JP3002703U - 容器用蓋の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋体の外周面を研磨することなく、パッキン
グを容易に取り付け及び交換ができ、蓋体を開閉しても
パッキングが外れにくい、密閉性の高い容器用蓋の構造
を提供する。 【構成】 蓋体２の外周面に沿って断面が略コの字状の
嵌合溝１１を設ける。パッキング４の内周部４１の断面
を嵌合溝１１と略同形に形成し、外周部４２の断面を凸
形湾曲状に形成する。嵌合溝１１にパッキング４を嵌合
する。開口部３を蓋体１により密閉する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として陶磁器製の容器本体の開口部を密閉する容器用蓋の構造に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

容器に設けられた開口部に嵌合する容器用の蓋体の外周半径は、容器本体の開 口部の内周半径に対してやや小さく形成されている。特に、陶磁器製の容器の場 合、その製造過程において窯だし後の大きさが収縮により多少異なるため、この 大きさの変化があっても蓋体が開口部に嵌めることができるようにするため、蓋 体の外周と開口部の内周の間に予め間隙ができるように作られている。 ところが、このような蓋体では密閉製に欠け、例えば醤油さしや急須といった 液体を注ぐ容器の場合、容器内の液体を注ぐとき液体が蓋体と開口部の間隙から 漏れるという不具合が生じた。 また、乾物等を入れて保存する容器の場合、蓋体と開口部の間隙から湿気が入 り込むという不具合が生じた。 従来、このような不具合の対策としては、蓋体を予め大きめに形成し、その外 周面を容器本体の開口部の内周面の大きさまで研磨する方法、または蓋体の外周 面または容器本体の開口部の内周面にパッキングを接着剤等で固着する方法によ り蓋体による開口部の密閉性を高めていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した蓋体の外周面を研磨する方法においては、陶磁器は欠 けやすいため、研磨に熟練を要するという問題点があった。 また、パッキングを接着剤等により固着する方法においては、パッキングに傷 がついたり、老化しても取り替えることができず、密閉性が落ちてしまうという 問題点があった。 本考案は、従来技術における上記のような問題点に鑑み、蓋体の外周面を研磨 することなく、パッキングを容易に取り付け及び交換ができ、蓋体を開閉しても パッキングが外れにくい、密閉性の高い容器用蓋の構造を提供することを目的と するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

このため本考案では、容器本体に設けられた開口部に嵌合する容器用蓋の構造 において、蓋体の外周面に沿って断面が略コの字状の嵌合溝を設け、外周側断面 が凸形湾曲状に形成され、内周側断面が前記嵌合溝と略同形に形成されたパッキ ングを前記嵌合溝に嵌合させるようにしたものである。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案の実施例１を図面に基づいて説明する。 図１は本考案に係る蓋体を使用した醤油さしの分解斜視図、図２は本考案に係 る蓋体の拡大Ａ−Ａ断面図、図３は本考案に係るパッキングの斜視図、図４は図 ４のＢ−Ｂ断面図、図５は本考案に係るパッキングの他の実施例を示す部分拡大 斜視図である。

【０００６】 図１に示すように、実施例１の醤油さしは、上部に開口部３が設けられ、側面 に注ぎ口５を備えた醤油さし本体２と、開口部３に嵌める蓋体１により構成され ている。 蓋体１は略円盤状に形成され、その上面は底面に比し半径が大きく、外周面は 傾斜をもって形成されている。上面の略中央には、蓋体１を持つためにつまみ１ ２が設けられ、外周面にはパッキング４が設けられている。 図２に示すように、蓋体１には外周面に沿って断面は略コの字形の嵌合溝１１ が設けられている。 図３及び図４に示すように、蓋体１の嵌合溝１１に嵌合するパッキング４は略 リング状に形成され、その断面は内周部４１が蓋体１の嵌合溝１１と略同形に形 成され、外周部４２が凸形湾曲状に形成されている。このパッキング４は弾性材 質により作られ、例としてはシリコンゴム等の合成ゴムがあげられる。 蓋体１の嵌合溝１１の深さはパッキング４の内周部４１のコの字形部分が嵌合 溝１１の中にほぼ埋まり、外周部４２の凸形湾曲部分が蓋体１の外周面から突出 する程度に形成されるのが望ましい。

【０００７】 醤油さし本体２の開口部３は、その上部から下部にかけて内周面３１の半径が 小さくなるように、蓋体１の外周面の傾斜に対応して傾斜が設けられている。こ の内周面３１の底部の半径は蓋体１に取り付けられた状態のパッキング４の外周 半径より僅かに小さく、蓋体１の底面の外周半径より僅かに大きく形成されてい る。 開口部３の内周面３１の底部には、リング状の蓋受け３２が設けられている。

【０００８】 次に、本実施例の作用について説明する。 図２に示すように，蓋体１の嵌合溝１１にパッキング４を嵌合させる。嵌合溝 １１の断面形状がパッキング４の内周部４１の断面形状とほぼ同じ形状に形成さ せれ、且つその深さがパッキング４の内周部４１のコの字形部分がほぼ埋まるよ うにされている。これにより、パッキング４は嵌合溝１１の内壁に保持され、パ ッキング４に対して垂直方向の力を加えても外れにくい状態で蓋体１に取り付け られる。 次に、醤油さし本体２の開口部３に蓋体１を上方から嵌めると、蓋体１の底面 が開口部３の蓋受け３２に接したところで止められる。この位置で開口部３の内 周面３１とパッキング４が接触し、開口部３は蓋体１により密閉される。 この密閉状態での内周面３１のパッキング４との接触面の半径は、蓋体１に取 り付けられた状態のパッキング４の外周半径より僅かに小さく形成されており、 このため内周面３１によりパッキング４の外周部４２は内周方向に押圧される。 これにより、嵌合溝１１がパッキング４を保持する力はより強くなる。 パッキング４の外周面４２の断面は凸形湾曲状に形成されており、内周面３１ とパッキング４との接触面は線接触であり、内周面３１がパッキング４の外周面 を保持する力は、嵌合溝１１がパッキング４を保持する力に比し弱い。このため 蓋体１のつまみ１２を持って蓋を開けるときは、パッキング４が蓋体に保持され た状態のまま開けることができる。

【０００９】 尚、上記実施例では、パッキング４をリング状に形成していたが、これに限ら れるものではなく、図５に示すように、紐状に形成され断面形状が上記実施例と 同じように形成されたものでもよい。この紐状のパッキングは蓋体の外周面の周 囲長に合わせて切ることができ、蓋体の大きさに合わせ柔軟性を持って使用でき る。

【００１０】 次に、本考案の実施例２を図面に基づき説明する。 図６は本考案に係る蓋体を使用した密閉瓶の部分破断斜視図である。 上記実施例１では、醤油さし本体２の開口部３を蓋体１により密閉してたが、 本実施例では図６に示すように、実施例１と同様に蓋体６の外周面にパッキング ６１を取り付け、この蓋体６により密閉瓶本体６２の開口部６３を密閉する。 本実施例は以上のように構成したので、乾物や煎餅等を密閉瓶本体６２に入れ 、密閉瓶本体６２の中に湿気が入るのを防止する事ができる。 また、中のものを出し入れするために開閉するときも、パッキング６１が蓋体 ６に取り付けられた状態で容易に開閉することができる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案では以上のように構成したので、蓋体の外周面を研磨することなく、蓋 体にパッキングを容易に取り付け、この蓋体より高い密閉性を得ることができる という優れた効果がある。 また、接着剤による固着と違いパッキングの交換が容易にでき、しかも蓋体を 開閉してもパッキングが外れにくいという優れた効果がある。

【００１２】

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案に係る蓋体を使用した醤油さしの
分解斜視図である。

【図２】本考案に係る蓋体の拡大Ａ−Ａ断面図である

【図３】本考案に係るパッキングの斜視図である。

【図４】図４のＢ−Ｂ断面図である

【図５】本考案に係るパッキングの他の実施例を示す部
分拡大斜視図である。

【図６】本考案に係る蓋体を使用した密閉瓶の部分破断
斜視図である。

【符号の説明】

１ 蓋体 １１ 嵌合溝 １２ つまみ ２ 醤油さし本体 ３ 開口部 ３１ 内周面 ３２ 蓋受け ４ パッキング ４１ 内周部 ４２ 外周部 ５ 注ぎ口 ６ 蓋体 ６１ パッキング ６２ 密閉瓶 ６３ 開口部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体に設けられた開口部に嵌合する
   容器用蓋の構造において、蓋体の外周面に沿って断面が
   略コの字状の嵌合溝を設け、該嵌合溝に外周側断面が凸
   形湾曲状に形成され、内周側断面が前記嵌合溝と略同形
   に形成されたパッキングを嵌合させたことを特徴とする
   容器用蓋の構造。