JP3003262U - 水溶性熱接着貼り紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光沢（テカリ）の発生がなく、また、剥ぎ取
りも簡単な熱接着貼り紙の提供。 【構成】 紙シート材の一面に熱可塑性樹脂からなる接
着剤層を設けた熱接着貼り紙において、水溶性ホットメ
ルト樹脂の塗布層を島状又は線状に設けて、加熱溶融さ
せた。貼付後も紙シート材の風合いをそこなうことがな
い。従って従来のような部分光沢の発生など見られず、
通気性風合い等の基材本来の機能を保持できる。また、
剥す際には、スプレーやスポンジで紙シート材に加水し
てやれば簡単に剥がすことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、かべ紙、襖紙、障子紙、書画の裏打紙として好適に使用できる貼り 紙に関する。

【０００２】

【従来の技術】

本願考案の出願人は、先に、かべ紙、襖紙、障子紙、書画の裏打紙として、ア イロン、鏝等の加熱加圧によって簡単に貼り替えができる貼り紙を実公昭６３− ５０３２０号公報において開示し、さらに、特公平５−７７８００号公報におい て、スチームアイロンの使用によって貼り付けした際の表面状態を改善できる熱 接着用貼り紙を開示した。

【０００３】 ところが、この従来の熱接着貼り紙は、とくに、障子紙に適用したとき、熱接 着剤である樹脂層の溶融による部分光沢（テカリ）の発生が生じ見苦しく、また 、剥がす際には、熱接着剤を熱で溶かさねばならず手間がかかる等の欠点がある 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、かかる熱接着貼り紙の欠点を解消するもので、テカリの発生がなく また、剥ぎ取りも簡単な熱接着貼り紙を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、紙シート材の一面に熱可塑性樹脂からなる接着剤層を設けた熱接着 貼り紙において、水溶性ホットメルト樹脂の塗布層を島状（斑点状）又は線状に 設けて、加熱溶融させたことを特徴とする。

【０００６】 水溶性ホットメルト樹脂の塗布層の形成は、前記樹脂材を粉砕したパウダーと して、斑点状又は線状に散布したのち加熱して形成することができる。

【０００７】 また、前記樹脂のエマルジョンをグラビア版あるいはスプレー装置で斑点状に 又は線状に散布したのち乾燥し、加熱溶融して形成するか、ホットメルトドット コーターで加熱溶融した樹脂をスクリーンロールにより斑点状に又は線状に被覆 して形成する。

【０００８】

【作用】

紙シート材へホットメルト樹脂を斑点状または線状に設け、しかも、樹脂の表 面を再加熱で変化しないようにしているので、貼付後も紙シート材の風合いをそ こなうことがない。従って従来のような部分光沢の発生など見られず、通気性風 合い等の基材本来の機能を保持できる。また、剥す際には、スプレーやスポンジ で紙シート材に加水してやれば簡単に剥がすことができる。

【０００９】

【実施例】

添付の図１〜図３は本考案の実施例を示す。

【００１０】 図１は紙シート材１にホットメルト樹脂２を斑点状に設けた例を表面から見た 図を示す。紙シート材１としては、こうぞ、三叉のような天然繊維系、木材、パ ルプ、コットンリンターパルプ、レーヨン等のセルローズ繊維系、ポリオレフィ ン系やビニロン系、アクリル系、ポリエステル系、アラミド系、ポリクラール系 、モダクリル系等の化学合成繊維あるいは、これらに無機質材、あるいは無機質 繊維、さらには無機質充填材が配合された任意のものが使用できる。また、斑点 状のホットメルト樹脂２としては、ユニチカ株式会社製ＵＭ−ＰＶＡ及びその誘 導体、日本合成化学工業株式会社製のＯＫＳシリーズ品やＮＫシリーズ品、東京 インキ株式会社のパウダレジンＫ３０２シリーズ品などが適当である。斑点状の ホットメルト樹脂２は、必ずしも、定まった大きさ形状である必要はなく、極端 には、点状と島状が入り交じった状態で分布されていてもよく、さらに、それも 、紙シート材１表面に均一に分布されている必要もない。

【００１１】 図２は、図１を断面から見た図であって、島状に設けられた水溶性ホットメル ト樹脂は塗布層を島状又は線状に塗布されて加熱溶融させたのちの断面状態を示 す。同図に示すように、島状に塗布されたホットメルト樹脂２は、加熱溶融の段 階で部分的に紙シート材１中に浸透層３を形成している。

【００１２】 図３は、図１に示す斑点状に設けられた水溶性ホットメルト樹脂２に代わって 、これを線状に形成された例を示し、基本的には図１に示す場合よりも接着能力 が大きい。

【００１３】

【考案の効果】

（１） 貼着時にはアイロン等の加熱によって簡単に貼着でき、剥すときはスプ レー等の加水によって簡単に剥がし作業ができる。

【００１４】 （２） 樹脂を加熱溶融しているため、貼付け時の再加熱により貼り付け側の面 の光沢や風合いを変化させることがない。

【００１５】 （３） 紙シート基材が、そのまま露出する面積が大きいため、基材本来の機能 が何ら損なわれることがない。

【００１６】 （４） 通気性を保持するため、とくに障子紙に適用した場合には、結露現象が 生じない。

【００１７】 （５） 壁紙等の場合、接着剤のために通気性を疎外することがないため、湿気 が壁にこもらないから防かび、防さび効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例を示すもので、樹脂を斑点状
に分布した状態を示す。

【図２】 図１の断面構造を示す。

【図３】 本考案の他の実施例を示すもので、表面樹脂
層を線上状に形成した状態を示す。

【符号の説明】

１ 紙シート材 ２ ホットメルト樹脂 ３ ホットメルト樹脂の浸透層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙シート材の一面に熱可塑性樹脂からな
   る接着剤層を設けた熱接着貼り紙において、水溶性ホッ
   トメルト樹脂の塗布層を斑点状あるいは線状に設けて加
   熱溶融させてなる水溶性熱接着貼り紙。