JP3006905B2 - キノン系化合物及びそれを用いた感光体 - Google Patents

キノン系化合物及びそれを用いた感光体

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JP3006905B2
JP3006905B2 JP3092277A JP9227791A JP3006905B2 JP 3006905 B2 JP3006905 B2 JP 3006905B2 JP 3092277 A JP3092277 A JP 3092277A JP 9227791 A JP9227791 A JP 9227791A JP 3006905 B2 JP3006905 B2 JP 3006905B2
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季之 深見
栄一 宮本
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三田工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光体における電荷輸
送材料として好適なキノン系化合物およびそれを用いた
感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機等の画像形成装置における
感光体として、加工性および経済性に優れ、機能設計の
自由度が大きい有機感光体が広く使用されている。ま
た、感光体を用いて複写画像を形成する場合には、カー
ルソンプロセスが広く利用されている。カールソンプロ
セスは、コロナ放電により感光体を均一に帯電させる帯
電工程と、帯電した感光体に原稿像を露光し、原稿像に
対応した静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像をト
ナーを含有する現像剤で現像し、トナー像を形成する現
像工程と、トナー像を紙等に転写する転写工程と、転写
されたトナー像を定着させる定着工程と、転写工程後、
感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程
とを含んでいる。このカールソンプロセスにおいて、高
品質の画像を形成するには、感光体が帯電特性および感
光特性に優れており、かつ露光後の残留電位が低いこと
が要求される。
【0003】従来より、セレンや硫化カドミウム等の無
機光導電体が感光体材料として公知であるが、これらは
毒性があり、しかも生産コストが高いという欠点があ
る。そこで、これらの無機物質に代えて、種々の有機物
質を用いた、いわゆる有機感光体が提案されている。か
かる有機感光体は、露光により電荷を発生する電荷発生
材料と、発生した電荷を輸送する機能を有する電荷輸送
材料とからなる感光層を有する。
【0004】かかる有機感光体に望まれる各種の条件を
満足させるためには、これらの電荷発生材料と電荷輸送
材料との選択を適切に行う必要がある。電荷輸送材料と
しては、種々の有機化合物が研究されており、ポリビニ
ルカルバゾール、オキサジアゾール系化合物、ピラゾリ
ン系化合物、ヒドラゾン系化合物等、多くの物質が提案
されている。これらの電荷輸送材料は、ホール輸送材料
であるため、現在有機感光体の主流となっている機能分
離型の感光体では、負帯電プロセスが要求される。しか
しながら、負極性コロナ放電は、本質的に不安定であ
り、且つオゾン発生による感光体の劣化、使用環境の汚
染等の問題があった。これらの問題を解決するために
は、電荷輸送材料として正帯電で動作する有機感光体を
採用すれば良く、電子輸送材料としては、例えば特開平
1−206349号公報に記載されている下記一般式(2
0)で表されるジフェノキノン構造を有する化合物が知ら
れている。この化合物は、非局在化したπ電子系を有す
る電子受容体であり、アニオンラジカル状態が関与する
電子移動反応により、電子を輸送することができる。
【0005】
【化3】
【0006】(式中、Ar1 、Ar2 、Ar3 、A
4 、Ar5 、Ar6 、Ar7 及びAr8 は、それぞれ
上記公報に記載された置換基R1 〜R8 を示す。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ジ
フェノキノン系化合物は、電子輸送能が十分ではないた
め、この化合物を用いて感光体を構成した場合、充分な
感度を有する感光体が得られないという問題があった。
本発明は、高い電子輸送能を有し、電荷輸送材料として
好適に使用できるキノン系化合物およびこれを用いた高
感度な感光体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明のキノ
ン系化合物は、下記一般式(1) :
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1 はハロゲン置換アルキル基を
示し、R2 およびR3 は同一または異なって、水素原
子、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アリール
基、アルケニル基、アルコキシ基、ニトロ基またはシア
ノ基を示し、k、lおよびmは同一または異なって、1
