JP3004616B2 - ターボ過給機の排ガスタービン - Google Patents

ターボ過給機の排ガスタービン

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JP3004616B2 JP10013696A JP1369698A JP3004616B2 JP 3004616 B2 JP3004616 B2 JP 3004616B2 JP 10013696 A JP10013696 A JP 10013696A JP 1369698 A JP1369698 A JP 1369698A JP 3004616 B2 JP3004616 B2 JP 3004616B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガスタービンの
入口通路内に配置されていて作動媒体をタービン羽根へ
誘導するノズルリングを備えた、ターボ過給機の排ガス
タービンに関する。
【０００２】
【従来の技術】ターボ過給機の排ガスタービンのノズル
リングは交番する運転条件、換言すれば作動媒体の圧力
及び温度の上昇又は低下により高い負荷を受ける。使用
されたタービンに依存し、かつ具体的な使用条件に応じ
て、作動媒体は大きな温度勾配を有している。ノズルリ
ングは、これを取り囲むタービン構成部分に対比して常
にわずかな質量しか有していないため、比較的激しく熱
膨張にさらされる。
【０００３】ノズルリングはしばしば簡単な締付けによ
りガスタービンのハウジング内に固定される。この場合
にはノズルリングが相応して膨張することができないた
め、材料のそり及び亀裂が生じ、その結果、このような
ノズルリングは十分な耐用寿命を有していない。それゆ
え、ノズルリングは比較的短い期間で交換されなければ
ならず、このことは付加的なコストの他にタービンの作
動停止をもたらす。
【０００４】この理由から、ノズルリングと、これを取
り囲む構成部分との間に十分大きな膨張ギャップが形成
される。しかし、このような解決手段では、この膨張ギ
ャップを通して作動媒体流が少なからぬバイパス流とし
て失われるという欠点が生じる。このことにより、ター
ビンの効率が著しく減少する。
【０００５】この欠点を回避すべく、ヨーロッパ特許出
願公開第００２４２７５号明細書によれば、軸方向並び
に半径方向で自由に膨張でき、かつそれにもかかわら
ず、閉鎖可能な膨張ギャップを備えたノズルリングが開
発されている。このことのために、このノズルリングの
位置固定は主として弾性的なエレメントにより行われて
おり、この弾性的なエレメントがプレロードもしくは予
荷重にもとづきノズルリングを常にタービンハウジング
に設けた座部に圧着せしめる。その際同時に、膨張ギャ
ップのシールが生じる。
【０００６】しかし、作動媒体及びノズルリングの温度
が高いために弾性的なエレメントのプレロードもしくは
予荷重が減退することが判っている。つまり、弾性的な
エレメントのプレロードもしくは予荷重の減退により、
ノズルリングがもはやその座部に接触せず、かつ膨張ギ
ャップが再びバイパス流を通過せしめる。従って、この
解決手段でもバイパス流に対処する、膨張ギャップのシ
ールを永続的に保証することができず、ひいては効率の
著しい減少を阻止することができない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】これらすべての欠点を
回避すべく、本発明の課題は、耐用寿命が改善されると
共にコンスタントな、つまり一定の効率が保証されるよ
うなノズルリングを備えた、ターボ過給機の排ガスター
ビンを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】この課題は本発明によれ
ば、請求項１に記載したように、タービンハウジングと
ノズルリングとの間に膨張ギャップが形成されており、
この膨張ギャップの領域内に少なくとも１つのパッキン
が配置されており、ノズルリングが、切欠内に配置され
ていて多数の案内羽根を介して互いに結合された２つの
固定エレメントから成り、かつ、少なくとも一方の固定
エレメント又は固定エレメントを取り囲む、タービンハ
ウジングの少なくとも１つの構成部分に、パッキンを受
容する環状の溝が形成されていることにより解決され
る。
【０００９】
【発明の効果】本発明によれば、ノズルリングの耐用寿
命が改善され、かつタービン効率が向上する。
【００１０】本発明の構成では、ノズルリングは、切欠
内に配置されていて多数の案内羽根を介して互いに結合
