JP3007299U - 棒材切断装置の棒材把持装置 - Google Patents

棒材切断装置の棒材把持装置

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JP3007299U JP1994009253U JP925394U JP3007299U JP 3007299 U JP3007299 U JP 3007299U JP 1994009253 U JP1994009253 U JP 1994009253U JP 925394 U JP925394 U JP 925394U JP 3007299 U JP3007299 U JP 3007299U
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智 小川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既に施工されている鉄筋を切断する場合等に
も、その切断端面を軸方向と垂直且つ平坦とできる棒材
切断装置の棒材把持装置を提供する。 【構成】 棒材20を切断するに際しては、円筒状部材
12を棒材20に通して押しネジ36を締め付けること
により、円筒状部材12の内周面の一部178と、押圧
部材38の押圧面42との間で棒材20が挟圧状態とさ
れて把持される。このとき、内周面の一部178は棒材
20の外周面に倣わされてその軸心、すなわち、円筒状
部材12の軸方向は棒材20の軸方向と平行にされる。
この円筒状部材12の軸方向は回転工具108の軸心と
平行に設けられているため、棒材20はその軸心が回転
工具108の軸心と平行な状態で把持される。そのた
め、切断すべき棒材20が立設されている場合などに
も、その切断端面が軸心に直角且つ平坦になるように切
断することが可能である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、鉄筋コンクリート工事等に用いられる鉄筋等の棒材を切断する際に 、その棒材を把持するための棒材切断装置の棒材把持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄筋コンクリートを施工するに際して所定の形状に配設される鉄筋は、製造上 或いは運搬上の取扱が容易な一定の長さとされている。そのため、施工される鉄 筋コンクリートの長さが鉄筋の全長以上となる場合には、鉄筋が軸方向に接続さ れて必要な長さに延長されて用いられる。この鉄筋の接続方法には様々なものが あり、2本の鉄筋の一部を重ねて固定する重ね継手、鉄筋の突き合わせ部に鋼製 のスリーブを被せて接続するスリーブ継手、鉄筋をその端面において互いに所定 の圧力で押しつけ合い、ガス等によって加熱することにより溶接するガス圧接、 或いは鉄筋をそれらの端面が互いに所定距離離隔するように保持して加熱し、そ の端面間に溶接材料を流し込むことによって溶接するCB溶接等が用いられてい るが、強度や信頼性の面からガス圧接或いはCB溶接等が多く用いられている。
【0003】
【考案が解決すべき課題】
ところで、上記の鉄筋コンクリートにおいては、一般に一軸方向に複数の鉄筋 が隣接して配設されており、上記のように鉄筋の長さを延長するに際しては、鉄 筋コンクリートの強度および信頼性の確保のために、その隣接する鉄筋の接続位 置は長手方向において互いに異なるものとされる。このため、通常、接続される 一対の鉄筋のうちの一方は、接続位置を隣接する他の鉄筋と異なるものとする目 的で、施工された状態で端部が切断される。従来、その切断加工は、アセチレン バーナ等による溶断で為されており、鉄筋の溶断された端部は凹凸状となってい た。
【0004】 しかしながら、端面を突き合わせて接続するガス圧接、CB溶接等の接続方法 においては、接続部の強度および信頼性を確保するためには接続される鉄筋の両 端面がその軸方向に垂直且つ平坦であり且つ酸化物が除去されていることが望ま しいため、上記のようにアセチレンバーナ等によって溶断した後、例えば手持ち 式のサンダー等によりその端面に仕上げ加工を施さなければならないという問題 があった。更に、このときサンダー等の回転軸を鉄筋の軸方向に平行に保つこと が困難であるため、仕上げ加工を行っても卓上切断装置によった場合と同様な端 面の充分な精度は得られず、接続部の充分な強度と信頼性が得られないという問 題があったのである。
【0005】 本考案は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、上記 のような既に施工されている鉄筋を切断する場合等にも、その端面が軸方向と垂 直且つ平坦になるように切断することが可能な棒材切断装置の棒材把持装置を提 供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、本考案の要旨とするところは、棒材と平行な軸心 回りに回転駆動される回転工具によりその棒材を直角に切断する棒材切断装置の 棒材把持装置であって、(a) 筒状を成して前記棒材が貫通させられると共にその 内壁面の一部にその棒材を受ける受け面を備えた受け部材と、(b) その受け部材 の一部を貫通することにより前記内壁面の内側に押圧面が位置させられた状態で 設けられ、その押圧面において前記棒材を前記受け面に向かって押圧することに より、前記受け部材との間でその棒材を軸方向が前記回転工具の軸心に平行な状 態で把持するための押圧部材とを、含むことにある。
【0007】
【作用および考案の効果】
このようにすれば、棒材を切断するに際しては、筒状を成して棒材が貫通させ られると共にその内壁面の一部に受け面を備えた受け部材と、その受け部材の一 部を貫通することにより前記内壁面の内側に押圧面が位置させられた押圧部材と の間で、軸方向が回転工具の軸心に平行な状態で棒材が把持される。そのため、 切断すべき棒材をその姿勢に拘らず任意の位置で把持して、その切断端面が軸心 に直角且つ平坦になるように切断することが可能である。すなわち、鉄筋等の棒 材が立設されている状態においても、その端面が軸方向と垂直且つ平坦になるよ うに切断することが可能となり、鉄筋の接続部分延いては鉄筋コンクリートの強 度および信頼性が向上する。
