JP3000848B2 - 長尺材のストッパ装置 - Google Patents

長尺材のストッパ装置

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JP3000848B2
JP3000848B2 JP6095235A JP9523594A JP3000848B2 JP 3000848 B2 JP3000848 B2 JP 3000848B2 JP 6095235 A JP6095235 A JP 6095235A JP 9523594 A JP9523594 A JP 9523594A JP 3000848 B2 JP3000848 B2 JP 3000848B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は長尺材のストッパ装置及
び長尺材の切断設備の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】Hビームなどの長尺材は、市場や需要者
の要求により定尺または所定長さに切断される。このた
めの切断装置は長尺材の搬送手段と、長尺材の先端の位
置を規定するストッパ手段と、停止状態の長尺材を切断
するカッタ手段とからなる。これらの手段の内で、スト
ッパ手段は切断後の材料の仕上り寸法の精度に影響する
重要な手段である。長尺材のためのストッパ手段とし
て、例えば特開平2−28418号「ストッパ装置」
や特開昭52−112883号「切断材のストッパ装
置」が知られている。
【0003】上記は同公報の第1図によれば、移動基
台13の上部に軸ピン21を介してストッパ部材22を
揺動可能に取付けたものであり、このストッパ部材22
に長尺材Bの先端が強く当たった場合には、ストッパ部
材22が揺動してショックを弱める。その後にストッパ
部材22は元の位置に戻って、長尺部材Bの先端の位置
を正確に定めるというものである。長尺材Bが比較的小
さな力で元の位置に戻れば問題ないが、長尺材Bが十分
に長く、重い物であれば元へ戻すためのスプリングなど
は大きな反発力のものが必要であり、反発力を強めると
長尺材Bが比較的短く軽いものに替った場合には跳ね返
されて位置精度が悪化することになる。このように、
の装置はスプリング等の選択が面倒であるという課題が
ある。
【0004】また、上記は同公報の第4図によれば、
ストッパ10は長尺材36の軸上に配置され、このスト
ッパ10は支点9にて上下動のみ可能に保持されてい
る。長尺物36を切断する際に長尺物36の先端が上下
に跳ねるので、この動き方向にストッパ10を逃がすと
いうものである。しかし、一般に生産性の高い切断装置
では長尺物の挿入方向と抽出方向を同一、即ち戻さずに
一方向に順次流す方式を採用している。この点において
上記は、切断後の材料を戻さなければならないので生
産性を高め難い。
【0005】図7(a),(b)は従来のストッパ手段
の原理図であり、(a)に示す通りストッパ手段100
は基台101上のスライドベース102にストッパ10
3をピン104を介して上下方向揺動可能に取付けたと
ころの遮断機型ストッパである。送りねじ105にてス
ライドベース102を図面の表裏方向に移動してストッ
パ103を定められた位置に保持し、ローラ106上の
Hビーム107を図表から裏側へ移送してHビーム10
7の先端をストッパ103に当てる。この状態で図示せ
ぬカッタにてHビーム107を切断する。次にストッパ
103を図時計方向に回動し(矢印)、Hビーム10
7を図裏方向へ進める。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図7の遮断機
型ストッパでは、ストッパ103がラインに直交した片
持ばりであるために、図7(b)に示す通りに、ストッ
パ103は比較的簡単にδだけ撓む。この撓み量δが位
置決め誤差となる。また、ストッパ103がスプリング
バック作用によりHビーム107の先端に強く押付けら
れることになり、図7(a)のごとくストッパ103
を上昇すると、Hビーム107の先端が持上げられ恐れ
がある。Hビーム107は若干持上げられ、その後に自
