JP3004871B2 - 混合廃プラスチックの処理方法及び処理装置 - Google Patents

混合廃プラスチックの処理方法及び処理装置

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JP3004871B2
JP3004871B2 JP6078962A JP7896294A JP3004871B2 JP 3004871 B2 JP3004871 B2 JP 3004871B2 JP 6078962 A JP6078962 A JP 6078962A JP 7896294 A JP7896294 A JP 7896294A JP 3004871 B2 JP3004871 B2 JP 3004871B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物の処理方法に関
し、特に廃棄されたプラスチックを再資源化・減容化す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のプラスチック生産量の増加に伴い
その廃棄物は年々増加している。現在、廃棄プラスチッ
クの大半が埋立てと焼却によって処分されている。しか
し、埋立て用地の不足の問題や、また焼却処分の場合に
は焼却炉の短命化や排ガスなどによる環境汚染の問題が
ある。これらの問題を解決するために、廃棄プラスチッ
クの再資源化やエネルギー回収の方法が研究されてい
る。
【0003】可燃物、特にプラスチック類の高分子廃棄
物の減容化・再資源化に関しては、例えば熱可塑性プラ
スチックを対象として溶融・熱分解によって油化・回収
し、燃料化して利用する方法が特開昭49−17477
号公報、特開昭59−174689号公報などに開示さ
れている。さらに、プラスチック、ゴム、塗料、潤滑
油、油脂、アスファルト、ピッチ、合成繊維、天然繊維
有機合成固形物などの熱可塑性及び熱硬化性プラスチッ
クなどの混合高分子廃棄物の処理に関しては、混合高分
子廃棄物の一部を燃焼し、その熱により残りの高分子廃
棄物を熱処理、すなわち、部分酸化燃焼・乾留熱分解方
式で高分子廃棄物をガス化、又は油分を回収する方法と
処理装置が特公平2−5796号公報に開示されてい
る。
【0004】また、廃棄プラスチックを元の原料である
石油系の油にリサイクルする方法がある。プラスチック
は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に大別され、加熱により
溶融・分解する性質を有する熱可塑性樹脂の廃棄物につ
いては、加熱処理を行ない燃料油などとして再資源化す
る方法が特開昭48−60777号公報などに開示され
ている。一方、熱硬化性樹脂については、通常融点を持
たず、高い耐熱性を有する性質上、その廃棄物の加熱処
理は困難であるとされている。
【0005】しかし、一般に廃棄プラスチックには、こ
のように性質を異にする熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂と
が混在しており、この混合廃プラスチックを熱分解処理
する方法として、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との融点
の違いを利用して別々に処理する方法が特開平3−21
2491号公報に開示されている。この方法は、廃棄プ
ラスチックをその分解油に250〜280℃程度で溶融
させ、その後熱硬化性樹脂を主成分とする未溶融分を6
00〜700℃の高温で分解する方法であるが、処理温
度が高いため消費エネルギーが多い欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】廃棄プラスチックのう
ち特に熱硬化性樹脂は、熱処理により一部は分解する
が、その他の部分は分解せずに網目構造を形成し、不可
逆的に硬化し固体残渣となる性質を有する。この様な熱
硬化性樹脂の熱分解特性は、熱処理条件によって変化す
る。すなわち、熱処理条件を工夫することで、樹脂の硬
