JP3006397B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP3006397B2
JP3006397B2 JP6044247A JP4424794A JP3006397B2 JP 3006397 B2 JP3006397 B2 JP 3006397B2 JP 6044247 A JP6044247 A JP 6044247A JP 4424794 A JP4424794 A JP 4424794A JP 3006397 B2 JP3006397 B2 JP 3006397B2
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將市 石原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に関し、特
に視野角の広い液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、薄型で軽量、かつ低消
費電力のディスプレイ素子であり、テレビやビデオなど
の画像表示装置や、ワープロ、パソコンなどのOA機器
に広く用いられている。
【0003】液晶表示素子のなかでも、アレイ基板上に
多数のスイッチング素子を配置したアクティブマトリク
ス型液晶表示素子の大部分は、液晶の配向方位がほぼ9
0゜捻れたTNモードを表示に用いており、高速応答や
高精細が可能なディスプレイとして開発が進んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、TNモ
ードの液晶表示素子は、液晶の旋光性を用いて表示して
いるために、パネルを見る角度によって色調やコントラ
ストが異なるという大きな欠点がある。
【0005】このため、良好な表示が得られる視野角範
囲は陰極線管(CRT)に比べてかなり狭く、CRTと
同等以上の表示性能を実現するには至っていない。
【0006】一般に、アクティブマトリクス型液晶表示
素子では、電圧無印加の状態で白表示を行うノーマリー
ホワイトモード(以下、NWモード)と、電圧無印加で
黒表示を行うノーマリーブラックモード(以下、NBモ
ード)とがある。
【0007】このNBモードは、コントラストと階調表
示性能から規定される視角範囲は比較的広いが、表示特
性に波長依存性が強く、均一な色相表示に難点がある。
また、パネルギャップのわずかな違いで色調が大きく異
なるために、工法的に課題が多い。
【0008】一方、NWモードは、パネルの両側に偏光
板を直交して配置し、電圧印加により黒表示を行うた
め、容易にコントラストを高くすることができる。ま
た、パネルギャップが多少違っても色相が大きく変わら
ないために工法的に優れている。しかし、視角範囲はN
Bモードよりもかなり狭い。
【0009】これらの表示モードのうち、パネルのコン
トラストや色調の観点から近年はNWモードの表示が広
く用いられているが、視野角範囲が狭いという本質的課
題を有している。
【0010】NWモードのTN型液晶表示素子の視野角
を広げる手法としては、従来より、配向分割法、補償セ
ルを積層する方法、位相差フィルムによる方法等が知ら
れている。
【0011】配向分割法(例えば、S.Kaneko et.al Soc
iety of information display'93 DIGEST P.265)は、
一つの画素内に配向の異なる2つの領域を作ることで、
液晶の配向方位に固有の視角特性を平均化して広視角を
実現するものである。この方法は視野角拡大に有効な手
法であるが、基板の配向処理が複雑になったりパネルの
配向状態が不安定であるといったプロセス上の課題を有
している。
【0012】また、補償セルを液晶パネルに積層する手
法としては、例えばコレステリック液晶セルを補償セル
として用いる手法が報告されている(特開平3−215
831号公報)。この方法は、パネル全体の厚みが増加
し薄型ディスプレイとしての特徴を生かせないという欠
点がある。さらに、補償セルを積層するのは商品として
も実用的ではなくプロセス課題も多い。
【0013】一方、位相差フィルムを用いる手法として
は、例えば、液晶パネルの基板面に対してほぼ平行の光
軸を持つ位相差フィルムをパネルに積層して視角を拡大
する方法が提案されている(第16回液晶討論会講演予
稿集、2L307、2L314)。
