JP3007379B2 - スライディングノズルのシール装置 - Google Patents

スライディングノズルのシール装置

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JP3007379B2
JP3007379B2 JP2125525A JP12552590A JP3007379B2 JP 3007379 B2 JP3007379 B2 JP 3007379B2 JP 2125525 A JP2125525 A JP 2125525A JP 12552590 A JP12552590 A JP 12552590A JP 3007379 B2 JP3007379 B2 JP 3007379B2
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悦弘 長谷部
俊幸 吉川
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はタンディッシュ等の溶融金属容器の排出口
に取り付けて溶鋼の流量制御を行うスライディングノズ
ルのうち特に下方固定プレートと浸漬ノズルとの間のシ
ールを行うシール装置に関するものである。
従来の技術 スライディングノズルは溶融金属容器の排出口に金属
製のホルダによって組み込まれているのが一般的であ
る。
下方固定プレートと浸漬ノズルとの間のシールを確保
するために下方固定プレートと浸漬ノズルとの間に不活
性ガスを用いたり、目地材たとえばA2O3−SiO2−C
系のパッキン材を配置したりしていた。
パッキン材を用いる場合は、ホルダによってプレート
と浸漬ノズルとの間でパッキン材を締め付けてシール性
を確保していた。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、目地材を用いる場合、操業時に金属製
のホルダの温度が上昇して、耐火物製の下方固定プレー
トおよび浸漬ノズルよりも金属製のホルダの熱膨張が大
きくなり、パッキン材に対する締め付け力が低下する。
すると、下方固定プレートと浸漬ノズルとの間に隙間が
できて、シール性が悪化し、そこから空気が内側に引っ
張り込まれることになる。
このようにして引っ張り込まれた空気が溶鋼と接する
と、空気中の酸素が溶鋼中の鉄と反応してFe2O3を生じ
たり、Mnと反応してMnOを生じたり、炭素と酸素が反応
してCO2が発生したりして、不都合が生じる。また、溶
鋼中のAが酸素と反応してA2O3の介在物となり、
品質を悪化させたり、鋼中にN2が増加して、鋼の品質を
悪化させたりする問題も生じる。
不活性ガスを用いてシールをする場合は、不活性ガス
が鋼に悪影響を及ぼして、ピンホールの発生や脆性の低
下の諸問題が生じる。コスト高になる欠点もある。
発明の目的 この発明の目的は前述のような従来技術の欠点を解消
して、スライディングノズルの下方固定プレートと浸漬
ノズルとの間のシール性をより確実にできるシール装置
を提供することである。
発明の要旨 前述の目的を達成するために、この発明は請求項1に
記載のスライディングノズルのシール装置を要旨として
いる。
問題点を解決するための手段 スライディングノズルの下方固定プレートと浸漬ノズ
ルとの接合部の周辺にSiO2、B2O3及び金属酸化物からな
る粉状の溶融酸化物用組成物を配置する。
下方固定プレートと浸漬ノズルとの間は比較的エアー
巻き込み量が多くなりがちであるので、粉状の溶融酸化
物用組成物は、広い温度範囲で液化するとともに、液化
してからの粘性が高いものが望ましい。
たとえば、600〜900℃、さらに好ましい700℃〜800℃
の温度範囲で溶融する金属酸化物を用いるとよい。とく
に、溶融した時に完全にガラス化して水飴のようになる
粉状の金属酸化物を含む溶融酸化物用組成物が最適であ
る。その中でも、溶融したときに、できるだけ泡の発生
しない溶融酸化物用組成物が望ましい。
溶融した後に下方固定プレートと浸漬ノズルの接合部
分から外部へ流失するのを防ぐために金属酸化物を含む
溶融酸化物用組成物は溶融時に5〜500poiseの粘性を有
するのが好ましい。
ピッチや樹脂系のシール材を使用すると、液化してか
らの粘性が高くなりすぎて、外部へ流失してしまう可能
性が大である。
このような観点から、溶融温度と溶融後の粘性とを最
適にするために、A2O3、SiO2、MnO、B2O3等を混合
し、かつその混合割合を調整するのが望ましい。