【0008】 ここで、好適には、前記棒材切断装置は、前記回転工具の軸心と平行な嵌合穴 と、その軸心に平行な面に沿って第1端部の先端面からその嵌合穴に連通するよ うに形成されたスリットとを有し、その軸心と平行な第1回動軸心回りに第2端 部が回動可能に設けられた長手状の被固定部材を備えて、前記棒材把持装置に着 脱可能に装着される切断機を含むものであり、前記棒材把持装置は、(a) 把持さ れる前記棒材と平行に突設され、前記被固定部材に形成された嵌合穴と着脱可能 に嵌め合わされる位置決めピンと、(b) その位置決めピンと嵌合された被固定部 材の一面を受けるための挟圧部材と、(c) 前記位置決めピンと平行な第2回動軸 心回りに回動可能に設けられ、その位置決めピンと嵌合された被固定部材の第1 端部を前記挟圧部材との間で挟圧する固定操作位置と該第1端部を前記受け部材 との間で挟圧しない解放操作位置との間で操作される回動操作レバーとを、更に 含むものである。
【0009】 このようにすれば、棒材切断装置が棒材把持装置と着脱可能な切断機とが別個 に備えられて構成されることにより、棒材把持装置は軽量とされるため、その棒 材把持装置によって棒材を把持した後に切断機を組み合わせて棒材を切断するこ とにより、高密度で立設させられている棒材の把持作業、延いては棒材の切断作 業が一層容易とされる。
【0010】 このとき、上記切断機は、第2端部が回転工具の軸心と平行な第1回動軸心回 りに回動可能に設けられた長手状の被固定部材を、その回転工具の軸心と平行に 設けられた嵌合穴において、棒材把持装置からそれにより把持される棒材と平行 に突設された位置決めピンに嵌合させることにより、その棒材把持装置に装着さ れる。この状態で被固定部材の第1端部が、棒材把持装置の挟圧部材と回動操作 レバーとの間で挟圧されると、第1端部に形成されたスリットの隙間が小さくさ れて嵌合穴の直径が小さくされることにより、嵌合穴と位置決めピンの軸心が一 致した状態で被固定部材がその位置決めピンに固定される。これにより、切断機 は、被固定部材、位置決めピン、および挟圧部材により設定された所定の位置に 、回転工具の軸心が棒材把持装置によって把持される棒材と平行な状態で、容易 に脱落しないように確実に装着される。したがって、棒材把持装置と切断機とが 別個に備えられている場合にも、棒材をその切断端面が軸心に垂直且つ平坦とな るように切断できる。しかも、挟圧部材と回動操作レバーによる被固定部材の第 1端部の挟圧は、回動操作レバーを位置決めピンと平行な第2回動軸心回りに回 動操作して固定操作位置に位置させるだけの簡単な操作で為されるため、棒材把 持装置への切断機の装着を容易に行い得る。
【0011】 また、好適には、前記受け部材は、前記受け面が前記棒材の外径よりも大径の 円筒面に形成されると共に、その受け面の軸心が前記回転工具の軸心と平行に設 けられたものである。このようにすれば、棒材を把持するに際して押圧部材によ ってその棒材を押圧すると、押圧部材の押圧面は可及的に受け部材の受け面に接 近しようとするために、受け面がその棒材の外周面に倣わされてその軸心が棒材 の軸心に平行な状態とされる。この受け面の軸心は回転工具の軸心と平行に設け られているため、棒材はその軸心が回転工具の軸心と平行な状態で把持される。 したがって、棒材をその切断端面が軸心と直角且つ平坦となるように切断できる のである。なお、受け部材の内壁面全面が円筒面とされていても良いが、少なく とも受け面が円筒面とされていれば充分である。
【0012】 また、好適には、前記受け部材は、前記筒状の周方向の一部が前記受け面と前 記押圧面との間の位置において前記棒材の軸方向に貫通して切り欠かれることに よりその棒材の外径よりも大きい幅に形成された開口部を備えたものである。こ のようにすれば、棒材を切断するために受け部材の受け面に棒材を当接させる際 には、上記開口部を通過させて棒材を受け部材の内壁面側に位置させることが可 能である。したがって、棒材を把持する際にその軸方向の棒材把持装置の移動量 を少なくすることが可能となって、棒材の把持作業が一層容易とされる。なお、 上記開口部は、受け面と押圧面との間の位置において設けられているため、受け 面および押圧面には切り欠きが設けられず、棒材が確実に把持される。
【0013】 また、好適には、前記押圧面は、前記回転工具の軸心方向に平行な軸心を備え た円筒面に形成される。このようにすれば、円筒面とされた押圧面は棒材の形状 に倣ってその軸心が棒材の軸心と平行にされる。すなわち、押圧面および受け面 のうちの少なくとも一方が回転工具の軸心と平行な軸心を備えた円筒面とされて いれば、棒材は回転工具の軸心と平行に把持されることとなる。
【0014】 また、好適には、前記受け面および前記押圧面の少なくとも一方は、前記回転 工具の軸心方向に平行な交線を有する2面から構成される。このようにすれば、 前記受け面或いは押圧面が円筒面とされている場合と同様にして、棒材が上記交 線の方向と平行に、すなわち、回転工具の軸心方向と平行に把持される。
【0015】
【実施例】
以下に、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。
【0016】 図1乃至図3は、本考案の一実施例である棒材把持装置10を示す図である。 なお、図2および図3においては、他の図から位置関係等が明らかな部材は一部 省略されている。上記棒材把持装置10は、切断すべき棒材を把持するものであ り、後述の回転工具108を備えた切断機100と一体的に組み合わされること により棒材切断装置を構成するものである。