化を抑制し、分解率を向上させることができる。上記特
開平3−212491号公報記載の処理方法は、実質的
には熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを個別に処理するも
のであり、熱硬化性樹脂の分解率を向上させるためのさ
らなる工夫を要すると考えられる。また、熱硬化性樹脂
の分解温度は熱可塑性樹脂に比べ、高温のものが多く、
そのため分解処理時の消費エネルギーが増大するという
問題がある。
【0007】本発明の目的は、熱硬化性樹脂と熱可塑性
樹脂の混合廃プラスチックの処理において、特に熱硬化
性樹脂の熱分解促進を図ると共にトータル的に低炭素数
含有量の多い油を回収し得る処理方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の混合廃プラスチック処理方法は、密閉容器
内で熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合廃プラスチッ
クを溶媒と混合し、加熱によって溶媒をガス化して圧力
を上昇させ、上昇した圧力下において前記混合廃プラス
チックを溶解させると共に前記溶媒と溶解及び不溶解混
合廃プラスチックを熱分解ガス化することを特徴とす
る。
【0009】また、本発明の混合廃プラスチック処理方
法は、第1の密閉容器内で熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂
との混合廃プラスチックを溶媒と混合し、加熱によって
溶媒をガス化して第1の密閉容器内の圧力を上昇させ、
所定の圧力に維持された第1の密閉容器内で前記混合廃
プラスチックを溶解させ、その後第1の密閉容器内の溶
媒と溶解及び不溶解混合廃プラスチックを第2の密閉容
器に移送し、第2の密閉容器内で溶媒と溶解及び不溶解
混合廃プラスチックを加熱し、溶媒のガス化と溶解及び
不溶解混合廃プラスチックの加熱分解ガス化によって第
2の密閉容器内の圧力を上昇させ、所定の圧力に維持さ
れた第2の密閉容器内の溶媒と溶解及び不溶解混合廃プ
ラスチックを熱分解ガス化することを特徴とする。
【0010】溶媒としては混合廃プラスチックを溶解す
る全ての溶媒を使用することができ、例えば混合廃プラ
スチックを処理して生成された油やその他の石油系油を
用いることができる。前記混合廃プラスチックの溶解及
び熱分解ガス化はゲージ圧2気圧以上、好ましくはゲー
ジ圧5気圧以上の圧力下で行うのが好適である。
【0011】本発明による混合廃プラスチックの処理方
法は、混合廃プラスチックを貯留する貯留手段と、貯留
手段に接続された混合廃プラスチックの溶解熱分解ガス
化手段と、溶媒貯留手段と、溶媒貯留手段から溶媒を溶
解熱分解ガス化手段に供給する手段と、溶解熱分解ガス
化手段内部を所定温度に維持する手段と、溶解熱分解ガ
ス化手段内の圧力をゲージ圧2気圧以上の所定圧力に維
持する圧力維持手段と、溶解熱分解ガス化手段から排出
されるガスを軽質化する軽質化手段と、軽質化手段で軽
質化されたガスを冷却し液化する手段と、液化物を貯留
する手段と、溶解熱分解ガス化手段内の未分解物を排出
する手段とを具備する混合廃プラスチックの処理装置に
よって実施される。
【0012】また、本発明による混合廃プラスチックの
処理方法は、混合廃プラスチックを貯留する貯留手段
と、貯留手段に接続された混合廃プラスチックの溶解手
段と、溶媒貯留手段と、溶媒貯留手段から溶媒を溶解手
段に供給する手段と、溶解手段内部を第1の所定温度に
維持する手段と、溶解手段内の圧力をゲージ圧2気圧以
上の所定圧力に維持する第1の圧力維持手段と、溶解手
段に接続された混合廃プラスチックの溶解熱分解ガス化
手段と、溶解熱分解ガス化手段内部を第1の温度以上の
第2の所定温度に維持する手段と、溶解熱分解ガス化手
段内の圧力をゲージ圧2気圧以上の所定圧力に維持する
第2の圧力維持手段と、溶解手段及び溶解熱分解ガス化
手段から排出されるガスを軽質化する軽質化手段と、軽
質化手段で軽質化されたガスを冷却し液化する手段と、
