JP3006934B2 - Stn型液晶表示素子用球状スペーサーおよびそれを用いたstn型液晶表示素子 - Google Patents

Stn型液晶表示素子用球状スペーサーおよびそれを用いたstn型液晶表示素子

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JP3006934B2
JP3006934B2 JP3245746A JP24574691A JP3006934B2 JP 3006934 B2 JP3006934 B2 JP 3006934B2 JP 3245746 A JP3245746 A JP 3245746A JP 24574691 A JP24574691 A JP 24574691A JP 3006934 B2 JP3006934 B2 JP 3006934B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はSTN(Super Twisted
Nematic)型液晶表示素子用球状スペーサーとそれを用
いたSTN型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のTN(ツイステッドネマチック)
モードの液晶表示素子の代表的な例を図1に示す。
【0003】この液晶表示素子は、一対の基板部材7お
よび9、その間隙(以下ギャップと呼ぶ)tを一定に保
持するためにギャップtに配設されたスペーサー8およ
びネマチック液晶11、ギャップtの周囲に充填された
シール部材10、および各基板部材7および9の表面に
それぞれ設けられた偏光シート12および13を有して
いる。
【0004】上記基板部材7および9は、ガラスからな
る透明基板1および4の片側面にITO(Indium-Tin-O
xide)膜などからなる透明電極2および5をパターン形
成すると共に、この透明電極2、5および透明基板1、
4の表面にポリイミド膜などの配向制御膜3、6を被覆
して構成されている。配向制御膜3、6はラビングによ
って配向制御処理が施される。
【0005】上記スペーサー8は、酸化アルミニウム、
酸化珪素のような無機質スペーサーあるいはベンゾグア
ナミン、ポリスチレン系ポリマーのような合成樹脂から
形成されている。例えば、無機質スペーサーは、特開昭
63−73225号公報、特開平1−59974号公報
などに開示されており、合成樹脂スペーサーは、特開昭
60−200228号公報、特開平1−293316号
公報などに開示されている。
【0006】このような構成の液晶表示素子は、通常以
下のようにして作製される。
【0007】上記一方の基板部材7の配向制御膜3の上
に、スペーサー8を散布し、他方の基板部材9の周縁部
にシール用の樹脂を印刷などで塗布する。次いで、一対
の基板部材7、9をその配向制御膜3、6が対向するよ
うに重ねると共に、加圧し、シール用樹脂を加熱硬化さ
せることによって一対の基板部材7、9を相互に固着さ
せる。次に、一対の基板部材7、9の間隙に、シール部
材10に設けた孔からネマチック液晶11を充填し、透
明基板1、4の外側面にそれぞれ偏光シート12、13
を配設する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、STN型液
晶表示素子用のスペーサーとして無機質球状スペーサー
を使用すると、ギャップtのバラツキは小さいが、低温
時に素子内に気泡が発生する。そして、低温時の気泡に
より液晶の配向に変調をきたし、表示画像の質を著しく
低下させる。この理由は、低温時には液晶11が収縮す
るのに対して、無機質球状スペーサー8は伸縮性が低い
ためギャップtの変化が微小であり、そのため素子内の
圧力が低下するためと考えられる。
【0009】一方、プラスチック球状スペーサーを使用
すると、スペーサー8は伸縮性が高いので低温時に液晶
11の収縮に伴ってギャップtが小さくなるため、上記
の気泡は発生しないが、このことが逆にギャップtのバ
ラツキを大きくする原因となる。
【0010】上記のように、無機質球状スペーサーおよ
びプラスチック球状スペーサーは両者とも、STN型液
