JP3007346B1 - 紡糸設備の繊維延伸装置 - Google Patents

紡糸設備の繊維延伸装置

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Abstract

【要約】 【課題】 立ち上げ運転中に製造される繊維の太さを一
定に保つことができ、しかも、立ち上げ運転時の作業者
数および工数を大幅に低減しうる紡糸設備の繊維延伸装
置の提供。 【解決手段】 紡糸口から押し出されて凝固した繊維を
延伸しつつ送るための複数個のローラ5と、各ローラを
回転駆動するための複数個のモータ6と、各モータ6に
対して速度信号を送る制御器8とを備えており、該制御
器8が、上流のモータ6より下流のモータ6を高速に
し、且つモータ同士の回転速度比を各ローラ5の最終目
標速度の比と実質的に一定に維持しつつ加速するよう
に、各モータ6に対してその回転速度を時間の一次関数
に近似して増加させる速度信号を発信しうるように構成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紡糸設備の繊維延伸
装置に関する。さらに詳しくは、化学繊維の紡糸設備に
おいて、紡糸口から押し出されて凝固した繊維を延伸し
つつ送るために、該繊維が掛け通されて回転駆動される
複数個のローラを備えた紡糸設備の繊維延伸装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5にその概略を示すように、アクリル
繊維などの化学繊維のプラントにおける、紡糸機51、
水洗機52、熱延伸機53等から構成される紡糸・延伸
設備(以下、紡糸設備という)54では、たとえばアク
リル繊維の原料液55をギヤポンプ56等によって紡糸
ノズル57から凝固液中に押し出して凝固させることに
より糸束状に形成し、この糸束58を水洗によって凝固
液を水洗いしながら多数個のローラ59で送りつつ延伸
しているものがある。
【0003】具体的には、上記多数個のローラは複数ブ
ロックに分けられており、糸束の搬送流れの下流ブロッ
クのローラ周速度(糸束の搬送速度と同等)は、上流ブ
ロックにおけるギアポンプの原料押し出し速度、また
は、ローラの周速度より高くされている。それによって
糸束に張力が加わるようにされ、延伸されている。定常
運転中は上記ギアポンプおよびローラの速度は時間的に
一定となるように制御されている。もし、いずれかのロ
ーラの速度が変化するとその前後のローラとの間で糸束
がたるんだり切断したりする。また、糸の太さも変化し
て製品にはなり得ない。
【0004】なお、本明細書ではギアポンプを第一ロー
ラとも呼ぶこととし、以下、ローラと呼ぶものはギアポ
ンプをも含んだ意味として用いられる。
【0005】運転は、先ず、上記機器の各ブロックのロ
ーラを低速且つほぼ同一速度で回転させながら、各ロー
ラに糸束を人の手で架け通し(以下、糸通しともい
う)、その後、各ブロックのローラをそれぞれの目標速
度まで上昇させる。
【0006】ローラ速度を上昇させるに際して、前後の
ローラ間の速度差が急に大きくなると糸束の張力が急に
大きくなって糸束が切断してしまうことがある。逆に、
前後のローラの速度が逆転すると糸束がたるんでローラ
に巻き付いたりする不具合が生じる。
【0007】かかる事態を避けるために従来では、30
m程度に渡る延伸ラインに多数人の作業者を配置し、各
ブロックのローラ速度を徐々に、しかも前後の速度差が
逆転はもとより小さくならないように、また、急に大き
くならないように注意しながら目標速度まで上昇さてい
る。具体的には、各ブロックごとのローラの速度を変更
・設定する個別速度設定器と、ライン全体のローラを一
定率で加減速して設定するマスタ速度設定器とを用い、
ローラ速度を現場で手動によって加速している。すなわ
ち、最下流ブロックのローラを糸束が切断しないように
加速し、ついでその隣接上流ブロックのローラを、同様
に糸束が切断しないように且つ下流との間で糸束がたる
まないように加速し、ついでその隣接上流ブロックのロ
ーラを同様に加速することを順に行ってライン全体のロ
ーラを中間速度まで加速し、さらに、この加速操作を複
数回(たとえば6回)繰り返して最終の目標速度まで至
らしめるのである。
【0008】図6には、糸通しを完了した後、上記操作
によって全ブロックのローラを最終目標速度まで加速し
た一例の経緯を示している。0時間時点では全ローラが
糸通し時の速度になっている。本例ではローラの周速度
にして4m/分である。図中、第一ローラ(ギアポン
プ)が最上流に配置されたローラであり、第二、第三、
