JP3006443B2 - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

可変容量型圧縮機

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JP3006443B2
JP3006443B2 JP6303939A JP30393994A JP3006443B2 JP 3006443 B2 JP3006443 B2 JP 3006443B2 JP 6303939 A JP6303939 A JP 6303939A JP 30393994 A JP30393994 A JP 30393994A JP 3006443 B2 JP3006443 B2 JP 3006443B2
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swash plate
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suction
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真広 川口
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/14Control
    • F04B27/16Control of pumps with stationary cylinders
    • F04B27/18Control of pumps with stationary cylinders by varying the relative positions of a swash plate and a cylinder block
    • F04B27/1804Controlled by crankcase pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B49/00Control, e.g. of pump delivery, or pump pressure of, or safety measures for, machines, pumps, or pumping installations, not otherwise provided for, or of interest apart from, groups F04B1/00 - F04B47/00
    • F04B49/22Control, e.g. of pump delivery, or pump pressure of, or safety measures for, machines, pumps, or pumping installations, not otherwise provided for, or of interest apart from, groups F04B1/00 - F04B47/00 by means of valves
    • F04B49/225Control, e.g. of pump delivery, or pump pressure of, or safety measures for, machines, pumps, or pumping installations, not otherwise provided for, or of interest apart from, groups F04B1/00 - F04B47/00 by means of valves with throttling valves or valves varying the pump inlet opening or the outlet opening

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダボア内にピス
トンを往復直線運動可能に収容し、斜板を収容するクラ
ンク室内の圧力と吸入圧とのピストンを介した差に応じ
て斜板の傾角を制御し、吐出圧領域の圧力をクランク室
に供給すると共に、放圧通路を介してクランク室の圧力
を吸入圧領域に放出してクランク室内の調圧を行なうク
ラッチレス可変容量型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平3−37378号公報に開示され
る可変容量型圧縮機では、外部駆動源と圧縮機の回転軸
との間の動力伝達の連結及び遮断を行なう電磁クラッチ
を使用していない。電磁クラッチを無くせば、特に車両
搭載形態ではそのON−OFFのショックによる体感フ
ィーリングの悪さの欠点を解消できると共に、圧縮機全
体の重量減、コスト減が可能となる。
【0003】このようなクラッチレス圧縮機では冷房不
要時の吐出容量の多少及び外部冷媒回路上の蒸発器にお
けるフロスト発生が問題になる。冷房不要の場合あるい
はフロスト発生のおそれがある場合には外部冷媒回路上
の冷媒循環を止めればよい。特開平3−37378号公
報の圧縮機では外部冷媒回路から吸入室への冷媒ガス流
入を止めることによって外部冷媒回路上の冷媒循環停止
を達成している。外部冷媒回路から吸入室への冷媒ガス
流入は電磁開閉弁の励消磁によって制御される。
【0004】外部冷媒回路から圧縮機内の吸入室への冷
媒ガス流入が止められると、吸入室の圧力が低下し、吸
入室の圧力に感応する容量制御弁が全開する。この全開
により吐出室の吐出冷媒ガスがクランク室へ流入し、ク
ランク室の圧力が上昇する。又、吸入室の圧力低下のた
めにシリンダボア内の吸入圧も低下する。そのため、ク
ランク室内の圧力とシリンダボア内の吸入圧との差が大
きくなり、斜板傾角が最小傾角へ移行して吐出容量が最
低となる。吐出容量が最低になれば圧縮機における負荷
トルクは最低となり、冷房不要時の動力損失が避けられ
る。
【0005】クランク室と吸入室とは流出孔を介して連
通している。外部冷媒回路から圧縮機内の吸入室への冷
媒ガス流入が止められた状態では、シリンダボアから吐
出室へ吐出された冷媒ガスは全開状態の容量制御弁を経
