JP3004205B2 - 切断砥石 - Google Patents
切断砥石Info
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- JP3004205B2 JP3004205B2 JP8141369A JP14136996A JP3004205B2 JP 3004205 B2 JP3004205 B2 JP 3004205B2 JP 8141369 A JP8141369 A JP 8141369A JP 14136996 A JP14136996 A JP 14136996A JP 3004205 B2 JP3004205 B2 JP 3004205B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材などを切断す
るための円板状の切断砥石の改良に関する。
るための円板状の切断砥石の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材などを切断するための円板状の切断
砥石は、切断面の高品質化のために、シャーや金鋸によ
る切断からの転換が進められている一方で、切断能率の
向上や砥石寿命の向上などのために、切断砥石の高速度
化および大径化が望まれている。
砥石は、切断面の高品質化のために、シャーや金鋸によ
る切断からの転換が進められている一方で、切断能率の
向上や砥石寿命の向上などのために、切断砥石の高速度
化および大径化が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な高速度化および大径化の要請に対処するためには、ガ
ラス繊維メッシュなどの補強材を積層する量を増加させ
ることが考えられる。しかし、補強材の積層量を増加さ
せる場合には、砥石強度が高くなって高速度化および大
径化には対処できるけれども、円板状の切断砥石の厚み
が比較的薄いことから、砥石内における砥粒容積の割合
が小さくなって砥石の有効切れ刃が減少して切断能率が
低下したり、研削面に露出する砥粒の均一性が損なわれ
るという不都合があった。特に、回転軸に固定するため
の中心穴付近に滑り防止用の係合穴が設けられた形式の
切断砥石では、その係合穴が回転破壊強度を低下させる
要因となり得ることから、その係合穴のある中心穴付近
の補強を入念に行う必要があるため、上記の不都合が顕
著であった。
な高速度化および大径化の要請に対処するためには、ガ
ラス繊維メッシュなどの補強材を積層する量を増加させ
ることが考えられる。しかし、補強材の積層量を増加さ
せる場合には、砥石強度が高くなって高速度化および大
径化には対処できるけれども、円板状の切断砥石の厚み
が比較的薄いことから、砥石内における砥粒容積の割合
が小さくなって砥石の有効切れ刃が減少して切断能率が
低下したり、研削面に露出する砥粒の均一性が損なわれ
るという不都合があった。特に、回転軸に固定するため
の中心穴付近に滑り防止用の係合穴が設けられた形式の
切断砥石では、その係合穴が回転破壊強度を低下させる
要因となり得ることから、その係合穴のある中心穴付近
の補強を入念に行う必要があるため、上記の不都合が顕
著であった。
【0004】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、切断能率や
砥粒の均一性を損なうことなく高速度化および大径化を
可能とする切断砥石を提供することにある。
たものであって、その目的とするところは、切断能率や
砥粒の均一性を損なうことなく高速度化および大径化を
可能とする切断砥石を提供することにある。
【0005】本発明者は以上の事情を背景として種々検
討を重ねた結果、切断砥石の亀裂や破壊の出発点となり
易い上記係合穴の内周面に管状部材を固着すると、その
係合穴の強度が高められることから、切断砥石に用いら
れていたガラス繊維メッシュなどの補強材の積層量を減
少させても、高速度化や大径化に対して十分な強度を得
ることができることを見いだした。本発明は、かかる知
見に基づいて為されたものである。
討を重ねた結果、切断砥石の亀裂や破壊の出発点となり
易い上記係合穴の内周面に管状部材を固着すると、その
係合穴の強度が高められることから、切断砥石に用いら
れていたガラス繊維メッシュなどの補強材の積層量を減
少させても、高速度化や大径化に対して十分な強度を得
ることができることを見いだした。本発明は、かかる知
見に基づいて為されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
めの本発明の切断砥石の要旨とするところは、中心穴と
その中心穴付近に設けられた滑り防止用の係合穴とを備
え、中心穴の周囲が挟圧され且つ係合穴に滑り止めピン
が係合させられた状態で回転軸に固定される円板状の切
断砥石において、前記係合穴の内周面に前記切断砥石の