晶用表示素子に用いた場合難点を有していた。
【0011】さらに、従来のTN型液晶表示素子におい
ては、色むらを生じないためのギャップtのバラツキの
許容範囲は±0.2〜±0.3μmである。しかし、最近多用
され初めているSTN型の液晶表示素子においては、液
晶分子の捩じれ角度を180°以上にすることで複屈折効
果を利用しているため、色むらを生じないためのギャッ
プtの許容範囲は±0.1μm以下と極端に厳しくなってい
る。このため、従来の液晶表示素子の組み立て技術で
は、低温時発泡を生じさせずにギャップtのバラツキを
小さくすることは非常に困難であった。
【0012】このような問題を解決するために、硬度の
異なる複数種類のスペーサーを混合して使用する方法
が、例えば、特開昭63−104022号公報、特開昭
64−91117号公報、特開平2−34820号公
報、特開平2−89026号公報などにおいて提案され
ている。
【0013】しかし、このような方法は、問題の解決に
当たってそれなりの効果はあるものの、スペーサーの分
散を2回以上に分けて行わざるを得ないなど、操作上の
繁雑さが付加され、工業的に実施することが困難であ
る。
【0014】本発明は上記の従来技術の問題点を一挙に
解決しようとするものであり、本発明の目的はギャップ
のバラツキを可能な限り小さくし、且つ低温時発泡が起
きないようにしたSTN型液晶表示素子用球状スペーサ
ーとそれを用いたSTN型液晶表示素子を提供すること
にある。本発明のさらに他の目的は、複数種類のスペー
サーを混合して使用する必要なく、操作が簡便で工業的
にも有利なSTN型球状スペーサーとそれを用いたST
N型液晶表示素子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のSTN型液晶表
示素子用球状スペーサーは、下式(A)で定義されるK
の値が750kgf/mm2〜1500kgf/mm2の範囲であ
り、且つ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%
の範囲であり、そのことにより上記目的が達成される。
【0016】
【数2】 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2
(A) ここで、F、Sはそれぞれ球状スペーサーの10%圧縮変
形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)であり、
Rは該スペーサーの半径(mm)である。
【0017】本発明のSTN型液晶表示素子は、上記ス
ペーサーを用いてなり、そのことにより上記目的が達成
される。
【0018】次に、上記したK値について説明する。
【0019】ラウンダウーリフシッツ理論物理学教程
「弾性理論」(東京図書1972年発行)42頁によれば、半
径がそれぞれR、R’の二つの弾性球体が所定の圧縮力
で接触するとき、hは次式により与えられる。
【0020】 h=F2/3[D2(1/R+1/R’)]1/3 …(1) D=(3/4)[(1−σ2)/E+(1−σ'2)/E’] …(2) ここに、hはR+R’と両球の中心間の距離の差、Fは
圧縮力、E、E’は二つの弾性球の弾性率、σ、σ'は
弾性球のポアッソン比を表す。
【0021】一方、球を剛体の板に置き換えて、かつ両
側から圧縮する場合、R’→∞、E》E’とすると、近
似的に次式が得られる。
【0022】 F=(21/2/3)(S3/2)(E・R1/2)(1−σ2) …(3) ここにSは圧縮変形量を表す。この式を変形すると容易
に次式が得られる。
【0023】 K=(3/21/2)・F・S-3/2・R-1/2 …(4) よって、K値を表す式:K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 …(5) が得られる。
【0024】このK値は球体の硬さを普遍的かつ定量的
に表すものである。このK値を用いることにより、スペ
ーサーの好適な硬さを定量的、かつ一義的に表すことが
可能となる。
【0025】そして、K値が750kgf/mm2〜1500kg
