JP3003574B2 - ブラシレスdcモータの回転子製造方法 - Google Patents

ブラシレスdcモータの回転子製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はブラシレスDCモータ
の回転子製造方法に関し、さらに詳細にいえば、回転子
の回転軸寄り所定位置に、回転子の回転軸と平行になる
ように所定厚みの板状の永久磁石が収容されてあるブラ
シレスDCモータの回転子を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、2次銅損がないことに起因し
て高効率化が可能であるという利点に着目してブラシレ
スDCモータを種々の分野に適用することの研究開発が
進められている。ここで、ブラシレスDCモータは、回
転子の表面に永久磁石を装着してなる構成のもの(以
下、表面DCモータと称する)と、回転子の内部に永久
磁石を埋め込んで保持してなる構成のもの(以下、埋込
DCモータと称する)とに大別される。
【0003】そして、埋込DCモータは、例えば、特開
平5−56583号公報、特開平5−83892号公
報、特開平5−146103号公報、特開平5−219
668号公報に示すように、回転子の中心寄り所定位置
に、回転子の中心軸と平行になるように所定厚みの板状
の永久磁石が収容されてあるとともに、永久磁石収容空
間の、上記中心軸と直交する方向の端部から回転子の外
周に向かって延びる磁束短絡防止用の空間が形成されて
なる回転子を固定子の内部に自転可能に収容してある。
この埋込DCモータは、表面DCモータと比較して高範
囲な運転が可能であり、高トルクを発生することがで
き、高トルクにより高効率な運転が可能であるという利
点を有している。
【0004】また、埋込DCモータでは、回転子の中心
軸寄りに永久磁石収容空間を形成して、この永久磁石収
容空間内に永久磁石を収容するのであるが、収容された
永久磁石の位置ずれが発生しないようにするために、種
々の永久磁石保持機構が提案されている。例えば、
(1)高い寸法精度で永久磁石収容空間および永久磁石
を作製し、永久磁石を永久磁石収容空間に圧入する方
法、(2)回転子に形成された永久磁石収容空間の一方
の境界面(回転子の中心軸側の境界面)の幅方向の両端
寄り部に係合突部を形成するとともに、他方の境界面
(上記一方の境界面と対向する境界面)の幅方向の中央
部に係合突部を形成し、これら係合突部の基部に対応す
る位置に変形吸収用の孔または溝を形成してなる永久磁
石保持機構(特開平5−56583号公報参照)、
(3)回転子に形成された永久磁石収容空間の一方の境
界面(回転子の中心軸側の境界面)の幅方向の中央部に
溝を係合し、永久磁石収容空間に永久磁石を収容した後
に、溝内に割りピンまたはポリエステル成形材料を収容
するようにした永久磁石保持機構(特開平5−8389
2号公報参照)、(4)回転子に形成された永久磁石収
容空間の一方の境界面(回転子の中心軸側の境界面)の
幅方向の中央部に凹部、凸部、凹部をこの順に形成し、
しかも、この凹部、凸部、凹部からなる部分が、回転子
を構成すべく積層されている電磁鋼板の全てではなく、
1枚おきに形成されてなる永久磁石保持機構(特開平5
−146103号公報参照)、および(5)回転子に形
成された永久磁石収容空間の一方の境界面(回転子の中
心軸側の境界面)と、永久磁石収容空間に収容された永
久磁石との間に線細工の弾性部材を収容するようにした
永久磁石保持機構(特開平5−219668号公報参
照)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の方法を採
用した場合には、回転子コアとの接触面において永久磁
石の欠け、傷が発生し、または増幅され、これら欠け、
傷の部分に錆が発生して永久磁石の磁力を低下させてし
まうことになるのみならず、欠け、傷の発生に伴なって
生じる粉末が動作時に回転子の外部に出てコンプレッサ
等に含まれる接触部に傷がついてしまうという不都合が
ある。
【0006】また、永久磁石が錆防止用のコーティング
を施してなるものである場合には、圧入に伴なってコー
ティングの剥がれが生じ、コーティングが剥がれた部分
に錆が発生して永久磁石の磁力を低下させてしまうとい
う不都合がある。さらに、永久磁石を圧入寸法に仕上げ
るためには高精度の加工が必要であり、このような加工
を施すことにより永久磁石が大幅にコストアップしてし
まうという不都合がある。また、このように高精度の加