【0014】このような、位相差フィルムによる広視野
角化の方法は、通常、偏光板と位相差フィルムとは一体
化された状態で取り扱われるため、パネル製造プロセス
におけるプロセスの増加が無く、実用上魅力的な方法で
ある。
【0015】しかしながら、従来より検討されてきた液
晶パネルの基板面に平行な光軸を持つ位相差フィルムを
用いる例は、フィルムが1軸性の光軸を持つ以上、パネ
ルの全面で視角を補償することが困難である。 つま
り、この場合、パネルの左右を補償すれば上下が狭くな
るという難点があり、パネル全体の視角を拡大すること
が難しい。
【0016】このため、液晶パネルを見る方位により階
調表示が反転したり、コントラストが低くて文字が判別
できないといった難点があった。
【0017】これに対しては、久保田らは面内に位相差
を有する二軸性フィルム(nx≧ny≧nz)により広視
野角化が可能であることを示しているが(特願平5−2
55504号)、フィルム製造上の問題より、任意に3
軸方向の屈折率nx、ny、nzを設定出来ないと言う問
題点があった。
【0018】本発明は、上記の難点を解消して、任意に
3軸方向の屈折率nx、ny、nzを設定出来る光学異方
性素子、あるいは光学異方性素子複合体を用いることに
より、視角範囲の広いNWモードのTN型液晶表示素子
を実現するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】透明電極を有した一対の
透明基板が、スペーサーを介してこれらの透明電極を対
向させ、透明基板間にほぼ90度に捻れた配向を有する
ネマチック液晶からなる液晶パネルと、偏光軸が隣接す
る液晶パネル基板上の液晶分子の配向方位にほぼ平行も
しくはほぼ直交の何れかとなるように配置した一対の偏
光板と、光学異方性素子からなる表示素子において、光
学異方性素子の面内屈折率をそれぞれn1x、n1y、n2
x、n2yとし、また光学異方性素子の厚さ方向の屈折率
をそれぞれn1z、n2zとすると、光学異方性素子の3軸
方向の主屈折率nx、ny、nzが、n1x>n1y=n1zの
関係を有する第1の光学異方性素子と、n2x≧n2y>n
2zの関係を有する第2の光学異方性素子とを積層してな
る光学異方性素子複合体を、液晶パネルとその外側の一
対の偏光板との間に配置されていることを特徴とする液
晶表示素子を用い、上記課題を克服した。
【0020】また、光学異方性素子複合体の厚み方向位
相差の大きさδaが、下記(数2)の式1で定義され、
光学異方性素子複合体の面内位相差の大きさδbが、下
記(数2)の式2で定義され、前記δaと前記δbとが共
に互いに等しい関係にある前記光学異方性複合体を、液
晶パネルの両側に設けた液晶表示素子を用いることが好
ましい。
【0021】
【数2】
【0022】ここにおいて、n1x、n1y、n2x、n2yは
光学異方性素子の面内屈折率、n1z、n2zは光学異方性
素子の厚さ方向の屈折率を表しており、d1、d2はそれ
ぞれ第1、第2の光学異方性素子の厚みを表している。
【0023】
【作用】液晶パネルの視角特性は、コントラスト分布と
階調反転領域で決定される。ここで、コントラストはパ
ネルの白表示の輝度を黒表示の輝度で割った値であり、
階調反転領域は白表示と黒表示の間で階調表示を行った
場合に、階調表示の輝度が、隣接する階調間で反転して
見える視角範囲を表す。
【0024】NWモードのTNパネルの場合、パネルコ
ントラストの視角依存性は、主に黒表示での輝度レベル
の視角依存性で決定される(例えば、第39回応用物理
学会講演予稿集、No3、31a-B-2、P857)。したがって、
視角方位が変わっても黒表示の輝度が低く、白浮きがな
いような補償を行うことで、視野角範囲の広いパネルが
得られることになる。
【0025】一方、階調反転領域は液晶分子のダイレク
タの方向と関係しており、階調反転領域を小さくするに
は、電圧印加によって傾いたダイレクタ方位の傾き自体
を補償する必要がある。
【0026】
【実施例】図1は、NWモードのTNパネルのコントラ
ストの視角依存性の一例である。図中の実線はコントラ
ストが5の等コントラスト曲線を示しており、一点鎖線
は8階調表示時におけるレベル7の輝度と、レベル8の
輝度とが逆転する角度を表している。即ち、この一点鎖
線より下側の領域が階調反転現象の起こる領域である。