f/mm2の範囲内にあるスペーサーを用いることによ
り、STN型液晶表示素子を作製するときに、低温時発
泡を生じるようなことがなく、また加圧プレスにより両
基板間のギャップ出しを行う際に、ギャップコントロー
ルを容易に行うことができる。より好ましいK値は850
kgf/mm2〜1300kgf/mm2である。
【0026】K値が1500kgf/mm2を超えるスペーサ
ーを用いると、STN型液晶表示素子を作製する際に液
晶配向膜面に傷を付ける欠点があり、さらに、作製され
た液晶表示素子において、温度が低下した際に液晶の収
縮に対してスペーサーの圧縮変形が生じ難いため液晶セ
ル中に減圧に起因する気泡が発生する。K値が750kg
f/mm2を下回るスペーサーを用いた場合には、そのス
ペーサーが軟らかすぎるためにギャップコントロールが
困難となる。
【0027】ところで、STN型液晶表示素子に用いら
れるスペーサーの好適な硬さを規定するだけでは好適な
スペーサーの材料力学的な性質を完全に表現することは
できない。
【0028】もう一つの重要な性質はスペーサーの弾性
を示す値である圧縮変形後の回復率が所定範囲内にある
ことである。圧縮変形後の回復率を規定することによっ
て球状スペーサーの弾性ないし弾塑性を定量的に且つ一
義的に表すことが可能となるのである。本発明に使用す
るスペーサーにおいて、スペーサーの圧縮変形後の回復
率は、20℃において30%〜80%の範囲が好ましい。特に
好ましい圧縮変形後の回復率は40%〜70%の範囲であ
る。
【0029】回復率が80%を超えるスペーサーを用いる
と、液晶セル製造工程において加圧プレスによって両基
板間のギャップ出しを行った後除圧した際に、圧縮変形
したスペーサーは弾性回復し易いため、取り出された液
晶セルのギャップが乱れるという事態が発生するおそれ
がある。
【0030】回復率が30%を下回るスペーサーを用いる
と、加圧プレスにより両基板間のギャップ出しを行う際
に、局部的に圧力が過大に加わった場合、スペーサーが
圧縮変形された状態となるためその箇所でのギャップが
元に戻らない不都合を生じ、そのためにギャップむらを
生じるおそれがある。
【0031】本発明のスペーサーは上記K値および回復
率を満たすものであれば、無機質球状スペーサーあるい
は合成樹脂球状スペーサーをともに用いることができ
る。
【0032】上記K値および回復率を上記範囲内に容易
に調整することができる点で、特に好ましいものは無機
質と有機質とのハイブリッドからなるスペーサーであ
る。
【0033】例えば、無機質多孔性微粒子に重合性有機
モノマーを含浸させた後、このモノマーを重合して得ら
れる無機/有機ハイブリッド微粒子が挙げられる。ま
た、有機多孔性微粒子に金属アルコキシドを含浸させた
後、これを加水分解して金属酸化物を形成させるいわゆ
るゾルゲル法によって得られる有機/無機ハイブリッド
微粒子が挙げられる。
【0034】上記無機/有機ハイブリッド微粒子の調製
に用いられる、好ましい無機質多孔性微粒子としては、
酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウムなどの多孔性微粒子が挙げられる。その製造法に
ついては、特公平2−61406号公報、特開平3−6
5518号公報などにその例が開示されている。
【0035】重合性有機モノマーとしては、ジビニルベ
ンゼン、多官能アクリルエステル、ジアリルフタレー
ト、トリアリルイソシアヌレートなどの架橋性モノマー
が好適に用いられる。
【0036】上記有機/無機ハイブリッド微粒子の調製
に用いられる有機質多孔性微粒子としては、多孔性架橋
プラスチック微粒子が好適であり、その製造法について
は、特公昭58−45658号公報、特公昭61−28
099号公報、特公昭61−36919号公報、特公昭
63−59462号公報などにその例が開示されてい
る。
【0037】このような有機質多孔性微粒子の具体例と
しては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合
体、ジビニルベンゼン−多官能アクリル酸エステル共重