された２つの固定エレメントから成っている。少なくと
も一方の固定エレメント、又はタービンハウジングの、
この固定エレメントを取り囲む少なくとも１つの構成部
分には、パツキンを受容する環状の溝が形成されてい
る。
【００１１】ターボ過給機の運転時に、ノズルリングと
タービンハウジングとの間に形成された膨張ギャップは
軸方向並びに半径方向でのノズルリングの自由な膨張を
許容する。同時に、ターボ過給機に結合された内燃機関
の排ガスの作用によりパツキンが溝に圧着され、これに
より膨張ギャップの著しいシールが得られる。こうし
て、一方ではノズルリングの熱膨張のための十分な遊び
が保証され、他方ではバイパス流の適切なシールが保証
される。
【００１２】環状の溝が排ガスの流れ方向に向けられて
いると特に有利である。このことにより、特別大きなシ
ール面が実現され、このことはシール性の改善ひいては
タービン効率の向上につながる。
【００１３】ノズルリングの領域内での具体的なスペー
ス事情に応じて、パツキンはそれぞれノズルリングと、
ガス入口ハウジング、タービン側のハウジング部分又は
ガス出口ハウジングとの間に配置されることができる。
【００１４】パツキンは積層リングとして形成されてい
る。十分な耐熱性の材料、例えばクロムニッケル鋼から
成る二重積層リングが特に有利である。このようなパツ
キンは７２０°の角度を囲む。したがって、このパツキ
ンは最大７５０℃の高い温度に損傷なく耐えるばかりで
なく、膨張ギャップのシール改善のためにも役立つ。こ
のことにより、タービン効率は一段と向上し、かつノズ
ルリングの耐用寿命も増大する。
【００１５】これに対して択一的に、パツキンを同様に
十分な耐熱性の材料から成るピストンリングとして形成
することもできる。これにより、具体的な使用条件に応
じた、膨張ギャップのシールのための別の可能性が得ら
れる。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下に、ターボ過給機の、ノズル
リングを備えたラジアルタービンにつき本発明の実施の
形態を詳しく説明する。
【００１７】図面には本発明を理解する上で重要な構成
要素しか示されていない。設備のうち、例えば排ガスタ
ーボ過給機の圧縮機側や、ラジアルタービンに結合され
た内燃機関は図示されていない。作動媒体の流れ方向は
矢印により示されている。
【００１８】排ガスターボ過給機は主として、図示され
ていない圧縮機と、ラジアルタービンとして形成された
排ガスタービン１とから成る。排ガスタービン１は、ス
パイラル形もしくは螺旋形のガス入口ハウジング３と、
ガス出口フランジとして形成されたガス出口ハウジング
４と、中間壁として形成されたタービン側のハウジング
構成部分５とから成るタービンハウジング２を備えてい
る。タービンハウジング２内には、回転羽根８を備えて
いて軸６により支持されたタービン羽根車７が回転可能
に支承されている。圧縮機側には同様に図示されていな
い圧縮機羽根車が軸６に配置されている。ガス入口ハウ
ジング３は下流で、排ガスターボ過給機に結合された同
様に図示されていない内燃機関の排ガスのための入口通
路９内へ移行している。この入口通路９内にはガス入口
ハウジング３と、ガス出口フランジ４及び中間壁５との
間にノズルリング１１が形状接続によって、つまり係合
による嵌合によって配置されている。軸６は軸受１２に
より軸受ケーシング１３内で回転可能に支承されてい
る。ガス入口ハウジング３と軸受ケーシング１３とは周
方向に配置された締付バンド１４により互いに結合され
ている。ガス出口ハウジング４とガス入口ハウジング３
とはねじ１５により解離可能に互いに結合されている
（図１）。
【００１９】ノズルリング１１は多数の案内羽根１８を
介して互いに結合された環状の２つの固定エレメント１
６，１７から成っている。ノズルリング１１の受容のた
めに、タービンハウジング２はガス入口ハウジング３か
らガス出口ハウジング４もしくは中間壁５への移行領域
内に切欠１９を備えている。この切欠１９内には、換言
すればノズルリング１１とタービンハウジング２との間
には、ノズルリング１１の軸方向並びに半径方向の膨張
を許容する膨張ギャップ２０が形成されている。ノズル
リング１１のガス入口側では、固定エレメント１７に環
状の溝２１が配置されており、この溝は排ガス１０の流
れ方向へ向けられている。溝２１は、二重積層リングと
して形成されたパッキン、換言すれば７２０°の角度を
囲むパッキン２２を受容している。この二重積層リング
２２はクロムニッケル鋼から成っているが、しかし、耐
熱性の別の材料を使用することもできるのは勿論であ
る。溝２１並びにタービンハウジング２の切欠１９内に
はそれぞれ１つのシール面２３，２４が二重積層リング
２２のために配置されている（図２）。シールへの要求
及びスペース事情に関連して、単一又は三重の積層リン
グを使用することができるのは勿論である。
【００２０】図３には、図１で略示された二重積層リン
グ２２の縦断面図が示されている。図面を見やすくする
ために、拡大図示が選択されている。
【００２１】二重積層リング２２の組付けのために、こ
の二重積層リングはノズルリング１１と一緒に、若干小
さな外径２５を有する切欠１９内へ嵌め込まれる。この
ことにより、二重積層リング２２のプレロードもしくは
予荷重が生じ、このことにより、二重積層リングは常に
シール面２４に接触する。二重積層リング２２のこの嵌
め込みを簡単にするために、切欠１９はガス入口ハウジ
ング３の領域内に斜め面取部２６を備えている。
【００２２】排ガスターボ過給機に結合されたディーゼ
ル機関として形成された内燃機関の運転の際に、内燃機
関の排ガス１０はまず最初に、ラジアルタービンとして
のガスタービン１のスパイラル形のガス入口ハウジング
３内へ達する。この排ガス１０はガス入口ハウジング３
内で加速され、かつノズルリング１１を介して最適な流
れ角度でタービン羽根車７へ誘導される。このタービン
羽根車のところで排ガス１０は最終的に膨張させられ
る。その際、排ガスは出力を放出し、この出力が軸６ひ
いては圧縮機羽根車の駆動に役立てられる。
【００２３】膨張ギャップ２０が形成されているため
に、ノズルリング１１は軸方向及び半径方向で自由に膨
張することができる。その場合、入口通路９及び膨張ギ
ャップ２０を介して作用する排ガス圧力が二重積層リン
グ２２を常に溝２１のシール面２３へ圧着せしめる。そ
の結果、膨張ギャップ２０の著しいシールが得られる。
試験台での実験によれば、膨張ギャップ２０のシールを
行わないバリエーションに比べて最大３ポイントの効率
利得を確認することができた。
【００２４】本発明の第２実施例では、環状の溝２１が
ガス出口フランジ４（ガス出口ハウジング）に形成され
ている（図４）。このことにより、適当な構造的な前提
条件で使用される、パッキン２２の配置のための第２の
バリエーションが得られる。第１実施例と相違して、こ
の場合には溝２１に配置されたシール面２３の他に第２
のシール面２７がノズルリング１１の固定エレメント１
７に形成されている。この二重積層リング２２の機能は
第１実施例と同様である。環状の溝２１を固定エレメン
ト１６又は中間壁５に、換言すれば同様にノズルリング
１１のガス入口側もしくは出口側に形成することもでき
る（図示せず）のは勿論である。
【００２５】図５に示す第３実施例では、ピストンリン
グとして形成されたパッキン２８がノズルリング１１の
ガス入口側で、その固定エレメント１７とガス入口ハウ
ジング３との間に配置されている。ピストンリングとし
てのこのパッキン２８は相応して適合された溝２９によ
り受容されている。溝２９並びにタービンハウジング２
の切欠１９内にはそれぞれこのパッキン２８のためのシ
ール面３０，３１が配置されている。良好なシールを保
証するためには、フック係止された合口部を備えたパッ
キン２８（図示せず）が使用される。ラジアルタービン
のその他のすべての構成部分は第１実施例と類似的に形
成されている。ピストンリングとしてのパッキン２８の
機能は二重積層リング２２の機能に相応している。
【図面の簡単な説明】
【図１】ラジアルタービンの部分縦断面図である。
【図２】図１の本発明の第１実施例にもとづくノズルリ
ングの領域の拡大断面図である。
【図３】図１に示すパッキンの本発明にもとづく拡大縦
断面図である。
【図４】本発明の第２実施例にもとづくノズルリングの
領域の拡大断面図である。
【図５】本発明の第３実施例にもとづくノズルリングの
領域の拡大断面図である。
【符号の説明】
１ 排ガスタービン（ラジアルタービン）、 ２ ター
ビンハウジング、 ３ガス入口ハウジング、 ４ ガス
出口ハウジング（ガス出口フランジ）、 ５タービン側
のハウジング部分、 ６ 軸、 ７ タービン羽根車、
８ 回転羽根、 ９ 入口通路、 １０ 排ガス、
１１ ノズルリング、 １２ 軸受、 １３ 軸受ケー
シング、 １４ 締付バンド、 １５ ねじ、 １６，
１７固定エレメント、 １８ 案内羽根、 １９ 切
欠、 ２０ 膨張ギャップ、２１ 溝、 ２２ パッキ
ン（二重積層リング）、 ２３ 溝のシール面、２４
切欠のシール面、 ２５ 外径、 ２６ 斜め面取部、
２７ 固定エレメントのシール面、 ２８ パッキン