乃至4の整数を示し、nは1乃至5の整数を示す。)で
表されることを特徴としている。
【0011】また、上記の目的を達成するための本発明
の感光体は、導電性基体上に、上記一般式(1) で表され
るキノン系化合物を含有する感光層を有することを特徴
としている。かかる本発明のキノン系化合物は、上記n
の数に応じて、3〜7量体が存在し、従来電荷輸送材料
として用いられるジフェノキノン系化合物(2量体)に
比べて広い共役系を有していると共に、電子吸引性基で
あるハロゲン置換アルキル基を有しているので、高い電
子輸送能を示す。
【0012】また、このキノン系化合物としては、非対
称の構造を有するものが樹脂との相溶性が高いので、よ
り好ましい。前記アルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基等の炭素数1〜6の直鎖のまたは分岐した低級アル
キル基があげられる。
【0013】アルケニル基としては、ビニル基、アリル
基、クロチル基、2─ペンテニル基、3─ペンテニル
基、2─ヘキセニル基、1─メチルアリル基、1,1─
ジメチルアリル基等の、炭素数1〜6の直鎖のまたは分
岐したアルケニル基があげられる。アルコキシ基として
は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イ
ソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブ
トキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等のア
ルキル部分が炭素数1〜6の直鎖または分岐したアルコ
キシ基があげられる。
【0014】アリール基としては、例えばフェニル基、
ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナント
リル基があげられる。ハロゲン置換アルキル基として
は、例えば1または2以上のハロゲン原子が置換したメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基などがあげられ、ハロゲン原子としては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素があげられ、好ましくはフッ素
原子を使用するのがよい。特に、トリハロゲン化メチル
基のようにアルキル基の有する全ての水素原子がハロゲ
ン原子で置換されたものが、電子吸引性が高いので、こ
のキノン系化合物の電子輸送能を高める上から好まし
い。
【0015】また、nは、大きいほど共役系が広がり、
電子輸送能を向上させられるが、通常は1〜2であれば
よい。前記一般式(1) で表されるキノン系化合物の具体
例としては、例えば以下の式(11)〜(12)に示すものがあ
げられる。
【0016】
【化5】
【0017】本発明のキノン系化合物は、種々の方法で
合成することが可能であり、例えば上記式(11)で表され
るものは、下記反応式(I)により製造することができ
る。
【0018】
【化6】
【0019】この反応式(I)は、式(a) で表されるビ
フェニル系化合物と、式(b) で表されるハロゲン化物と
を、適当な溶媒中、無水塩化アルミニウム等の触媒の存
在下で反応させ、ハロゲン置換アルキル基(−CF3
を有する式(c) の中間体を得る。そして、この中間体
と、式(d) で表されるフェノール系化合物とを、酸化剤
(過マンガン酸カリウム)の存在下で反応させて、3量
体である式(11)の本発明化合物を得る。
【0020】また、4量体である式(12)の本発明化合物
は、下記反応式(II)に示すように、上記式(c) で表さ
れる中間体と、式(e) で表されるビフェニル系化合物と
を酸化剤の存在下で反応させることにより製造すること
ができる。
【0021】
【化7】
【0022】上記各反応に用いられる酸化剤としては、
例えば過マンガン酸カリウム、フェリシアン化カリウム
等を挙げることができる。また、上記酸化反応は、温度
50〜55℃で行われ、酸化剤の使用量は、中間体の1
モルに対して、4モル以上が適当である。さらに、上記
各反応に用いられる溶媒としては、クロロホルム、ジク
ロロメタン等が挙げられる。
【0023】本発明における感光層は、電荷輸送材料と
して、前記一般式(1) で表されるキノン系化合物の1種
または2種以上を含有する。本発明における感光層に
は、電荷発生材料、電荷輸送材料である前記一般式(1)
で表される化合物および結着樹脂を混合した単層型と、
電荷発生層および電荷輸送層を積層した積層型とがある
が、本発明の感光層はいずれにも適用可能である。
【0024】単層型の感光体を得るには、電荷輸送材料
である前記一般式(1) で表される化合物と電荷発生材料
と結着樹脂等とを含有する感光層を導電性基体上に形成
すればよい。また、積層型の感光体を得るには、導電性
基体上に、蒸着または、塗布等の手段により電荷発生材
料を含有する電荷発生層を形成し、この電荷発生層上
に、電荷輸送材料である前記一般式(1) で表される化合
物と結着樹脂とを含有する電荷輸送層を形成すればよ
い。また、上記とは逆に、導電性基体上に上記と同様の
電荷輸送層を形成し、次いで蒸着または塗布等の手段に
より電荷発生材料を含有する電荷発生層を形成してもよ