然落下することになるが、その際に騒音が発生し、且つ
Hビーム107が搬送ラインからずれてその後の搬送に
不都合の生じることがある。そこで本発明の目的はHビ
ーム等の長尺材を正しく位置決めし、しかもストッパ解
除の際に長尺材を傷めないストッパ装置およびその様な
ストッパ装置を含む切断設備を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明は、ライン上を搬送される長尺材の先端に当接す
るストッパ面を備えたストッパブロックと、このストッ
パブロックをラインに対して一定角度傾斜した軸に沿っ
て移動させるストッパブロックガイドと、このストッパ
ブロックガイドに沿って前記ストッパブロックを前後進
させるストッパ移動手段と、これらストッパブロック、
ストッパブロックガイド及びストッパ移動手段を一括載
置するコモンベースと、このコモンベースをライン方向
にのみ移動可能に保持する基台と、前記コモンベースを
前後進させるコモンベース移動手段とから長尺材のスト
ッパ装置を構成する。
【0008】更にコモンベースに、ストッパブロックの
前進限位置を規定するストッパブロックストッパを付設
する。
【0009】ストッパブロックストッパはストッパブロ
ックガイドとハの字をなす位置に配置され、このハの字
へストッパブロックの前部を突入することで、くさび効
果により前進限位置のストッパブロックのがたつきを無
くすものである。
【0010】
【0011】
【作用】要求された長尺材を生産するために、先ずコモ
ンベース移動手段にてコモンベースをライン方向に移動
する。次に、テーブル上を搬送する長尺材をピンチロー
ルで挟持し、長尺材の先端をストッパ面に当て止めす
る。この状態で長尺材を切断する。この後、ストッパブ
ロックをストッパブロックガイドに沿って移動してスト
ッパ面をライン外へ移し、所定寸法に切断された長尺材
を下流側へ移送する。
【0012】ストッパブロックストッパがある場合に
は、このストッパにストッパブロックを押し当てて使用
状態での位置を定める。
【0013】ストッパブロックストッパとストッパブロ
ックガイドが「ハ」の字状とされている場合には、これ
らにストッパブロックを押し当てることでくさび作用を
発生せしめ、使用状態におけるストッパブロックのがた
つきを抑える。
【0014】
【0015】
【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づいて以下に
説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明の長尺材の切断設備の平面図であり、長尺
材の切断設備1は、長尺材2を搬送するための入口テー
ブル3及び出口テーブル4と、搬送ラインLに置かれ前
記長尺材2を切断する切断機5と、この切断機5の上流
側に配置され長尺材を挟持するピンチロール7,7と、
切断機5の下流側に配置され長尺材を挟持するピンチロ
ール8,8と、これらピンチロール8,8より下流側に
ラインLに沿って移動可能に配置され且つ長尺材の先端
の位置を決めるストッパ装置10とからなる。
【0016】前記ストッパ装置10は、ラインL上を搬
送される長尺材2の先端に当接するストッパ面11を備
えたストッパブロック12と、このストッパブロック1
2をラインLに対して一定角度傾斜した軸に沿って移動
させるストッパブロックガイド13,14と、このスト
ッパブロックガイド13,14に沿って前記ストッパブ
ロック12を前後進させるストッパ移動手段15と、こ
れらストッパブロック12、ストッパブロックガイド1
3,14及びストッパ移動手段15を一括載置するコモ
ンベース16と、このコモンベース16をラインL方向
にのみ移動可能に保持する基台17と、前記コモンベー
ス16を前後進させるコモンベース移動手段18とから
なる。
【0017】前記コモンベース移動手段18は、例えば
電動機18a、減速機18b、送りねじ18cからな
り、基台17上に固設されたレール17a,17aに沿
ってコモンベース16を往復移動させるものである。
又、切断機5は内部に、当該長尺材2よりやや大きな孔
の開いた固定刃部(図示せず)と、この固定刃部の孔に