合体、ジアリルフタレート重合体、トリアリルシアヌレ
ート重合体、ベンゾグアナミン重合体などの架橋性ポリ
マーからなる多孔性微粒子が挙げられる。特に好ましい
材質は、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−
多官能アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレー
ト重合体の多孔性微粒子である。
【0038】金属アルコキシドとしては、アルミニウム
アルコキシド、シリルアルコキシド、チタニウムアルコ
キシド、ジルコニウムアルコキシドが好適に用いられ
る。具体的には、トリメチルアルミニウムアルコキシ
ド、トリエチルアルミニウムアルコキシド、トリイソプ
ロピルアルミニウムアルコキシド、トリ−n−プロピル
アルミニウムアルコキシド、トリイソブチルアルミニウ
ムアルコキシド、トリ−n−ブチルアルミニウムアルコ
キシド、トリ−n−ペンチルアルミニウムアルコキシ
ド、トリ−n−ヘプチルアルミニウムアルコキシド;ト
リメチルシリルアルコキシド、トリエチルシリルアルコ
キシド、トリイソプロピルシリルアルコキシド、トリ−
n−プロピルシリルアルコキシド、トリイソブチルシリ
ルアルコキシド、トリ−n−ブチルシリルアルコキシ
ド、トリ−n−ペンチルシリルアルコキシド、トリ−n
−ヘプチルシリルアルコキシド;トリメチルチタニウム
アルコキシド、トリエチルチタニウムアルコキシド、ト
リイソプロピルチタニウムアルコキシド、トリ−n−プ
ロピルチタニウムアルコキシド、トリイソブチルチタニ
ウムアルコキシド、トリ−n−ブチルチタニウムアルコ
キシド、トリ−n−ヘプチルチタニウムアルコキシド、
トリ−n−ヘキシルチタニウムアルコキシド;トリメチ
ルジルコニウムアルコキシド、トリエチルジルコニウム
アルコキシド、トリイソプロピルジルコニウムアルコキ
シド、トリ−n−プロピルジルコニウムアルコキシド、
トリイソブチルジルコニウムアルコキシド、トリ−n−
ブチルジルコニウムアルコキシド、トリ−n−ヘプチル
ジルコニウムアルコキシド、トリ−n−ヘキシルジルコ
ニウムアルコキシドなどが挙げられる。
【0039】本発明のスペーサーは着色されていてもよ
い。着色されたスペーサーの例は、例えば、特開昭57
−189117号公報、特開昭63−89890号公
報、特開平1−144021号公報、特開平1−144
429号公報などに開示されている。
【0040】着色された球状を用いる理由は次のとおり
である。
【0041】液晶表示素子において、透明電極間に電圧
を印加することにより、液晶は光学的変化を生じて画像
を形成する。これに対し、スペーサーはその印加によっ
て光学的変化を示さない。従って、画像を表示させた時
の暗部において、無着色のスペーサーは輝点として視認
されることがあり、その結果画像の表示コントラストを
低下させることがあるからである。
【0042】本発明の球状スペーサーは接着性を有して
いてもよい。接着性を有する球状スペーサーの例は、例
えば、実開昭51−22453号公報、特開昭63−4
4631号公報、特開昭63−94224号公報、特開
昭63−200126号公報、特開平1−247154
号公報、特開平1−247155号公報などに開示され
ている。
【0043】接着性を有する球状スペーサーを液晶表示
素子に用いる理由は、前述のような基板部材の間隙にお
いてスペーサーが移動して配向制御膜を傷つけるといっ
た不都合な現象を積極的に防止するためである。
【0044】本発明の球状スペーサーは導電性を有して
いてもよい。導電性を有する球状スペーサーの例は、例
えば、特開昭61−277104号公報、特開昭61−
277105号公報、特開昭63−190204号公報
などに開示されている。導電性を有する球状スペーサー
を用いる理由は、液晶表示素子の電極基板対の間の所定
箇所を電気的に接続するためである。
【0045】本発明の粒子径は、0.1μm〜100μmの範囲
が好ましく、さらに好ましくは0.5μm〜50μmの範囲で
あり、特に好ましくは1μm〜20μmの範囲である。
【0046】次に、K値ならびに圧縮変形後の回復率の