・・・と順に下流に向かって配置され、第十一ローラが
最下流に配置されたローラである。図6は糸通しが完了
した(0分時点)後、最終目標速度に至った時(30分
時点)まで、および定常運転の最初の五分間までを示し
ている。ステップとは第十一ローラから第一ローラまで
を一通り加速する工程を示す。そして、かかるサイクル
を六回繰り返して(ステップ1〜6によって)やっと全
ローラを目標速度にすることができたのである。約30
分の時間がかかっている。加速段階で周速度が低下した
ローラもあるが、これは、個別速度設定器による加速と
マスタ速度設定器による加速とを切り換えるときの速度
レンジの変更などの操作時に生じるものである。
【0009】上記ステップ1〜6間に製造された繊維は
その太さ(デニール)が目標値を外れたものであるた
め、商品とはなり得ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとく、現場に
おける手動制御は大変むずかしいものであり、糸通し完
了から定常運転に至る、いわゆる立ち上げ運転には複数
名の熟練作業者を要し、さらに約30分もの長時間を要
する。その結果生じた商品となり得ない繊維は3600
mの長さのものが72万本〜108万本となった。
【0011】本発明者らはかかる課題を解決するために
立ち上げ運転時のローラの運動およびそのときの繊維太
さについて鋭意調査研究を重ねた結果、最終目標速度に
おける第一と第十一のローラ間の速度比率をローラの加
速段階においても維持しておくことが製品繊維の太さを
一定に保つためにきわめて重要な要素であることを発見
した。
【0012】しかして本発明は、化学繊維プラントにお
ける紡糸設備の立ち上げ運転の所要時間を大幅に短縮
し、所要作業者数をも大幅に低減し、しかも、立ち上げ
運転中に製造された繊維をも商品となしうる紡糸設備の
繊維延伸装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維延伸装置
は、紡糸口から押し出されて凝固した糸束状の繊維を延
伸しつつ送るために、繊維の流れに沿って配設された複
数ブロックのローラと、各ブロックのローラを回転駆動
するための複数個の駆動機と、各駆動機に対して速度信
号を送る制御器とを備えており、該制御器が、糸通し運
転時には全ローラを同一の所定低速度にし、糸通し終了
後には上流のブロックのローラより下流のブロックのロ
ーラを高速にし、且つローラ同士の速度比を実質的に一
定に維持しつつ不具合に応じて多段階で速度を制御すべ
速する速度信号を発信するように構成されてい
る。
【0014】したがって、ローラ同士の速度比を各ロー
ラの最終目標速度の比率に維持しつつ加速することがで
きるので、製造される繊維の太さを一定に保つことが可
能となる。また、ローラ間での糸束の切断およびたるみ
現象も発生しない。その結果、立ち上げ運転中に製造さ
れた繊維もそのほとんどを商品とすることができる。し
かも、従来のように立ち上げ運転に多数の作業者および
長時間を必要とすることがない。
【0015】そして、上記各駆動機に供給電力の周波数
変換器を配設し、該周波数変換器に対し、上記制御器か
らローラの速度に対応した周波数変換信号が発信される
ように構成することにより、複雑な機構を必要とせずに
上記作用を奏しうる。
【0016】また、上記制御器が、各駆動機に対してロ
ーラの速度を時間の一次関数に近似して増加および減少
させる速度信号を発信しうるように構成することによ
り、制御が容易で且つ駆動機も正確に応答することがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】添付図面に示される実施形態に基
づいて本発明の繊維延伸装置を説明する。
【0018】図1は本発明の繊維延伸装置の一実施形態
を示す説明図である。図2は図1の繊維延伸装置による
立ち上げ運転中の各ローラの速度の時間的変化の一例を
示すグラフである。図3は図1の繊維延伸装置による運
転中の各ローラの速度の時間的変化の一例を示すグラフ
である。図4は図1の繊維延伸装置によって得られた繊
維の太さを従来技術により得られた繊維の太さと比較し
たグラフである。
【0019】本発明の繊維延伸装置が適用されうる紡糸
設備における紡糸機やローラの配置は図5に示す従来の
ものと同じであるのでここでは説明を省略する。
【0020】図1に示す繊維延伸装置1は、紡糸機2、
水洗機3、熱延伸機4を備えており、各機器内に繊維の
流れ方向に沿って複数ブロックのローラ5が配設されて
いる。本実施形態では11ブロックとされている。各ブ
ロックのローラの配設個数は一個以上であり、ブロック