い。さらに、電荷発生層を電荷発生材料と電荷輸送材料
とを結着樹脂中に分散して塗布することにより形成して
もよい。
【0025】電荷発生材料としては、従来より使用され
ているセレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、アモル
ファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系化合物、ジスア
ゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、アンサンスロン
系化合物、ペリレン系化合物、インジゴ系化合物、トリ
フェニルメタン系化合物、スレン系化合物、トルイジン
系化合物、ピラゾリン系化合物、ペリレン系化合物、キ
ナクリドン系化合物、ピロロピロール系化合物等があげ
られる。これらの電荷発生材料は、所望の領域に吸収波
長域を有するように、1種または2種以上を混合して使
用することができる。
【0026】電荷輸送材料である前記一般式(1) で表さ
れるキノン系化合物は、単独で使用する他、従来公知の
他の電荷輸送材料と組み合わせて使用することができ
る。従来公知の電荷輸送材料としては、種々の電子吸引
性化合物、電子供与性化合物を用いることができる。上
記電子吸引性化合物としては、例えば、2,6−ジメチ
ル−2′,6′−ジtert−ジブチルジフェノキノン
等のジフェノキノン誘導体、マロノニトリル、チオピラ
ン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリ
ニトロチオキサントン、3,4,5,7−テトラニトロ
−9−フルオレノン、ジニトロベンゼン、ジニトロアン
トラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノ
ン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレ
イン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が例示される。
【0027】また、電子供与性化合物としては、2,5
−ジ(4−メチルアミノフェニル)、1,3,4−オキ
サジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4
−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル
系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系
化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン
化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化
合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾー
ル系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物が
例示される。
【0028】これらの電荷輸送材料は、1種または2種
以上混合して用いられる。なお、ポリビニルカルバゾー
ル等の成膜性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、
結着樹脂は必ずしも必要ではない。上記感光層、電荷発
生層および電荷輸送層における結着樹脂としては、種々
の樹脂を使用することができる。例えばスチレン系重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキド樹
脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹
脂、ケトン樹脂、ホリビニルブチラール樹脂、ポリエー
テル樹脂等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、そ
の他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシアクリレー
ト、ウレタン−アクリレート等の光硬化性樹脂等があげ
られる。これらの結着樹脂は1種または2種以上を混合
して用いることができる。
【0029】また、塗布手段により電荷発生層および電
荷輸送層を形成する場合には、塗布液をつくるために溶
剤が使用される。この溶剤としては、種々の有機溶剤が
使用可能で、例えばメタノール、エタノール、イソプロ
パノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサ
ン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸
メチル等のエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげら
れる。これらの溶剤は1種または2種以上を混合して用
いることができる。
【0030】また、電荷発生層の感度を向上させるため
に、例えばターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナ
フチレン等の公知の増感剤を上記電荷発生材料と共に使
用してもよい。さらに、電荷輸送材料や電荷発生材料の
分散性、染工性等をよくするために界面活性剤、レベリ
ング剤等を使用してもよい。
【0031】上記導電性基体としては、導電性を有する
種々の材料を使用することができ、例えばアルミニウ
ム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、ク
ロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、イ
ンジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金
属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨ
ウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆
されたガラス等が例示される。
【0032】導電性基体はシート状、ドラム状等のいず
れであってもよく、基体自体が導電性を有するか、ある
いは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導
電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有する
ものが好ましい。積層型感光体において、電荷発生層を
構成する電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の割合で使
用することができるが、結着樹脂100部(重量部、以
下同じ)に対して、電荷発生材料5〜500部、特に1
0〜250部の割合で用いるのが好ましい。また、電荷
発生層は、適宜の膜厚を有していてもよいが、0.01
〜5μm、特に0.1〜3μm程度に形成されるのが好
ましい。
【0033】電荷輸送層を構成する上記一般式(1) で表
されるキノン系化合物(電荷輸送材料)と前記結着樹脂
とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶化しない
範囲で、種々の割合で使用することができるが、光照射
により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるよう
に、結着樹脂100部に対して、上記一般式(1) で表さ
れるキノン系化合物を25〜200部、特に50〜15
0部の割合で用いるのが好ましい。また、電荷輸送層
は、2〜100μm、特に5〜30μm程度に形成され
るのが好ましい。
【0034】単層型の感光体においては、結着樹脂10
0部に対して電荷発生材料は2〜20部、特に3〜15
部、上記一般式(1) で表されるキノン系化合物(電荷輸
送材料)は40〜200部、特に50〜150部である
のが適当である。また、単層型の感光層の厚さは10〜
50μm、特に15〜30μm程度であるのが好まし
い。
【0035】単層型電子写真用感光体にあっては、上記
導電性基体と感光層との間に、また、積層型感光体にあ
っては、上記導電性基体と電荷発生層との間や、導電性
基体と電荷輸送層との間および電荷発生層と電荷輸送層
との間に、感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層が
形成されていてもよく、感光体の表面には、保護層が形
成されていてもよい。
【0036】上記電荷発生層および電荷輸送層を、塗布
の方法により形成する場合には、電荷発生材料等と結着
樹脂等を公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミ
ル、アトライタ、ペイントシェーカーあるいは超音波分
散器等を用いて分散混合して塗布液を調製し、これを公
知の手段により塗布、乾燥すればよい。なお、上述した
ように、電荷発生層は上記電荷発生材料を蒸着すること
により形成してもよい。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
詳細に説明する。実施例1 <前記式(11)で表されるキノン系化合物の合成>4−ヒ
ドロキシビフェニル34.0g(200mmol)とト
リフルオロクロロメタン26.0g(250mmol)
とを、クロロホルム65mlに溶解させ、無水塩化アル
ミニウム33.3g(250mmol)の存在下で反応
させて、3,5−ジ(トリフルオロメチル)─4─ヒド
ロキシビフェニルを得た。
【0038】次いで、3,5−ジ(トリフルオロメチ
ル)─4─ヒドロキシビフェニル31g(101mmo
l)と2,6─ジメチルフェノール12.2g(100
mmol)とを、過マンガン酸カリウム62.5g(4
00mmol)の存在下、55℃で2時間反応させ、反
応終了後、反応液の溶媒を留去した。そして、残渣を精
製した後、エタノールに溶解して、再結晶させ、褐色の
針状結晶である標記化合物を得た。
【0039】この結晶の融点は、278〜282℃であ
った。 元素分析値:C22142 6 として 計算値(%)C62.26 H3.33 実測値(%)C62.08 H3.45実施例2 <前記式(12)で表されるキノン系化合物の合成>2,6
─ジメチルフェノールに代えて、3,5─ジメチル─4
─ヒドロキシビフェニルを用いた他は、上記実施例1と