【0017】 棒材把持装置10は、円筒状部材12と、その円筒状部材12の軸方向中間部 よりも上端部側の位置で、その外周面に例えば溶接等によって長辺16側の端面 において固着された板部材14と、その板部材14が固着された周方向中央部か ら例えば周方向に120度程度離隔した位置を中心として、上記円筒状部材12 の軸方向中央部の外周面に同様に溶接等によって固着された押圧部18と、板部 材14の一面24に、その一面24と平行な面内で回動可能に取り付けられた回 動操作レバー26とを備えており、鉄筋等の棒材20は、上記円筒状部材12の 内壁面内で把持される。本実施例においては、この円筒状部材12が受け部材に 相当する。なお、円筒状部材12の内径は、切断すべき棒材20の外径よりも大 径に形成されている。
【0018】 円筒状部材12には、図3に示すように、下端部から上端部側の途中の位置ま で切り欠き部28が設けられている。この切り欠き部28は、その周方向中心部 が前記押圧部18の周方向中央部と一致する位置で、その押圧部18の周方向の 所定の幅の部分が円筒状部材12の軸方向長さ全体に亘って、その円筒状部材1 2の内壁面に面するように設けられており、板部材14が固着されている位置に は設けられていない。
【0019】 また、板部材14は、長方形の長手方向の2辺のうち、円筒状部材12に固着 されている上記長辺16とは反対側に位置する辺の両端部の2つの角部が大きく 面取りされた平面形状を成しており、上記長辺16の円筒状部材12に固着され ている部分は、その円筒状部材12の外周面の形状に合わせて円弧状に除去され ている。
【0020】 また、押圧部18は、直方体形状のブロックの一対の平行な面の中央部間を貫 通するネジ穴30が設けられると共に、そのネジ穴30が開口している一対の面 のうちの一面32が円筒面状に除去され、その円筒面状の一面32において前記 円筒状部材12の外周面にその中央部を通る法線と上記ネジ穴30の軸心とが一 致するように固着された固着部34と、上記ネジ穴30に螺着される押しネジ3 6と、その押しネジ36の先端部によって円筒状部材12の内周側に向かって押 圧される押圧部材38と、その押圧部材38を円筒状部材12から遠ざかる方向 に同様な力で付勢する一対のねじりバネ40,40とを備えている。
【0021】 上記押圧部材38は、幅すなわち円筒状部材12の周方向の長さが前記切り欠 き部28の幅よりも小さくされており、円筒状部材12の軸方向に平行な押圧面 42と、その押圧面42の円筒状部材12の軸方向両端部からその軸方向と垂直 な方向でその軸とは反対側に伸びる一対の係合部44,44とを備えている。上 記固着部34のネジ穴30の軸方向に平行な面のうち、上記係合部44,44が 位置させられる円筒状部材12の軸方向と垂直な(すなわち、図3における上下 に位置する)一対の面には、ネジ穴30の軸方向と平行な方向に係合部44,4 4と同様な幅の係合溝46,46が設けられている。押圧部材38は、上記押し ネジ36がその軸心回りに締付方向に回転させられることにより、ネジ穴30の 軸方向に沿って円筒状部材12の軸心に向かって移動させられ、押圧面42が円 筒状部材12の内壁面の内側に位置させられる。なお、図3に示されるように、 押圧面42の円筒状部材12の軸方向の長さL1 は、鉄筋等の棒材20の外周面 に所定の間隔で設けられている周状突部の軸方向の間隔の2倍の長さL2 よりも 充分長くされている。
【0022】 また、固着部34には、上記ネジ穴30と交差せず板部材14から比較的離隔 した位置で円筒状部材12の軸方向と平行な貫通穴48と、上記ネジ穴30と平 行且つ貫通穴48の両端部側の位置でこの貫通穴48まで貫通する一対のネジ穴 50,50とがそれぞれ設けられており、前記ねじりバネ40,40は、頭部が ねじりバネ40,40の内径よりも大きくされたピン52,52を上記貫通穴4 8の上下端からそれぞれ嵌合させ、上記ネジ穴50,50に六角穴付き止めネジ 54,54を螺合させて固定することによって、固着部34上に固定されている ものである。
【0023】 また、固着部34の前記ネジ穴30とネジ穴50,50との間の位置には、円 筒状部材12の軸方向両端部側から穿設された小径の穴にそれぞれスプリングピ ン56,56が脱落不能に立設されている。一方、前記押圧部材38の係合部4 4,44には、上記穴56,56と平行に設けられた貫通穴にスプリングピン5 8,58がそれぞれ脱落不能に立設されている。上記ねじりバネ40,40の両 端部は、それぞれスプリングピン56,56、およびスプリングピン58,58 に掛けられており、これにより、前述のように押圧部材38が円筒状部材12か ら遠ざかる方向に付勢されており、押圧面42は、円筒状部材12の軸方向と平 行な状態に保たれている。
【0024】 また、前記回動操作レバー26は、長手方向およびその長手方向に直交する一 方向にそれぞれ貫通穴60,62を有する直方体形状の接続部材64に、その長 手方向の貫通穴60の一端から柄66が螺合されてナット68によって固定され ると共に、他端から先端面69が球面状とされたボルト70が螺合されてナット 72により突き出し量の調節可能に固定されて構成されている。上記回動操作レ バー26は、板部材14の長辺16の円筒状部材12が固着されている側とは反 対側の端部に板厚方向に貫通して設けられたネジ穴74に、上記貫通穴62に嵌 合させられているボルト76が螺合されてナット78により固定されることによ り、そのボルト76の軸心回りに回動可能とされている。本実施例においては、 ボルト76が第2回動軸に相当する。なお、接続部材64と板部材14との間に は、回動操作レバー26をスムースに回動させるために座金80が介挿されてい る。
【0025】 また、板部材14のネジ穴74の近傍には、板厚方向に貫通する2つの貫通穴 82,82が設けられ、その貫通穴82,82には2本のスプリングピン84, 84が一面24側に突き出して嵌合固定されている。これにより、回動操作レバ ー26は、ボルト76回りの何れの回動方向においても、何れかのスプリングピ ン84,84に接続部材64が当接させられることによってその回動範囲が制限 され、図1に示される一点鎖線HからRの範囲で回動させられる。
