JP3006511U - 架構据付型の油圧式クレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラント建設工事において、大型の車両クレ
ーンの使用頻度を少なくして工事費用を低減すると共
に、敷地を有効利用して作業能率を向上する。 【構成】 クレーンベース上５に旋回自在にコラム６を
設け、このコラム６にクレーンブーム７を起伏自在に枢
支し、パワーユニット１０を備えた架構取付用の支持部
９をクレーンベース５下部に設けてなる油圧式クレーン
１を架構４に据付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プラントの鉄骨架構等に据付けて使用される油圧式クレーンに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

架構の内外に各種の装置や配管を設置するプラントの建設工事においては、機 材の移動、据付作業のため、架構周辺にラフテレーンクレーン等の大型の車両ク レーンを多数常駐させていた。 例えば、図５及び図６ に示すように、中央にパイプラックＲが鉄骨架構とし て建設され、その中に幹線用パイプＰｍを配管すると共に、このパイプラックＲ の両側に所要の各種の装置Ｅ１・・・Ｅｉ・・・Ｅｎを配置し、パイプラックＲ 内の幹線用パイプＰｍから各装置Ｅ１・・・Ｅｉ・・・Ｅｎへ制御弁Ｖ１・・・ Ｖｉ・・・Ｖｎを介して接続パイプＰｃが配管されるようなプラントを建設する 場合には、建設現場に常時所定間隔で大型のラフテレーンクレーンＣを配置して 、パイプラックＲの組立、パイプラックＲ内への幹線用パイプＰｍの配管、装置 Ｅ１・・・Ｅｉ・・・Ｅｎの移動据付、各装置Ｅ１・・・Ｅｉ・・・Ｅｎへの接 続パイプＰｃの配管等のあらゆる作業に使用する。また、プラント完成後は大型 のラフテレーンクレーンＣが撤去されるため、メンテナンンス作業では軽量物の 移動には人力やチエンブロック等を用いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、建設工事の全期間に亘り多数の大型の車両クレーンを常駐させると、 クレーン使用料が嵩み、大型の車両クレーンのための地盤整備のための工事費用 も嵩み、大型の車両クレーンの設置及び移動のため、敷地内の作業スペース、資 材スペースが狭められる。また、大型の車両クレーン撤去後のメンテナンンス作 業では人力やチエンブロック等を用いるため労力が大で作業能率が悪いという問 題があった。

【０００４】 本考案は、プラントの建設工事におけるかかる問題を解決するものであって、 大型の車両クレーンの使用頻度を少なくして、クレーン使用料や地盤整備のため の工事費用を低減すると共に、敷地を有効利用して作業能率を向上することがで き、また、プラント完成後のメンテナンンス作業にも有効利用可能な架構据付型 の油圧式クレーンを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、クレーンベース上に旋回自在にコラムを設け、このコラムにクレー ンブームを起伏自在に枢支し、パワーユニットを備えた架構取付用の支持部を前 記クレーンベース下部に設けた架構据付型の油圧式クレーンを構成することによ り上記課題を解決している。

【０００６】 支持部は架構に据付けるため、外形を縦長の柱状構造とすることが好ましい。 また、支持部は、据付高さ調整用の支柱に接続することにより、作業に必要な吊 上げ高さを確保することができる。遠隔操作可能な制御装置を設けると、クレー ン操作と玉掛作業を一人で行うことができ、省力化される。

【０００７】

【作用】

架構の内外に各種の装置や配管を設置するプラントの建設工事では、大型の車 両クレーンを使用して架構や重量機材の移動、据付作業を行なうと共に、架構の 所要位置に架構据付型の油圧式クレーンを取付ける。軽量機材の移動、取付作業 や局部配管作業等には架構据付型の油圧式クレーンを利用することにより、大型 の車両クレーンの使用頻度は減少し、現場への常駐は不要となるので工事費用が 低減し、敷地が有効利用でき作業能率が向上する。

【０００８】 プラント完成後のメンテナンンス作業の際にも、架構に架構据付型の油圧式ク レーンを取付ければ、能率的作業が可能となる。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案の一実施例である架構据付型の油圧式クレーンの正面図、図２は 油圧式クレーンを架構へ据付けた状態を示す概略斜視図である。 ここで、油圧式クレーン１は、車両搭載型クレーンに使用されるのと同様な小 型のクレーンであり、柱２と梁３とで構成された架構４に据付けられている。こ の油圧式クレーン１は、クレーンベース５上に旋回自在にコラム６を設け、この コラム６にクレーンブーム７を枢支している。コラム６とクレーンブーム７との 間には、起伏シリンダ８が設けられており、クレーンブーム７は起伏自在になっ ている。このクレーンブーム７は伸縮シリンダ（図示略）を内蔵し伸縮可能にな っている。