液化物を貯留する手段と、溶解熱分解ガス化手段内の未
分解物を排出する手段とを具備する混合廃プラスチック
の処理装置によって実施される。前記圧力維持手段は、
圧力検知手段と、弁手段と、圧力検知手段からの検知信
号に基づいて弁手段の開閉を制御する制御手段から構成
することができる。
【0013】
【作用】本発明の混合廃プラスチック処理方法による
と、混合廃プラスチックを溶媒と混合し高圧力下で熱分
解するため、一部の混合廃プラスチックが溶解され、こ
の溶解液が熱媒体あるいは反応媒体となり、特に単独熱
分解ではガス化し難い熱硬化性プラスチックの有機質樹
脂分の比較的低温下での熱分解ガス化が促進され、油回
収率の向上が図られる。さらに、通常の熱分解では炭素
数の含有量が多いガスが発生するが、高圧力下で熱分解
するために、溶媒と溶解及び不溶解混合廃プラスチック
との熱分解反応促進が図られ、高分子有機物の低分子有
機物への移行量が増大し、比較的低炭素数含有量の多い
油が回収できる。
【0014】混合廃プラスチックの溶解及び熱分解ガス
化をゲージ圧2気圧以上、好ましくはゲージ圧5気圧の
高圧下で行うのは、混合廃プラスチックの溶媒への溶解
速度の促進が図れ、かつ、分解生成水素ガスと他の分解
生成ガスとの反応(水素添加)による軽質化の効果を図
るためであり、溶解又は熱分解ガス化の処理圧力がゲー
ジ圧2気圧未満では溶解速度の促進あるいは軽質化の効
果が小さくなるからである。
【0015】また、本発明の混合廃プラスチック処理装
置によると、混合廃プラスチックの溶解熱分解ガス化手
段あるいは溶解熱分解ガス化手段の圧力をゲージ圧2気
圧以上の所定圧力に維持しながら混合廃プラスチックの
溶解あるいは熱分解ガス化処理を行い、発生したガスを
連続的に軽質化して液化処理するため、混合廃プラスチ
ックを安定して連続的に移送・処理でき、かつ、減容化
・再資源化を効率よく行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 〔実施例1〕図1は混合廃プラスチックを回分式で処理
する装置の模式図であり、図2はその溶解熱分解炉2内
の圧力変化を表す模式図である。
【0017】熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチ
ックを含む混合廃プラスチックは、予め破砕されて、入
口部31から貯留槽1に所定量貯留される。本実施例で
は、熱硬化性樹脂であるガラス繊維強化プラスチック
(FRP)を230g、不飽和ポリエステル樹脂(U
P)を130g、エポキシ樹脂(EP)を230gに、
熱可塑性樹脂であるポリスチレン(PS)を200g、
ポリプロピレン(PP)を300gの割合で混合した混
合廃プラスチックを10mm以下の大きさに破砕して貯
留槽1に供給した。
【0018】制御機200によりボール弁10を開き、
貯留槽1から所定量の混合廃プラスチックを溶解熱分解
炉2に供給した後、ボール弁10を閉じる。この後、制
御機200はストップ弁14、15を開くと同時に移送
ポンプ6を起動し、溶媒を油貯留槽5から溶解熱分解炉
2に所定量供給する。本実施例では、溶媒としてクレオ
ソート油を用い、前記混合廃プラスチック1090gに
対してクレオソート油200gの割合で供給した。
【0019】溶解熱分解炉2が熱分解温度まで加熱され
る過程において、初期加熱状態では低沸点の溶媒がガス
化され、溶解熱分解炉2内が熱分解圧力まで加圧される
にしたがい混合廃プラスチックの一部が溶解される。さ
らに、溶解熱分解炉2が熱分解温度に加熱されると、溶
媒と溶解及び不溶解混合廃プラスチックの熱分解ガス化
が促進される。本実施例では溶解熱分解炉2の熱分解温
度を500℃に設定し、熱分解圧力をゲージ圧8気圧に
設定した。
【0020】溶解加熱分解炉2内の圧力は圧力検知器1
01によって監視される。混合廃プラスチックの熱分解
ガス化によって溶解熱分解炉2内の圧力が上昇し、8気
圧を越えると、制御機200はストップ弁12を開き、
熱分解ガスを触媒軽質化炉3に導入する。熱分解ガスが