【0026】 また、板部材14の円筒状部材12の近傍には板厚方向に貫通するネジ穴86 が設けられ、そのネジ穴86と前記ボルト70との中間部の長辺16とは反対側 の辺の近傍には同様に板厚方向に貫通するネジ穴88が設けられている。このネ ジ穴86,88には、2本のピン90,92が、一面24側に大きく突き出して 螺合され且つナット94,94によって固定されている。ピン90とボルト70 との中間部に位置するピン92は、その軸心が長辺16に垂直なピン90の外周 面の接線から距離d1 だけ離隔させられ、その軸心方向は、円筒状部材12の軸 心方向と平行にされている。
【0027】 なお、円筒状部材12の近傍の板部材14の端部において、その一面24側に ナット96によって突き出し高さを可変に取り付けられているボルト98は、後 で説明するように棒材20を切断する際の切断位置を示すための目印である。
【0028】 上記のように構成された棒材把持装置10は、例えば図4および図5に示され る切断機100と組み合わされて使用されるものである。切断機100は、電源 コード102およびスイッチ104を備えてグリップ部を兼ねるモータ106と 、そのモータ106に取り付けられてモータ106の駆動により回転させられる 円盤状の回転工具108を備える例えば軽合金製のハウジング110と、そのハ ウジング110のモータ106とは反対側の位置に設けられた突部112にハウ ジング110と相対回動可能に取り付けられたグリップアーム114とを備えて いる。
【0029】 上記グリップアーム114は、中央に回動軸116が挿し通される貫通穴11 8を備えた基部120と、その基部120から貫通穴118の軸心と直角方向に 延びる長手状部122とから構成されている。長手状部122には、その長手方 向中央やや先端よりの部分に上記貫通穴118の軸心と平行な軸心を備える貫通 穴124が設けられると共に、長手状部122の先端面126からその貫通穴1 24に連通し、その長手状部122を貫通穴124の軸心方向に貫通するスリッ ト128が設けられている。また、その長手状部122の先端側の図4における 上側稜部は大きく面取りされて面取り部130が形成されると共に、その面取り 部130に続く側面132は、長手状部122の長手方向に平行な基部側側面1 36と成す角度θが5°程度の斜面とされている。また、側面132の反対側に 位置する側面134と、貫通穴124の中心までの距離d2 は、前記棒材把持装 置10の長辺16に垂直なピン90の外周面の接線からピン92の軸心までの距 離d1 と等しい大きさにされている。
【0030】 また、長手状部122の貫通穴124と基部120との中間には、グリップア ーム114からハウジング110に向かうピン138が立設されている。また、 基部120の上記側面134には、基部140とその基部140と同様な厚さで 幅が狭くされた凸部142とから構成されるブロック144が、その基部140 において一対のボルト146,146によって固着されており、凸部142には ナット148によって突き出し長さを調節される六角穴付止めねじ150がその 幅方向に貫通した状態で螺合されている。なお、基部120および長手状部12 2の貫通穴124の軸方向の厚さは同様のものとされている。また、本実施例に おいては、上記のグリップアーム114が被固定部材に、回動軸116が第1回 動軸に、基部120が第2端部に、長手状部122が第1端部に、貫通穴124 が嵌合穴にそれぞれ相当する。
【0031】 上記の回動軸116は、軸方向中間に大径部を備えており、その大径部の軸方 向両側に位置する小径部において、前記グリップアーム114の貫通穴118、 およびハウジング110の突部112に設けられた貫通穴152に挿し通され、 一方の小径部においてナット154によって突部112に固着されると共に、他 方の小径部においてナット156,156が螺合されることにより、その回動軸 116の軸心回りに回動可能な状態で前記グリップアーム114が取り付けられ ている。そして、上記大径部にはねじりバネ158が取り付けられており、その ねじりバネ158の一端がグリップアーム114の前記ピン138に、他端がハ ウジング110の突部112において貫通穴152に隣接して設けられた貫通穴 160にナット162によって固着されたピン164に当接させられることによ って、グリップアーム114が回動軸116の軸心回りに図4における右回り方 向に付勢されている。なお、前記の六角穴付止めネジ150の先端は、グリップ アーム114が図4における左回りにハウジング110に対して相対回動させら れ、図4に示される位置に位置させられた時に上記ピン164に当接するように 、その凸部142からの突き出し量が調節されており、これにより必要以上の相 対回動が阻止されている。
【0032】 前記ハウジング110内には、前記モータ106の回転を前記回転工具108 に伝達することにより、その回転工具108を図4における右回り方向に回転さ せるための歯車等から成る伝達機構が備えられており、一面に回転工具108を 覆うカバー166が一対のネジ168,168によって取り付けられていると共 に、カバー166と反対側の一面には回転工具108を軸支する図示しないベア リング等が収められたベアリングケース170が4本のボルト172によって取 り付けられている。なお、ハウジング110には、回転工具108を部分的に露 出させるための開口部174が設けられており、上記カバー166の図4におけ る開口部174の裏側に位置する部分にも同様な開口部が設けられている。また 、ハウジング110に備えられているノブ176は、回転工具108の交換等を 行うに際してその回転工具108の回転を停止させるために操作されるものであ る。