（ピストンリング）、 ２９ 溝、 ３０溝のシール
面、 ３１ 切欠のシール面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラウス ディーター ヴァイスハイト ドイツ連邦共和国 ボンドルフ クリス ティアン−ドゥンカー−シュトラーセ 20 (72)発明者 マルセル ツェーンダー スイス国 ニーダーヴィル リギヴェー ク ３ (56)参考文献 特開 平５−214949（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−156905（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−74541（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−179133（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−114401（ＪＰ，Ｕ) 欧州特許出願公開24275（ＥＰ，Ａ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F02B 39/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ターボ過給機の排ガスタービンであっ
    て、ガス入口ハウジング（３）、ガス出口ハウジング
    （４）及びタービン側の少なくとも１つのハウジング部
    分（５）から成るタービンハウジング（２）と、回転羽
    根（８）を備えていて軸（６）に回転可能に支承された
    タービン羽根車（７）と、タービン羽根車（７）の上流
    でタービンハウジング（２）に形成された、ターボ過給
    機に結合された内燃機関の排ガス（１０）のための入口
    通路（９）と、この入口通路（９）内に配置されていて
    タービンハウジング（２）の切欠（１９）内で固定され
    ておりかつ排ガス（１０）を回転羽根（８）へ誘導する
    ノズルリング（１１）とを備えている形式のものにおい
    て、タービンハウジング（２）とノズルリング（１１）
    との間に膨張ギャップ（２０）が形成されており、この
    膨張ギャップ（２０）の領域内に少なくとも１つのパッ
    キン（２２，２８）が配置されており、ノズルリング
    （１１）が、切欠（１９）内に配置されていて多数の案
    内羽根（１８）を介して互いに結合された２つの固定エ
    レメント（１６，１７）から成り、かつ、少なくとも一
    方の固定エレメント（１６，１７）又は固定エレメント
    （１６，１７）を取り囲む、タービンハウジング（２）
    の少なくとも１つの構成部分（３，４，５）に、パッキ
    ン（２２，２８）を受容する環状の溝（２１）が形成さ
    れていることを特徴とする、ターボ過給機のための排ガ
    スタービン。
  2. 【請求項２】 環状の溝（２１）が排ガス（１０）の流
    れ方向に向けられている、請求項１記載の排ガスタービ
    ン。
  3. 【請求項３】 パッキン（２２，２８）がガス入口ハウ
    ジング（３）とノズルリング（１１）との間に配置され
    ている、請求項２記載の排ガスタービン。
  4. 【請求項４】 パッキン（２２，２８）がタービン側の
    ハウジング部分（５）とノズルリング（１１）との間に
    配置されている、請求項２記載の排ガスタービン。
  5. 【請求項５】 パッキン（２２，２８）がガス出口ハウ
    ジング（４）とノズルリング（１１）との間に配置され
    ている、請求項２記載の排ガスタービン。
  6. 【請求項６】 パッキン（２２）が、積層リング、特に
    二重積層リングとして形成されている、請求項３から５
    までのいずれか１項記載の排ガスタービン。
  7. 【請求項７】 積層リング（２２）が十分に耐熱性の材
    料、特にクロムニッケル鋼から成る、請求項６記載の排
    ガスタービン。
  8. 【請求項８】 パッキン（２８）がピストンリングとし
    て形成されている、請求項３から５までのいずれか１項
    記載の排ガスタービン。
  9. 【請求項９】 ピストンリング（２８）が十分に耐熱性
    の材料、特にクロムニッケル鋼から成る、請求項８記載
    の排ガスタービン。
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