ごとにそこのモータの回転速度を同一にしているが、本
実施形態では各ブロックにつき一個のローラ5が配設さ
れているとする。各ローラ5にはそれを回転駆動するた
めのモータ6が接続されている。紡糸ノズルから押し出
されて凝固した糸束は、図5に示したと同様に、その搬
送方向に沿って、最上流から順に第一、第二、・・・最
下流の第十一のローラ(すなわち第十一ブロック)まで
掛け通されて搬送される。
【0021】また、各モータ6にはそこに供給される電
力の周波数を変換するためのインバータ7がそれぞれ配
設されている。
【0022】図中、符号8は制御器であり、各インバー
タ7に対して各モータ6の所定回転速度(以下、単に速
度という)に対応する周波数に設定する速度信号を発信
する。モータ6への供給電力の周波数とモータ6の速
度、ひいてはローラ5の速度とは一対一で対応してい
る。なお、上記所定速度(対応周波数)は連続に変化さ
せられ得る。
【0023】この制御器8の計算機8aのメモリには、
各インバータ7に対してそれに対応する各モータ6の最
終目標値(定常運転速度)となる速度に対応する周波数
が記憶されている。この最終目標速度は目標生産量に応
じて変更される。また、各ローラ5同士の周速度比(モ
ータ6同士の回転速度比)は製品の繊維の種類に応じて
変更される。
【0024】また、この制御器8には、複数モードのモ
ータ速度変化指示が設定されている。制御器8中の計算
機8aでは、各モータ6の速度変化を所定時点からの経
過時間の一次関数に近似させることにより、各時点での
モータ速度を計算してこれを速度信号としてインバータ
7へ発信することができる。一方、制御器8のシーケン
サー8bでは、後述の操作盤9からの指示により、各イ
ンバータ7への所定の作動指示信号を送ると共に、上記
計算機8aに対しては上記作動指示に対応した速度信号
を発信するように指示信号が送られる。
【0025】本繊維延伸装置1の制御機能のポイント
は、各インバータ7に対して、時間に対する各モータ6
の速度特性が時間の一次関数に近似して変化する速度信
号を発信し得るようにされていることである。さらに、
変数である時間に乗ぜられる定数を上記各モータ6の最
終目標値となる速度の比率となるようにも設定されてい
る。その結果、全モータ6を加速するときには、どの時
点をとっても各モータ6同士の速度の比は各モータ6の
最終目標速度同士の比となる。
【0026】なお、時間に対する各モータ6の速度特性
は時間の一次関数に限定されることはなく、たとえば二
次関数に近似してもよいが、制御の複雑性やモータ6の
応答性を考慮すれば一次関数が好ましい。
【0027】この定数は各モータ6の最終目標速度の比
率となる条件下で任意に増減し得るようにもされてい
る。したがって、全モータ6を加速するときに各モータ
6同士の速度の比が各モータ6の最終目標速度同士の比
となった状態で全体の速度を変化させることができる。
【0028】そうすることにより、製品の繊維の種類に
応じて目標速度に至る加速度を変更することができる。
さらに、運転中の予期せぬ異常に対応して繊維搬送速度
を低下させたいときには、各モータ6同士の所定の速度
比を維持したまま減速することができる。すなわち、繊
維の現状太さを保ったまま、且つ、糸束の切断およびた
るみを発生させることなく減速することができる。
【0029】また、本延伸装置1には上記制御器を実行
させるための操作盤9が配設されている。この操作盤9
には、始動ボタン11、低速ボタン12、中速ボタン1
3、高速ボタン14が配設されている。
【0030】図2に示すのが上記ボタンの下記押圧操作
による全ローラ5の速度変化である。なお、図2の横軸
は経過時間に比例したものではなく、単に後述の第一速
度、第二速度および第三速度の速度レベルの時点を間隔
を置いて示したものである。
【0031】始動ボタン11を押圧操作すると制御器8
から全インバータ7へ同一の所定低速度(糸通し速
度)、たとえば、図示の例ではローラの周速度で4m/
分で回転させるべき速度信号が発信される。その状態で
作業者は糸通しを行う。なお、この始動ボタンに代え
て、全インバータ7の周波数を同一に保ったまま連続的
に変化させうるダイヤル式のものを備えてもよい。
【0032】つぎに、低速ボタンを押圧操作すると、各
モータ6間の速度比が各モータ6の最終目標速度の比で
ある所定の低速度(第一速度という)まで、リニアな特
性で加速される。所定の低速度とは、一般に、最も低速
のローラ(第一ローラ)の速度でも前述の糸通し時の速
度より高い速度、たとえば図示の例では周速度で約5m
/分となっている。なお、このときの最高速ローラ(第