貫通させた長尺材2を切断する移動刃部(図示せず)と
を有するダイセットと称するものである。しかし、この
切断機5はいわゆるギロチンカッタ、鋸歯カッタのいず
でれでもよく、要は長尺材を一定水準以上の精度で切断
する手段であれば種類は問わない。ピンチロール7,7
は減速機付き電動機19で正逆転されるものであり、長
尺材2がHビームの場合は、Hビームのウエブのみを挟
持する。ピンチロール8,8も同様である。
【0018】図2は本発明のストッパ手段の要部拡大平
面図であり、ストッパブロック12はラインLに対して
角度θだけ中心軸を傾斜させた状態で配置するボックス
であり、しかもその状態でのボックスの先端をラインL
に直交する面及びラインLに平行な面で切断し、それぞ
れを第1面12a,第2面12bとし、第1面12aに
前記ストッパ面11を付設し、更に第1面12aに押当
てピース21を付設したものである。この押当てピース
21に対応する位置にコモンベース16上に付設された
のがストッパブロックストッパ22であり、結果的にこ
のストッパブロックストッパ22はストッパブロックガ
イド14と「ハ」の字状に配置されている。ストッパ移
動手段15は油圧シリンダ、空圧シリンダが好適であ
り、このストッパ移動手段15の作動にてストッパブロ
ック12は実線で示した位置と想像線で示した位置を往
復する。
【0019】また、ストッパブロック12はラインLに
対して角度θだけ傾斜しているので、長尺材2がストッ
パ面11に衝突した際の力Fは分力f(f=F×sin
θ)の形でストッパブロック12に作用する。角度θが
60゜であればf/Fは0.86、角度θが45゜であ
ればf/Fは0.70となり、実質的にストッパブロッ
ク12に作用する曲げ力は小さくなり、この結果先端の
撓みも小さくなる。ストッパブロック12の撓みが小さ
くなれば、ストッパ面11の位置精度は向上する。この
点から、角度θは20〜70゜の範囲から選択するべき
であり、70゜超ではたわみが大きくなって好ましくな
く、また、20゜未満ではストッパブロック12のスト
ロークが過大となりストッパ移動手段15に負担が掛か
るので好ましくない。
【0020】図3は図2の3矢視図であり、先に述べた
通りにコモンベース16は基台17のレール17a上を
送りねじ18cの作用にて図面表裏方向に水平に移動す
る。また、ストッパ面11は複数の六角孔付きボルト1
1a…(…は複数個を示す。以下同じ。)でストッパブ
ロック12の第1面12aに取付けられたものである。
この構造にすれば、ストッパブロック12を炭素鋼板、
ストッパ面11を合金鋼で製作でき、ストッパ面11が
摩耗したらこれのみを交換すればよい。勿論、ストッパ
面11をストッパブロック12に一体形成することは差
支えない。なお、図中、23は出口テーブル駆動のため
の搬送用減速機付きモータである。
【0021】図4は図2の4−4線断面図であり、スト
ッパブロックガイド13,14のスライド面に油を含浸
させたライナ24…をボルト止めし、これらのライナ2
4…を介してストッパブロック12を摺動させる。
【0022】以上の構成からなる長尺の切断設備1及び
ストッパ装置10の作動を説明する。図5(a),
(b)はストッパブロックの作動説明図であり、(a)
はストッパブロック12の待機状態を示す。この状態か
らストッパブロック12を前進させると、矢印のごと
く押当てピース21がストッパブロックストッパ22に
当接する。すると、ストッパブロック12の使用状態を
示す(b)に示す通り、ストッパブロック12は「ハ」
の字状に配置されたストッパブロックストッパ22及び
ストッパブロックガイド14に突入され、いわゆるくさ
び効果により図面左右方向へのガタつきが解消される。
言い換えると、ストッパブロック12が左右のストッパ
ブロックガイド13,14と若干のクリアランスを介し
て保持されていても、上記くさび作用により使用状態で
はストッパブロック12はガタつくことがない。この結
果、ストッパ面11のラインL長手方向における位置は
極めて正確に決定される。(b)のストッパブロック1
2を後退させる場合には、ストッパブロック12を左の
ストッパブロックガイド13との間にクリアランスがあ