このとき、図中の同心円は、パネルの法線方向からの極
角を10度刻みで表し、中心から外側へ放射線状に伸び
る直線は、10度刻みの方位角を表している。
【0027】図1からわかるように、通常のNWモード
のTNパネルの場合、パネルのコントラスト分布は上下
で非対称であり、この場合は上側が狭い。このようにコ
ントラスト分布が上下で非対称となるのは、黒表示のと
きにパネルの基板近傍の液晶分子が立ちきっていないこ
とが原因と考えられる。
【0028】以上のことから、NWモードのTNパネル
のコントラスト分布を拡大するためには、黒表示のとき
に基板近くで立ちきっていない液晶分子に起因する残留
位相差を光学異方性層を用いて補償し、黒表示の輝度レ
ベルの白浮きを抑えることが重要になることが分かる。
【0029】図2は、黒表示における液晶ダイレクタ方
位をもとにしたパネル内の屈折率楕円体の概略図であ
る。パネル中央では、ほぼ基板に垂直な方向に屈折率楕
円体の長軸が向いているが、基板近くは、液晶の捻れ角
が残っているために屈折率楕円体が傾き角を持ったまま
捻れた配置となる。
【0030】このように傾き角を持った基板近くの液晶
の異方性を光学異方性素子で補償するためには、光学異
方性素子の屈折率楕円体の最大屈折率の方向が、パネル
の面内方向にある必要がある。また、基板近くの液晶の
捻れを補償するには、光学異方性素子の屈折率楕円体の
形状が、楕円体の最大屈折率の方向が連続的に面内で回
転したような配置を持つ必要がある。
【0031】このような特性を有する光学異方性素子と
して、面内異方性を有しない二軸性フィルムが考えられ
る。二軸性フィルムの屈折率楕円体の形状を図3に示し
た。フィルムの面内方向の屈折率をnxとny、厚み方向
の屈折率をnzとしたときに、二軸性フィルムでは、nx
=ny>nz(式3)が成り立つ。
【0032】このような二軸性フィルムでは、フィルム
の面内に最大屈折率の方向を有し、さらに面内のあらゆ
る方向が最大屈折率の方向となっている。
【0033】この二軸性フィルムは、方位角方向の視角
に対しては同一の異方性を有するため液晶パネルに積層
した場合に、基板付近の液晶の異方性を方位角方向で平
均化することができる。そのため、パネルの上下方向の
非対称性が改善されて視角が拡大する。
【0034】通常、フィルムの特性は位相差で表され
る。位相差はフィルムの屈折率異方性Δnの値にフィル
ムの厚さdを掛けたものである。面内位相差を有しない
二軸性フィルムの位相差dΔnは、dΔn=d・(nx
−nz)(式4)で与えられる。
【0035】一方、液晶パネルでは、上下の基板付近に
それぞれ液晶が立ち上がらない領域がある。従って、パ
ネルの片側にだけ二軸性フィルムを配置しても視角は拡
大するが、視角特性が左右で非対称となる欠点がある。
したがって、パネル上下の基板の両側に少なくとも1枚
づつ二軸性フィルムを配置することにより左右方向の視
角を対称にしたまま全体の視角を拡大することができ
る。また、パネルの基板付近の液晶の立ち上がりかた
は、上下基板で同等であるためパネルの上下に配置する
二軸性フィルムのdΔnは、ほぼ等しい値を取るのが望
ましい。
【0036】通常の駆動条件においては、液晶層中央部
の液晶分子は完全に立ちきっておらず捻れながら数度傾
いている。この液晶配列に基づく残留位相差を補償する
には、二軸性フィルムに加え、更に正の一軸性フィルム
を積層する必要がある。
【0037】正の一軸性フィルム(nx>ny=nz)と
二軸性フィルム(nx=ny>nz)とからなる光学異方
性素子複合体の3軸方向の屈折率の関係は、nx>ny>
nz(式5)で表される。その屈折率楕円体の形状を図
4に示す。
【0038】黒表示時においては、基板付近の液晶は捻
れ角を持ち、さらに傾いたチルト角を有している。この
ときの捻れ角は、10゜から30゜程度と推測されるた
め、液晶の残留dΔnは、視角方位により異なっている
と考えられる。
【0039】面内に位相差のない二軸性フィルムだけで
は、このような残留位相差を全ての視角範囲にわたり同
程度の割合で平均化することができない。
【0040】一方、面内に位相差を有する式5で表され
る光学異方性素子複合体は、視角方位で異なる残留位相
差を、さらに積極的に視角方位で補償することができ、
視角拡大の効果が大きいと考えられる。
【0041】一般に面内異方性を有する2軸性フィルム