十一ローラ)の周速度は約50m/分である。糸通し速
度から第一速度まで加速する過程では各モータ6間の速
度比は最終目標速度の比とはならないので、この間に製
造された繊維は廃棄する。しかし、この時間はきわめて
短く、さらに繊維搬送速度も低いので損失もきわめて少
ない。
【0033】つぎに、中速ボタン13および高速ボタン
14を順次押圧操作することにより、各モータ6は相互
の速度比が各モータ6の最終目標速度の比である状態を
維持しつつ順次所定の速度まで、すなわち第一速度から
第二速度を経て第三速度(最終の目標速度)と段階的
に、所定の加速度によって加速される。
【0034】すなわち、第一速度においてラインの運転
状況を観察し、異常がなければ中速ボタンを押圧操作す
る。そうすると、各モータ6は相互の速度比が各モータ
6の最終目標速度の比である状態を維持しつつ、モータ
6間の速度比が各モータ6の最終目標速度の比である所
定の中速度(第二速度)まで、所定の加速度によって加
速される。また、所定の中速度とは、たとえば図示の例
では第一ローラでは周速度で約15m/分であり、第十
一ローラでは約148m/分である。
【0035】この状態でラインの運転状況を観察し、異
常がなければ高速ボタンを押圧操作する。そうすると、
各モータ6は相互の速度比が各モータ6の最終目標速度
の比である状態を維持しつつ、最終目標速度(第三速
度)まで、所定の加速度によって加速されて定常運転状
態となる。また、最終目標速度とは、たとえば図示の例
では第一ローラでは周速度で約18m/分であり、第十
一ローラでは約195m/分である。
【0036】上記第一速度から最終目標速度までも、第
一ローラと第十一ローラとは定常運転時と同一の速度比
となっているため繊維の太さは一定であるため、この間
に製造された繊維は商品となりうる。
【0037】本実施形態では糸通し完了から最終目標速
度となる定常運転に入るまで、設定速度によるが、30
秒〜3分程度しか必要としない。なお、本発明では特に
上記第二速度を経由せずに第一速度に設定した後、連続
して最終目標速度まで加速してもよい。または、第一速
度と最終目標速度との間に二段階以上の速度を設定して
もよい。さらに、第一速度や第二速度、つまり中間速度
を高くしたり低くしたりすることも任意である。
【0038】図3には、糸通し完了から前述の立ち上げ
運転および定常運転の一部について全ローラ5の速度変
化を経過時間について表している。前述のごとく従来技
術では糸通し完了後の立ち上げ運転に約30分間を要し
たが、本実施形態では糸通し完了後の立ち上げ運転を含
めて定常運転開始までに最長3分しか要しない。したが
って、従来技術に比較して立ち上げ運転時間が1/10
以下に短縮され、大幅な時間の節約となる。さらに、本
実施形態では作業者は3〜4人しか必要とせず、10〜
13人ほども必要であった従来技術と比較して人件費も
節約される。さらに、前述のとおり、立ち上げ運転時に
製造された繊維のほとんどが商品となるため、原料の歩
留まりも向上する。もちろん糸束の切断やたるみも発生
しない。
【0039】本実施形態では、各モータの回転速度に対
する対応ローラの周速度の比は同一であるとして説明し
た。すなわち、全ローラが同一直径を有するものとし
た。しかし、本発明ではそれに限定されることはなく、
異なる直径を有するローラを混在させてもよい。しか
し、そのときは前述の「各モータ間の速度比を最終目標
速度の比として加減速する」場合の「速度比」および
「最終目標速度の比」はあくまでローラの周速度につい
てのものである。
【0040】
【実施例】図4には糸通しの完了後から定常運転に入る
時点までの立ち上げ運転中に製造された繊維の太さが示
されている。定常運転における繊維の目標太さは図中に
一点鎖線の枠で示す3±0.18デニールという商品と
しての許容値範囲とした。
【0041】初期設定速度(50m/分)および最終速
度(195m/分)並びに両速度間の七レベルの速度を
含めて9レベルの速度における繊維の太さを測定・記録
したものである。測定対象は、実施例、第一比較例、第
二比較例および第三比較例である。表示されている速度
は各例とも十一個のローラのうち最高速のローラ、すな
わち最下流のローラの周速度である。
【0042】各比較例はそれぞれ前述の従来技術の欄で
述べた手法で立ち上げ運転を行ったものであり、糸通し
が完了した後に前述の手法によって最下流のローラの周
速度を50m/分まで加速した時点以降の糸の太さ(デ
ニール)の平均値が示されている。
【0043】実施例は第一速度を50m/分に設定して
前述の手法で立ち上げ運転を行ったものであり、第一速