由してクランク室へ流入する。クランク室内の冷媒ガス
は流出孔を経由して吸入室へ流出し、吸入室へ流出した
冷媒ガスは吸入行程時にシリンダボア内へ吸入される。
即ち、外部冷媒回路から圧縮機内の吸入室への冷媒ガス
流入が止められた状態では、圧縮機内の冷媒ガスがシリ
ンダボア、吐出室、クランク室、吸入室、シリンダボア
の順に循環し、この循環冷媒ガスと共に流動する潤滑油
が圧縮機内を潤滑する。
【0006】外部冷媒回路から圧縮機内の吸入室への冷
媒ガス流入が再開されると、吸入室の圧力が上昇し、吸
入室の圧力に感応する容量制御弁が閉じる。この閉状態
への移行により吐出室からクランク室への冷媒ガス流入
が阻止され、クランク室の圧力が低下する。又、吸入室
の圧力上昇のためにシリンダボア内の吸入圧も上昇す
る。そのため、クランク室内の圧力とシリンダボア内の
吸入圧との差が小さくなり、斜板傾角が最大傾角側へ移
行する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最小の吐出容量をもた
らす斜板の最小傾角は動力消費低減のためにできるだけ
小さい方がよい。しかしながら、斜板の最小傾角の設定
には圧縮機内の潤滑の問題が関係してくる。
【0008】圧縮機から外部冷媒回路へ吐出された冷媒
は外部冷媒回路上の凝縮器、蒸発器で熱交換を行なって
圧縮機内へ還流する。圧縮機内の潤滑油は圧縮機外へ流
出する冷媒ガスと共に外部冷媒回路へ流出し、外部冷媒
回路へ流出した潤滑油は冷媒ガスと共に圧縮機内へ還流
する。ところが、外部冷媒回路へ流出した潤滑油を圧縮
機内へ還流させるためには外部冷媒回路における冷媒流
量が所定量以上必要である。冷媒流量は斜板傾角に依存
しており、斜板傾角が前記所定量の冷媒流量をもたらし
得ない場合には冷媒ガスのみが圧縮機内へ還流する。圧
縮機内の潤滑油は冷媒ガスと共に外部冷媒回路へ流出し
続けるため、外部冷媒回路から圧縮機内への潤滑油の還
流がなければ圧縮機内は潤滑不足に陥る。そのため、特
開平3−37378号公報の圧縮機における斜板の最小
傾角よりも少し大きい斜板傾角のときには冷媒流量が潤
滑油を還流するのに必要な流量に達していなければなら
ない。即ち、斜板の最小傾角は潤滑油の還流に必要な最
小限の傾角程度に設定しておかねばならない。
【0009】本発明は、可変容量型圧縮機内の潤滑不足
を回避しつつ動力消費を低減することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1の発
明では、斜板の最小傾角を規定する最小傾角規定手段
と、外部冷媒回路から吸入圧領域へ冷媒ガスを導入する
吸入通路における通過断面積を前記斜板の傾動に連動し
て絞る絞り体とを備えた可変容量型圧縮機を構成し、斜
板の傾角が最小傾角になる前から前記通過断面積を減ら
して行き、次いで前記通過断面積を一定に絞った状態を
継続してから斜板の傾角を最小傾角へ移行するようにし
た。
【0011】請求項2の発明では、斜板の最小傾角を規
定する最小傾角規定手段と、前記斜板の傾動に連動して
外部冷媒回路から吸入圧領域へ冷媒ガスを導入不能な位
置と導入可能な開位置とに切り換え移動される遮断体
と、外部冷媒回路から前記吸入圧領域へ冷媒ガスを導入
する吸入通路における通過断面積を前記遮断体の切換動
作に連動して絞る絞り体とを備えたクラッチレス可変容
量型圧縮機を構成し、斜板の傾角が最小傾角になる前か
ら前記通過断面積を減らして行き、次いで前記通過断面
積を一定に絞った状態を継続してから斜板の傾角を最小
傾角へ移行するようにした。
【0012】請求項3の発明では、前記絞り体の移動経
路の延長線上に吸入通路を形成した。請求項4の発明で
は、絞り体を前記遮断体の一部とし、絞り体を前記吸入
通路に入り込ませて吸入通路における通過断面積を絞る
ようにした。
【0013】請求項5の発明では、前記吸入通路を絞り
体の絞り周面によって絞り、絞り体の移動経路に対して
傾斜するテーパ周面と、前記移動経路に対して平行し、
かつ前記テーパ周面に連なるストレート周面とから前記
絞り周面を構成し、斜板傾角の減少に伴う絞り周面によ
る絞り作用がテーパ周面の絞り作用からストレート周面
の絞り作用へ移行するようにした。
【0014】請求項6の発明では、第1のテーパ周面
と、これに連なる第2のテーパ周面とから前記テーパ周
面を構成し、第2のテーパ周面の傾斜を第1のテーパ周
面の傾斜よりも小さくし、斜板傾角の減少に伴う絞り周
面による絞り作用が第1のテーパ周面の絞り作用から第
2のテーパ周面の絞り作用へ移行するようにした。
【0015】
【作用】請求項1の発明では、斜板の傾角が最小傾角に
向かっているとき、斜板の傾角が最小傾角になる前から
絞り体が吸入通路における通過断面積を絞り始め、この
通過断面積が斜板の傾角減少に伴って減少してゆく。そ
して、絞り体が前記通過断面積を一定に絞った状態を継
続した後、斜板が最小傾角になる。前記通過断面積を一
定に絞った状態では圧縮機から外部冷媒回路へ吐出され
る冷媒の流量が圧縮機内からの潤滑油の流出を伴わない
ように前記一定の絞り状態を設定すれば、潤滑油の還流
がない場合にも圧縮機内の潤滑油が流出することはな
い。従って、圧縮機内の潤滑不足は生じない。又、潤滑
油を還流できない冷媒流量に対応した傾角まで斜板の最
小傾角を小さくできるため、動力消費も低減する。
【0016】請求項2の発明では、斜板の傾角が最小傾
角に向かっているとき、斜板の傾動が遮断体に伝達され
る。この傾動伝達により遮断体が開位置から閉位置へ移
行する。斜板の傾角が最小傾角になる前に絞り体が前記
通過断面積を一定状態に絞る。そして、遮断体が開位置
から閉位置になったときに冷媒循環が阻止されると共
に、斜板の傾角が最小傾角となる。
【0017】請求項3の発明では、吸入通路が絞り体の
移動経路の延長線上にあるため、吸入通路における通過
断面積の絞り程度の適正設定が容易になる。請求項4の
発明では、絞り体と遮断体とが一体であり、遮断体の切
換動作と絞り体の絞り動作とを整合させ易い。
【0018】請求項5の発明では、斜板の傾角が最小傾
角に向かっているとき、テーパ周面が吸入通路の通過断