同様にして、褐色の針状結晶である標記化合物を得た。
【0040】また、この結晶の融点は330〜335℃
であった。 元素分析値:C26182 6 として 計算値(%)C67.19 H3.63 実測値(%)C67.33 H3.62実施例3〜4(積層型感光体) 電荷発生材料としてのメタルフリーフタロシアニン(H
2 Pc)250部、ポリビニルブチラール樹脂100
部、およびテトラヒドロフラン150部をペイントシェ
ーカーにて2時間分散させた。得られた分散液を、アル
マイト加工を施したアルミシリンダー上に、ワイヤーバ
ーを用いて塗工し、100℃で1時間乾燥し、0.3μ
mの電荷発生層を得た。
【0041】この電荷発生層上に、電荷輸送材料として
の実施例1(実施例3)または実施例2(実施例4)で
得られたキノン系化合物100部、ポリカーボネート樹
脂100部をトルエンに溶解した溶液をワイヤーバーに
て塗工し、100℃で1時間乾燥し、20μmの電荷輸
送層を形成し、積層型感光体を得た。比較例1〜2(積層型感光体) 電荷輸送材料として、下記式(21)で表される化合物(比
較例1)または式(22)で表される化合物(比較例2)を
100部用いた他は、上記実施例3と同様にして積層型
感光体を得た。
【0042】
【化8】
【0043】実施例5〜6(単層型感光体) メタルフリーフタロシアニン2部、ポリカーボネート樹
脂100部、テトラヒドロフラン500部、下記式(A)
で表される化合物50部、および電荷輸送材料としての
実施例1(実施例5)または実施例2(実施例6)で得
られたキノン系化合物50部からなる分散液を、アルマ
イト加工を施したアルミニウムシリンダ上に塗布し、乾
燥させて、膜厚が20μmの感光層を形成し、単層型感
光体を得た。
【0044】
【化9】
【0045】比較例3〜4(単層型感光体) 電荷輸送材料として、上記式(21)で表される化合物(比
較例1)または式(22)で表される化合物(比較例2)を
用いた他は、上記実施例5と同様にして単層型感光体を
得た。比較例5(単層型感光体) 上記式(A) で表される化合物50部および電荷輸送材料
としての実施例1で得られたキノン系化合物50部に代
えて、上記式(A) で表される化合物100部を用いた他
は、上記実施例5と同様にして単層型感光体を得た。
【0046】(評価試験)各実施例および比較例で得た
感光体を露光し、未露光部電位、露光部電位、および半
減露光量(E1/2 )をジェンテック社製、「シンシア3
0Mドラム感度試験機」にて測定した。光源には、キセ
ノンランプを用い、モノクロメータで780nm、10
μW/cm2 の光を取り出し、感光体に照射した。ま
た、表面電位は、(±)700V付近となるように流れ
込み電流値を調整し、各電位測定は、露光開始後3.3
秒後に測定開始した。
【0047】積層型感光体(実施例3〜4および比較例
1〜2)の試験結果を表1に、単層型感光体(実施例5
〜6および比較例3〜5)の試験結果を表2にそれぞれ
示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】これらの試験結果から、各実施例の感光体
は、各比較例の感光体に比べて、感度が優れていること
がわかる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、この発明のキノン系化合
物は電荷輸送能に優れている。従って、このキノン系化
合物を電荷輸送材料として使用することにより、高感度
な感光体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−206349(JP,A) 特開 昭48−75696(JP,A) 特開 平4−285670(JP,A) 特開 平4−285671(JP,A) 特開 平4−285672(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 49/693 C09B 57/00 G03G 5/06 376 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) : 【化1】 (式中、R1 はハロゲン置換アルキル基を示し、 R2 およびR3 は同一または異なって、水素原子、アル
    キル基、ハロゲン置換アルキル基、アリール基、アルケ
    ニル基、アルコキシ基、ニトロ基またはシアノ基を示
    し、 k、lおよびmは同一または異なって、1乃至4の整数
    を示し、 nは1乃至5の整数を示す。)で表されるキノン系化合
    物。
  2. 【請求項2】導電性基体上に、下記一般式(1) で表され
    るキノン系化合物を含有する感光層を有することを特徴
    とする感光体。 【化2】 (式中、R1 はハロゲン置換アルキル基を示し、 R2 およびR3 は同一または異なって、水素原子、アル
    キル基、ハロゲン置換アルキル基、アリール基、アルケ
    ニル基、アルコキシ基、ニトロ基またはシアノ基を示
    し、 k、lおよびmは同一または異なって、1乃至4の整数
    を示し、 nは1乃至5の整数を示す。)
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