測定法について説明する。
【0047】(A)K値の測定方法及び条件 (i)測定方法 室温において、平滑表面を有する鋼板の上にスペーサー
を散布し、その中から1個のスペーサーを選ぶ。次に、
微小圧縮試験機(PCT-200型 島津製作所製)を用い
て、ダイヤモンド製の直径50μm の円柱の平滑な端面で
スペーサーを圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力とし
て電気的に検出し、圧縮変位を差動トランスによる変位
として電気的に検出する。
【0048】そして、図2に示すような圧縮変位−荷重
の関係が求められる。図2から、スペーサーの10%圧縮
変形における荷重値、圧縮変位がそれぞれ求められ、こ
れらの値と(5)式とから図3に示すようなK値と圧縮
歪との関係が求められる。
【0049】但し、圧縮歪は圧縮変位をスペーサーの粒
子径で割った値を%で表したものである。
【0050】(ii)圧縮速度 定負荷速度圧縮方式で行った。毎秒の0.27グラム重(gr
f)の割合で荷重が増加した。
【0051】(iii)試験荷重 最大10grfとした。
【0052】(B)圧縮変形後の回復率の測定方法及び条
件 (i)測定方法 室温において、平滑表面を有する鋼板の上にスペーサー
を散布し、その中から1個のスペーサーを選ぶ。次に、
微小圧縮試験機(PCT-200型 島津製作所製)を用い
て、ダイヤモンド製の直径50μm の円柱の平滑な端面で
スペーサーを圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力とし
て電気的に検出し、圧縮変位を差動トランスによる変位
として電気的に検出する。
【0053】そして、図4に示すように、スペーサーを
反転荷重値まで圧縮した後(図4中、曲線(a)で示
す)、逆に荷重を減らしていく(図4中、曲線(b)で
示す)。この際、荷重と圧縮変位との関係を測定する。
ただし、除荷重における終点は荷重値ゼロではなく、0.
1g以上の原点荷重値とする。回復率は反転の点までの変
位L1と反転の点から原点荷重値を取る点までの変位差
2の比(L2/L1)を%で表した値で定義する。
【0054】(ii)測定条件 反転荷重値 1grf 原点荷重値 0.1grf 負荷および除負荷における圧縮速度 0.27grf/sec 測定室温度 20℃ 本発明の液晶表示素子は、上記球状スペーサーを用いた
こと以外は、図1で示したものと同じ構成とすることが
できる。
【0055】
【作用】液晶表示素子用球状スペーサーが上式(A)で
定義されるKの値が750kgf/mm2〜1500kgf/mm2
の範囲であり、且つ圧縮変形後の回復率が20℃において
30%〜80%の範囲であることにより、スペーサーの硬さ
と弾性をSTN型液晶表示素子に好ましい範囲とするこ
とができ、従って、素子の基板部材間の間隙(ギャッ
プ)のバラツキを小さくし、かつ低温時発泡が起きない
STN型液晶表示素子を提供することができる。
【0056】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
【0057】実施例1 スチレン−ジビニルベンゼン共重合体よりなる平均粒子
径6.98μm、標準偏差0.25μmの多孔性プラスチック粒子
10gを入れた容器Aとテトラエトキシシラン1gを入れ
た容器Bとが連結され且つ真空ポンプにつながってい
る。容器Bをテトラエトキシシランの融点(-85℃)に
おいて-760mmHgで20分間脱気した後、室温に戻した。容
器Bの脱気は-760mmHgで室温で60分間行った。その後、
容器A、Bを真空状態のまま連結してテトラエトキシシ
ラン蒸気を容器Aに移し、多孔性プラスチック粒子をテ
トラエトキシシランで被覆した。
【0058】粒子を濾過分離後、50mlのメタノールで2
回洗浄した。次に、別の容器にテトラエトキシシラン含
有多孔性粒子と6N塩酸とを加え、冷却下超音波を照射
しつつ粒子の多孔構造内部に金属酸化物の縮合物を形成
させた。
【0059】このようにして得られた有機/無機ハイブ
リッドスペーサーの平均粒子径は7.03μm、標準偏差は