面積を徐々に減少してゆき、次いでストレート周面が吸
入通路の通過断面積を一定状態に絞った状態を継続す
る。従って、負荷トルクの変動は緩慢となる。
【0019】請求項6の発明では、斜板傾角が小さいと
きには第2のテーパ周面が吸入通路の通過断面積を徐々
に減少してゆく。第2のテーパ周面の傾斜は第1のテー
パ周面よりも小さくしてあるため、第2のテーパ周面の
絞りによる通過断面積の変化は第1のテーパ周面の絞り
による通過断面積の変化よりも緩慢である。従って、絞
り体が吸入通路を絞っているときの通過断面積の変化は
斜板傾角が小さい状態では緩慢となり、負荷トルクの変
動は緩慢である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体化した第1実施例を図1
〜図8に基づいて説明する。図1及び図4に示すように
シリンダブロック1の前端にはフロントハウジング2が
接合されている。シリンダブロック1の後端にはリヤハ
ウジング3がバルブプレート4、弁形成プレート5A,
5B及びリテーナ形成プレート6を介して接合固定され
ている。クランク室2-1を形成するフロントハウジング
2とシリンダブロック1との間には回転軸9が回転可能
に架設支持されている。回転軸9の前端はクランク室2
-1から外部へ突出しており、この突出端部にはプーリ1
0が止着されている。プーリ10はベルト11を介して
車両エンジンに作動連結されている。プーリ10はアン
ギュラベアリング7を介してフロントハウジング2に支
持されている。フロントハウジング2はプーリ10に作
用するスラスト方向の荷重及びラジアル方向の荷重の両
方をアンギュラベアリング7を介して受け止める。
【0021】回転軸9の前端部とフロントハウジング2
との間にはリップシール12が介在されている。リップ
シール12はクランク室2-1内の圧力洩れを防止する。
回転軸9には回転支持体8が止着されていると共に、斜
板15が回転軸9の軸線方向へスライド可能かつ傾動可
能に支持されている。図2に示すように斜板15には連
結片16,17が止着されている。連結片16,17に
は一対のガイドピン18,19が止着されている。ガイ
ドピン18,19の先端部にはガイド球18-1,19-1
が形成されている。回転支持体8には支持アーム8-1が
突設されており、支持アーム8-1には一対のガイド孔8
-2,8-3が形成されている。ガイド球18-1,19-1は
ガイド孔8-2,8-3にスライド可能に嵌入されている。
支持アーム8-1と一対のガイドピン18,19との連係
により斜板15が回転軸9の軸線方向へ傾動可能かつ回
転軸9と一体的に回転可能である。斜板15の傾動は、
ガイド孔8-2,8-3とガイド球18-1,19-1とのスラ
イドガイド関係、回転軸9のスライド支持作用により案
内される。斜板15の半径中心部がシリンダブロック1
側へ移動すると、斜板15の傾角が減少する。
【0022】回転支持体8と斜板15との間には傾角減
少ばね41が介在されている。傾角減少ばね41は斜板
15の傾角を減少する方向へ斜板15を付勢する。斜板
15の最大傾角は回転支持体8の傾角規制突部8-4と斜
板15との当接によって規制される。
【0023】シリンダブロック1の中心部には収容孔1
3が回転軸9の軸線L方向に貫設されており、収容孔1
3内には筒状の遮断体21がスライド可能に収容されて
いる。遮断体21は大径部21-1と小径部21-2とから
なり、大径部21-1と小径部21-2との段差と収容孔1
3の端面との間には吸入通路開放ばね24が介在されて
いる。吸入通路開放ばね24は遮断体21を斜板15側
へ付勢している。
【0024】遮断体21の筒内には回転軸9の後端部が
挿入されている。大径部21-1の内周面にはラジアルベ
アリング25が嵌入支持されている。ラジアルベアリン
グ25は大径部21-1の内周面に取りつけられたサーク
リップ14によって遮断体21の筒内からの抜けを阻止
されている。回転軸9の後端部はラジアルベアリング2
5及び遮断体21を介して収容孔13の周面で支持され
る。ラジアルベアリング25は回転軸9上をスライドで
きる。
【0025】リヤハウジング3の中心部には吸入通路2
6が形成されている。吸入通路26は遮断体21の移動
経路となる回転軸9の延長線上にある。図3及び図7に
示すように吸入通路26の断面形状は円形であり、吸入
通路26の断面円の中心は回転軸9の軸線L上にある。
吸入通路26は収容孔13に連通しており、収容孔13
側の吸入通路26の開口の周囲には位置決め面27が形
成されている。位置決め面27は弁形成プレート5A上
である。遮断体21の小径部21-2上の遮断面21-3は
位置決め面27に当接可能である。遮断面21-3が位置
決め面27に当接することにより遮断体21が斜板15
から離間する方向への移動を規制される。
【0026】小径部21-2の端部には絞り体20が一体
形成されている。図5及び図6に示すように絞り体20
の周面20-0は、先端側の第1のテーパ周面20-1と中
間の第2のテーパ周面20-2と基端側のストレート周面
20-3とからなっている。第2のテーパ周面20-2の傾
斜、即ち軸線Lに対するテーパ周面20-2の母線の傾き
は、第1のテーパ周面20-1の傾斜、即ち軸線Lに対す
るテーパ周面20-1の母線の傾きよりも小さくしてあ
る。ストレート周面20-3の母線は軸線Lに対して平行
である。第1のテーパ周面20-1、第2のテーパ周面2
0-2及びストレート周面20-3からなる絞り周面20-0
の断面円の中心は回転軸9の軸線L上にある。吸入通路
26は絞り体20の移動経路の延長線上にある。
【0027】ストレート周面20-3の径は吸入通路26
の断面円の径よりも僅かに小さくしてあり、図4及び図
6に示すように絞り体20は全て吸入通路26内に入り
込み可能である。絞り体20が吸入通路26内に完全に
入り込んだときには遮断面21-3が位置決め面27に当
接し、遮断面21-3が位置決め面27に当接したときに
は吸入通路26が完全に遮断される。絞り体20が吸入
通路26内に入り込んでいる状態では絞り体20の絞り