工を施した場合であっても、永久磁石の欠け、傷、コー
ティングの剥がれを完全には防止することができない。
さらにまた、永久磁石を圧入するのであるから、電磁鋼
板のにげに起因して回転子表面全体の凹凸が発生する。
そして、この凹凸により固定子と回転子との間のギャッ
プが空間的、磁気的に変動するので磁気騒音、トルクリ
プルが発生するという不都合がある。
【0007】上記(2)の永久磁石保持機構を採用した
場合には、(1)の方法と比較して永久磁石と回転子コ
アとの接触面積を大幅に減少させることができるが、係
合突部に当てて永久磁石を圧入するのであるから、欠
け、傷が発生し、または欠け、傷が増幅されるという不
都合がある。もちろん、コーティングが施された永久磁
石を採用する場合にはコーティングの剥がれが発生す
る。
【0008】また、係合突部が存在することに起因して
この部分に磁束が集中し易くなるので、固定子からの逆
磁界も集中し易くなり、集中した逆磁界が永久磁石に作
用することにより永久磁石の減磁が発生し易くなるとい
う不都合もある。そして、減磁が発生すると、初期の磁
石特性を維持することができなくなる。さらに、上記
孔、溝だけでは回転子コアの変形を十分には吸収するこ
とができないので、回転子の表面全体に凹凸が発生する
という不都合がある。
【0009】さらにまた、係合突部が回転子の中心軸と
平行な方向における全範囲に存在するのであるから、永
久磁石の周辺に永久磁石の公差以上の間隙が存在するこ
とになる。この間隙の存在は、固定子と回転子との間に
もともと形成されているギャップを増加させたのと等価
であるから、主磁束の低下を招いてしまう。したがっ
て、主磁束の低下を防止しようとすれば大きいサイズの
永久磁石が必要になり、コストアップを招いてしまう。
【0010】上記(3)の永久磁石保持機構を採用した
場合には、割りピンを圧入する時に、永久磁石の1点
(割りピンの先端と係合する1点)に力が集中し、欠
け、傷が発生し、または欠け、傷が増幅されてしまうと
いう不都合がある。もちろん、コーティングが施された
永久磁石を採用する場合には、コーティングの剥がれが
発生することになる。
【0011】また、割りピンの圧入に起因する変形を回
転子コアが完全には吸収できない場合には、回転子の表
面全体に凹凸が発生するという不都合がある。さらに、
割りピンを挿入する溝が回転子の中心軸方向の全範囲に
存在するので、そのままでは主磁束が低下する。そし
て、主磁束の低下を防止しようとすれば、大きな永久磁
石を採用することになるので、コストアップを招いてし
まうという不都合がある。
【0012】さらにまた、割りピンを圧入する代わりに
ポリエステル成形材料を射出成形する場合には、欠け、
傷の発生、コーティングの剥がれの発生、回転子コアの
表面全体における凹凸の発生という不都合を防止するこ
とができるが、特別に射出成形高低が必要になるので、
工数が増加するとともに、特別な設備(射出成形設備)
が必要になり、コストアップを招いてしまうという新た
な不都合がある。
【0013】また、ポリエステル成形材料射出成形する
ための溝が回転子の中心軸方向の全範囲に存在するの
で、そのままでは主磁束が低下する。そして、主磁束の
低下を防止しようとすれば、大きな永久磁石を採用する
ことになるので、コストアップを招いてしまうという不
都合がある。上記(4)の永久磁石保持機構を採用した
場合には、上記(2)の永久磁石保持機構を採用した場
合と同様の不都合がある。
【0014】上記(5)の永久磁石保持機構を採用した
場合には、線細工の弾性部材を圧入する場合に、永久磁
石との接触面積が小さいので、力が集中し易く、欠け、
傷が発生し易くなり、上記力を小さくすれば、永久磁石
を確実に保持することが困難になってしまうという不都
合がある。また、永久磁石毎に線細工の弾性部材が必要
であり、全体として部品点数が増加するとともに工数が
増加するので、コストアップを招くことになる。
【0015】さらに、線細工の弾性部材を圧入するため
の間隙が回転子の中心軸と平行な方向の全範囲に存在す
るのであるから、そのままでは主磁束が低下する。そし
て、主磁束の低下を防止しようとすれば、大きな永久磁
石を使用することになるので、コストアップを招いてし
まうという不都合がある。尚、以上の説明において、永
久磁石として例えば鋳造圧延または鋳造により作製され
たものを採用する場合には、欠け、傷の発生は当初から
問題にならず、また、コーティングされていない永久磁