流出し、炉内の圧力がゲージ圧8気圧以下に低下する
と、制御機200はストップ弁12を閉じる。このよう
にして加熱分解中、図2に示すように、溶解熱分解炉2
内の圧力はほぼゲージ圧8気圧に維持され、溶媒と溶解
及び不溶解混合廃プラスチックの熱分解ガス化が促進さ
れる。
【0021】触媒軽質化炉3は、所定の温度に加熱され
たゼオライト系触媒やマンガン系触媒との接触反応によ
って熱分解ガスを軽質化する。軽質化ガスは冷却器4に
おいて凝縮・液化され、液化油質分が油貯留槽5に貯留
される。油貯留槽5に貯留された液化油質分は一部が溶
媒として溶解熱分解炉2に供給される。熱分解ガス化終
了時点においては炉内圧力が一定となり、圧力検知器1
01が炉内の圧力上昇を検知することに基づくストップ
弁12の開閉動作が休止する。ストップ弁12の動作休
止時間が設定時間、例えば5分間を越えるとストップ弁
12を開き、炉内の圧力を下げる。そして、炉内圧力が
ゲージ圧6気圧まで低下した時点でストップ弁12を閉
じ、その状態で5分間待機し、炉内圧力が上昇しないこ
と、すなわち熱分解が完全に終了したことを確認する
と、再びストップ弁12を開いて、炉内圧力をゲージ圧
0気圧すなわち大気圧まで降下させる。
【0022】溶解熱分解炉2内の圧力が大気圧力まで降
下すると、図示しない手段により溶解熱分解炉2の底部
より窒素ガスを所定量供給し、溶解熱分解炉2内の残留
熱分解ガスを排出して触媒軽質化炉3に導入する。残留
熱分解ガスの排出が終了したのちストップ弁12が閉じ
られ、次いでボール弁11が開かれて未分解の混合廃プ
ラスチック(残渣)が系外に排出される。次に、再びボ
ール弁10が開され、予め貯留槽1に貯留されている混
合廃プラスチックが溶解熱分解炉2に供給されて前記作
動を繰り返す。本実施例においては、混合廃プラスチッ
ク中の熱硬化性樹脂処理重量に対して残渣率24.0W
t%となり、分解ガス化率は76.0Wt%(この内訳
は排ガス32.2Wt%、油回収率43.8Wt%)と
なった。
【0023】〔比較例1〕ガラス繊維強化プラスチック
(FRP)を230g、不飽和ポリエステル樹脂(U
P)を130g、エポキシ樹脂(EP)を230gの割
合で混合した廃プラスチックを貯留槽1に供給した。こ
ののち、上記実施例と同様に混合廃プラスチックを溶解
熱分解炉2に供給し、熱硬化性樹脂単独で熱分解を実施
した。熱分解は炉内温度を常温から500℃に昇温させ
て500℃に維持し、炉内圧力をゲージ圧8気圧に維持
した状態で1時間行った。この結果、熱硬化性樹脂のみ
からなる混合廃プラスチック処理重量に対して残渣率5
3.1Wt%、分解ガス化率は46.9Wt%(この内
訳は排ガス21.7Wt%、油回収率25.2Wt%)
となった。
【0024】〔比較例2〕さらに、比較例1の試料中に
有機質がどの程度含有されているかを調べるため、比較
例1と同量の処理重量比となるように、ガラス繊維強化
プラスチック(FRP)0.023g、不飽和ポリエス
テル樹脂(UP)0.013g及びエポキシ樹脂(E
P)0.023gを混合して混合廃プラスチック試料を
調製した。この試料を、示差熱天秤を用いて窒素雰囲気
中において常温から500℃に加熱し、500℃に維持
して1時間経過後の重量減少率を測定した。
【0025】その結果、混合廃プラスチックの処理重量
に対して重量減少率は79.3Wt%(ガス化率、有機
質分ガス化量)、残渣率20.7Wt%(無機質分重
量)となり、有機質の含有量は79.3Wt%であるこ
とが分かる。この条件で、熱分解ガスをさらに冷却・液
化し油質分を回収した。比較例2の結果は、熱硬化性樹
脂単種においては残渣率が20.7Wt%(無機質分重
量)で、残りの有機質の含有量は79.3Wt%であ
り、理想的な場合には、この有機質量が全量ガス化でき
ることを示している。これに対し、比較例1の熱硬化性
樹脂単種での熱分解処理においては残渣率が53.1W
t%である。これは、比較例1における熱分解処理では
比較例2に比べ熱硬化性樹脂中の有機質分が約2.57