周面20-0と吸入通路26の周面との間には僅かな間隙
が生じる。
【0028】斜板15と遮断体21との間の回転軸9上
にはスラストベアリング28が回転軸9上をスライド可
能に支持されている。斜板15が遮断体21側へ移動す
るに伴い、斜板15の傾動がスラストベアリング28を
介して遮断体21に伝達する。この傾動伝達により遮断
体21が吸入通路開放ばね24のばね力に抗して位置決
め面27側へ移動し、遮断面21-3が位置決め面27に
当接する。斜板15の回転はスラストベアリング28の
存在によって遮断体21への伝達を阻止される。遮断体
21が回転すれば圧縮機における負荷トルクが増える。
特に、遮断体21の遮断面21-3が位置決め面27に当
接している状態では負荷トルクが大きい。スラストベア
リング28はこのような負荷トルクの増大を防止する。
【0029】シリンダブロック1に貫設されたシリンダ
ボア1-1内には片頭ピストン22が収容されている。斜
板15の回転運動はシュー23を介して片頭ピストン2
2の前後往復揺動に変換され、片頭ピストン22がシリ
ンダボア1-1内を前後動する。
【0030】図1及び図3に示すようにリヤハウジング
3内には吸入室3-1及び吐出室3-2が区画形成されてい
る。バルブプレート4上には吸入ポート4-1及び吐出ポ
ート4-2が形成されている。弁形成プレート5A上には
吸入弁5-1が形成されており、弁形成プレート5B上に
は吐出弁5-2が形成されている。吸入室3-1内の冷媒ガ
スは片頭ピストン22の復動動作により吸入ポート4-1
から吸入弁5-1を押し退けてシリンダボア1-1内へ流入
する。シリンダボア1-1内へ流入した冷媒ガスは片頭ピ
ストン22の往動動作により吐出ポート4-2から吐出弁
5-2を押し退けて吐出室3-2へ吐出される。吐出弁5-2
はリテーナ形成プレート6上のリテーナ6-1に当接して
開度規制される。
【0031】回転支持体8とフロントハウジング2との
間にはスラストベアリング29が介在されている。スラ
ストベアリング29はシリンダボア1-1から片頭ピスト
ン22、シュー23、斜板15、連結片16,17及び
ガイドピン18,19を介して回転支持体8に作用する
圧縮反力を受け止める。
【0032】吸入室3-1は通口4-3を介して収容孔13
に連通している。遮断面21-3が位置決め面27に当接
すると、通口4-3は吸入通路26から遮断される。回転
軸9内には通路30が形成されている。通路30の入口
30-1はリップシール12付近でクランク室2-1に開口
しており、通路30の出口30-2は遮断体21の筒内に
開口している。図1及び図5に示すように遮断体21の
周面には放圧通口21-4が貫設されている。放圧通口2
1-4は遮断体21の筒内と収容孔13とを連通してい
る。
【0033】図1に示すように吐出室3-2とクランク室
2-1とは圧力供給通路31で接続されている。圧力供給
通路31上には電磁開閉弁32が介在されている。電磁
開閉弁32のソレノイド33の励磁により弁体34が弁
孔32-1を閉鎖する。ソレノイド33が消磁すれば弁体
34が弁孔32-1を開く。即ち、電磁開閉弁32は吐出
室3-2とクランク室2-1とを接続する圧力供給通路31
を開閉する。
【0034】吸入室3-1へ冷媒ガスを導入する吸入通路
26と、吐出室3-2から冷媒ガスを排出する排出口1-2
とは外部冷媒回路35で接続されている。外部冷媒回路
35上には凝縮器36、膨張弁37及び蒸発器38が介
在されている。膨張弁37は蒸発器38の出口側のガス
温度の変動に応じて冷媒流量を制御する温度式自動膨張
弁である。蒸発器38の近傍には温度センサ39が設置
されている。温度センサ39は蒸発器38における温度
を検出し、この検出温度情報が制御コンピュータCに送
られる。
【0035】電磁開閉弁32のソレノイド33は制御コ
ンピュータCの励消磁制御を受ける。制御コンピュータ
Cは温度センサ39から得られる検出温度情報に基づい
てソレノイド33を励消磁制御する。制御コンピュータ
Cは空調装置作動スイッチ40のON状態のもとに検出
温度が設定温度以下になるとソレノイド33の消磁を指
令する。この設定温度以下の温度は蒸発器38において
フロストが発生しそうな状況を反映する。又、制御コン
ピュータCは空調装置作動スイッチ40のOFFによっ
てソレノイド33を消磁する。
【0036】図1及び図5の状態ではソレノイド33は
励磁状態にあり、圧力供給通路31は閉じられている。
従って、吐出室3-2からクランク室2-1への高圧冷媒ガ
スの供給は行われない。この状態ではクランク室2-1内
の冷媒ガスが通路30及び放圧通口21-4を介して吸入
室3-1に流出するばかりであり、クランク室2-1内の圧
力は吸入室3-1内の低圧力、即ち吸入圧に近づいてい
く。そのため、斜板15は傾角増大方向へ付勢される。
斜板15の傾角は最大傾角に保持され、吐出容量は最大
となる。クランク室2-1内の冷媒ガスはリップシール1
2付近の入口30-1を経由するため、この冷媒ガスと共
に流動する潤滑油がリップシール12と回転軸9との間
の潤滑及びシールを高める。
【0037】冷房負荷が小さくなった状態で斜板15が
最大傾角を維持して吐出作用が行われると、蒸発器38
における温度がフロスト発生をもたらす温度に近づくよ
うに低下してゆく。温度センサ39は蒸発器38におけ
る検出温度情報を制御コンピュータCに送っており、検
出温度が設定温度以下になると制御コンピュータCはソ
レノイド33の消磁を指令する。ソレノイド33が消磁
されると圧力供給通路31が開き、吐出室3-2とクラン
ク室2-1とが連通する。従って、吐出室3-2内の高圧冷
媒ガスが圧力供給通路31を介してクランク室2-1へ供
給され、クランク室2-1内の圧力が高くなる。クランク
室2-1内の圧力上昇により斜板15の傾角が最小傾角へ
移行する。
【0038】斜板15の傾角が最大傾角から減少してい
くに伴い、遮断体21が吸入通路開放ばね24を縮小変
形させながら回転軸9に沿って吸入通路26側へ移動す
る。そして、絞り体20が吸入通路26内に入り込んで