石を採用する場合にはコーティングの剥がれは当初から
問題にならない。また、フェライト磁石を採用する場合
には、コーティングの剥がれは当初から問題にならな
い。
【0016】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、永久磁石の欠け、傷の発生または増加を
防止し、また、永久磁石がコーティングされたものであ
る場合に、コーティングの剥がれを防止できるブラシレ
スDCモータの回転子製造方法を提供し、しかも永久磁
石に対する高精度の加工を不要にできるとともに、回転
子作製のための工数の増加を防止できるブラシレスDC
モータの回転子製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1のブラシレスD
Cモータの回転子製造方法は、永久磁石を収容する穴を
形成すべく鋼板を積層し、少なくとも一部において、該
鋼板のうち該穴と隣合う部分を回転軸と平行な方向に変
形させて永久磁石の厚み方向に対応する穴のサイズを拡
大し、拡大された穴に永久磁石を挿入し、その後、鋼板
の変形された部分を復元させることにより永久磁石を穴
内に固定する方法である。
【0018】
【作用】請求項1のブラシレスDCモータの回転子製造
方法であれば、永久磁石を回転子の回転軸寄り所定位置
に、回転軸と平行になるように収容してなるブラシレス
DCモータの回転子を製造するに当って、永久磁石を収
容する穴を形成すべく鋼板を積層し、少なくとも一部に
おいて、該鋼板のうち該穴と隣合う部分を回転軸と平行
な方向に変形させて永久磁石の厚み方向に対応する穴の
サイズを拡大し、拡大された穴に永久磁石を挿入し、そ
の後、鋼板の変形された部分を復元させることにより永
久磁石を穴内に固定するのであるから、永久磁石を圧入
によることなく簡単に穴内に挿入することができ、永久
磁石として希土類磁石のうち、焼結磁石、プラスチック
磁石を採用した場合に、欠け、傷が発生し、または欠
け、傷が拡大し、永久磁石がコーティングされたもので
ある場合にコーティングが剥がれるという不都合の発生
を未然に防止することができる。したがって、欠け、傷
の部分から永久磁石に錆が発生して磁力が低下するとい
う不都合を抑制することができ、また、コーティングの
剥がれ部分から永久磁石に錆が発生して磁力が低下する
という不都合を防止することができる。また、永久磁石
として寸法精度が悪いものでも使用することが可能にな
るので、コウスダウンを達成することができる。また、
永久磁石を固定するための特別の部材が不要であるか
ら、この面からもコストダウンを達成することができ
る。さらに、永久磁石の幅方向のサイズのある程度の変
更に対して積層鋼板を変更することなく対処できる。
【0019】また、積層鋼板の全積層範囲にわたって変
形、復元を行わせる場合には、永久磁石を固定するため
の力が永久磁石の全表面に均一にかかることになり、割
れ、欠けなどを大幅に低減して回転子の歩留まりを向上
させることができる。さらに、積層鋼板の全積層範囲に
わたって永久磁石と積層鋼板との間の間隙を解消させる
ことができ、磁気抵抗を大幅に低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面によってこの発明
の実施の態様を詳細に説明する。図1はブラシレスDC
モータの一例を概略的に示す、中心軸と垂直な平面によ
る断面図(横断面図)であり、図2はブラシレスDCモ
ータの回転子を回転軸を含む平面で切断した断面図(縦
断面図)である。
【0021】このブラシレスDCモータは、固定子巻線
2を有する固定子1と永久磁石4を有する回転子3とを
有している。そして、回転子3は多数枚の電磁鋼板を積
層してなるものであり、その中心を軸方向に貫通する回
転軸3aを有している。また、回転子3は、回転軸寄り
の所定位置に、90°ずつの回転対称位置における半径
と直交し、かつ軸方向に延びるように、所定幅、所定厚
みの永久磁石収容空間(穴)3bをそれぞれ有している
とともに、各永久磁石収容空間3bの幅方向の端部から
外周に向かって延びる磁束短絡防止用の空間3cを有し
ている。ここで、電磁石収容空間3bの幅および厚み
は、電磁石4の寸法公差を考慮して、最大幅、最大厚み
の電磁石4に適合するように設定されている。さらに、
上記各永久磁石収容空間3bには、希土類磁石、フェラ
イト磁石、アルニコ磁石の何れかからなる永久磁石4が
収容されている。
【0022】図3および図5はブラシレスDCモータの
