JP3001216U - 火葬炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】主燃焼室と、主燃焼室からの排ガスの再燃焼を
行う再燃焼室とを並設した火葬炉に於いて、再燃焼室の
容積や熱量を増大させることなく排ガスの完全な再燃焼
を行う。 【構成】再燃用バーナー２３を、再燃焼室２の排ガスの
流れ方向に対面させて設けて、排ガスの再燃焼室の滞留
時間を長くする。また主燃焼室１と再燃焼室２とを接続
する煙道部２１の主燃焼室側入口近傍の主燃焼室側壁に
補助燃焼用バーナー３１を設けて、主燃焼室からの排ガ
スを高温化する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、再燃焼室を備えた火葬炉の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

火葬炉は、その排煙の無臭化無煙化のために被火葬体の主燃焼を行った後の排 ガスを再度燃焼する再燃焼室を備えている。即ち被火葬体が収納される主燃焼室 には、気体燃料若しくは液体燃料を使用した燃焼用バーナーを配設して被火葬体 を燃やし、発生した未燃焼ガス並びに黒煙等は、再燃焼室の再燃バーナーで燃焼 させるものである。 従前の主燃焼室と再燃焼室の構成は、基本的に主燃焼室の直上に再燃焼室を配 置し、主燃焼室の前面側に開閉扉を設け、奥側に主燃焼用バーナーが配設されて いるもので、主燃焼室と再燃焼室とを連通する煙道部の形成構造が各々異なって いる。具体的には、奥壁側に再燃焼室との鉛直煙道部を備えていたり（特開平３ −１００６号公報）、主燃焼室の前側上部と再燃焼室の奥側下部を連通する水平 構造の煙道部を備えたり（実公平１−３３９３６号公報）、更には前面に鉛直煙 道部を設けている（特開平２−１９５１０８号公報）。 そして前二者は再燃焼室の再燃用バーナーは煙道部から排煙部方向に向かって 火炎が放射されるように設けられており、後者は再燃焼室に多数の導孔を穿設し た抑制部で仕切り、抑制部より主燃焼室側の再燃焼室側壁に再燃バーナーを設け ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、排煙の完全無煙化並びに完全無臭化を実現するには、主燃焼室にお ける被火葬体の燃焼と共に、再燃焼室における主燃焼室からの排ガスの完全な酸 化分解を要する。而も再燃焼室における排ガスの酸化分解は、反応温度が高けれ ば高いぼど完全に酸化され、又酸素（供給空気）との接触時間が長ければ長い程 完全に酸化される。 このため前記した従来装置のように排ガスの流れ方向に再燃バーナーを噴炎さ せての完全燃焼の実現には、再燃バーナーの高温化や、排ガスの再燃焼室での滞 留時間（空気接触時間）増加のための再燃焼室の容積の増大が要求される。

【０００４】 また再燃焼室に多数の導孔を穿設した抑制部で仕切り、抑制部より主燃焼室側 の再燃焼室側壁に再燃バーナーを設けている装置では、抑制部によって抑制部内 側（主燃焼室側）の圧力を高めることで容積増大と同様の作用を得ているが、再 燃焼排ガスは、抑制部の導孔からの強い吹き出しとなるため、抑制部の損耗が激 しい。 そこで本考案は、効果的な再燃焼を実現できる新規な火葬炉を提案したもので ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る火葬炉は、所定の燃焼用バーナーを具備した主燃焼室に、主燃焼 室からの排ガスの再燃焼を行う燃焼用バーナーを具備した再燃焼室とを並設した 火葬炉に於いて、第一に再燃焼室の再燃用バーナーを、再燃焼室の排ガスの流れ 方向に対面させて設けたことを特徴とするものであり、第二に主燃焼室と再燃焼 室とを連通する煙道部の主燃焼室側入口近傍の主燃焼室側壁に補助燃焼用バーナ ーを設けたことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