ゆく。絞り体20が吸入通路26内に完全に入り込んだ
ときには遮断面21-3が位置決め面27に当接し、遮断
面21-3が位置決め面27に当接したときには吸入通路
26が完全に遮断される。
【0039】又、空調装置作動スイッチ40のOFF信
号に基づく制御コンピュータCのソレノイド33の消磁
指令によっても、同様にして斜板15は最小傾角に移行
する。
【0040】図8のグラフの曲線Eは、斜板傾角最大状
態から斜板傾角最小状態、即ち吐出容量が最大から最小
の全範囲にわたる吸入通路26における通過断面積の変
化を表す。直線部分E1 は、絞り体20が吸入通路26
から離間した状態にあるときの吸入通路26の出口周縁
26-1で包囲された面積S0 を表す。即ち、このときの
絞り体20の先端周縁と吸入通路26の出口周縁26-1
との間の通過断面積は吸入通路26の本体の通過断面積
0 以上である。傾線部分E2 は、絞り体20が吸入通
路26から離間した状態にあるときの絞り体20の先端
周縁と吸入通路26の出口周縁26-1との間の通過断面
積を表す。傾線部分E3 は、第1のテーパ周面20-1が
吸入通路26に入り込んでいるときの通過断面積を表
す。傾線部分E4 は、第2のテーパ周面20-2が吸入通
路26に入り込んでいるときの通過断面積を表す。直線
部分E5 はストレート周面20-3が吸入通路26に入り
込んでいるときの通過断面積を表す。傾線部分E6 は、
遮断面21-3と出口周縁26-1との間の通過断面積を表
す。即ち、このときの遮断面21-3と出口周縁26-1と
の間の通過断面積は、ストレート周面20-3と出口周縁
26-1との間の通過断面積S1 以下である。
【0041】2つのテーパ周面20-1,20-2による通
過断面積変化は、吐出容量が小さいときの通過断面積の
変化割合の緩慢化をもたらす。この緩慢な通過断面積変
化による絞り作用が吸入通路26から吸入室3-1への冷
媒ガス流入量を徐々に減少させる。そのため、吸入室3
-1からシリンダボア1-1内へ吸入される冷媒ガス量も徐
々に減少してゆき、吐出容量が徐々に減少してゆく。従
って、吐出圧が徐々に減少してゆき、圧縮機における負
荷トルクが短時間で大きく変動することはない。その結
果、最大吐出容量から最小吐出容量に到る間のクラッチ
レス圧縮機における負荷トルクの変動が緩慢になり、負
荷トルクの変動による衝撃が緩和される。
【0042】図4及び図6に示すように遮断体21の遮
断面21-3が位置決め面27に当接すると、吸入通路2
6における通過断面積が零となり、外部冷媒回路35か
ら吸入室3-1への冷媒ガス流入が阻止される。外部冷媒
回路35から吸入室3-1への冷媒ガス流入が阻止されれ
ば、外部冷媒回路35における冷媒循環がなくなる。吸
入通路26における通過断面積が零になると斜板15の
傾角が最小となる。従って、斜板15の最小傾角は遮断
体21の遮断面21-3と位置決め面27との当接によっ
て規制される。即ち、位置決め面27、遮断体21及び
スラストベアリング28が最小傾角規定手段を構成す
る。
【0043】斜板15の傾角が最大傾角と最小傾角との
間の中間傾角から絞り体20が吸入通路26における通
過断面積を絞り始め、この通過断面積が斜板15の傾角
減少に伴って減少してゆく。そして、ストレート周面2
0-3が吸入通路26内に入り始めると、吸入通路26に
おける通過断面積を一定に絞った状態が継続する。絞り
体20が吸入通路26における通過断面積を一定値S1
に絞った状態を継続した後、斜板15が最小傾角にな
る。
【0044】斜板15の最小傾角は0°よりも僅かに大
きい。この最小傾角状態は遮断体21が吸入通路26と
収容孔13との連通を遮断する閉位置に配置されたとき
にもたらされる。遮断体21は前記閉位置とこの位置か
ら離間した開位置とへ斜板15に連動して切り換え配置
される。
【0045】斜板15の最小傾角は0°ではないため、
斜板傾角が最小の状態においてもシリンダボア1-1から
吐出室3-2への吐出は行われている。シリンダボア1-1
から吐出室3-2へ吐出された冷媒ガスは圧力供給通路3
1を通ってクランク室2-1へ流入する。クランク室2-1
内の冷媒ガスは通路30及び放圧通口21-4という放圧
通路を通って吸入室3-1へ流入し、吸入室3-1内の冷媒
ガスはシリンダボア1-1内へ吸入されて吐出室3-2へ吐
出される。即ち、斜板傾角が最小状態では、吐出圧領域
である吐出室3-2、圧力供給通路31、クランク室2-
1、通路30、放圧通口21-4、吸入圧領域である吸入
室3-1、シリンダボア1-1を経由する循環通路が圧縮機
内にできており、吐出室3-2、クランク室2-1及び吸入
室3-1の間では圧力差が生じている。従って、冷媒ガス
が前記循環通路を循環し、冷媒ガスと共に流動する潤滑
油が圧縮機内を潤滑する。
【0046】図6の状態から冷房負荷が増大した場合、
この冷房負荷の増大が蒸発器38における温度上昇とし
て表れ、蒸発器38における検出温度が前記設定温度を
越える。制御コンピュータCはこの検出温度変移に基づ
いてソレノイド33の励磁を指令する。ソレノイド33
の励磁により圧力供給通路31が閉じ、クランク室2-1
の圧力が通路30及び放圧通口21-4を介した放圧に基
づいて減圧してゆく。この減圧により遮断体21の遮断
面21-3が位置決め面27から離間する。この離間に伴
い、吸入通路26における通過断面積が緩慢に増大して
ゆき、吸入通路26から吸入室3-1への冷媒ガス流入量
は徐々に増えていく。従って、吸入室3-1からシリンダ
ボア1-1内へ吸入される冷媒ガス量も徐々に増大してゆ
き、吐出容量が徐々に増大してゆく。そのため、吐出圧
が徐々に増大してゆき、圧縮機における負荷トルクが短
時間で大きく変動することはない。その結果、最小吐出
容量から最大吐出容量に到る間のクラッチレス圧縮機に
おける負荷トルクの変動が緩慢になり、負荷トルクの変
動による衝撃が緩和される。
【0047】圧縮機内の潤滑油は圧縮機外へ流出する冷
媒ガスと共に外部冷媒回路35へ流出し、外部冷媒回路
35へ流出した潤滑油は冷媒ガスと共に圧縮機内へ還流