回転子を製造する過程を説明する縦断面図、図4および
図6はブラシレスDCモータの回転子を製造する過程を
説明する横断面図である。永久磁石収容空間3bを形成
すべく電磁鋼板を積層して得られた回転子コアのうち、
永久磁石収容空間3bと隣合い、かつ外側に位置する部
分を、図3に示すように、移転軸3aと平行な方向に変
形(塑性変形)させることにより、永久磁石収容空間3
bの厚み方向のサイズ(回転子の半径方向におけるサイ
ズ)を増加させることができる。ここで、永久磁石の寸
法公差が0.07mm程度であるから、永久磁石収容空
間3bの厚み方向のサイズの増加量を1〜2mm程度に
設定すればよい。そして、この程度のサイズの増加量を
達成するためには、電磁鋼板の塑性変形で十分に対処す
ることができる。
【0023】このようにして永久磁石収容空間3bの厚
み方向のサイズが増加された状態において永久磁石4を
永久磁石収容空間3bに収容する(図4および図5参
照)。この場合には、永久磁石収容空間3bの厚み方向
のサイズが永久磁石4の厚みよりも大きいのであるか
ら、永久磁石4を殆ど抵抗なくスムーズに永久磁石収容
空間3b内に収容することができる。その後、積層され
た電磁鋼板を端板5によって両側から挟圧し、電磁鋼板
の変形を解消させることにより、永久磁石4を永久磁石
収容空間3b内に確実に固定することができる(図2お
よび図6参照)。この場合には、電磁鋼板の変形が復元
することにより永久磁石4を永久磁石収容空間3b内に
確実に固定することができるので、永久磁石4を固定す
るための力が永久磁石4の全範囲に均一に加わることに
なり、永久磁石4の割れ、欠け、剥離などを大幅に低減
して回転子の歩留まりを向上させることができる。ま
た、積層された電磁鋼板と永久磁石4とを互いに密着さ
れることができ(図2および図6参照)、磁気抵抗を大
幅に低減することができる。
【0024】また、永久磁石4の幅方向、厚み方向のあ
る程度のサイズの変更に対して、電磁鋼板の形状(特
に、永久磁石収容空間3bに対応する部分のサイズ)を
変更することなく対処することができる。この実施態様
を採用した場合には、永久磁石収容空間3bの幅および
厚みが永久磁石4の寸法公差を考慮して設定されている
とともに、電磁鋼板の一部を変形させて永久磁石収容空
間3bを大きくした状態で永久磁石4を収容するように
しているので、永久磁石4に対して高精度の加工を行な
う必要がなく、高精度の加工に起因するコストアップを
防止することができる。また、永久磁石4を圧入しない
のであるから、回転子3の表面全体に凹凸が発生し、電
磁騒音、トルクリプルを発生させるという不都合を未然
に防止することができる。さらに、永久磁石4の減磁の
原因となる固定子1からの逆磁界が局部的に集中すると
いう不都合の発生を未然に防止することができる。さら
にまた、永久磁石4の寸法公差に拘らず間隙は発生しな
いのであるから、永久磁石4による主磁束が低下すると
いう不都合の発生を防止し、ひいては永久磁石4のサイ
ズを必要以上に大きくする必要がないので、永久磁石4
の大形化に伴なうコストアップを防止することができ
る。また、特別の成形装置等を必要としないのみなら
ず、特別の部材を必要としないのであるから、工数の増
加を未然に防止し、工数の増加に伴なうコストアップを
未然に防止することができる。
【0025】さらに、永久磁石4として、希土類磁石
(例えば、ネオジウム磁石、サマリウム−コバルト磁
石、プラセオジウム磁石、セリウム磁石)のうち、焼結
磁石、プラスチック磁石を採用した場合には、永久磁石
を圧入しないのであるから、永久磁石4に欠け、傷が発
生し、または欠け、傷が拡大し、永久磁石4がコーティ
ングされたものである場合にコーティングが剥がれると
いう不都合の発生を未然に防止することができる。した
がって、欠け、傷の部分から永久磁石4に錆が発生して
磁力が低下するという不都合を抑制することができ、ま
た、コーティングの剥がれ部分から永久磁石4に錆が発
生して磁力が低下するという不都合を防止することがで
きる。
【0026】図7および図8はブラシレスDCモータの
回転子を製造する過程の他の態様を説明する縦断面図で
ある。この実施態様においては、全ての電磁鋼板を変形
させる代わりに、両端部に位置する1乃至数枚の電磁鋼
板のみを変形させ、残余の電磁鋼板に形成される穴(永
久磁石収容空間)のサイズを、電磁鋼板が変形された状
態における穴の平面視したサイズと等しくなるように設
定している。なお、一方の端部に位置する電磁鋼板と他