0.27μmであった。このスペーサーの圧縮試験を微小圧
縮試験機(島津製作所製)を用いて行った。その結果、
圧縮歪10%におけるK値は1150kgf/mm2であった。
また、反転荷重1grfの場合の圧縮変形後の回復率は58
%であった。
【0060】一方、厚さ0.7mmのガラス板上に低温スパ
ッタ法によって約500オングストロームの厚さの酸化イ
ンジウム−酸化スズ系の透明導電膜を形成した後、フォ
トリソグラフィーにより所定の電極パターンを形成し
た。次いで、この上に配向剤を塗布した後焼成して配向
制御膜を形成し配向処理を施した。次に、このものを5
cm×12.5cmの寸法に裁断して液晶表示素子用のガラス基
板を得た。
【0061】このガラス基板の周囲にスクリーン印刷に
よりガラスファイバースペーサーを混入させたエポキシ
接着剤を幅1mmで印刷した。
【0062】一枚のガラス基板を水平に配置した後、上
方から上記で得られたスペーサーを加圧窒素ガスにより
飛散させて、均一にガラス基板上に落下させた。ガラス
基板上におけるスペーサーの散布濃度が約100個/mm2
なるように散布時間を調製した。
【0063】別のもう1枚のガラス基板をスペーサーが
散布された上記ガラス基板上に重ね合わせた後、プレス
機により1kg重/cm2の荷重をガラス基板全体に均一に
かかるように加えた。同時に、このものを160℃の温度
で20分間加熱して周囲のエポキシ接着剤を硬化させた。
【0064】このようにして作成したセルの内部を吸引
して真空とした後、周辺のシール部の一部に設けた孔隙
部からSTN型液晶を内部へ注入した。このようにして
作成したSTN型液晶セルの上下基板間の間隙を液晶セ
ルギャップ測定装置(オーク製作所製TFM-120AFT型)で
測定した結果、ギャップ値は6.97±0.05μmの範囲であ
った。
【0065】この液晶セルの上下の両面に偏光シートを
当て、この液晶セルに当てた光の反射光の色調が黄緑色
を呈するように、偏光シートを貼付けた。この時、黄緑
色の背景色には全く色むらが認められなかった。このよ
うにして作成したSTN型液晶表示素子に電源を接続し
て点灯させた結果、良好な表示性能が得られた。
【0066】実施例2 酸化チタン(TiO2)からなる平均粒子径6.95μm、標
準偏差0.28μmの多孔性粒子10gを滴下ロートを備えた
容器の底に入れ、滴下ロートにはテトラメチロールメタ
ンテトラアクリレート1gとジビニルベンゼン1gと過
酸化ベンゾイル0.02gの混合液を入れた。容器を-760mm
Hgで30分間脱気した後、滴下ロートの栓を開けて上記モ
ノマー混合液をゆっくりと滴下し、酸化チタン多孔性微
粒子に含浸させた。
【0067】粒子を濾過分離後、この粒子を攪拌装置と
冷却管を備えた別の容器に移し、これに100mlの5%ポ
リビニルアルコール水溶液を加え良く攪拌して粒子を均
一に分散させた。このものを窒素気流下に300rpmで攪拌
しつつ85℃に12時間加熱して酸化チタン多孔性粒子に含
浸させた上記モノマーを完全に重合させた。得られた粒
子を熱水でよく洗浄してポリビニールアルコールを除去
した。
【0068】このようにして得られた無機/有機ハイブ
リッドスペーサーの平均粒子径は7.00μm、標準偏差は
0.30μmであった。
【0069】このスペーサーの圧縮歪10%におけるK値
は1250kgf/mm2であった。圧縮変形後の回収率は65
%であった。
【0070】このスペーサーを用いた以外は実施例1と
同様にして作成したSTN型液晶セルのギャップ値は、
6.95±0.07μmの範囲であった。
【0071】また、実施例1と同様にして偏光シートを
貼付けた状態で色むらは全く見られず、点灯状態での表
示状態も良好であった。
【0072】比較例1 ベンゾグアナミン重合体からなる平均粒子径6.98μm、
標準偏差0.25μmのスペーサーを用いた以外は実施例1
と同様にしてSTN型液晶表示素子を得た。
【0073】使用したスペーサーの圧縮歪10%における
K値は600kgf/mm2であった。スペーサーの圧縮変形
後の回復率は13%であった。
【0074】STN型液晶セルのギャップ値は6.92±0.