倍もガス化しないで残っており、ガス化率が低く少量の
油しか回収できないことを示している。
【0026】これに対し、実施例1における熱分解処理
では、残渣率及び熱分解ガス化率も比較例2の示差熱天
秤での結果と同等となり、比較例1に比べ熱硬化性樹脂
分からの、油回収率も約2倍増加していることが分か
る。 一方、回収油組成の炭素数をガスクロマト質量分
析(GC/MS)で調べた結果、比較例1及び2におい
ては炭素数が20以上の成分が全体の約60Wt%を占
めた。これに対し、実施例1では炭素数が20以上の成
分が全体の約40Wt%で、比較例1及び2に比べ軽質
化量が20Wt%増加されていることが分かった。
【0027】このように、溶媒と混合廃プラスチックと
を混合し、高圧力下で熱分解し溶解することにより一部
の混合廃プラスチックが溶解され、この溶解液が熱媒体
あるいは反応媒体となり、特に単独熱分解ではガス化し
難い熱硬化性プラスチックの有機質樹脂分の熱分解ガス
化が促進され、油回収率の向上が図れる。さらに、通常
の熱分解では高炭素数含有量が多いガスが発生するが、
高圧力下で熱分解するために、溶媒と溶解及び不溶解混
合廃プラスチックとの熱分解反応促進が図れ、高分子有
機物の低分子有機物への移行量が増大するガス化反応が
行われ、比較的低炭素数含有量の多い油が回収でき、か
つ、油回収率が増加できる効果があることが分かる。
【0028】〔実施例2〕図3は、混合廃プラスチック
を連続式で処理する装置の模式図である。図3におい
て、図1の回分式の処理装置と異なる構成機器は溶解炉
7、ボール弁16、ストップ弁17、圧力検知器10
3、制御機201である。混合廃プラスチックは入り口
部31から貯留槽1に所定量貯留されている。本実施例
においても前記実施例1と同様に、熱硬化性樹脂である
ガラス繊維強化プラスチック(FRP)を230g、不
飽和ポリエステル樹脂(UP)を130g、エポキシ樹
脂(EP)を230g、と熱可塑性樹脂であるポリスチ
レン(PS)を200g、ポリプロピレン(PP)を3
00gの割合で混合した混合廃プラスチックを10mm
以下の大きさに破砕して貯留槽1に供給した。
【0029】まず、ボール弁10が制御機201により
開かれ、混合廃プラスチックが貯留槽1から溶解炉7に
供給されたのちボール弁10が閉じられる。さらに、制
御機200の信号を受けてストップ弁14、15が開か
れ、移送ポンプ6が作動されて溶媒が所定量溶解炉7に
供給される。溶媒にはクレオソート油を用い、その添加
量は混合廃プラスチック1090gに対して溶媒200
gの割合とした。
【0030】溶解炉7が溶解温度まで加熱される過程に
おいて、初期加熱状態では低沸点の溶媒が蒸発され溶解
炉7内が溶解圧力まで加圧されると同時に混合廃プラス
チックの一部が溶解される。本実施例では、溶解炉7の
温度を300℃に設定し、圧力をゲージ圧8気圧に設定
した。溶解炉7内の圧力は圧力検知器103によって監
視され、溶解過程において、溶解炉7内の圧力がゲージ
圧8気圧を越えたら制御機200によりストップ弁17
を開き、炉内圧力が低下したら再びストップ弁を閉じる
ことを繰り返すことにより、溶解炉7内の圧力をほぼゲ
ージ圧8気圧に維持する。
【0031】ストップ弁17を通った溶媒及び熱分解ガ
スは触媒軽質化炉3に導入される。触媒軽質化炉3は、
所定の温度に加熱されたゼオライト系触媒やマンガン系
触媒との接触反応によって溶媒及び熱分解ガスを軽質化
する。軽質化ガスは冷却器4において凝縮・液化され、
液化油質分が油貯留槽5に貯留される。次いで、制御機
201は予め設定しておいた時間経過後に圧力検知器1
03によって溶解炉7内の圧力がゲージ圧8気圧を越え
ていないことを確認するとボール弁16を開き、溶解炉
7からガス化・排出しないで残留した溶媒と溶解及び不
溶解混合廃プラスチックを溶解熱分解炉2に移送・供給
する。溶解熱分解炉2の温度は500℃に設定され、圧
力はゲージ圧8気圧に設定されている。
【0032】溶解熱分解炉2では、前記実施例1と同様
にして、移送・供給された溶媒と溶解及び不溶解混合廃