主燃焼室からの排ガスが再燃焼室に入ると、対面する再燃用バーナーによって その排煙部への流れが抑制され、再燃焼室内の圧力上昇に応じて再燃焼室の滞留 時間（酸化反応時間）が長くなり、排ガスの脱臭脱炭が完全になされる。 また補助燃焼バーナーの炎は、主燃焼室から再燃焼室への排ガスの流れに添っ て煙道部に導かれ、狭い通路である煙道部で、排ガスが常に補助燃焼用バーナー 炎と接触して高温状態となるので、再燃用バーナーの熱量を大きくしなくとも排 ガスの脱臭脱炭が完全になされる。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の実施例について説明する。 実施例に示した火葬炉は、全体が鋼板又は型鋼で形成され、耐火煉瓦やセラミ ックス等で内壁を形成した炉体である主燃焼室１並びに再燃焼室２から構成され 、両室の間に補助燃焼部を設けたものである。 主燃焼室１は、その前面に冷却室（図示せず）と連絡する防火開閉扉１１を設 け、床面に棺Ａを載置する台車１３並びに台車用レール１２が敷設され、奥壁に 主燃焼用バーナー１４を配設してなり、主燃焼用バーナー１４は燃焼用空気供給 部を付設したバーナーユニットである。 再燃焼室２は、主燃焼室１の直上に配置したもので、両室の前壁側に両室を接 続する煙道部２１を形成し、奥壁上部に排煙路２２を連設し、再燃用バーナー２ ３を前壁方向に噴炎するように奥壁配設したものである。 補助燃焼部３は、煙道部２１の主燃焼室側入口近傍の主燃焼室１の側壁に配設 した補助燃焼用バーナー３１と、煙道部２１の側壁部に設けた燃焼用空気供給ノ ズル３２からなる。 而して棺Ａを載置した台車１２を主燃焼室１に入れ、燃焼用空気を供給して主 燃焼用バーナー１４に点火し燃焼を開始すると共に、排煙路に付設した吸引ブロ ー（図示せず）も動作せしめ、そして急激な燃焼や、燃焼遅れが生じないように バーナー温度や空気供給量に調整する所定の制御を以て主燃焼バーナー１４で被 火葬体Ａの燃焼を行うものである。同時に再燃用バーナー２３並びに補助燃焼用 バーナー３１も点火し、再燃焼室２への再燃用空気供給並びにノズル３２からの 空気供給を行って排煙の無臭化無煙化を達成しているものである。 即ち主燃焼室１に於いて主燃焼用バーナー１３の火炎が直接当たらない箇所は 、不完全燃焼状態で黒煙を発生し、黒煙は排ガスとして煙道部２１を通過して再 燃焼室２に導かれる。その際に補助燃焼用バーナー３１の炎は、主燃焼室１から 再燃焼室２への排ガスの流れに添って煙道部２１に導かれて、狭い通路である煙 道部２１で、排ガスと充分接触し、排ガスを高温状態とする。更に排ガスが再燃 焼室２に入ると、排ガスの流れに対面して炎を吹き出す再燃用バーナー２３によ って排ガスの排煙部２２で流れが抑制され、排ガスの再燃焼室２の滞留時間（排 ガス酸化反応時間）が長くなる。

【０００９】 従って特に再燃焼室２の容積を増大させたり、再燃バーナー２３の熱量を増大 させることなく排ガスの脱臭脱炭をより完全に行うことができ、火葬炉排ガスの 無臭化無煙化を実現したものである。 尚本考案は、前記実施例に限定されるものではなく、例えば図３に例示するよ うに、主燃焼室１ａと再燃焼室２ａを一体炉として形成せずに各別とし煙道部２ １で接続するものでも良いし、また再燃焼室２ａに多数の導孔を穿設した抑制部 ２４を設けていても良い。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように本考案は、再燃焼室を備えた火葬炉に於いて、再燃焼室の再燃用 バーナーを、再燃焼室の排ガスの流れ方向に対面させて設けたり、主燃焼室と再 燃焼室とを接続する煙道部の主燃焼室側入口近傍の主燃焼室側壁に補助燃焼用バ ーナーを設けたもので、再燃焼室の排ガス滞留時間を長くして脱臭脱炭を確実と し、また補助燃焼用バーナーによる主燃焼室からの排ガスを効率的に高温化して 再燃バーナーの熱量を低減できたもので、結果的に再燃焼室をコンパクトにする ことができると共に、より完全に排ガスの無臭化無煙化が実現できたものである 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の火葬炉の簡便な側方断面図。

【図２】同図１のａ−ａ線断面図。

【図３】本考案の別例の簡便な側方断面図。

【符号の説明】

１ 主燃焼室 １４ 主燃焼用バーナー ２ 再燃焼室 ２１ 煙道部 ２２ 排煙路 ２３ 再燃バーナー ３ 補助燃焼部 ３１ 補助燃焼用バーナー

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の燃焼用バーナーを具備した主燃焼
   室に、主燃焼室からの排ガスの再燃焼を行う燃焼用バー
   ナーを具備した再燃焼室とを並設した火葬炉に於いて、
   再燃焼室の再燃用バーナーを、再燃焼室の排ガスの流れ
   方向に対面させて設けたことを特徴とする火葬炉。
2. 【請求項２】 請求項１記載の火葬炉に於いて、主燃焼
   室の直上に再燃焼室を配置すると共に、各室の奥壁面に
   各燃焼用バーナーを配設し、両室の前壁側に両室を接続
   する煙道部を形成し、再燃焼室の奥壁上部に排煙路を設
   けてなることを特徴とする火葬炉。
3. 【請求項３】 所定の燃焼用バーナーを具備した主燃焼
   室に、主燃焼室からの排ガスの再燃焼行う再燃用バーナ
   ーを具備した再燃焼室とを並設した火葬炉に於いて、主
   燃焼室と再燃焼室とを連通する煙道部の主燃焼室側入口
   近傍の主燃焼室側壁に補助燃焼用バーナーを設けたこと
   を特徴とする火葬炉。
4. 【請求項４】 請求項３記載の火葬炉に於いて、主燃焼
   室の直上に再燃焼室を配置すると共に、両室の前壁側又
   は奥壁側に両室を接続する煙道部を形成したことを特徴
   とする火葬炉。
5. 【請求項５】 請求項４記載の火葬炉に於いて、再燃焼
   室の再燃用バーナーを、再燃焼室の排ガスの流れ方向に
   対面させて設けたことを特徴とする火葬炉。