する。外部冷媒回路35へ流出した潤滑油を圧縮機内へ
還流させるためには外部冷媒回路35における冷媒流量
が所定量以上必要である。冷媒流量は斜板15の傾角に
依存しており、斜板15の傾角が前記所定量の冷媒流量
をもたらし得ない場合には冷媒ガスのみが圧縮機内へ還
流する。圧縮機内の潤滑油は冷媒ガスと共に外部冷媒回
路35へ流出し続けるため、外部冷媒回路35から圧縮
機内への潤滑油の還流がなければ圧縮機内は潤滑不足に
陥る。外部冷媒回路35における冷媒循環を阻止してい
る状態では冷媒ガスも圧縮機内へ還流せず、かつ圧縮機
内の冷媒ガスが圧縮機内を循環するため、圧縮機内の潤
滑油が圧縮機外へ流出してしまうことはない。しかし、
外部冷媒回路35における冷媒循環を阻止していない状
態における冷媒流量が潤滑油を還流するのに必要な流量
に達していない場合には圧縮機内の潤滑不足が起きる。
【0048】圧縮機から外部冷媒回路35へ吐出される
冷媒ガスの流量が或る量以下であれば圧縮機内の潤滑油
が冷媒ガスと共に外部冷媒回路35へ流出することはな
い。又、外部冷媒回路35における冷媒流量が或る量以
下になると外部冷媒回路35から圧縮機内への潤滑油の
還流がなくなり、冷媒ガスのみが圧縮機内へ還流する。
冷媒流量が少ない場合には吐出作用の方が吸入作用より
も潤滑油を流動させ易い。従って、外部冷媒回路35に
おける冷媒流量が潤滑油を還流し得ない流量であるにも
関わらず、圧縮機内の潤滑油を外部冷媒回路35へ流出
させてしまう状態がある。
【0049】本実施例では、吸入通路26における通過
断面積を一定値S1 に絞った状態では圧縮機から外部冷
媒回路35へ吐出される冷媒流量が圧縮機内からの潤滑
油の流出を伴わないように前記一定値S1 が設定されて
いる。通過断面積を一定値S 1 に絞り始めるときの斜板
15の傾角状態は絞り体20による絞り作用のない状態
では圧縮機内の潤滑油を外部冷媒回路35へ流出させる
冷媒流量をもたらす。しかし、通過断面積を一定値S1
に絞った状態は圧縮機内の潤滑油を外部冷媒回路35へ
流出させない冷媒流量をもたらす。従って、潤滑油の還
流がない場合にも圧縮機内の潤滑油が流出することはな
く、圧縮機内の潤滑不足は生じない。又、潤滑油を還流
できない冷媒流量に対応した傾角まで斜板の最小傾角を
小さくできるため、動力消費も低減する。
【0050】車両エンジンが停止すれば圧縮機の運転も
停止し、電磁開閉弁32が消磁される。電磁開閉弁32
の消磁により斜板15の傾角は最小傾角となる。圧縮機
の運転停止状態が続けば圧縮機内の圧力が均一化する
が、斜板15の傾角は傾角減少ばね41のばね力によっ
て最小傾角に保持される。従って、車両エンジンの起動
によって圧縮機の運転が開始されると、斜板15は負荷
トルクの最も少ない最小傾角状態から回転開始し、圧縮
機の起動時のショックも殆どない。
【0051】本実施例では、外部冷媒回路35から吸入
圧領域となる吸入室3-1へ冷媒ガスを導入不能な閉位置
と導入可能な開位置とに切り換えられる遮断体21を斜
板15の傾動に連動させて冷媒循環阻止を行なってい
る。このような冷媒循環阻止構成の採用により斜板15
の最大傾角と最小傾角との間の切換における負荷トルク
変動の抑制効果が非常に高くなる。圧力供給通路31の
開閉は冷房負荷の増減状況によっては頻繁に繰り返され
ることになるが、本実施例の冷媒循環阻止構成のトルク
変動抑制効果の高さ故にON−OFFショックがない。
【0052】回転軸9の延長線上に形成された吸入通路
26の出口は回転軸9に沿って移動する遮断体21によ
って遮断されるが、この遮断のための押し付け力は斜板
15の傾角を減少する方向へ付勢する力から得られる。
このような遮断構成は位置決め面27と遮断体21の遮
断面21-3との間のシールを確実にする。
【0053】この実施例では、ストレート周面20-3の
径と吸入通路26の径との大小関係は吸入通路26にお
ける通過断面積の適正設定を左右するが、両径の大小関
係の適正設定は容易である。又、絞り体20が遮断体2
1の半径中心部に一体形成されており、吸入通路26は
絞り体20の移動経路の延長線上にある。ストレート周
面20-3の径は吸入通路26の径よりも小さい。そのた
め、遮断体21の軸線と吸入通路26の軸線とが多少ず
れているような場合にも、遮断体21の切換動作に一体
連動する絞り体20は吸入通路26に対して円滑に出没
する。従って、吸入通路26における通過断面積は適正
に絞られる。
【0054】絞り体20と遮断体21とが一体であるた
め、遮断体21の切換動作と絞り体20の絞り動作との
整合性は絞り体20の長さ設定如何による。絞り体20
の長さ設定は容易であり、遮断体21の切換動作と絞り
体20の絞り動作とは整合させ易い。
【0055】次に、図9及び図10の実施例を説明す
る。第1実施例と同じ構成の部材には同一符号を付し、
その詳細説明は省略する。この実施例ではリヤハウジン
グ3に容量制御弁43が取りつけられている。クランク
室2-1内の圧力は容量制御弁43により制御される。容
量制御弁43を構成するバルブハウジング44には吐出
圧導入ポート44-1、吸入圧導入ポート44-2、放圧ポ
ート44-3が設けられている。吐出圧導入ポート44-1
は通路45を介して吐出室3-2に連通している。吸入圧
導入ポート44-2は吸入圧導入通路46を介して吸入通
路26に連通しており、放圧ポート44-3は通路47を
介してクランク室2-1に連通している。
【0056】吸入圧導入ポート44-2に通じる吸入圧検
出室49の圧力はダイヤフラム50を介して調整ばね5
1に対抗する。調整ばね51のばね力はダイヤフラム5
0及びロッド52を介して弁体53に伝達する。弁体5
3には復帰ばね54のばね力が作用している。弁体53
に対する復帰ばね54のばね作用方向は弁孔44-4を閉
じる方向であり、復帰ばね54のばね作用を受ける弁体
53は吸入圧検出室49内の吸入圧の変動に応じて弁孔
44-4を開閉する。
【0057】ソレノイド33が励磁して圧力供給通路3
1が閉じているとき、吸入圧が高い(冷房負荷が大き
い)場合には弁体53が閉じ、吐出室3-2から通路4
