JPS586677B2 - 大重量物用橋形クレ−ン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は大形工作機械の据付などに用いる高さおよび
スパンの変更調節可能な橋形クレーンに関する。

従来、工場建屋内に設けられたクレーンでは運搬不可能
な大形大重量のプレス機械などの重量物を建屋内に据付
ける場合は、仮設式の大重量物用橋形クレーンを建屋内
に組立てて用いるが、建屋や重量物の大きさ、据付作業
面積の制限などに応じて、スパンや高さの異なる橋形ク
レーンを毎度製作するのは不経済であるので、最近はス
パンや高さの調節が可能な橋形クレーンが使用されてい
る。

このうちクレーン高さを調節する構造としては、両端に
フランジ部を有する種々の長さの角柱を予め用意してお
いて、これを適宜選択して積重ね、フランジ部をボルト
結合して脚とする形式のものが一般に用いられているが
、この場合は脚の組立に手数を要するうえ、組立てた脚
あるいはこの脚にけた（ガーダ）を連結したものを吊上
げて直立させる作業が必要であるので、クレーンの組立
に多犬の時間と労力を要する。

またたとえば同一建屋内の異なる場所で使用する際に、
建屋のはりなどの関係でクレーンの高さのみを変更した
い場合にも、脚を構成する角柱を一部交換せねばならな
いのでその分解組立に多犬の時間と労力を要する。

この発明は上記従来の欠点を解消するもので、使用現場
におけるクレーンの組立、分解およびクレーン高さの調
節を極めて迅速かつ容易におこなえるとともにクレーン
の各部をコンパクトな形に分解あるいは折りたたみでき
る大重量物用橋形クレーンを提供しようとするものであ
る。

以下図面によってこの発明の−実施例を説明する。

図中、１はこの発明に係る大重量物用橋形クレーンであ
り、上下に伸縮自在な２個の脚体２，２を所定スパンを
へだてて対向して配置し、その上端部を、平行に配置し
た２個のガーダ３，３に着脱自在かつスパン調節自在に
連結して成る。

脚体２は長手力向に摺動自在に嵌合わせた角筒状の筒体
４ａ，４ｂ，４ｃから成るテレスコープ式の伸縮自在な
上部脚４と、走行装置５をそなえ上部脚４の基部に水平
軸６により回動自在に連結した下部脚７，７とから成る
。

８は上部脚の筒体４ａの上端部に固設した連結金具で、
その上面には連結板９，９をガーダ３を遊嵌する間隔で
突設してあり、一方ガーダ３には脚体２のスパン調節の
ため長手方向に直角な方向に所定間隔で多数個のビン穴
１０が穿設してあり、このうちの適宜の位置のビン穴１
０と連結板９に穿設したビン穴１１とに連結ビン１２を
挿通ずることにより、ガーダ３と脚体２は着脱自在に連
結されている。

１４は上部脚伸縮駆動用の多段式の油圧ジャッキでその
ピストンロツド１５は筒体４ａに、シリンダ１６は筒体
４ｃにそれぞれ連結されている。

一方下部脚７は略Ｌ字状の折曲形状を有し、２個の下部
脚γ，７は門形を形成できるよう向い合せて配置されて
いる。

１７は上部脚４に対して下部脚７を水平軸６のまわり回
動させる多段式の油圧ジャッキで、そのピストン田ンド
１８は筒体４ｃに、シリンダ１９は下部脚７の中間部に
連結されている。

下部脚７の水平軸６連結側と反対の端部には、キャタピ
ラ式の走行装置５が水平な軸線を有するビン２０．２１
により着脱自在かつ回動固定自在に連結されている。

２２は走行装置５の中央部に設けた支承部材で、その下
方には第３図に示すように油圧シリンダ２３が一体に突
設され、この油圧シリンダとプランジャ２４とでアウト
リガジャツキ２５を構成している。

２６はキャタピラ駆動輪２Ｔおよび従動輪２８を軸支す
るフレーム２９と一体にその中央部に固設した筒抜部で
、この筒状部の上端にはフランジ３０が形成され、この
フランジの上面は支承部材２２の円板状の受圧部３１の
下面に摺接している。