【0033】 以上のように構成された棒材切断装置すなわち棒材把持装置10および切断機 100を用いて、軸心が鉛直方向となるように施工された棒材(例えば、鉄筋コ ンクリートの鉄筋)20に他の棒材を鉛直方向に接続するために、その棒材20 の先端部を切断する場合について、図6および図7を参照して説明する。
【0034】 まず、棒材把持装置10の円筒状部材12を切断する棒材20の上端から通し 、ボルト98の頭部先端が切断しようとする位置aに位置する軸方向位置で保持 する。このとき、押圧部18の押しネジ36は充分緩められており、押圧部材3 8の押圧面42は円筒状部材12の内壁面の内側に位置せず、棒材20と円筒状 部材12とは容易に軸方向に相対移動可能な状態とされている。この状態でスパ ナ等の工具によって押しネジ36を締め付けると、押圧部材38はねじりバネ4 0の付勢力に抗して円筒状部材12の内周側へ移動させられる。これにより、押 圧面42によって棒材20が円筒状部材12の切り欠き部28とは反対側に位置 する内壁面の一部178に押圧され、円筒状部材12と押圧部材38とによって 棒材20が挟圧状態とされて把持される。このとき、上記内壁面の一部178は 棒材20の外周面の形状に倣わされるため、棒材20の軸方向と円筒状部材12 の軸方向とは平行にさせられる。なお、上記の説明から明らかなように、本実施 例においては、上記内壁面の一部178が受け面に相当する。
【0035】 上記のように棒材把持装置10を棒材20に固定した後、図6に示すように棒 材把持装置10に上方から切断機100をグリップアーム114が下側に位置す る状態で装着する。この装着操作は、グリップアーム114を、そのスリット1 28が開口する先端面126が長辺16側に向かい、側面134がピン90の外 周面に接した状態で、貫通穴124において棒材把持装置10のピン92に嵌合 させることにより行われる。切断機100が装着されたとき、回動操作レバー2 6は図7に示される位置よりも左回り方向に回動させられた図1におけるRの位 置に位置させられており、装着後に図における右回り方向に回動させられて図の 位置すなわち図1におけるHの位置に位置させられる。
【0036】 このとき、前述のように図1に示されるピン92の中心からピン90の外周面 までの距離d1 と、貫通穴124の中心から側面134までの距離d2 が等しい 大きさにされており、更に、回動操作レバー34の先端面69から長辺16に垂 直なピン90の外周面の接線までの距離が、グリップアーム114の側面132 および134間の距離よりもやや小さくなるように、ボルト70の突き出し量が 設定されているため、上記の回動操作レバー26の回動操作によって、グリップ アーム114はそのスリット128の間隔が小さくなるように変形させられる。 これらにより、グリップアーム114がピン92の軸心回りに回動不能に位置を 固定され、貫通穴124がピン92を締め付けて、棒材把持装置10から切断機 100が脱落することが防止される。すなわち、本実施例においては、ピン92 が位置決めピンに、ピン90が挟圧部材にそれぞれ相当し、回動操作レバー26 の図1におけるHの位置が固定操作位置に、Rの位置が解放操作位置に対応する 。
【0037】 なお、上記のように回動操作レバー26が回動させられてグリップアーム11 4が固定された図7の状態において、回動操作レバー26の回動軸すなわちボル ト76の軸心およびボルト70の軸心を通る平面Dと、グリップアーム114の 側面132を通る平面Eとは、90°よりもやや大きい角度例えば91°乃至9 2°程度を成している。これは、回動操作レバー26を解放操作位置に向かって 回動させる際にグリップアーム114の側面132がピン90に向かって押圧さ れるようにすることにより、誤って触れた場合に回動操作レバー26が回動する ことを抑制するためである。また、図6から明らかなように、棒材把持装置10 に切断機100が装着固定された状態において、回転工具108の下面は破線a の高さすなわちボルト98の頭部先端と同じ高さに位置している。
【0038】 このようにして、棒材把持装置10に切断機100が装着固定された後、スイ ッチ104を操作して回転工具108を回転させ、六角穴付止めねじ150の先 端がピン164に当接するまで、切断機100のハウジング110を回動軸11 6回りに図7における矢印方向に回動させると、回転工具108によって棒材2 0が図6のaの位置で切断される。棒材20が切断された後、ハウジング110 を図の矢印とは反対方向に回動させると共に、回転工具108の回転を停止させ 、回動操作レバー26を図における左回り方向に回動させることにより、グリッ プアーム114によるピン92の締め付けを解除し、切断機100を図6におけ る上方に引き抜くことで棒材把持装置10と切断機100との装着状態を解消す る。更に、押しネジ36を緩めることにより押圧部材38と円筒状部材12とに よる棒材20の挟圧状態を解除し、棒材把持装置10を棒材20から取り外して 一連の切断作業が終了する。
【0039】 ここで、本実施例においては、棒材20を切断するに際しては、円筒状部材1 2を棒材20に通して押しネジ36を締め付けることにより、円筒状部材12の 内周面の一部178と、押圧部材38の押圧面42との間で棒材20が挟圧状態 とされて把持される。このとき、押圧面42は可及的に内周面の一部178に接 近しようとするため、その内周面の一部178は棒材20の外周面に倣わされて その軸心、すなわち、円筒状部材12の軸方向は棒材20の軸方向と平行にされ る。この円筒状部材12の軸方向は回転工具108の軸心と平行に設けられてい るため、棒材20はその軸心が回転工具108の軸心と平行な状態で把持される 。そのため、切断すべき棒材20をその姿勢に拘らず任意の位置で把持して、そ の切断端面が軸心に直角且つ平坦になるように切断することが可能である。すな わち、鉄筋等の棒材20が立設されている状態においても、その端面が軸方向と 垂直且つ平坦になるように切断することが可能となり、鉄筋の接続部分延いては 鉄筋コンクリートの強度および信頼性が向上する。