方の端部に位置する電磁鋼板との変形方向は互いに逆に
設定されている。
【0027】したがって、この実施態様の場合にも、圧
入することなく永久磁石4を永久磁石収容空間3bに収
容することができ(図7参照)、その後、端板5によっ
て両端部の電磁鋼板の変形を復元させることにより永久
磁石4を永久磁石収容空間3bに確実に固定することが
できる。この結果、永久磁石4の圧入に伴う上述の不都
合の発生を防止することができる。
【0028】図9および図10は、それぞれ電磁鋼板の
変形形状の他の例を示す縦断面図である。図9は、永久
磁石収容空間3bよりも外側に位置する電磁鋼板のう
ち、永久磁石収容空間3bに隣合う部分のみを直線状に
変形させている。また、図10は、永久磁石収容空間3
bよりも外側に位置する電磁鋼板のうち、永久磁石収容
空間3bに隣合う部分のみを曲線状に変形させている。
【0029】したがって、何れの場合にも、端板5によ
って電磁鋼板の変形を復元させれば、永久磁石4を永久
磁石収容空間3bに確実に固定することができる。な
お、図9および図10の変形形状は、図3から図6の実
施態様、図7および図8の実施態様の何れにも適用可能
である。
【0030】
【発明の効果】請求項1の発明は、永久磁石を圧入によ
ることなく簡単に穴内に挿入することができ、永久磁石
として希土類磁石のうち、焼結磁石、プラスチック磁石
を採用した場合に、欠け、傷が発生し、または欠け、傷
が拡大し、永久磁石がコーティングされたものである場
合にコーティングが剥がれるという不都合の発生を未然
に防止することができ、ひいては、欠け、傷の部分から
永久磁石に錆が発生して磁力が低下するという不都合を
抑制することができ、また、コーティングの剥がれ部分
から永久磁石に錆が発生して磁力が低下するという不都
合を防止することができ、また、永久磁石として寸法精
度が悪いものでも使用することが可能になるので、コウ
スダウンを達成することができ、さらに、永久磁石を固
定するための特別の部材が不要であるから、この面から
もコストダウンを達成することができ、さらにまた、永
久磁石の幅方向のサイズのある程度の変更に対して積層
鋼板を変更することなく対処できるという特有の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラシレスDCモータの一例を概略的に示す横
断面図である。
【図2】回転子を示す縦断面図である。
【図3】永久磁石収容空間を拡大した状態を示す縦断面
図である。
【図4】永久磁石収容空間を拡大し、かつ永久磁石を収
容した状態を示す横断面図である。
【図5】永久磁石収容空間を拡大し、永久磁石を収容
し、かつ端板で電磁鋼板の変形を復元しようとする状態
を示す縦断面図である。
【図6】電磁鋼板の変形を復元させた状態を示す横断面
図である。
【図7】永久磁石収容空間を拡大し、永久磁石を収容
し、かつ端板で電磁鋼板の変形を復元しようとする状態
を示す縦断面図である。
【図8】電磁鋼板の変形を復元させた状態を示す縦断面
図である。
【図9】電磁鋼板の変形の一例を示す縦断面図である。
【図10】電磁鋼板の変形の他の例を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
3 回転子 3a 回転軸 3b 永久磁石収容空間 4 永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 15/02 - 15/03 H02K 1/27 501

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石(4)を回転子(3)の回転軸
    (3a)寄り所定位置に、回転軸(3a)と平行になる
    ように収容してなるブラシレスDCモータの回転子
    (3)を製造する方法であって、永久磁石(4)を収容
    する穴(3b)を形成すべく鋼板を積層し、少なくとも
    一部において、該鋼板のうち該穴(3b)と隣合う部分
    を回転軸(3a)と平行な方向に変形させて永久磁石
    (4)の厚み方向に対応する穴(3b)のサイズを拡大
    し、拡大された穴(3b)に永久磁石(4)を挿入し、
    その後、鋼板の変形された部分を復元させることにより
    永久磁石(4)を穴(3b)内に固定することを特徴と
    するブラシレスDCモータの回転子製造方法。
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