において、面内方向の屈折率異方性と厚み方向の屈折率
異方性とを独立に設定することは極めて困難であるた
め、このように、一軸延伸フィルムと二軸性フィルムと
を組み合わせる方法はnx、ny、nz設計の自由度が大
きく、その実用的価値は大きい。
【0042】第1の光学異方性(nx>ny=nz)と第
2の光学異方性素子(nx≧ny>nz)とからなる光学
異方性素子の位相差δa、δbを、下記(数3)と定義す
る。
【0043】
【数3】
【0044】ここにおいて、d1、d2はそれぞれ第1の
光学異方性素子、第2の光学異方性素子の厚みであり、
n1X、n1y、n1z、n2x、n2y、n2zはこれら光学異方
性素子の3軸方向での屈折率を表している。また、δa
は厚み方向での位相差を、δbは面内位相差を表してい
る。
【0045】面内位相差を有する光学異方性素子をパネ
ルに積層する場合、パネルの視角特性が左右で対称とな
るためには、面内異方性を有しない二軸性フィルムでの
説明と同じ理由により(数3)の(式6)で定義したδ
aと(式7)で定義したδbとが、共に同じ値を持つフィ
ルムをパネルの上下に積層する必要がある。さらに、第
1の光学異方性素子の最大屈折率nxの方向がパネルの
上下で互いに直交する必要がある。また、前記素子のn
xの方向が隣接するパネルのラビング方向に平行か垂直
であればNWモードの白表示の輝度が低下せず高コント
ラストな表示が得られる。
【0046】以下、実施例により本発明の詳細を示す。 (実施例1)図5は本発明の第1の液晶表示素子の構成
図である。透明電極を有する2枚のガラス基板上に日産
化学(株)製のポリイミド配向膜塗料RN−626
(4.0wt.%、N−メチル 2−ピロリドン溶液)
をスピンコート法にて塗布し、180℃、1時間の硬化
条件にて硬化させた。
【0047】その後、主視角方向がパネル下方になるよ
うに90度の捻れ角でラビングを施した後、このラビン
グ処理を施した2枚のガラス基板を、ガラススペーサー
であるミクロパール(積水ファインケミカル(株)製)
を用いて5μmの間隔に貼り合わせた。
【0048】次に、フッ素系液晶であるZLI−479
2(メルク社製)を真空注入法を用いてガラス基板間に
注入し、液晶パネル3を作成した。
【0049】その後、偏光板1、5にポリカーボネイド
の薄膜を延伸して作成した一軸性フィルムF−Aと住友
化学工業(株)製の二軸性フィルムF−Bとを積層して
なる位相差フィルム2、4を、それぞれ粘着材で貼り合
わせ、液晶パネル3に積層して液晶表示素子を作成し
た。但し、この時一軸性フィルムF−Aは、何れの場合
も偏光板側に配置した。
【0050】また、偏光板1、5の偏光軸6、7が、液
晶パネル3の隣接するラビング方向8、9とそれぞれ直
交するようにした。
【0051】さらに、前記一軸性フィルム及び二軸性フ
ィルムを積層してなる光学異方性素子複合体の遅相軸方
向10、11と、隣接するラビング方向8、9とはそれ
ぞれ直交するようにした。
【0052】前記二軸性フィルムは、膜厚が80μm
で、フィルム面内の屈折率をnx,ny、膜厚方向の屈折
率をnzとしたときに、nx=ny>nzの関係が成立する
もので、具体的には(表1)に示す値を持つものであ
る。また、一軸性フィルムの特性も併せて(表1)に示
す。
【0053】
【表1】
【0054】本発明の液晶表示素子の視角特性を、30
Hz矩形波を印加しながら、次に示す手法を用いて測定
した。
【0055】測定する光源としてハロゲンランプを用い
た。液晶表示素子を透過する光の強度を波長540nm
のフィルターを通した後、フォトマルを用いて測定して
視角特性を求めた。視角特性は、コントラストと、隣接
する階調間での反転角度でもって評価した。
【0056】このとき、コントラストは、電圧無印加の
ときの白表示の透過光強度を、パネルに5.0Vを印加
したときの黒表示の透過光強度で割った値で定義した。
【0057】また、階調反転角度はパネルの白表示と黒
表示の輝度レベルを8レベルに等分割し、視角方向によ
り、隣合う階調表示の輝度が反転する角度で定義した。
このとき、電圧無印加の白表示をレベル1、5.0V印
加の黒表示をレベル8とし、中間調領域はレベル2から
レベル7とした。
【0058】なお、視角特性の評価には、コントラスト
が5以上となる領域と、レベル7とレベル8の階調反転
が起こる領域を用いた。