厚み寸法と同等の長さ寸法を有する管状部材を固着した
ことにある。
めの本発明の切断砥石の要旨とするところは、中心穴と
その中心穴付近に設けられた滑り防止用の係合穴とを備
え、中心穴の周囲が挟圧され且つ係合穴に滑り止めピン
が係合させられた状態で回転軸に固定される円板状の切
断砥石において、前記係合穴の内周面に前記切断砥石の
厚み寸法と同等の長さ寸法を有する管状部材を固着した
ことにある。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、切断砥石の係合穴
は、その内周面に切断砥石の厚み寸法と同等の長さ寸法
を有する管状部材が固着されたことから、その強度が格
段に高められるので、その係合穴を出発点とする亀裂や
破壊が発生し難くなる。このため、切断砥石内に設ける
補強材の積層量を少なくしても、高速度化や大径化に対
して十分な強度を得ることができるので、切断能率や砥
粒の均一性を損なうことなく切断砥石の高速度化および
大径化が可能となる。
は、その内周面に切断砥石の厚み寸法と同等の長さ寸法
を有する管状部材が固着されたことから、その強度が格
段に高められるので、その係合穴を出発点とする亀裂や
破壊が発生し難くなる。このため、切断砥石内に設ける
補強材の積層量を少なくしても、高速度化や大径化に対
して十分な強度を得ることができるので、切断能率や砥
粒の均一性を損なうことなく切断砥石の高速度化および
大径化が可能となる。
【0008】ここで、好適には、前記管状部材は、前記
切断砥石の砥粒を結合させるために含まれる熱硬化性樹
脂結合剤の硬化と同時にその熱硬化性樹脂結合剤により
固着されたものである。このようにすれば、切断砥石の
焼成(熟成)後に管状部材を係合穴内に接着する場合に
比較して係合穴が高強度となり、切断砥石を一層高速度
化および大径化することができる。
切断砥石の砥粒を結合させるために含まれる熱硬化性樹
脂結合剤の硬化と同時にその熱硬化性樹脂結合剤により
固着されたものである。このようにすれば、切断砥石の
焼成(熟成)後に管状部材を係合穴内に接着する場合に
比較して係合穴が高強度となり、切断砥石を一層高速度
化および大径化することができる。
【0009】また、好適には、上記管状部材は、鋼、ア
ルミニウム合金、銅合金などの金属製管材、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ABS樹脂などの合成樹脂製管
材、アルミナ磁器などのセラミック製管材、FRP製管
材、CFRP製管材などから選択された材料から構成さ
れる。
ルミニウム合金、銅合金などの金属製管材、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ABS樹脂などの合成樹脂製管
材、アルミナ磁器などのセラミック製管材、FRP製管
材、CFRP製管材などから選択された材料から構成さ
れる。
【0010】また、好適には、前記円板状の切断砥石
は、砥粒および熱硬化性樹脂結合剤を含む混合原料をプ
レス金型内に充填してプレスを行うことにより円板状の
成形品を成形するプレス成形工程と、プレス成形された
円板状の成形品を所定の温度で焼成することにより熱硬
化性樹脂結合剤を硬化させる焼成工程と、上記プレス成
形工程に先立って、前記管状部材を上記プレス金型内の
所定位置に配置する管状部材配置工程とを含む製造方法
により製造される。このようにすれば、プレス成形およ
び焼成と同時に管状部材が固着される利点がある。
は、砥粒および熱硬化性樹脂結合剤を含む混合原料をプ
レス金型内に充填してプレスを行うことにより円板状の
成形品を成形するプレス成形工程と、プレス成形された
円板状の成形品を所定の温度で焼成することにより熱硬
化性樹脂結合剤を硬化させる焼成工程と、上記プレス成
形工程に先立って、前記管状部材を上記プレス金型内の
所定位置に配置する管状部材配置工程とを含む製造方法
により製造される。このようにすれば、プレス成形およ
び焼成と同時に管状部材が固着される利点がある。
【0011】また、好適には、上記管状部材配置工程で
は、圧縮変形可能な部材が管状部材の一端部或いは両端
部にその開口を塞いだ状態で設けられる。このようにす
れば、プレス金型内での管状部材の配置が容易となると
ともに、プレス成形工程において混合原料がプレス金型
内で圧縮される際には、上記圧縮変形可能な部材が圧縮
されるので、管状部材の開口内に砥粒が詰まることや管
状部材の破損が防止される。
は、圧縮変形可能な部材が管状部材の一端部或いは両端
部にその開口を塞いだ状態で設けられる。このようにす
れば、プレス金型内での管状部材の配置が容易となると
ともに、プレス成形工程において混合原料がプレス金型
内で圧縮される際には、上記圧縮変形可能な部材が圧縮
されるので、管状部材の開口内に砥粒が詰まることや管