07μmの範囲であった。
【0075】また、実施例1と同様にして偏光シートを
貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態
での表示状態は不良であった。
【0076】比較例2 トリアリルイソシアヌレート30重量%およびジアリルフ
タレート70重量%を懸濁重合させた後、分級により平均
粒子径7.03μm、標準偏差0.26μmのスペーサーを得た。
このスペーサーの圧縮歪10%におけるK値は240kgf
/mm2であった。また、スペーサーの圧縮変形後の回復
率は12%であった。
【0077】このスペーサーを用いた以外は実施例1と
同様にして作成したSTN型液晶セルのギャップ値は6.
89±0.03μmの範囲であった。
【0078】また、実施例1と同様にして偏光シートを
貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態
での表示状態は不良であった。
【0079】比較例3 ポリスチレンからなる平均粒子径6.98μm、標準偏差0.2
5μmのスペーサーを用いた以外は実施例1と同様にして
STN型液晶表示素子を得た。
【0080】使用したスペーサーの圧縮歪10%における
K値は105kgf/mm2であった。スペーサーの圧縮変形
後の回復率は測定不能であった。
【0081】STN型液晶セルのギャップ値は6.75±0.
07μmの範囲であった。
【0082】また、実施例1と同様にして偏光シートを
貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態
での表示状態は不良であった。
【0083】比較例4 ベンゾグアナミン重合体からなる平均粒子径7.05μm、
標準偏差0.25μmのスペーサーを用いた以外は実施例1
と同様にしてSTN型液晶表示素子を得た。
【0084】使用したスペーサーの圧縮歪10%における
K値は620kgf/mm2であった。スペーサーの圧縮変形
後の回復率は13%であった。
【0085】STN型液晶セルのギャップ値は6.88±0.
05μmの範囲であった。
【0086】また、実施例1と同様にして偏光シートを
貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態
での表示状態は不良であった。
【0087】比較例5 二酸化ケイ素からなる平均粒子径7.01μm、標準偏差0.1
9μmのスペーサーを用いた以外は実施例1と同様にして
STN型液晶表示素子を得た。
【0088】使用したスペーサーの圧縮歪10%における
K値は5000kgf/mm2であった。スペーサーの圧縮変
形後の回復率は85%であった。
【0089】STN型液晶セルのギャップ値は6.99±0.
10μmの範囲であった。
【0090】また、実施例1と同様にして偏光シートを
貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態
での表示状態は不良であった。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、STN
型液晶表示素子のスペーサーとして好適な物性を有する
スペーサーを提供することができる。従って、無機質球
状スペーサーを用いた場合に見られるように、低温時発
泡を生じて液晶の配向特性の変調を誘起したり、表示画
像の質を低下させることがない。また、プラスチック球
状スペーサーを用いた場合に見られるように、液晶表示
素子の液晶層間隙の寸法の乱れを生じさせて表示画像の
鮮明度を低下させることもない。よって、本発明によれ
ば表示画像の欠陥がなく鮮明な画像が得られるSTN型
液晶表示素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な液晶表示素子を示す断面図である。
【図2】荷重とスペーサーの圧縮変位との関係を示すグ
ラフである。
【図3】K値とスペーサーの圧縮歪との関係を示すグラ
フである。
【図4】スペーサーの圧縮変形後の回復率の測定方法を
説明する図である。
【符号の説明】
1、4 透明基板 2、5 透明電極 3、6 配向制御膜 7、9 基板部材 8 スペーサー 10 シール部材 11 液晶 12、13 偏光シート

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(A)で定義されるKの値が20℃に
    おいて750kgf/mm2〜1500kgf/mm2の範囲であ
    り、かつ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%
    の範囲であるSTN型液晶表示素子用球状スペーサー。 【数1】 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2
    (A) ここで、F、Sはそれぞれ球状スペーサーの10%圧縮変
    形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)であり、
    Rは該スペーサーの半径(mm)である。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスペーサーを用いた、
    STN型液晶表示素子。
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