プラスチックの熱分解ガス化が行われる。溶解熱分解炉
2が熱分解温度まで加熱される過程において、初期加熱
状態では低沸点の溶媒が蒸発され、溶解熱分解炉2内が
熱分解圧力まで加圧されるにしたがい混合廃プラスチッ
クの一部が溶解される。
【0033】溶解加熱分解炉2内の圧力は圧力検知器1
01によって監視される。混合廃プラスチックの熱分解
ガス化によって溶解熱分解炉2内の圧力が上昇し、ゲー
ジ圧8気圧を越えると、制御機200はストップ弁12
を開き、熱分解ガスを触媒軽質化炉3に導入する。熱分
解ガスが流出し、炉内の圧力がゲージ圧8気圧以下に低
下すると、制御機200はストップ弁12を閉じる。こ
のようにして加熱分解中、図2に示すように、溶解熱分
解炉2内の圧力はほぼゲージ圧8気圧に維持され、溶媒
と溶解及び不溶解混合廃プラスチックの熱分解ガス化が
促進される。
【0034】熱分解ガス化終了時点においては、溶解熱
分解炉2内の圧力が一定となり、圧力検知器101の検
知圧力に基づくストップ弁12の開閉動作が休止する。
制御機200は、ストップ弁12の動作休止時間が5分
間を越えるとストップ弁12を開き、炉内の圧力をゲー
ジ圧6気圧まで下げる。その状態で5分間待機し、炉内
圧力が上昇しないこと、すなわち熱分解が完全に終了し
たことを確認すると、再びストップ弁12を開いて、炉
内圧力を大気圧まで降下させる。
【0035】溶解熱分解炉2内が大気圧力まで降下した
時点において、溶解熱分解炉2の底部より図示しない手
段により窒素ガスを所定量供給し、溶解熱分解炉2内の
残留熱分解ガスを排出して触媒軽質化炉3に導入する。
残留熱分解ガスの排出が終了したのち、ストップ弁12
を閉じ、次いでボール弁11を開いて未分解の混合廃プ
ラスチック(残渣)を系外に排出する。この時点におい
て予め貯留槽1に貯留されている混合廃プラスチックを
ボール弁10を開いて溶解炉7に供給し、前記作動を繰
り返して連続的に混合廃プラスチックが熱分解処理され
る。
【0036】本実施例においても、混合廃プラスチック
中の熱硬化性樹脂処理重量に対して分解ガス化率は7
6.0Wt%(この内訳は排ガス32.2Wt%、油回
収率43.8Wt%)となり、残渣率は24.0Wt%
となった。このように、連続式の処理方法においても溶
媒と混合廃プラスチックとを混合し、高圧力下で熱分解
し溶解することにより一部の混合廃プラスチックを溶解
することにより、比較的低炭素数含有量の多い油が回収
でき、かつ、油回収率の増加が図れる効果があることが
分かる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、廃プラスチック中から
熱硬化性樹脂廃棄物を除去することなく、熱硬化性樹脂
と熱可塑性樹脂とを混合したままの処理で比較的熱分解
ガス化し難い熱硬化性樹脂の分解率を高めることがで
き、比較的低炭素数含有量の多い油を回収でき、かつ、
油回収率の増加を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回分式による混合廃プラスチック処理装置の模
式図。
【図2】溶解熱分解炉内の圧力を表す模式図。
【図3】連続式による混合廃プラスチック処理装置の模
式図。
【符号の説明】
1…貯留槽、2…溶解熱分解炉、3…触媒軽質化炉、4
…冷却器、5…油貯留槽、6…移送ポンプ、7…溶解
炉、10,11,16…ボール弁、12,14,15,
17…ストップ弁、101,103…圧力検知器、20
0,201…制御機
フロントページの続き (72)発明者 宮寺 博 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特表 平9−500686(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10J 3/00 C10G 1/10 C10J 3/46 C10J 3/48 C10J 3/72