【0059】図6は、本発明の一実施例である液晶表示
装置の視角特性を示している。図1に示した従来の液晶
表示装置の視角特性と比較すると、上下方向のトータル
の視角範囲は50゜から67゜に拡大しており、左右方
向のトータルの視角範囲も80゜から120゜以上に拡
大している。本実施例では左右方向の階調反転が全く無
くなっており、その実用的価値は極めて大きい。
【0060】(実施例2)屈折率値が異なる種々のフィ
ルムを積層することにより、位相差の異なる多くの光学
的異方性素子複合体を作成した。積層したフィルムの屈
折率と複合体の位相差を(表2)に示す。次に、実施例
1で用いた液晶パネルにフィルムF−EとF−Fとを積
層した複合体をパネルの両側に貼り合わせ、視角特性を
測定した結果を図7に示す。
【0061】
【表2】
【0062】本発明は一軸性フィルムに二軸性フィルム
を積層することにより所望の屈折率異方性を有する光学
異方性複合体を得ることを特徴としており、フィルム一
層のみで同様の光学特性を得る場合に比べて、材料、プ
ロセスの選択範囲が広がり、その実用的価値は大きい。
【0063】本発明の液晶表示素子は、基板間で液晶の
配向方位が約90度ツイストした液晶パネルでありさえ
すれば良い。
【0064】本実施例では測定の便宜上、単純マトリク
ス型液晶表示素子を用いたが、基板上に多数のアクティ
ブ素子を配置したアクティブマトリクス型液晶表示素子
でも良いことは言うまでもない。
【0065】また、上記例では偏光板の偏光軸がパネル
の隣接するラビング方向と直交する構成としたが、これ
は隣接するラビング方向と平行となる構成でも良いこと
は言うまでもない。
【0066】(実施例3)光学異方性素子複合体とし
て、一軸性フィルムと面内異方性を有する二軸性フィル
ムを用いること以外は実施例1と全く同様にして液晶表
示素子を作成した。
【0067】図8は本発明の第3の液晶表示装置の構成
図である。第1の液晶表示装置と同様の手法で液晶パネ
ル83を作成した。
【0068】偏光板81、85にポリカーボネイドの薄
膜を延伸して作成した一軸性フィルムF−Sと住友化学
工業(株)製の二軸性フィルムF−Tとを積層してなる
位相差フィルム82、84をそれぞれ粘着材で貼り合わ
せ、液晶パネル83に積層して液晶表示素子を作成し
た。但し、このとき偏光板81、85の偏光軸86、8
7が液晶パネル83の隣接するラビング方向88、89
とそれぞれ平行配置となるようにした。
【0069】用いた二軸性フィルムは、膜厚が80μm
で、フィルム面内の屈折率をnx,ny、膜厚方向の屈折
率をnzとしたときに、nx>ny>nzの関係が成立す
る。具体的には(表3)に示す値を持つものである。
【0070】
【表3】
【0071】さらに、前記一軸性フィルム及び二軸性フ
ィルムを積層してなる光学異方性素子複合体の遅相軸方
向90、91と、隣接するラビング方向88、89とは
それぞれ平行するように配置した。したがって、パネル
の上下に積層したフィルムの最大屈折率nxの軸の方向
は、上下のフィルムで互いに直交している。
【0072】本発明の液晶表示装置の視角特性を実施例
1と同様の手法を用いて測定したところ、上下方向のト
ータルの視角範囲は70゜であり、左右方向のトータル
の視角範囲は118゜であった。
【0073】本実施例のごとく、液晶パネル上下に同特
性の光学異方性複合体を配置することにより、対称的な
視角特性が得られるが、非対称視角特性が必要な場合に
は、液晶パネル上下には光学特性の異なる光学異方性複
合体を配置すると良い。
【0074】また、本実施例では一軸性フィルムと二軸
性フィルムの遅相軸方向を一致させて貼り合わせたが、
必ずしも一致させる必要は無い。
【0075】
【発明の効果】上記のように、本発明の液晶表示素子は
液晶パネルと偏光板の間に一軸性フィルムと二軸性フィ
ルムを積層してなる光学異方性素子複合体を配置するこ
とで、広視角な表示を実現したことを特徴とする。
【0076】本発明は、広視野角パネルが実現可能な面
内異方性を有する二軸性光学異方性媒体の三軸方向の屈
折率をほぼ任意に設定することが可能であり、その実用
的価値は極めて大きい。
【0077】また、フィルムを液晶パネルに積層して視
角を拡大する手法は、工法が簡便であり歩留まり等を考
慮すると有利な手法と言える。今後の液晶ディスプレイ
において広視角が要求されるのは明らかであり、本発明