状部材の破損が防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例の切断砥
石を図面を参照しつつ説明する。
石を図面を参照しつつ説明する。
【0013】図1および図2は、円板状の切断砥石10
を示している。この切断砥石10は、所定の大きさの砥
粒12とガラスファイバー繊維束を編成したメッシュな
どから成る複数枚の補強材14とが熱硬化性樹脂結合剤
16により結合されることにより構成され、後述の回転
軸30に固定するための中央穴18と、その中央穴18
の近傍に貫通して形成された係合穴20とを備えてい
る。この係合穴20は、切断砥石10に固着された管状
部材22の内側に設けられている。
を示している。この切断砥石10は、所定の大きさの砥
粒12とガラスファイバー繊維束を編成したメッシュな
どから成る複数枚の補強材14とが熱硬化性樹脂結合剤
16により結合されることにより構成され、後述の回転
軸30に固定するための中央穴18と、その中央穴18
の近傍に貫通して形成された係合穴20とを備えてい
る。この係合穴20は、切断砥石10に固着された管状
部材22の内側に設けられている。
【0014】上記管状部材22は、比較的剛性の高い材
質から成る管材、たとえば、鋼、アルミニウム合金、銅
合金などの金属製管材、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ABS樹脂などの合成樹脂製管材、アルミナ磁器な
どのセラミック製管材、FRP(ガラス繊維強化樹脂)
製管材、CFRP(カーボンファイバ強化樹脂)製管材
のいずれかから構成されたものであって、たとえば定尺
の円管部材を切断砥石10の厚み寸法と同等の長さ寸法
に切断することにより、或いは当初から切断砥石10の
厚み寸法と同等の長さ寸法を得るために成形されること
により得られるものであり、好ましくは、強度が高く且
つ切断砥石10の熱硬化性樹脂結合剤16に対する接着
力の大きい材質が選択される。
質から成る管材、たとえば、鋼、アルミニウム合金、銅
合金などの金属製管材、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ABS樹脂などの合成樹脂製管材、アルミナ磁器な
どのセラミック製管材、FRP(ガラス繊維強化樹脂)
製管材、CFRP(カーボンファイバ強化樹脂)製管材
のいずれかから構成されたものであって、たとえば定尺
の円管部材を切断砥石10の厚み寸法と同等の長さ寸法
に切断することにより、或いは当初から切断砥石10の
厚み寸法と同等の長さ寸法を得るために成形されること
により得られるものであり、好ましくは、強度が高く且
つ切断砥石10の熱硬化性樹脂結合剤16に対する接着
力の大きい材質が選択される。
【0015】図3は、上記切断砥石10が図示しない研
削盤或いは切断装置の回転軸30に固定された状態の一
例を示している。図3において、切断砥石10を回転軸
30に着脱可能に固定するための砥石固定装置32は、
回転軸30の軸端に形成されたテーパ部に嵌合され且つ
ナット34により締着された固定フランジ36と、その
固定フランジ36に同心に且つ軸方向の移動可能に嵌合
された状態で複数本のボルト38によって固定される可
動フランジ40とを備えている。そして、上記固定フラ
ンジ36および可動フランジ40の相対向する挟圧面4
2および44のうち固定フランジ36の挟圧面42に
は、前記係合穴20内に嵌め入れられて高負荷時などに
おいて切断砥石10の滑りを防止するための係合ピン4
6が突設されている。
削盤或いは切断装置の回転軸30に固定された状態の一
例を示している。図3において、切断砥石10を回転軸
30に着脱可能に固定するための砥石固定装置32は、
回転軸30の軸端に形成されたテーパ部に嵌合され且つ
ナット34により締着された固定フランジ36と、その
固定フランジ36に同心に且つ軸方向の移動可能に嵌合
された状態で複数本のボルト38によって固定される可
動フランジ40とを備えている。そして、上記固定フラ
ンジ36および可動フランジ40の相対向する挟圧面4
2および44のうち固定フランジ36の挟圧面42に
は、前記係合穴20内に嵌め入れられて高負荷時などに
おいて切断砥石10の滑りを防止するための係合ピン4
6が突設されている。
【0016】これにより、切断砥石10の係合穴20内
に係合ピン46を嵌め入れるように固定フランジ36と
の回転位相を一致させた状態でその固定フランジ36に
同心に嵌合され、その固定フランジ36に可動フランジ
40がさらに嵌合され、さらに複数本のボルト38が締
め着けられて可動フランジ40が固定フランジ36に向
かって押圧されることにより、切断砥石10はその中央
部が固定フランジ36の挟圧面42と可動フランジ40
の挟圧面44との間に挟圧された状態で回転軸30に固
定される。
に係合ピン46を嵌め入れるように固定フランジ36と