粉状の溶融酸化物用組成物を下方固定プレートと浸漬
ノズルとの結合部の周辺部分に単に置くだけでもよい
が、好ましくは予め粉状の溶融酸化物用組成物をシール
用のリング内に収容し、そのリングを下方固定プレート
と浸漬ノズルとの間の接合部の周辺に設ける方がよい。
そして、粉状の溶融酸化物用組成物がその接合部の所定
位置に確実に入るようにする。
シール用のリングは金属またはそれに類する材料で作
るのが望ましい。
また、このシール用のリングはパイプの一部を切断し
た形にし、傾斜切断面と開口を形成し、そのパイプの中
に粉状の溶融酸化物用組成物を内蔵し、粉状の溶融酸化
物用組成物がパイプの開口から所定の方向に正確に流れ
出すようにするのが望ましい。
実施例 第1図において、符号1は溶融金属容器の排出口に金
属製のホルダ(図示せず)によって組み込まれたスライ
ディングノズルを示している。このスライディングノズ
ル1は上方摺動レート2と下方固定プレート3からな
る。もちろん、この発明はこれ以外の形態のスライディ
ングノズルにも適用可能である。
浸漬ノズル4は別の金属製のホルダ6によって支持さ
れて、A2O3−SiO2−C系の目地材5を下方固定プレ
ート3に対して押し付けるように固定されている。
下方固定プレート3と浸漬ノズル4との接合部の周辺
にはシール用のリング7が設けられている。
第2図〜第4図に示されているように、シール用のリ
ング7は、全体がほぼ環状の中空パイプの形をしてお
り、そのパイプの内側斜め下方に開口8が円周全体にわ
たって形成されている。開口8はパイプを斜めに切断す
ることによって形成されている。この斜め方向の切断面
と仮想垂直面との角度A(第4図)は下方固定プレート
3の下方部の外周面の傾斜角度(15゜〜20゜)を考えて
25゜〜45゜に設定するのが望ましい。
シール用のリング7の内部全体にSiO2、B2O3及び金属
酸化物からなる粉状の溶融酸化物用組成物を内蔵する。
表1には、そのような溶融酸化物用組成物の9つの例
1〜9が示されている。これらの溶融酸化物用組成物の
例1〜9は、表1からも明らかなように、A2O3、SiO
2、MnO、B2O3等の混合物である。これらの混合物の混合
割合を適当に調整することにより溶融温度と溶融後の粘
性とを最適なものに選定する。
第5図は、粉状の溶融酸化物用組成物9の成分を決め
る際の1つの例を示している。図中、△印はシール材の
溶融温度(℃)を示し、○印はシール材の溶融後の流れ
出し角度(θ゜)を示している。
シール材の適用範囲の設定についていえば、△印で示
す各種シール材の溶融温度に従って予熱完了時の周辺部
温度近傍に融点をもつようにするのが好適である。その
予熱完了時のシール材周辺部温度が使用時の温度とな
る。
シール材の融点については、△印で設定した温度以上
であれば、使用時に溶けていることにより、適用可能で
あるが、融点の低いものほど予熱完了時の周辺部温度が
高いと、粘性が低くなり、リング11の設定近傍にシール
材がとどまらないことになる。逆に、融点が高いものほ
ど流出しにくくなる。
次に、図中の○印はシール材のぬれ角度を表わし、θ
が小さいほどシール材は粘性が低く流れ出しやすいこと
になる。
以上、シール材の溶融温度と溶融後の流れ出し角度を
勘案して、B2O3の混合割合と適用範囲を決めている。
なお、表1には化学分析値が示してあるため、トータ
ルが100%になっていないが、残部は微量成分である。
作用 下方固定プレート3と浸漬ノズル4との間に目地材5
を設け、さらにその周辺に前述の粉状の溶融酸化物用組
成物9を内蔵したリング7を設置すると、粉状の溶融酸
化物用組成物9が予熱時や鋳造時に液化してリング7か
ら流れ出して下方固定プレート3と浸漬ノズル4との間
に入る。
ホルダ6が加熱されて熱膨張し、浸漬ノズル4を押さ
える力が弱くなり、目地材5のところに隙間が生じて
も、その隙間に液化した溶融酸化物用組成物9が侵入
し、外部からノズル内に空気が巻き込まれるのをその液
化した溶融酸化物用組成物9のシール作用によって回避
する。
また、リング7の内側下向きに開口8が形成されてい
るので、そこから溶融酸化物用組成物9が下方固定プレ
ート3と浸漬ノズル4との間に液化する前に粉末状のま
ま落下することもある。その場合も、下方固定プレート
3と浸漬ノズル4から熱を受けることによって、その粉
末状の溶融酸化物用組成物9が液化し、目地部5のとこ
ろの隙間に侵入し、外部からの空気の流入を確実に防止
できる。とくに、粉末状の溶融酸化物用組成物9が600