により、特に主視角方向を含む上下方向の視角範囲が拡
大されることによる表示性能の向上の効果は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のNWモードTN型液晶表示素子の視角範
囲特性図
【図2】黒表示時における液晶パネル内の屈折率楕円体
分布を示す要部拡大図
【図3】二軸性フィルムの屈折率楕円体の形状を示す図
【図4】面内位相差を有する二軸性フィルムの屈折率楕
円体の形状を示す図
【図5】本発明の一実施例の液晶表示素子の構成図
【図6】本発明の一実施例の液晶表示素子の視角特性図
【図7】本発明の他の実施例の液晶表示素子の視角特性
【図8】本発明の別の実施例の液晶表示素子の構成図
【符号の説明】
1、5、81、85 偏光板 2、4、82、84 二軸性フィルム 3、83 液晶パネル 6、7、86、87 偏光軸 8、88 下側基板のラビング方向 9、89 上側基板のラビング方向 10、11、90、91 光学異方性素子複合体の遅相
軸 21 下側基板 22、24 基板付近の屈折率楕円体 23 パネル中央部の屈折率楕円体 25 上側基板 26 下側基板のラビング方向 27 上側基板のラビング方向
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−32818(JP,A) 特開 平3−155522(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 610

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極を有した一対の透明基板が、スペ
    ーサーを介して前記透明電極を対向させ、前記透明基板
    間にほぼ90度に捻れた配向を有するネマチック液晶か
    らなる液晶パネルと、偏光軸が隣接する前記液晶パネル
    基板上の液晶分子の配向方位にほぼ平行もしくはほぼ直
    交の何れかとなるように配置した一対の偏光板と、光学
    異方性素子からなる表示素子において、前記光学異方性
    素子の面内屈折率をそれぞれn1x、n1y、n2x、n2yと
    し、また前記光学異方性素子の厚さ方向の屈折率をそれ
    ぞれn1z、n2zとすると、前記光学異方性素子の3軸方
    向の主屈折率nx、ny、nzが、n1x>n1y=n1zの関
    係を有する第1の光学異方性素子と、n2x≧n2y>n2z
    の関係を有する第2の光学異方性素子とを積層してなる
    光学異方性素子複合体を、前記液晶パネルとその外側の
    一対の前記偏光板との間に配置されていることを特徴と
    する液晶表示素子。
  2. 【請求項2】光学異方性素子複合体の厚み方向位相差の
    大きさδaが、下記(数1)の式1で定義され、前記光
    学異方性素子複合体の面内位相差の大きさδbが、下記
    (数1)の式2で定義され、前記δaと前記δbとが共に
    互いに等しい関係にある前記光学異方性複合体を、液晶
    パネルの両側に設けたことを特徴とする請求項1記載の
    液晶表示素子。 【数1】 ここにおいて、n1x、n1y、n2x、n2yは光学異方性素
    子の面内屈折率、n1z、n2zは光学異方性素子の厚さ方
    向の屈折率を表しており、d1、d2はそれぞれ前記第
    1、第2の光学異方性素子の厚みを表している。
  3. 【請求項3】液晶パネルの両側の偏光板の偏光軸が、互
    いにほぼ直交するように配置した請求項1または2何れ
    かに記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】液晶パネルの両側に配置されたそれぞれの
    光学異方性素子複合体の遅相軸方向が、互いにほぼ直交
    することを特徴とする請求項2または3何れかに記載の
    液晶表示素子。
  5. 【請求項5】液晶パネルの両側の光学異方性素子複合体
    の遅相軸方向が、それぞれ配置されている側の前記液晶
    パネル基板上の液晶分子の配向方位にほぼ平行、もしく
    はほぼ直交の方位をなす配置であることを特徴とする請
    求項2〜4何れかに記載の液晶表示素子。
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