JP3004471U - ジャイロ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案はジャイロ装置に関し、特に、シリコ
ンよりなる棒状振動体を電磁力により駆動し、この棒状
振動体を挟持して配設した一対の電極間の容量変化によ
り角速度検出を行うことを目的とする。 【構成】 本考案によるジャイロ装置は、磁気発生体
(1)上に一対の絶縁板(2,12)で挟持した棒状振動体(5)を
電磁作用で駆動し、入力角速度印加時の棒状振動体(5)
の振動量を一対の電極(4,11)を用いて検出する構成であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ジャイロ装置に関し、特に、シリコンよりなる棒状振動体を電磁力 により駆動し、この棒状振動体を挟持して配設した一対の検出電極間の静電容量 変化を用いて角速度検出を行うための新規な改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、用いられていたこの種のジャイロ装置としては、ここでは図示を省略し ているが、例えば、実開平１−６１６１１号公報に開示された機械式の構成及び 特開平５−３２２５７９号の構成を挙げることができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のジャイロ装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が 存在していた。 すなわち、機械式の構成の場合、モータ、トルカーコイル及び大型の基台を用 いるため、装置全体の形状が大形化し、かつ、重量化していた。 また、前述の特開平５−３２２５７９号公報に開示された構成の場合、振動子 を外部からの圧電振動体又は交流電源のみを用いてＸ方向に振動させた状態下で Ｙ方向の角速度入力を静電容量の変化として検出する構成であるため、Ｘ方向に おける振動を大きくすることが難しく、感度を向上させることが困難であった。

【０００４】 本考案は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、シリコ ンよりなる棒状振動体を電磁力により駆動し、この棒状振動体を挟持して配設し た一対の検出電極間の静電容量変化を用いて角速度検出を行うようにしたジャイ ロ装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案によるジャイロ装置は、磁気発生体上に設けられた第１絶縁板と、前記 第１絶縁板上に形成された第１凹部と、前記第１凹部をまたがるように振動自在 に設けられシリコンよりなる棒状振動体と、前記棒状振動体上に設けられ第２凹 部を有する第２絶縁板と、前記第１、第２凹部に形成された第１、第２検出電極 と、前記棒状振動体の両端間に接続された交流電源とを備え、前記棒状振動体の 前記検出電極方向への振動量を入力角速度として前記検出電極にて検出するよう にした構成である。

【０００６】 さらに詳細には、前記磁気発生体は永久磁石よりなり、前記各絶縁板はガラス よりなる構成である。

【０００７】 さらに詳細には、前記永久磁石は、長手四角形よりなる構成である。

【０００８】 さらに詳細には、前記棒状振動体のくびれ状の振動部は前記各凹部内に位置し ている構成である。

【０００９】

【作用】

本考案によるジャイロ装置においては、交流電源から棒状振動体の両端に交流 電流を印加することにより、棒状振動体は磁気発生体からの磁束との電磁相互作 用によってこの棒状振動体の長手方向と直交するＸ方向に沿って振動する。 前述の状態で、前記棒状振動体の長手方向に沿うＺ軸回りに入力角速度が外部 から加えられた場合、この棒状振動体は前記棒状振動体の長手方向と直交するＹ 方向（磁気発生体の磁束の発生方向）に沿って振動する。 この時の棒状振動体のＹ方向における振動量は、この棒状振動体を挟んだ各検 出電極間の静電容量の変化として検出することにより、入力角速度を検出するこ とができる。

【００１０】

【実施例】

以下、図面と共に本考案によるジャイロ装置の好適な実施例について詳細に説 明する。 図１において符号１で示されるものは、長手四角形をなすと共に２極からなる 永久磁石によって構成された磁気発生体であり、この磁気発生体１の上面１ａに はこの磁気発生体１の上面１ａと同一寸法の平面形状を有するガラスからなる第 １絶縁板２が設けられている。

【００１１】 前記第１絶縁板２の上面２ａには、エッチングで形成された長手形状の第１凹 部３が形成され、この第１凹部３上には金属の蒸着によって形成された第１電極 ４が設けられている。この第１絶縁板２の第１凹部３の長手方向における両端に は一対の肉厚部３ａ，３ｂが形成され、この各肉厚部３ａ，３ｂ上には、エッチ ングで形成されシリコンよりなる棒状振動体５がこの第１凹部３を長手方向にお いてまたがるように載置され、この棒状振動体５の両端に形成された膨大状の取 付部５ａ，５ｂが前記各肉厚部３ａ，３ｂ上に接着等によって固定されている。 従って、前記棒状振動体５の各取付部５ａ，５ｂ間のくびれ状の振動部５ｃは 前記第１凹部３とは非接触状態で自在に振動できるように構成されている。