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器内で熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂
    との混合廃プラスチックを溶媒と混合し、加熱によって
    溶媒をガス化して圧力を上昇させ、上昇した圧力下にお
    いて前記混合廃プラスチックを溶解させると共に前記溶
    媒と溶解及び不溶解混合廃プラスチックを熱分解ガス化
    し、得られた熱分解ガスを軽質化し、前記軽質化ガスを
    凝縮・液化して油を回収することを特徴とする混合廃プ
    ラスチックの処理方法。
  2. 【請求項2】ゲージ圧2気圧以上の圧力下で前記混合廃
    プラスチックを溶解させると共に溶媒と溶解及び不溶解
    混合廃プラスチックを熱分解ガス化することを特徴とす
    る請求項1記載の混合廃プラスチックの処理方法。
  3. 【請求項3】第1の密閉容器内で熱硬化性樹脂と熱可塑
    性樹脂との混合廃プラスチックを溶媒と混合し、加熱に
    よって溶媒をガス化して第1の密閉容器内の圧力を上昇
    させ、所定の圧力に維持された第1の密閉容器内で前記
    混合廃プラスチックを溶解させ、その後第1の密閉容器
    内の溶媒と溶解及び不溶解混合廃プラスチックを第2の
    密閉容器に移送し、第2の密閉容器内で溶媒と溶解及び
    不溶解混合廃プラスチックを加熱し、溶媒のガス化と溶
    解及び不溶解混合廃プラスチックの加熱分解ガス化によ
    って第2の密閉容器内の圧力を上昇させ、所定の圧力に
    維持された第2の密閉容器内の溶媒と溶解及び不溶解混
    合廃プラスチックを熱分解ガス化することを特徴とする
    混合廃プラスチックの処理方法。
  4. 【請求項4】熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合廃プ
    ラスチックを貯留する貯留手段と、該貯留手段に接続さ
    れた混合廃プラスチックの溶解熱分解ガス化手段と、溶
    媒貯留手段と、該溶媒貯留手段から溶媒を前記溶解熱分
    解ガス化手段に供給する手段と、前記溶解熱分解ガス化
    手段内部を所定温度に維持する手段と、前記溶解熱分解
    ガス化手段内の圧力をゲージ圧2気圧以上の所定圧力に
    維持する圧力維持手段と、前記溶解熱分解ガス化手段か
    ら排出されるガスを軽質化する軽質化手段と、該軽質化
    手段で軽質化されたガスを冷却し液化する手段と、該液
    化物である油を貯留する手段と、前記溶解熱分解ガス化
    手段内の未分解物を排出する手段とを具備することを特
    徴とする混合廃プラスチックの処理装置。
  5. 【請求項5】熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合廃プ
    ラスチックを貯留する貯留手段と、該貯留手段に接続さ
    れた混合廃プラスチックの溶解手段と、溶媒貯留手段
    と、該溶媒貯留手段から溶媒を前記溶解手段に供給する
    手段と、前記溶解手段内部を第1の所定温度に維持する
    手段と、前記溶解手段内の圧力を2気圧以上の所定圧力
    に維持する第1の圧力維持手段と、前記溶解手段に接続
    された混合廃プラスチックの溶解熱分解ガス化手段と、
    前記溶解熱分解ガス化手段内部を前記第1の温度以上の
    第2の所定温度に維持する手段と、前記溶解熱分解ガス
    化手段内の圧力をゲージ圧2気圧以上の所定圧力に維持
    する第2の圧力維持手段と、前記溶解手段及び溶解熱分
    解ガス化手段から排出されるガスを軽質化する軽質化手
    段と、該軽質化手段で軽質化されたガスを冷却し液化す
    る手段と、該液化物を貯留する手段と、前記溶解熱分解
    ガス化手段内の未分解物を排出する手段とを具備するこ
    とを特徴とする混合廃プラスチックの処理装置。
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