【0040】 また、棒材切断装置が棒材把持装置10と着脱可能な切断機100とが別個に 備えられて構成されることにより、棒材把持装置10は軽量とされ、その棒材把 持装置10によって棒材20を把持した後に切断機100が組み合わされて棒材 20の切断が行われるため、立設させられている棒材20の把持作業、延いては 棒材20の切断作業が一層容易とされる。
【0041】 すなわち、切断機100の棒材把持装置10への装着は、回転工具108の軸 心と平行な貫通穴124とスリット128とを有してその回転工具108の軸心 と平行な回動軸116回りに回動可能に設けられたグリップアーム114を、把 持される棒材20と平行に突設されたピン92に嵌合させ、回動操作レバー26 を固定操作位置に回動させてグリップアーム114の長手状部122を押圧し、 スリット128の隙間を小さくして貫通穴124によってピン92を締め付けさ せることで完了する。このため、回動操作レバー26を回動させるだけの簡単な 操作で、切断機100の棒材把持装置10への所定の位置への確実な固定が可能 であり、逆の操作によって取り外しも容易に行われ得る。このとき、ピン92の 軸心方向は円筒状部材12の軸方向すなわち棒材20の軸方向と一致させられて おり、ハウジング110はグリップアーム114の貫通穴124の軸心方向と垂 直な面内で回動可能とされ、回転工具108はその垂直な面に平行な面内で回転 させられる。このため、本実施例のように棒材把持装置10と切断機100とが 別個に備えられている場合にも、既に施工された棒材20等を、その切断端面が その軸心と垂直且つ平坦となるように切断できる。
【0042】 ところで、例えば鉄筋コンクリートを施工するに際して鉄筋(すなわち棒材2 0)に他の鉄筋(すなわち棒材180)を接続する場合には、隣接して配置され る複数の鉄筋の接続位置が長手方向において互いに異なるように、例えば、図6 におけるa,b,cの位置でそれぞれ接続することが、強度・信頼性上望ましい 。その接続方法は種々ある中でガス圧接やCB溶接等が強度・信頼性が高く多用 されているが、これらの接続方法では鉄筋20,180の端面が突き合わされて 接続されるため、その接続位置を異なるものとするためには、一方の鉄筋20を 施工された状態で切断して、隣接する鉄筋相互の端面の位置を異なるものとする 必要がある。従来、その切断加工は、アセチレンバーナ等による溶断で為されて おり、鉄筋20の溶断された端面は凹凸状となっていた。
【0043】 しかしながら、上記のガス圧接等の接続方法においては、接続強度および信頼 性の確保のためには、鉄筋20,180の端面を何れも軸方向と直角且つ平坦且 つ酸化物が除去された状態にする必要がある。その際、鉄筋180は未だ施工さ れていないため、切断砥石等を備えた卓上型切断装置にクランプ等によって固定 して切断することが可能であり、接続する端面を容易に軸方向と垂直且つ平坦に できるが、施工された鉄筋20に大がかりな卓上型切断装置を適用することは困 難であり、上記のようにアセチレンバーナで溶断した後、例えば手持ち式のサン ダー等により仕上げ加工を施さなければならないという問題があった。更に、こ のときサンダー等の回転軸を鉄筋20の軸方向に平行に保つことが困難であるた め、仕上げ加工を行っても卓上切断装置によった場合と同様な端面の精度は得ら れず、接続部の充分な強度と信頼性が得られないという問題があったのである。 これに対して、本実施例によれば、前述のように、このような立設された鉄筋2 0を切断する場合にもその切断端面を容易に軸方向と直角且つ平坦なものとする ことができて、鉄筋の高い接続強度と信頼性が得られるのである。
【0044】 また、本実施例によれば、受け部材が円筒状部材12から、受け面が円筒状部 材12の内壁面の一部178からそれぞれ構成される。そのため、棒材20を切 断するに際して円筒状部材12を棒材20の一端から差し込むと、棒材把持装置 10が棒材20からその軸方向とは異なる方向へは脱落不能とされる。そして、 その状態で、押圧部材38で押圧することにより、円筒状部材12の内壁面の一 部178と押圧面42との間でその棒材20が把持される。したがって、把持作 業中に棒材把持装置20を取り落とす危険が減じられると共に、押圧部材38で 押圧する際に棒材20が受け面すなわち内壁面の一部178から外れることが防 止されて、棒材20の把持作業が一層容易とされる。
【0045】 また、押圧部材38の押圧面42の軸方向長さL1 が、鉄筋等の棒材20の外 周面に軸方向に所定の間隔で形成された周状突部の間隔の2倍の長さL2 よりも 大きくされているため、押圧面42は常に2つ以上の周状突部を押圧することと なって、棒材20が円筒状部材12の内壁面の一部178に軸方向に均一に押圧 される。しかも、押圧部材38は、一対のねじりバネ40,40によって軸方向 の両端部が同様な力で円筒状部材12の軸方向と垂直な方向に押圧されているた め、押しネジ36を締め付けると、押圧面42が円筒状部材12の軸方向と平行 を保った状態で内壁面の一部178に向かって押圧される。そのため、棒材20 を把持した際のがたつきが生じ難くなって、棒材20の切断端面が一層確実に軸 方向に垂直且つ平坦とされる。
【0046】 なお、上述の説明においては、棒材把持装置10を一つだけ用いた場合につい て説明したが、上述のように棒材把持装置10への切断機100の装着および取 り外しは容易に行い得るため、一つの切断機100に対して複数の棒材把持装置 10を用意し、例えば、図6における破線b,cの位置等に予め棒材把持装置1 0をそれぞれ取り付け、切断機100をそれぞれの棒材把持装置10に順次装着 して、複数の棒材20を順次切断すれば、棒材20の把持作業と切断作業とをま とめて行うことが可能となって、一層効率良く棒材20の切断を行うことが可能 である。
