向上していることがわかる。また、接着力に関して
も添加量が1/50〜1/2の範囲にあれば接着力の劣化
が小さくなることがわかる。さらに、添加量が1/20〜
1/3の範囲にあれば本発明の効果がより顕著であると
言える。
【0016】
【表1】
【0017】(実施例7〜11、比較例4〜5)実施例1
と同様に作製した試験片を前処理として超音波洗浄を行
った後、表2に示す濃度に調整した水ガラスに超微粒子
シリカを5g/L 添加し超音波を用いて分散させた処理液
に浸漬後、熱風型オーブン中にて 150℃、20分の加熱処
理を行なった。試験片に形成されたガラス状保護層の膜
厚は、XPS( X線光電子分光法)を用いて測定を行な
った。耐食性の評価は、80℃、90%RH、 100時間後の外
観観察によって行った。表2に処理条件と耐食性評価の
結果を示した。表2から解かるように、ガラス状保護層
の膜厚が5nm以上あれば耐食性が向上していることが解
かる。
【0018】
【表2】
【0019】(実施例12〜15、比較例6〜7)実施例1
と同様に作製した試験片を前処理として超音波洗浄を行
った後、試験片をSi O2 として 30g/L含む水ガラスに
平均粒径12nmの超微粒子シリカを5g/L 添加し超音波で
分散させた処理液に浸漬後、熱風型オーブン中にて表3
に示す温度にて20分の加熱処理を行なった。ただし、処
理温度30℃の場合は40分の加熱処理を行った。耐食性の
評価は、80℃、90%RH、 100時間後の外観観察によって
行った。磁気特性劣化率は、フラックスメーターを用い
てコイル引き抜き法によりガラス状保護層被覆前後の磁
気特性を測定して求めた。表3に処理条件と耐食性評価
および磁気特性劣化率を示した。表3からわかるよう
に、加熱処理温度が 120℃以下でも耐食性はかなり向上
しているが、 120℃以上ではより耐食性の良いガラス状
保護層が形成されていることが解かる。また、 450℃よ
り高温では、磁気特性の劣化が大きく使用に耐えないこ
とが解かる。
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、R−Fe −B系永久磁
石表面にガラス状保護層を被覆することにより、単純な
工程でかつ低コストで磁気特性の劣化のない高耐食性焼
結永久磁石を提供することができ、産業上その利用価値
は極めて高い。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にシラノール基(≡Si-OH)を有す
    る平均粒径5〜50nmの超微粒子シリカを分散させたアル
    カリけい酸塩水溶液からなる処理液に、R−Fe −B系
    永久磁石(ここにRはYを含む希土類元素の少なくとも
    1種)を浸漬、あるいは該処理液を塗布した後、加熱処
    理を行いシラノール基の脱水縮合を起こさせることによ
    り、該磁石表面にガラス状保護層を被覆することを特徴
    とする高耐食性永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法により製造され
    たガラス状保護層を有することを特徴とする高耐食性永
    久磁石。
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