の回転位相を一致させた状態でその固定フランジ36に
同心に嵌合され、その固定フランジ36に可動フランジ
40がさらに嵌合され、さらに複数本のボルト38が締
め着けられて可動フランジ40が固定フランジ36に向
かって押圧されることにより、切断砥石10はその中央
部が固定フランジ36の挟圧面42と可動フランジ40
の挟圧面44との間に挟圧された状態で回転軸30に固
定される。
【0017】上記切断砥石10の製造工程を、図4の工
程図を用いて説明する。図4において、金型セット工程
では、環状のプレス金型50が円板状の下板52および
その円板状の下板52の中央貫通穴に嵌合された中央ピ
ン54と共に図示しないプレス機にセットされる。次い
で、管状部材配置工程では、たとえば合成樹脂スポンジ
などの圧縮変形可能であって管状部材22と同様の径を
有する円柱状の部材56が両端にその開口を塞いだ状態
で接着或いは嵌合などにより装着された管状部材22が
上記プレス金型50内の所定位置に配置される。この管
状部材22には、前処理により予め上記熱硬化性樹脂結
合剤のプライマーが塗布される。続く、充填工程では、
砥粒12、熱硬化性樹脂結合剤16、および所定の充填
剤が所定の割合(たとえば65%、20%、および15
%)で調合され且つ混合された混合原料が、上記プレス
金型50内に充填される。続くプレス成形工程では、先
ず、上記プレス金型50内において充填された混合原料
の上に円板状の上板58が嵌め入れられる。図5はこの
状態を示す。次いで、プレス機によるプレスが行われる
ことにより、円板状の成形品が成形される。そして、図
示しない焼成炉において、その製品が200°C程度の
温度で焼成(熟成)されて熱硬化性樹脂結合剤が硬化さ
れることにより、たとえば外径760mmφ×厚み7mm×
中心穴径38mmφ程度の前記切断砥石10が得られる。
この焼成工程においては、熱硬化性樹脂結合剤が硬化さ
れると同時に、その熱硬化性樹脂結合剤により管状部材
22が固着される。
程図を用いて説明する。図4において、金型セット工程
では、環状のプレス金型50が円板状の下板52および
その円板状の下板52の中央貫通穴に嵌合された中央ピ
ン54と共に図示しないプレス機にセットされる。次い
で、管状部材配置工程では、たとえば合成樹脂スポンジ
などの圧縮変形可能であって管状部材22と同様の径を
有する円柱状の部材56が両端にその開口を塞いだ状態
で接着或いは嵌合などにより装着された管状部材22が
上記プレス金型50内の所定位置に配置される。この管
状部材22には、前処理により予め上記熱硬化性樹脂結
合剤のプライマーが塗布される。続く、充填工程では、
砥粒12、熱硬化性樹脂結合剤16、および所定の充填
剤が所定の割合(たとえば65%、20%、および15
%)で調合され且つ混合された混合原料が、上記プレス
金型50内に充填される。続くプレス成形工程では、先
ず、上記プレス金型50内において充填された混合原料
の上に円板状の上板58が嵌め入れられる。図5はこの
状態を示す。次いで、プレス機によるプレスが行われる
ことにより、円板状の成形品が成形される。そして、図
示しない焼成炉において、その製品が200°C程度の
温度で焼成(熟成)されて熱硬化性樹脂結合剤が硬化さ
れることにより、たとえば外径760mmφ×厚み7mm×
中心穴径38mmφ程度の前記切断砥石10が得られる。
この焼成工程においては、熱硬化性樹脂結合剤が硬化さ
れると同時に、その熱硬化性樹脂結合剤により管状部材
22が固着される。
【0018】上述のように、本実施例の切断砥石10の
係合穴20は、その内周面に比較的強度の高い管状部材
22が固着されたことから、その強度が格段に高められ
るので、その係合穴20を出発点とする亀裂や破壊が発
生し難くなる。このため、切断砥石10内に設ける補強
材14の積層量を少なくしても、高速度化や大径化に対
して十分な強度を得ることができるので、切断能率や砥
粒の均一性を損なうことなく切断砥石の高速度化および
大径化が可能となる。すなわち、従来では、係合穴20
に起因する強度低下の問題を解消するために補強材14
の積層枚数が決定されていたが、本実施例の切断砥石1
0では、管状部材22によって係合穴20が補強された
結果、上記補強材14の積層枚数を減少でき、砥粒12
の容積割合を高めることができたのである。
係合穴20は、その内周面に比較的強度の高い管状部材
22が固着されたことから、その強度が格段に高められ
るので、その係合穴20を出発点とする亀裂や破壊が発
生し難くなる。このため、切断砥石10内に設ける補強
材14の積層量を少なくしても、高速度化や大径化に対
して十分な強度を得ることができるので、切断能率や砥
粒の均一性を損なうことなく切断砥石の高速度化および
大径化が可能となる。すなわち、従来では、係合穴20
に起因する強度低下の問題を解消するために補強材14