また筒状部２６の内周面には油圧シチンダ２３が遊嵌し
、フランジ３０の外周は受圧部３１に連設された外筒部
３２に遊嵌している。

この外筒部の内側に突設した水平軸３３にはフランジ３
０支承用のローラ３４が軸支されている。

３５は図示しないギヤやチエン等を介して筒状部２６を
鉛直軸のまわりに旋回させるブレーキ付きの駆動装置で
走行方向変更用のものである。

３６はキャタピラ駆動用の走行駆動装置で、チェンを介
してキャタピラ駆動輪２７に連結されている。

また４０はガーダ３，３上に敷設したレール４１上に載
置されたクラブユニット、４２はこのクラブユニットか
ら昇降自在に懸吊された揚重用のフック、４３はガーダ
３に増付けられエンジンを原動機としてそなえた油圧パ
ワユニットで、シリンダ１６，１９．２３等の油川機器
にホースにより接続されている。

次に上記構成の装置の動作について説明する。

（イ）クレーン高さの調節 クレーン高さの調節は油圧ジャッキ１４を駆動して上部
脚４を所望長さに伸縮しておこない、シリンダ１６への
油圧回路をロックして全高を一定に維持する。

上部脚４を最短寸法まで短縮後さらにクレーン全高を低
くしたい場合は、ビン２１を抜取って下部脚７をビン２
０のまわりに回動自在とし、下部脚回動用の油圧ジャッ
キ１７を短縮方向に、駆動して下部脚１，７を開脚させ
れば、第４図に示すようにクレーン全高を大巾に短縮で
きる。

この状態においては脚体２の水平方向外形寸法Ｘ，Ｙも
脚体最長時より小さくなる。

なお油圧ジャッキ１４．１７を油圧でロックしてクレー
ン高さを一定に維持するかわりに控え棒など機械的なロ
ック装置を併用してもよい。

（口）荷の上げ下げ クラブユニット４０を駆動してフツク４２を用いて荷の
上げ下げおよび横移動をおこなう。

脚体２は、第１図に示す最長状態のままで、あるいは建
屋の関係によっては上部脚４を適宜短縮した状態として
荷の上げ下げをおこなう。

なお走行装置５を後記（ハ）項の要領で鎖線５０で示す
ように９０度旋回させれば、第１図に示すように荷５１
を積載したトラック５２が門形を形成した下部脚７，７
の下をくぐって出入できるので、建屋の壁５３（第２図
）に寄せてプレス機械を設置する場合などに極めて便利
である。

（ハ）走行方向の変更 第３図において油圧シリンダ２３に圧油を供給し平常時
は引込状態にあるプランジャ２４を突出させれば、プラ
ンジャ先端部が接地した後支承部材２２が上昇し、クレ
ーン重量はアウトリガジャツキ２５により支えられる。

支承部材２２に設けたローラ３４は筒状部２６のフラン
ジ３０を引上げるのでフレーム２９およびそれに支持さ
れたキャタピラも地面より浮上る。

この状態で駆動装置３５を運転して筒状部２６およびこ
れと一体のフレーム２９およびキャタピラを油圧シリン
ダ２３のまわりに所望の方向迄旋回させ、その後プラン
ジャ２４を引込状態とすればキャタピラが接地し筒伏部
２６によりクレーン重量が支持され走行方向変更が完了
する。

（ニ）クレーンの走行 走行駆動装置３６を駆動して走行をおこなう。

搬入用トラックによる荷の到着位置と荷の地上への設置
位置とが離れていてクラブユニット４０の移動のみでは
移動距離が不足する場合等は、フツク４２により荷を吊
ったままクレーン１の走行をおこなえばよい。

また同一建屋内の別の場所でクレーン１を使用する場合
等は、クレーンを分解させることなく荷を吊っていない
状態で走行させて移動させればよい。

このとき建屋のはりなどの関係でクレーンの全高を下げ
たい場合は（イ）項の要領で全高を下げ、さらに（ハ）
項に示す走行方向の変更を適宜おこなうことにより所望
の場所へ所望の経路を経て自由にクレーンを移動するこ
とができる。