【００１２】 前記棒状振動体５の上部には、前記第１凹部３には対応して同様に形成された 第２凹部１０及びこの第２凹部１０に前記第１電極４に対応して同様に形成され た第２電極１１を有しガラスからなる第２絶縁板１２が載置されており、この第 ２絶縁板１２の長手方向の両端１２ａ，１２ｂは前記各取付部５ａ，５ｂ上に接 着剤等を介して固定されている。従って、前記棒状振動体５の振動部５ｃは前記 各絶縁板２，１２の各凹部３，１０間に位置していることにより、図１で示すＸ 方向（水平方向）及びＹ方向（垂直方向）に自在に振動できるように構成されて いる。

【００１３】 前記各凹部３，１０の各電極４，１１によって静電型のセンサが構成され、前 記振動部５ｃのＹ方向の振動量をこの各電極４，１１を用いて静電的に検出でき るように構成されている。

【００１４】 前記棒状振動体５の各取付部５ａ，５ｂ間には交流電源２０が接続されており 、この交流電源２０の交流電流２０ａが前記棒状振動体５の両端に供給され、こ の棒状振動体５の振動部５ｃはこの交流電流２０ａと前記磁気発生体１の磁束（ 実際にはＹ方向に沿って発生している）との電磁相互作用によってＸ方向に振動 するように構成されている。

【００１５】 次に、前述の構成において実際に入力角速度を検出する動作について述べる。 まず、前述のように、交流電源２０から棒状振動体５の両端に交流電流２０ａ を印加することにより、棒状振動体５の振動部５ｃが磁気発生体１からの磁束と 前記交流電流２０ａとの電磁相互作用によって水平方向であるＸ方向に沿って振 動を始める。

【００１６】 前述の状態において、前記棒状振動体５の長手方向に沿うＺ軸回りに入力角速 度３０が外部から加えられた場合、この振動部５ｃはその長手方向と直交するＹ 方向（磁気発生体１の磁束の発生方向）に沿って振動する。 この時の振動部５ｃのＹ方向における振動量は、この振動部５ｃを挟んだ各検 出電極４，１１間の静電容量の変化として検出することにより、入力角速度３０ の大きさを検出することができる。

【００１７】 なお、前述の各凹部３，１０、各電磁４，１１、棒状振動体５等の形状につい ては、１例を示したもので、その形状を種々変更した場合についても、前述と同 様の効果を得ることができることは述べるまでもないことである。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によるジャイロ装置は、以上のように構成されているため、次のような 効果を得ることができる。 すなわち、棒状振動体の駆動に、交流電流と磁気発生体からの磁束を用いた電 磁相互作用を用いているため、棒状振動体の水平振動（Ｘ方向）の振動が大とな り、高感度に入力角速度の検出を行うことができる。 一対のガラス等の絶縁板で振動部がパッケージされているため、振動部が外部 から損傷を受けることがなく、かつ、全体形状を小形化した状態で製品化できる ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるジャイロ装置を示す斜視図であ
る。

【図２】図１の要部を示す拡大斜視図である。

【符号の説明】

１ 磁気発生体 ２ 第１絶縁板 ３ 第１凹部 ４ 第１検出電極 ５ 棒状振動体 １０ 第２凹部 １１ 第２検出電極 １２ 第２絶縁板 ２０ 交流電源

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気発生体(1)上に設けられた第１絶縁
   板(2)と、前記第１絶縁板(2)上に形成された第１凹部
   (3)と、前記第１凹部(3)をまたがるように振動自在に設
   けられシリコンよりなる棒状振動体(5)と、前記棒状振
   動体(5)上に設けられ第２凹部(10)を有する第２絶縁板
   (12)と、前記第１、第２凹部(3,10)に形成された第１、
   第２検出電極(4,11)と、前記棒状振動体(5)の両端間に
   接続された交流電源(20)とを備え、前記棒状振動体(5)
   の前記各検出電極(4,11)方向への振動量を入力角速度と
   して前記各検出電極(4,11)にて検出する構成としたこと
   を特徴とするジャイロ装置。
2. 【請求項２】 前記磁気発生体(1)は永久磁石よりな
   り、前記各絶縁板(2,12)はガラスよりなることを特徴と
   する請求項１記載のジャイロ装置。
3. 【請求項３】 前記永久磁石は、長手四角形よりなるこ
   とを特徴とする請求項２記載のジャイロ装置。
4. 【請求項４】 前記棒状振動体(5)のくびれ状の振動部
   (5c)は前記各凹部(3,10)内に位置していることを特徴と
   する請求項１ないし３の何れかに記載のジャイロ装置。