の積層枚数が決定されていたが、本実施例の切断砥石1
0では、管状部材22によって係合穴20が補強された
結果、上記補強材14の積層枚数を減少でき、砥粒12
の容積割合を高めることができたのである。
【0019】因みに、表1に管状部材22を設けた切断
砥石の回転破壊強度を管状部材22を設けない切断砥石
と対比して示す。この表1では、回転破壊強度が従来品
を100としたときの相対回転破壊周速度で示されてい
る。
砥石の回転破壊強度を管状部材22を設けない切断砥石
と対比して示す。この表1では、回転破壊強度が従来品
を100としたときの相対回転破壊周速度で示されてい
る。
【0020】
【表1】
【0021】また、本実施例の切断砥石10は、砥粒1
2および熱硬化性樹脂結合剤16を含む混合原料をプレ
ス金型50内に充填してプレスを行うことにより円板状
の成形品を成形するプレス成形工程と、プレス成形され
た円板状の成形品を所定の温度で焼成することにより熱
硬化性樹脂結合剤16を硬化させる焼成工程と、上記プ
レス成形工程に先立って、前記管状部材22をプレス金
型50内の所定位置に配置する管状部材配置工程とを含
む製造方法により製造されることから、管状部材22
は、切断砥石10の砥粒12を結合させるために含まれ
る熱硬化性樹脂結合剤16の硬化と同時にその熱硬化性
樹脂結合剤16により固着されるので、切断砥石10の
焼成後に管状部材22を係合穴20内で接着する場合に
比較して係合穴20が高強度となり、切断砥石を一層高
速度化および大径化することができる。
2および熱硬化性樹脂結合剤16を含む混合原料をプレ
ス金型50内に充填してプレスを行うことにより円板状
の成形品を成形するプレス成形工程と、プレス成形され
た円板状の成形品を所定の温度で焼成することにより熱
硬化性樹脂結合剤16を硬化させる焼成工程と、上記プ
レス成形工程に先立って、前記管状部材22をプレス金
型50内の所定位置に配置する管状部材配置工程とを含
む製造方法により製造されることから、管状部材22
は、切断砥石10の砥粒12を結合させるために含まれ
る熱硬化性樹脂結合剤16の硬化と同時にその熱硬化性
樹脂結合剤16により固着されるので、切断砥石10の
焼成後に管状部材22を係合穴20内で接着する場合に
比較して係合穴20が高強度となり、切断砥石を一層高
速度化および大径化することができる。
【0022】また、前述の管状部材配置工程では、合成
樹脂スポンジなどの圧縮変形可能な部材56が管状部材
22の両端部にその開口を塞いだ状態で設けられるの
で、プレス金型内での管状部材22の配置が容易となる
とともに、プレス成形工程において混合原料がプレス金
型50内で圧縮される際には、上記圧縮変形可能な部材
56が圧縮されるので、管状部材22の両端開口内に砥
粒12が詰まることや、管状部材22の端部の破損が防
止される。
樹脂スポンジなどの圧縮変形可能な部材56が管状部材
22の両端部にその開口を塞いだ状態で設けられるの
で、プレス金型内での管状部材22の配置が容易となる
とともに、プレス成形工程において混合原料がプレス金
型50内で圧縮される際には、上記圧縮変形可能な部材
56が圧縮されるので、管状部材22の両端開口内に砥
粒12が詰まることや、管状部材22の端部の破損が防
止される。
【0023】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に他の態様でも実施され
る。
詳細に説明したが、本発明は更に他の態様でも実施され
る。
【0024】例えば、前述の実施例の切断砥石10で
は、中央穴18付近において係合穴20およびそれを補
強する管状部材22が各1個だけ設けられていたが、各
2個以上の複数個が設けられていても差し支えない。
は、中央穴18付近において係合穴20およびそれを補
強する管状部材22が各1個だけ設けられていたが、各
2個以上の複数個が設けられていても差し支えない。
【0025】また、前述の実施例の係合ピン46は、固
定フランジ36の挟圧面42に突設されていたが、可動
フランジ40の挟圧面44に突設されていても差し支え
ない。
定フランジ36の挟圧面42に突設されていたが、可動
フランジ40の挟圧面44に突設されていても差し支え
ない。
【0026】また、前述の実施例における切断砥石10
の製造工程では、管状部材配置工程が混合原料充填工程
よりも前に設けられていたが、混合原料充填工程の後に
設けられていてもよい。要するにプレス成形工程よりも
前であれば差し支えない。また、熟成工程の後で接着剤
を用いて管状部材22を固着してもよい。
の製造工程では、管状部材配置工程が混合原料充填工程
よりも前に設けられていたが、混合原料充填工程の後に
設けられていてもよい。要するにプレス成形工程よりも
前であれば差し支えない。また、熟成工程の後で接着剤
を用いて管状部材22を固着してもよい。