【0047】 次に本考案の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例 と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】 図8は、棒材把持装置10の受け部材の他の例を示す図であって、受け部材お よび押圧部18の近傍を示す図である。本実施例においては、押圧部18は前述 の実施例と同様に構成されているが、受け部材としては、円筒状部材12の円筒 面のうち板部材14とは反対側に位置する一部が、軸方向の全長に亘って除去さ れて開口部182が形成された半割円筒状部材184が設けられている。この開 口部182は、周方向の両端部が押圧部材38の押圧面42と受け面として機能 する半割円筒状部材184の内壁面の一部178との間に位置するように設けら れており、その周方向両端部の間隔Aは、切断すべき棒材20の外径よりも大き くされている。
【0049】 上記の半割円筒状部材184が設けられた棒材把持装置10を用いて、前記の 図6に示されるように切断すべき棒材20を把持するに際しては、把持する軸方 向位置において棒材把持装置10を棒材20の軸方向と垂直な方向に移動させ、 棒材20を開口部182から半割円筒状部材184の内周側に位置させて押しネ ジ36を締め付ける。押しネジ36によって押圧部材38が内壁面の一部178 に向かって移動させられると、前述の実施例の場合と同様にして、棒材20の軸 心が半割円筒状部材184の軸心と平行、すなわち、回転工具108の軸心と平 行となるように、押圧面42と内壁面の一部178との間で棒材20が挟圧され て把持される。
【0050】 本実施例によれば、棒材20を切断するために把持するに際しては、開口部1 82を通過させて棒材20を半割円筒状部材184の内壁面側に位置させること が可能である。したがって、棒材20を把持する際にその軸方向の棒材把持装置 10の移動量を少なくすることが可能となって、棒材20の把持作業が一層容易 とされる。なお、上記開口部184は、押圧面42と内壁面の一部178との間 の位置に設けられているため、開口部184の存在とは関係なく棒材20が確実 に把持される。
【0051】 図9は、更に他の実施例を示す図である。本実施例においては、押圧部材38 の先端の押圧面42は、ピン92の軸心すなわち把持される棒材20の軸方向と 平行な軸心を有する凹状の円筒面とされており、一方、受け部材は、押圧面42 に対向する内壁面の一部すなわち受け面186が平面状とされた半角筒状部材1 88が用いられている。すなわち、本実施例では前述の実施例とは押圧面42と 受け面186との形状が反対にされているが、円筒面とされた押圧面42が棒材 20の外周面に倣わされることにより、前述の実施例と同様に棒材20は回転工 具108の軸心と平行に把持されることとなる。
【0052】 図10に示す棒材把持装置10においては、押圧部材38の先端の押圧面42 の形状は図1乃至図3に示される実施例と同様であるが、受け部材としては角筒 状部材190が設けられている。この角筒状部材190は、一つの内壁面192 が長辺16と平行となるように溶接等によって板部材14と固着され、その板部 材14から離隔した角部のうちの一方に押圧部18が固着されている。上記内壁 面192に隣接し押圧部18から離隔した位置の内壁面194は、内壁面192 と略直角を成している。これら内壁面192および194は、その交線(すなわ ち、内壁面192および194をそれぞれ含む平面の交わりによって形成される 直線)がピン92の軸心と平行となり、押しネジ36の軸心と直交するように設 けられている。
【0053】 上記の角筒状部材190が設けられた棒材把持装置10においては、角筒状部 材190を棒材20に通し、押しネジ36を締め付けると、棒材20は内壁面1 92および194に押圧され、押圧面42とそれら内壁面192および194と の間で挟圧されて把持される。このとき、角筒状部材190はその軸方向全長に 亘って内壁面192,194が棒材20の外周面に接触させられることから、そ の棒材20の軸心と、その内壁面192,194の交線(ピン92の軸心すなわ ち回転工具108の軸心と平行な直線)とは平行にされる。すなわち、受け部材 および押圧部18がこのように構成されていても、棒材20は回転工具108の 軸心と平行に把持される。なお、本実施例においては、上記内壁面192および 194が受け面を構成する。
【0054】 図11に示す棒材把持装置10は、図1に示す実施例と略同様の構造とされて いるが、板部材14の端部に設けられたスプリングピン84,84の位置は異な るものとされ、図における左側のピン84がボルト76が螺合されるネジ穴74 に近い位置に、右側のピン84がネジ穴74から遠い位置に、それぞれ立設され ている。そのため、切断機100のグリップアーム114をボルト70とピン9 0との間で狭持して固定する固定操作位置Hにおいては、左側に位置するピン8 4が回動操作レバー26の接続部材64に当接する。そして、その固定操作位置 Hから図における右回りに回動させることにより、回動操作レバー26は解放操 作位置Rに位置させられ、右側に位置するピン84に接続部材64が当接させら れる。すなわち、回動操作レバー26を矢印に示されるHからRの範囲内で、図 1の場合とは反対の方向に回動させることにより、切断機100の固定および取 り外しが行われる。作業上好ましい場合等には、このように構成して固定操作位 置から解放操作位置への回動方向を反対にしても良い。
【0055】 以上、本考案の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本考案は更に別 の態様でも実施される。
【0056】 例えば、前述の実施例においては、棒材把持装置10と切断機100が別個に 備えられている棒材切断装置について説明したが、棒材把持装置10に、それに より把持される棒材20と平行な軸心を有する回転工具108が備えられた切断 機100等が一体的に設けられていても良い。このようにする場合は、棒材把持 装置10(すなわち、棒材切断装置)が比較的大きなものとなるが、棒材20を 把持した後に直ちに(切断機100を組み合わせる手間を要さず)棒材20を切 断することが可能である。
【0057】 また、前述の実施例においては、棒材把持装置10の回動操作レバー26は切 断機100のグリップアーム114が固定される一面24側に設けられていたが 、一面24とは反対側の面、すなわち、図2における下面に設けられていても良 い。
【0058】 また、押圧部18の押しネジ36は、スパナ等の工具で締め付けられるように 構成されていたが、例えば、手で容易に締め付け或いは緩ませることが可能なハ ンドル付きネジや蝶ネジ等が用いられていても良い。
【0059】 また、図8乃至図10にも示したように、受け部材(円筒状部材12等)およ び押圧部材38は、受け面(円筒状部材の内壁面の一部178等)或いは押圧面 42の何れか一方の面が、棒材20が押圧されることによってその外周面に倣わ されて、棒材20の軸方向が回転工具108の軸心と平行にされるように、その 軸心に平行な円筒面或いはその軸心と平行な交線を有する2平面から構成されて いれば、特に形状は問題とならない。例えば、受け面178等および押圧面42 の両方が円筒面等から構成されていても良い。
【0060】 また、実施例においては、垂直に立設された棒材20を切断する場合を説明し たが、斜め或いは水平に施工されている棒材20に対しても、勿論本考案は適用 される。なお、水平に施工されている棒材20の切断は、例えば実施例において 説明した卓上型切断装置を用いて行うことも可能ではあるが、その場合には卓上 型切断装置を据え付けるための台の用意が必要となって作業が煩雑になる場合が 多いのである。本考案の棒材把持装置10によればそのような台を用意する必要 はなく、作業が効率的に行われる。
【0061】 その他、一々例示はしないが、本考案はその主旨を逸脱しない範囲で種々変更 を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の棒材切断装置の棒材把持装置の一実施
例の構造を示す平面図である。
【図2】図1の棒材把持装置の正面図である。
【図3】図1の棒材把持装置の押圧部を図1の白抜き矢
印の方向から見た状態を示す図である。
【図4】図1の棒材把持装置と組み合わされて用いられ
る切断機の一実施例の構造を示す正面図である。
【図5】図4の切断機の左側面図である。
【図6】図1に示される棒材把持装置および図4に示さ
れる切断機の使用状態を説明する図である。
【図7】図6の棒材把持装置および切断機の使用状態に
おける平面図である。
【図8】棒材把持装置の他の例の要部を示す図であっ
て、図1の一部に対応する図である。
【図9】棒材把持装置の更に他の例の要部を示す図であ
って、図1の一部に対応する図である。
【図10】棒材把持装置の更に他の例の要部を示す図で
あって、図1の一部に対応する図である。
【図11】棒材把持装置の更に他の例を示す図であっ
て、図1に対応する図である。
【符号の説明】
10:棒材把持装置 12:円筒状部材(受け部材) 20:棒材(鉄筋) 38:押圧部材 42:押圧面 108:回転工具 178:内壁面の一部(受け面)

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒材と平行な軸心回りに回転駆動される
    回転工具により該棒材を直角に切断する棒材切断装置の
    棒材把持装置であって、 筒状を成して前記棒材が貫通させられると共にその内壁
    面の一部に該棒材を受ける受け面を備えた受け部材と、 該受け部材の一部を貫通することにより前記内壁面の内
    側に押圧面が位置させられた状態で設けられ、該押圧面
    において前記棒材を前記受け面に向かって押圧すること
    により、前記受け部材との間で該棒材を軸方向が前記回
    転工具の軸心に平行な状態で把持するための押圧部材と
    を、含むことを特徴とする棒材切断装置の棒材把持装
    置。
  2. 【請求項2】 前記棒材切断装置は、前記回転工具の軸
    心と平行な嵌合穴と、該軸心に平行な面に沿って第1端
    部の先端面から該嵌合穴に連通するように形成されたス
    リットとを有し、該軸心と平行な第1回動軸心回りに第
    2端部が回動可能に設けられた長手状の被固定部材を備
    えて、前記棒材把持装置に着脱可能に装着される切断機
    を含むものであり、 把持される前記棒材と平行に突設され、前記被固定部材
    に形成された嵌合穴と着脱可能に嵌め合わされる位置決
    めピンと、 該位置決めピンと嵌合された被固定部材の一面を受ける
    ための挟圧部材と、 前記位置決めピンと平行な第2回動軸心回りに回動可能
    に設けられ、該位置決めピンと嵌合された被固定部材の
    第1端部を前記挟圧部材との間で挟圧する固定操作位置
    と該第1端部を前記受け部材との間で挟圧しない解放操
    作位置との間で操作される回動操作レバーとを、更に含
    むものである請求項1の棒材切断装置の棒材把持装置。
  3. 【請求項3】 前記受け部材は、前記受け面が前記棒材
    の外径よりも大径の円筒状に形成されると共に、該受け
    面の軸心が前記回転工具の軸心と平行に設けられたもの
    である請求項1の棒材切断装置。
  4. 【請求項4】 前記受け部材は、前記筒状の周方向の一
    部が前記受け面と前記押圧面との間の位置において前記
    棒材の軸方向に貫通して切り欠かれることにより該棒材
    の外径よりも大きい幅に形成された開口部を備えたもの
    である請求項2の棒材切断装置。
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