度が設定された時点以降の糸の太さ(デニール)の平均
値が示されている。
【0044】図示のごとく、実施例では製造された繊維
の太さにほとんどばらつきがない。これは、初期設定速
度(第一速度)に設定された時点から第一ローラ(ギア
ポンプ)と第十一ローラとの間の速度比が最終目標速度
の比と一致しているためであると考えられる。しかし、
比較例は三例ともに最終目標速度に至るまでは繊維太さ
に大きなばらつきがあり、商品とはなり得なかった。こ
れは、第一ローラと第十一ローラとの速度比が最終目標
速度の比からかけ離れていたためであると考えられる。
これは、図6からも明らかである。
【0045】
【発明の効果】本発明の繊維延伸装置によれば、駆動機
同士の回転速度比を各駆動機の最終目標速度の比率に維
持しつつ加速することができるので、製造される繊維の
太さを一定に保つことが可能となる。その結果、立ち上
げ運転中に製造された繊維も商品とすることができる。
しかも、従来のように立ち上げ運転に多数の作業者およ
び長時間を必要とすることがないので製造コストが大幅
に低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維延伸装置の一実施形態を示す説明
図である。
【図2】図1の繊維延伸装置による立ち上げ運転中の各
ローラの速度の変化ステップの一例を示すグラフであ
る。
【図3】図1の繊維延伸装置による運転中の各ローラの
速度の時間的変化の一例を示すグラフである。
【図4】図1の繊維延伸装置によって得られた繊維の太
さを従来技術により得られた繊維の太さと比較したグラ
フである。
【図5】従来の繊維延伸装置の一例を概略的に示す側面
図である。
【図6】従来の繊維延伸装置による立ち上げ運転中の各
ローラの速度の時間的変化の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・繊維延伸装置 2・・・紡糸機 3・・・水洗機 4・・・熱延伸機 5・・・ローラ 6・・・モータ 7・・・インバータ 8・・・制御器 8a・・計算機 8b・・シーケンサ 9・・・操作盤 11・・・始動ボタン 12・・・低速ボタン 13・・・中速ボタン 14・・・高速ボタン 51・・・紡糸機 52・・・水洗機 53・・・熱延伸機 54・・・紡糸・延伸設備 55・・・原料液 56・・・ギアポンプ 57・・・紡糸ノズル 58・・・糸束 59・・・ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末沢 洋介 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 堀切 正俊 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (72)発明者 林 佳正 岡山県岡山市金岡東町3丁目3番1号 日本エクスラン工業株式会社 西大寺工 場内 (56)参考文献 特開 平8−158146(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01D 5/12 - 5/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡糸口から押し出されて凝固した繊維を
    延伸しつつ送るために、繊維の流れに沿って配設された
    複数ブロックのローラと、各ブロックのローラを回転駆
    動するための複数個の駆動機と、各駆動機に対して速度
    信号を送る制御器とを備えており、 該制御器が、糸通し運転時には全ローラを同一の所定低
    速度にし、糸通し終了後には上流のブロックのローラよ
    り下流のブロックのローラを高速にし、且つローラ同士
    の速度比を実質的に一定に維持しつつ不具合に応じて多
    段階で速度を制御すべく速する速度信号を発信する
    ように構成されてなる紡糸設備の繊維延伸装置。
  2. 【請求項2】 上記各駆動機に供給電力の周波数変換器
    が配設されており、該周波数変換器に対し、上記制御器
    から、ローラの速度に対応した周波数変換信号が発信さ
    れるように構成されてなる請求項1記載の紡糸設備の繊
    維延伸装置。
  3. 【請求項3】 上記制御器が、各駆動機に対してローラ
    の速度を時間の一次関数に近似して増加および減少させ
    る速度信号を発信しうるように構成されてなる請求項1
    記載の紡糸設備の繊維延伸装置。
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