5、容量制御弁43、通路47を経由する圧力供給通路
が閉じられる。クランク室2-1の冷媒ガスは通路30、
放圧通口21-4を経由して吸入室3-1へ流出しているた
め、クランク室2-1内の圧力が低下する。又、シリンダ
ボア1-1内の吸入圧も高いため、クランク室2-1内の圧
力とシリンダボア1-1内の吸入圧との差が小さくなる。
そのため、図9に示すように斜板傾角が大きくなる。
【0058】逆に、吸入圧が低い(冷房負荷が小さい)
場合には弁体53の弁開度が大きくなり、吐出室3-2か
らクランク室2-1へ流入する冷媒ガス量が多くなる。そ
のため、クランク室2-1内の圧力が上昇する。又、シリ
ンダボア1-1内の吸入圧が低いため、クランク室2-1内
の圧力とシリンダボア1-1内の吸入圧との差が大きくな
る。そのため、斜板傾角が小さくなる。
【0059】吸入圧が非常に低い(冷房負荷がない)状
態になれば図10に示すように弁体53の弁開度が大き
くなる。そのため、クランク室2-1内が昇圧し、斜板1
5の傾角は最小傾角側へ移行する。又、ソレノイド33
が消磁すると圧力供給通路31が開く。ソレノイド33
が励磁すると、圧力供給通路31が遮断される。
【0060】即ち、この実施例では斜板傾角は冷房負荷
に応じて連続的に可変制御される。そして、制御コンピ
ュータCは空調装置作動スイッチ40のON−OFF信
号に基づいて電磁開閉弁32を励消磁制御する。
【0061】この実施例では遮断体21に突設された絞
り体42の絞り周面42-0がテーパ周面42-1とストレ
ート周面42-3とからなる。テーパ周面42-1は斜板1
5の中間傾角の状態から吸入通路26における通過断面
積を減らして行き、ストレート周面42-2は通過断面積
を一定値S1 に絞った状態を継続させる。
【0062】この実施例においても、潤滑油の還流がな
い場合にも圧縮機内の潤滑油が流出することはなく、圧
縮機内の潤滑不足は生じない。又、潤滑油を還流できな
い冷媒流量に対応した傾角まで斜板の最小傾角を小さく
できるため、動力消費も低減する。次に、図11〜図1
3の実施例を説明する。第1実施例と同じ構成の部材に
は同一符号を付し、その詳細説明は省略する。この実施
例では遮断体21に筒状の絞り体57が一体形成されて
いる。絞り体57の外周面の径は吸入通路26の径より
も僅かに小さくしてあり、絞り体57は吸入通路26内
に常に入り込んでいる。図13に示すように絞り体57
の周面にはスリット57-1が切り込み形成されている。
スリット57-1は絞り体の中間位置から先端にかけて拡
開している。スリット57-1の一部が吸入通路26から
はみ出し状態にあって斜板15の傾角が変化していると
きには吸入通路26における通過断面積は徐々に変化す
る。スリット57-1が全て吸入通路26に入り込んでい
る状態では、吸入通路26における通過断面積は、絞り
体57の基端側のストレート周面57-2と吸入通路26
の内周面との間の通過断面積になる。この通過断面積は
第1実施例と同様に一定値S1 となる。スリット57-1
は吸入通路26における通過断面積を徐々に増減し、ス
トレート周面57-2は通過断面積を一定値S1 に絞った
状態を継続させる。ストレート周面57-2が吸入通路2
6に全て入り込んだ状態では遮断面21-3が位置決め面
27に当接する。
【0063】この実施例においても、潤滑油の還流がな
い場合にも圧縮機内の潤滑油が流出することはなく、圧
縮機内の潤滑不足は生じない。又、潤滑油を還流できな
い冷媒流量に対応した傾角まで斜板の最小傾角を小さく
できるため、動力消費も低減する。又、絞り体57を吸
入通路26内に常に入り込ませた構成は吸入通路26に
おける通過断面積の絞り程度の適正設定を容易にする。
【0064】次に、図14及び図15の実施例を説明す
る。この実施例では車両エンジンの駆動力を回転軸9に
伝える電磁クラッチ58を備えた可変容量型圧縮機が対
象となるが、第2実施例と同じ構成の部材には同一符号
を付し、その詳細説明は省略する。電磁クラッチ58は
制御コンピュータCの励消磁制御を受け、制御コンピュ
ータCは温度センサ39からの検出温度情報及び空調装
置作動スイッチ40のON−OFF信号に基づいて電磁
クラッチ58を励消磁制御する。この実施例では最小傾
角規定手段を構成する筒状の位置決め体59が位置決め
面60に当接したときに斜板15の傾角が最小傾角とな
る。位置決め体59の先端面には放圧通口59-1が形成
されている。放圧通口59-1は位置決め体59の筒内と
収容孔13内とを連通している。位置決め体59の先端
には絞り体61が一体形成されている。絞り体61の周
面は、第1実施例と同様に第1のテーパ周面61-1と第
2のテーパ周面61-2とストレート周面61-3とからな
る。
【0065】図15に示すように位置決め体59が位置
決め面60に当接したときにも吸入通路26における通
過断面積はストレート周面61-3と吸入通路26の内周
面との間の通過断面積S1 となる。この実施例において
も、潤滑油の還流がない場合にも圧縮機内の潤滑油が流
出することはなく、圧縮機内の潤滑不足は生じない。
又、潤滑油を還流できない冷媒流量に対応した傾角まで
斜板の最小傾角を小さくできるため、動力消費も低減す
る。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1及び請求項
2の発明では、斜板の傾角が最小傾角になる前から前記
通過断面積を減らして行き、次いで前記通過断面積を一
定に絞った状態を継続してから斜板の傾角を最小傾角へ
移行するようにしたので、圧縮機内の潤滑油の流出を回
避しながら潤滑油を還流できない冷媒流量に対応した傾
角まで斜板の最小傾角を小さくでき、圧縮機内の潤滑不
足を回避しつつ動力消費を低減できる。
【0067】請求項3の発明では、絞り体の移動経路の
延長線上に吸入通路を形成したので、吸入通路における
通過断面積の絞り程度の適正設定が容易になる。請求項
4の発明では、絞り体と遮断体とを一体にしたので、遮
断体の切換動作と絞り体の絞り動作とを整合させ易い。
【0068】請求項5の発明では、絞り体の絞り作用を