【0027】また、前述の実施例における切断砥石10
の製造工程では、圧縮変形可能な部材56が管状部材2
2の両端部にその開口を塞いだ状態で設けられていた
が、管状部材22の一方の端部のみに設けられていても
よい。この場合には、圧縮変形可能な部材56が設けら
れていない管状部材22の他方の端部は、下板52或い
は上板58に接した状態で配設される。
の製造工程では、圧縮変形可能な部材56が管状部材2
2の両端部にその開口を塞いだ状態で設けられていた
が、管状部材22の一方の端部のみに設けられていても
よい。この場合には、圧縮変形可能な部材56が設けら
れていない管状部材22の他方の端部は、下板52或い
は上板58に接した状態で配設される。
【0028】また、前述の実施例において用いられてい
る管状部材22は、板部材が一周分巻回されることによ
り円管状に成形されて周方向の一部にスリットが設けら
れた部材であっても差し支えない。
る管状部材22は、板部材が一周分巻回されることによ
り円管状に成形されて周方向の一部にスリットが設けら
れた部材であっても差し支えない。
【0029】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図1】本発明の一実施例における切断砥石を示す正面
図である。
図である。
【図2】図1の切断砥石の一部を拡大して説明する要部
断面図である。
断面図である。
【図3】図1の切断砥石の回転軸に固定する固定装置の
構成を説明する図である。
構成を説明する図である。
【図4】図1の切断砥石の製造工程を説明する工程図で
ある。
ある。
【図5】図1の切断砥石の製造工程においてプレス金型
などを説明する図である。
などを説明する図である。
10:切断砥石 18:中央穴 20:係合穴 22:管状部材 46:係合ピン(滑り止めピン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−101372(JP,A) 特開 昭57−102757(JP,A) 特開 昭58−66669(JP,A) 実開 平2−94066(JP,U) 実開 平2−145962(JP,U) 実開 昭63−4262(JP,U) 実公 平4−5251(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 5/08 B24D 3/28
Claims (2)
- 【請求項1】 中心穴と該中心穴付近に設けられた滑り
防止用の係合穴とを備え、中心穴の周囲が挟圧され且つ
該係合穴に滑り止めピンが係合させられた状態で回転軸
に固定される円板状の切断砥石において、 前記係合穴の内周面に前記切断砥石の厚み寸法と同等の
長さ寸法を有する管状部材を固着したことを特徴とする
切断砥石。 - 【請求項2】 前記管状部材は、前記切断砥石の砥粒を
結合させるために含まれる熱硬化性樹脂結合剤の硬化と
同時に該熱硬化性樹脂結合剤により固着されたものであ
る請求項1の切断砥石。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8141369A JP3004205B2 (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 切断砥石 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8141369A JP3004205B2 (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 切断砥石 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09323264A JPH09323264A (ja) | 1997-12-16 |
JP3004205B2 true JP3004205B2 (ja) | 2000-01-31 |
Family
ID=15290392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8141369A Expired - Fee Related JP3004205B2 (ja) | 1996-06-04 | 1996-06-04 | 切断砥石 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3004205B2 (ja) |
-
1996
- 1996-06-04 JP JP8141369A patent/JP3004205B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09323264A (ja) | 1997-12-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |