JP3001408U - 中通し竿用のトップガイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トップガイド内部の水はけを良くして、海水
の結晶化に起因する糸の巻き取り抵抗の増大、及び、ブ
リスタ現象の発生を抑制する。 【構成】 トップガイドを形成する周壁部の前後開口位
置に夫々糸案内リング８，８を取り付けるとともに、後
方側糸案内リング８の直前方に、水抜き用の孔部Ｃを形
成してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、穂先の先端開口に装着される中通し竿用のトップガイドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、中通し竿のトップガイドは、元竿に形成した糸導入部から差し込まれた 釣り糸を、竿材の内部を通し、トップガイド自身の糸案内経路及びトップガイド の先端開口に備えた糸案内リングを介して竿外に送り出すよう構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来構成においては、糸案内リングとの接触によって糸より擦り取られた 海水等は、周壁部内に持ち込まれてその儘滞留することがある。 そして、その儘長期間放置すると、海水中の塩分の結晶化によって糸案内経路 の平滑さを欠くことになり糸の巻き取り抵抗等を増大させたり、糸の損傷を招い たりする為に、頻繁に糸案内経路の清掃が必要であるが、トップガイドの内部は 簡単に掃除具を差しいれる程の広いスペースを持ってはいないので、掃除もまま ならない面があった。 本考案の目的は、塩分の結晶化等に起因する経路の抵抗を低減すると共に、糸 の損傷等の現象を抑制し得る中通し竿用のトップガイドを合理的に構成する点に ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案による特徴構成は、糸案内経路を形成する周壁部を先端側広がり形状に 形成するとともに、前記周壁部の先端開口に糸案内リングを設け、前記周壁部に 前記糸案内経路と外部とを連通させる水抜き用の孔部を形成してある点にあり、 その作用効果は次の通りである。

【０００５】

【作用】 トップガイド内に至った糸と糸案内リングとの接触によって擦り取られた海水 等は、先端側広がり形であるために糸とは離間した状態にある周壁部に落下し、 孔部からトップガイド外方に出て行く。 一方、釣り後に後仕舞いする際の水洗いを行った場合にも、周壁部内に入った 水は孔部を通してトップガイド外方に出て行く。 したがって、トップガイド内に海水等が入り込んでも、すぐに排出可能である から、海水等が滞留することがない。

【０００６】

【考案の効果】

その結果、海水等の滞留がない分、塩分の結晶化等を低減化し回避することが 可能となるので、清掃に要する負担を軽減できるとともに、糸の経路抵抗を軽減 でき、かつ、糸の損傷等を回避できるに至った。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図２に示すように、穂先竿１、中間竿２、元竿３夫々の竿材Ｒを並継ぎ型に構 成すると共に、元竿３のリールシート４に釣り用リール５を装着する中通し竿を 構成する。 又、元竿３の中間部に形成された糸導入部Ａからの釣り糸６を元竿の内部に導 入し、この元竿３、中間竿２、穂先竿１夫々の内部の糸案内経路を介して、穂先 竿１の先端部に案内するよう構成されている。

【０００８】 図１に示すように、この中通し竿では、穂先竿１の先端部に釣り糸６を挿通す る開口Ｂを形成し、この開口Ｂの部位から所定距離に亘り、この穂先竿１を滑ら かな円弧状に予め屈曲成形した屈曲部１Ａを形成してあり、又、前記開口Ｂには 先端側広がり形状のトップガイド７を介してセラミック等の耐磨耗性に優れた素 材で成る糸案内リング８を一対設け、この一対のリング８，８の中間位置で内方 の（後方側の）リング８の前部、好ましくは、直前に水抜き用の孔部Ｃを形成し てあり、釣り糸６が竿の内部に引き込まれる際には、内方の（後方側の）リング ８との接触でシゴキ落とされた海水を孔部Ｃを介して排出するよう構成されてい る。

【０００９】 次に説明するのは、トップガイド７としてその先端に糸案内リング８を装着し たものを使用し、そのトップガイド７を取り付けた穂先竿１における穂先部の先 端形態の違いについて記したものである。 つまり、図４に示す如く先端部を大きい円弧状に予め屈曲成形した屈曲型のも のと、図３に示す如く先端部を弾性変形可能に構成した従来型のものとについて 、釣り糸６の先端部位に等しい重量Ｗの負荷を作用させた状態で、この釣り糸６ を巻取り操作するに必要な力Ｆと、この釣り糸６の繰り出しが許容される力Ｆと について実験した結果によると、次の表のようになる。

【００１０】

【表１】

【００１１】 この表では、例えば、荷重が１００ｇの場合に、従来型のものでは釣り糸６の 巻上げに１３５ｇの力を必要とするものが、屈曲型のものでは１１５ｇの力で巻 上げ得るものとなり、又、同様に荷重が１００ｇの場合に、従来型のものでは釣 り糸６の繰り出しに６０ｇまでの力の低下を必要とするが、屈曲型のものでは７ ０ｇまで力を低下することにより釣り糸６の繰り出しが可能になるのである。 このように屈曲成形したものでは、従来型に構成したものと比較して等しい負 荷に対して釣り糸６に作用する抵抗値が低減されることを確認できる。

【００１２】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】トップガイドの装着状態を示す断面図

【図２】中通し竿の側面図

【図３】従来型の穂先部での釣り糸の屈曲状態を示す作
用図

【図４】屈曲型の穂先部での釣り糸の屈曲状態を示す作
用図

【符号の説明】

８ 糸案内リング Ｂ 先端開口 Ｃ 孔部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 穂先の先端開口（Ｂ）に装着される中通
   し竿用のトップガイドであって、 糸案内経路を形成する周壁部を先端側広がり形状に形成
   するとともに、前記周壁部の先端開口に糸案内リング
   （８）を設け、前記周壁部に前記糸案内経路と外部とを
   連通させる水抜き用の孔部（Ｃ）を形成してある中通し
   竿用のトップガイド。