テーパ周面の絞り作用とストレート周面の絞り作用との
間で移り変わるようにしたので、負荷トルクの変動を緩
慢にしつつ圧縮機内の潤滑不足の回避及び動力消費の低
減を達成できる。
【0069】請求項6の発明では、第1のテーパ周面と
第2のテーパ周面とストレート周面とによって吸入通路
を絞るようにしたので、負荷トルクの変動を緩慢にしつ
つ圧縮機内の潤滑不足の回避及び動力消費の低減を達成
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例の圧縮機全体の
側断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】斜板傾角が最小状態にある圧縮機全体の側断面
図。
【図5】斜板傾角が最大状態にある要部拡大断面図。
【図6】斜板傾角が最小状態にある要部拡大断面図。
【図7】図6のC−C線拡大断面図。
【図8】吸入通路における通過断面積の変化を示すグラ
フ。
【図9】別例を示す圧縮機全体の側断面図。
【図10】斜板傾角が最小状態にある要部拡大断面図。
【図11】別例を示す要部拡大断面図。
【図12】斜板傾角が最小状態にある要部拡大断面図。
【図13】図11のD−D線拡大断面図。
【図14】別例を示す圧縮機全体の側断面図。
【図15】斜板傾角が最小状態にある要部拡大断面図。
【符号の説明】
1-1…シリンダボア、2-1…クランク室、3-1…吸入圧
領域となる吸入室、3-2…吐出圧領域となる吐出室、1
5…斜板、20…絞り体、20-0…絞り周面、20-1…
第1のテーパ周面、20-2…第2のテーパ周面、20-3
…ストレート周面、21…最小傾角規定手段を構成する
遮断体、22…片頭ピストン、26…吸入通路、27…
最小傾角規定手段を構成する位置決め面、28…最小傾
角規定手段を構成するスラストベアリング、42…絞り
体、42-0…絞り周面、42-1…テーパ周面、42-2…
ストレート周面、57…絞り体、57-1…スリット、5
7-2…ストレート周面、59…最小傾角規定手段を構成
する位置決め体、61…絞り体、61-1…第1のテーパ
周面、61-2…第2のテーパ周面、61-3…ストレート
周面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道行 隆 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (56)参考文献 特開 平4−224281(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダボア内にピストンを往復直線運動
    可能に収容し、斜板を収容するクランク室内の圧力と吸
    入圧とのピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御
    し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、
    放圧通路を介してクランク室の圧力を吸入圧領域に放出
    してクランク室内の調圧を行なう可変容量型圧縮機にお
    いて、 板の最小傾角を規定する最小傾角規定手段と、 外部冷媒回路から前記吸入圧領域へ冷媒ガスを導入する
    吸入通路における通過断面積を前記斜板の傾動に連動し
    て絞る絞り体とを備え、 斜板の傾角が最小傾角になる前から前記通過断面積を減
    らして行き、次いで前記通過断面積を一定に絞った状態
    を継続してから斜板の傾角を最小傾角へ移行するように
    した可変容量型圧縮機。
  2. 【請求項2】シリンダボア内にピストンを往復直線運動
    可能に収容し、斜板を収容するクランク室内の圧力と吸
    入圧とのピストンを介した差に応じて斜板の傾角を制御
    し、吐出圧領域の圧力をクランク室に供給すると共に、
    放圧通路を介してクランク室の圧力を吸入圧領域に放出
    してクランク室内の調圧を行なうクラッチレス可変容量
    型圧縮機において、 板の最小傾角を規定する最小傾角規定手段と、 前記斜板の傾動に連動して外部冷媒回路から前記吸入圧
    領域へ冷媒ガスを導入不能な位置と導入可能な開位置と
    に切り換え移動される遮断体と、 外部冷媒回路から前記吸入圧領域へ冷媒ガスを導入する
    吸入通路における通過断面積を前記遮断体の切換動作に
    連動して絞る絞り体とを備え、 斜板の傾角が最小傾角になる前から前記通過断面積を減
    らして行き、次いで前記通過断面積を一定に絞った状態
    を継続してから斜板の傾角を最小傾角へ移行するように
    した可変容量型圧縮機。
  3. 【請求項3】吸入通路は前記絞り体の移動経路の延長線
    上に形成されている請求項1及び請求項2のいずれか1
    項に記載の可変容量型圧縮機。
  4. 【請求項4】絞り体は前記遮断体の一部であり、前記吸
    入通路に入り込んで吸入通路における通過断面積を絞る
    請求項3に記載の可変容量型圧縮機。
  5. 【請求項5】前記吸入通路は絞り体の絞り周面によって
    絞られ、前記絞り周面は、絞り体の移動経路に対して傾
    斜するテーパ周面と、前記移動経路に対して平行し、か
    つ前記テーパ周面に連なるストレート周面とからなり、
    斜板傾角の減少に伴う絞り周面による絞り作用はテーパ
    周面の絞り作用からストレート周面の絞り作用へ移行す
    る請求項3及び請求項4のいずれか1項に記載の可変容
    量型圧縮機。
  6. 【請求項6】前記テーパ周面は、第1のテーパ周面と、
    これに連なる第2のテーパ周面とからなり、第2のテー
    パ周面の傾斜は第1のテーパ周面の傾斜よりも小さくし
    てあり、斜板傾角の減少に伴う絞り周面による絞り作用
    は第1のテーパ周面の絞り作用から第2のテーパ周面の
    絞り作用へ移行する請求項5に記載の可変容量型圧縮
    機。
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