〜900℃で液化するものであるときには、最適の状態で
粉末から液体に変化し、シール効果をあげることができ
る。
発明の効果 この発明によれば、下方固定プレート3と浸漬ノズル
4との間のシールを確保するために、それらの間に不活
性ガスを導入する設備を設ける必要がなくなる。しか
も、極めて簡単に粉状の溶融酸化物用組成物をセットす
るだけでシール効果をあげることができる。
第6図は、本発明の効果を従来例と対比して示したグ
ラフであり、下方固定プレート3と浸漬ノズル4との間
に表1に示すSiO2、B2O3及び金属酸化物からなる粉状の
溶融酸化物用組成物をシール材として使用した場合と、
膨張性のシール材を使用した場合と、A2O3−SiO2
C系のシール材を使用した場合と、シール材を設けなか
った場合とを対比して、スライディングノズルを使って
製造した鋼片表層面の直下5mmまでのピンホールの数を
指数化して示している。本発明によれば、鋼片のピンホ
ールが皆無に近い。
第7図は、本発明の表1に示す粉状の溶融酸化物用組
成物を使用した場合と、膨張性のシール材を使用した場
合と、A2O3−SiO2−C系シール材を使用した場合
と、シール材を設けなかった場合とを対比して、熱延板
に圧延した後の鋼中介在物の数と大きさの積を指数化し
て示したものである。本発明では、シール効果が大き
く、エア巻き込みによる鋼中介在物の生成が大幅に減少
した。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明によるスライディングノズルのシール
装置の概略を示す垂直断面図、 第2図は第1図のシール装置のシール用リングを示す平
面図、 第3図は第2図のX−X線に沿った断面図、 第4図は第3図の切断面を拡大して示した図、 第5図は本発明に用いる粉状の溶融酸化物用組成物中の
B2O3の混合割合を決める例を示すグラフ、 第6図はピンホールの数について本発明の他の例とを比
較して示したグラフ、 第7図は介在物の数について本発明と他の例とを比較し
て示したグラフである。 1……スライディングノズル 2……上方摺動プレート 3……下方固定プレート 4……浸漬ノズル 5……目地材 6……ホルダ 7……シール用のリング 8……開口 9……粉末状の溶融酸化物用組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷部 悦弘 東京都新宿区西新宿1―26―2 東芝セ ラミックス株式会社内 (72)発明者 吉川 俊幸 東京都新宿区西新宿1―26―2 東芝セ ラミックス株式会社内 (72)発明者 笠井 宣文 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住友 金属工業株式会社鹿島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平3−281045(JP,A) 特開 昭63−40653(JP,A) 特開 平3−243255(JP,A) 実開 昭57−146943(JP,U) 実開 平3−31052(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/10 B22D 41/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スライディングノズルの下方固定プレート
    と浸漬ノズルとの接合部の周辺にSiO2、B2O3及び金属酸
    化物からなる粉状の溶融酸化物用組成物をシール材とし
    て設けることを特徴とするスライディングノズルのシー
    ル装置。
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KR100770318B1 (ko) * 2001-07-13 2007-10-26 주식회사 포스코 용강 출강용 침지노즐의 외부공기 유입방지장치
JP4719110B2 (ja) * 2006-09-11 2011-07-06 新日本製鐵株式会社 鋼の連続鋳造設備におけるノズル接合部のシール方法及びシール構造
EP2604363A1 (en) * 2011-12-16 2013-06-19 Vesuvius Crucible Company intumescent sealing for metal casting apparatus

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