特に第２図および第４図において鎖線５０で示すように
走行装置５を９０度旋回させた状態にすればクレーンの
巾（水平方向外形寸法）Ｙが小さくなるので、クレーン
の走行通路の巾は小さくてよい。

（ホ）クレーンの分解および組立 脚体２を第４図に示す最短状態とし、ガイドワイヤの張
設等により走行装置５の倒れ止め処置を施したのち、油
圧配管を切放し、別涸のクレーンによってクラブユニッ
ト４０の除去、連結ビン１２抜取り後のガーダ３の上部
脚４からの取外し、およびビン２０抜増り後の走行装置
５と下部脚７との切放しを順次おこなう。

走行装置５を取外した脚体２はコンパクトであるため第
５図に示すようて治具５５，５６を連結してトレーラ輸
送することができ便利である。

クレーンの組立は上記と逆の順序でおこなえばよく、こ
の際ビン穴、１０の選択により所望のスパンを得ること
ができる。

なお上記実施例において、キャタピラ式の走行装置のか
わりにタイヤやレール上を走行する車輪などをそなえた
他の形式の走行袈置を用いてもよい。

また揚重装置としてはクラブユニットのかわりに横行台
車にチェンブロック式の揚重機を増付けたものや、ウイ
ンチと固定滑車を用いるものなど他の形式の揚重装置を
用いてもよい。

さらに上記実施例においては走行装置を旋回させる駆動
装置３５を設けたので走行方向の変更が容易であるが、
このかわりに手動で走行装置を旋回後位置ぎめビンで筒
状部２６を支承部材２２に固定する構造としたり、さら
に一足方向にのみ走行町能な固定式の走行装置としても
よい。

以上説明したように、本発明によれば使用現場における
クレーンの組立、分解およびクレーン高さの調節をきわ
めて迅速かつ容易におこなうことができる。

また脚体のスパンも簡単に変更できるので荷の大きさや
建屋内のクレーン通路に合せて最適スパンに組立てて使
用することができる。

また脚体はテレスコープ式の上部脚に略Ｌ字状の折曲形
状を有する下部脚を閂形に向い合せて枢着して成るので
、閉脚時に門形を形成する下部脚の下側を荷を積載した
トラックの通路として使用できるため荷の搬出人経路の
選択の自由度が大きく狭い作業面積においてプレス機械
等の設置をおこなうことができるうえ、脚体短縮時にお
けるクレーン全体および脚体単体の水平方向の外形寸法
が小さいのでクレーンの移動および脚体の輸送に極ぬて
好都合である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の二実施例を示す大重量物用僑形クレ
ーンの一部切欠下面図、第２図は同じく側面図、第３図
は第２図のＡ−Ａ線拡犬断面図、第４図は脚体を最も短
縮した状態を示す側面図、第５図は脚体輸送状態を示す
側面図である。 １……大重量物用橋形クレーン、２……脚体、３……ガ
ーダ、４……上部脚、５……走行装置、６……水平軸、
γ……下部脚、８……連結金具、９……連結板、１０…
…ビン穴、１１……ビン穴、１２……連結ビン、１４…
…油圧ジャッキ、１７……油圧ジャッキ、２０……ビン
、２１……ビン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 略Ｌ字状の折曲形状を有する下部脚２個を門形に向
   い合わせて配置し該下部脚の一端部を伸縮自在なテレス
   コープ式の上部脚の基部に水平軸のまわりに回動自在に
   連結し上記下部脚の他端部には走行装置を着脱自在に連
   結して成る脚体を、所定スパンをへだてて２個対向して
   配置し、ガーダに上記各脚体の上端部を着脱自在かつス
   パン調節自在に連結するとともに、上記上部脚の伸縮駆
   動装置と、上記下部脚の回動，駆動装置とをそなえたこ
   とを特徴とする大重量物甲僑形クレーン。