【００１０】 クレーンベース５の下部には、架構取付用の支持部９が設けられている。この 支持部９は、電動モータ１１と電動モータ１１で駆動される油圧ポンプ１２と制 御盤１３と油タンク１４からなる油圧式クレーン作動用のパワーユニット１０を 備えており、円筒状の油タンク１４の側面に電動モータ１１と油圧ポンプ１２と 制御盤１３とを縦向きに取付けることにより、外形が縦長のコンパクトな柱状構 造となっている。

【００１１】 支持部９は、架構４の梁３上に立設された据付高さ調整用の支柱１５上に接続 されており、側面に固設した支持具１６がアジャスタ１７を介してボルト１８と ナット１９とで架構４の柱２に固定されている。 油圧式クレーン１は、軽量且つコンパクトであるので、架構４の任意の位置へ 運搬して支柱１５、アジャスタ１７、ボルト１８、ナット１９を用いて据付け、 取外しを容易に行うことができる。据付位置が変更されるので、制御盤１３には 無線受信機２０が設けられており、作業者の所持する無線送信機（図示略）から 送られる操作信号により遠隔操作可能になっている。よって、クレーン操作と玉 掛作業を一人で行うことができ、省力化される。

【００１２】 この実施例では無線による遠隔操作を行っているが、有線で操作するよう構成 してもよい。 図３及び図４は本考案の他の実施例である架構据付型の油圧式クレーンの正面 図である。図３の実施例は、支柱１５を長くして地上から立設するようにしたも のであり、油圧式クレーン１の据付高さは、支柱の継足しで調整される。図４の 実施例は、下端の支柱１５を曲柱とし、架構４の柱２の任意の高さにアジャスタ １７、ボルト１８、ナット１９を用いて据付けるように構成されている。その他 の部分の構成は図１の実施例と同様である。

【００１３】 架構４の内外に各種の装置や配管を設置するプラントの建設工事では、大型の 車両クレーンを使用して架構や重量機材の移動、据付作業を行なうと共に、架構 ４の所要位置に架構据付型の油圧式クレーン１を取付ける。軽量機材の移動、取 付作業や局部配管作業等には架構据付型の油圧式クレーン１を利用する。 従って、大型の車両クレーンの使用頻度は減少し、現場への常駐は不要となる ので工事費用が低減し、敷地が有効利用でき作業能率が向上する。

【００１４】 プラント完成後のメンテナンンス作業の際にも、架構４に架構据付型の油圧式 クレーン１を取付ければ、能率的作業が可能となる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の架構据付型の油圧式クレーンは、架構の任意の 位置に容易に据付けることができ、大型の車両クレーンの使用頻度を少なくして 、クレーン使用料や地盤整備のための工事費用を低減すると共に、敷地を有効利 用して作業能率を向上することができる。また、プラント完成後のメンテナンン ス作業にも有効利用可能でき作業能率を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例である架構据付型の油圧式クレ
ーンの正面図である。

【図２】油圧式クレーンを架構へ据付けた状態を示す概
略斜視図である。

【図３】本考案の他の実施例である架構据付型の油圧式
クレーンの正面図である。

【図４】本考案の他の実施例である架構据付型の油圧式
クレーンの正面図である。

【図５】従来の建設工事の際の大型の車両クレーンの配
置状態を示す平面図である。

【図６】架構の内外に各種の装置や配管を設置するプラ
ントの正面図である。

【符号の説明】

１ 油圧式クレーン ２ 柱 ３ 梁 ４ 架構 ５ クレーンベース ６ コラム ７ クレーンブーム ８ 起伏シリンダ ９ 支持部 １０ パワーユニット １１ 電動モータ １２ 油圧ポンプ １３ 制御盤 １４ 油タンク １５ 支柱 １６ 支持具 ２０ 無線受信機

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クレーンベース上に旋回自在にコラムを
   設け、該コラムにクレーンブームを起伏自在に枢支し、
   パワーユニットを備えた架構取付用の支持部を前記クレ
   ーンベース下部に設けてなる架構据付型の油圧式クレー
   ン。
2. 【請求項２】 支持部を外形が縦長の柱状構造としたこ
   とを特徴とする請求項１記載の架構据付型の油圧式クレ
   ーン。
3. 【請求項３】 支持部が据付高さ調整用の支柱に接続さ
   れることを特徴とする請求項１または請求項２記載の架
   構据付型の油圧式クレーン。
4. 【請求項４】 支持部に遠隔操作可能な制御装置を設け
   たことを特徴とする請求項１、請求項２、または請求項
   ３記載の架構据付型の油圧式クレーン。