るので、簡単に後退させることができる。
【0023】図6(a),(b)は本発明の長尺材の切
断装置の要部の作用説明図であり、(a)において使用
状態に保持したストッパブロック12に向けて長尺材2
を移動し、長尺材2の先端をストッパ面11に押当て
る。この結果、長尺材2は停止するが、長尺材2を挟持
するピンチロール7,7,8,8を停止させても、空転
させ続けてもよい。この状態で、切断機5で長尺材2を
切断する。(b)にて、ストッパブロック12を待機位
置へ移動し、ストッパ面11をラインLから十分に離し
た後、所定の長さLBに切断された長尺材2Aのみを矢
印方向に抽出し、以降この切断作業((a)→(b)→
(a)→…)を繰返す。
【0024】次に本発明の切断設備1の全体的作用を説
明すると、図1において要求寸法(長尺材の仕上り長
さ)に応じて、ストッパ面11の位置をラインL方向に
調整する。次に、入口テーブル3を介して長尺材2を水
平搬送し切断機5を貫通させ、ピンチロール7,7及び
8,8で挟持させつつ、長尺材2の先端を前記ストッパ
面11に押し当て、この状態で切断機5にて長尺材2を
切断する。その後、ストッパ面11を当該長尺材2から
離れ方向へ且つラインLから離れる方向へ退避させ、長
尺材を出口テーブル4を介して抽出する。
【0025】尚、本実施例ではコモンベース16を1本
の送りねじ18cと2本のレール17a,17aとで水
平に往復移動させるようにしたが、この構成に限るもの
ではなく、コモンベース16を2本の送りねじ18c,
18c(レール17aは使用しない。)で移動させるよ
うにしてもよい。また、本発明に係る切断設備1及びス
トッパ装置10は、Hビーム(H型鋼)、I型鋼、管、
棒鋼、各種軽量型鋼などの長尺材に広く適用できる。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上の構成により次の効果を発
揮する。請求項1のストッパ装置は、ストッパ面を備え
たストッパブロックをラインに対して一定角度傾斜した
軸に沿って移動するようにし、長尺材の切断後は当該長
尺材から離れる方向に且つラインから離れる方向にスト
ッパ面を移動するものであるから、切断後にストッパ面
が速かに長尺材から分離し、長尺材を傷めたり長尺材を
不都合に変位させることがない。加えて、ストッパブロ
ックをラインに傾斜した状態で長尺材の衝突力を受けさ
せるので、この衝突力にストッパブロックは十分に耐
え、ストッパブロックの変形が少なくなるのでストッパ
面の位置精度は良好である。
【0027】そしてストッパ装置は、ストッパブロック
ストッパにストッパブロックを押当てる構成としたの
で、ストッパブロックの前進限位置が簡単に規定され、
ストッパブロックを移動するストッパ移動手段に精密な
制御手段を付ける必要が無い。
【0028】更にストッパ装置は、ストッパブロックガ
イドとストッパブロックストッパとで「ハ」の字を構成
したもので、くさび効果でストッパブロックのガタを無
くすことができ、ストッパ面の位置精度並びに長尺材の
切断長の精度を高めることができる。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長尺材の切断設備の平面図
【図2】本発明のストッパ手段の要部拡大平面図
【図3】図2の3矢視図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】本発明のストッパブロックの作動説明図
【図6】本発明の長尺材の切断装置の要部の作用説明図
【図7】従来のストッパ手段の原理図
【符号の説明】
1…長尺材の切断設備、2…長尺材、3…テーブル(入
口テーブル)、4…テーブル(出口テーブル)、5…切
断機、7,8…ピンチロール、10…長尺材のストッパ
装置、11…ストッパ面、12…ストッパブロック、1
4…ストッパブロックガイド、15…ストッパ移動手
段、16…コモンベース、17…基台、17a…レー
ル、18…コモンベース移動手段、22…ストッパブロ
ックストッパ、L…ライン(搬送ライン)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライン上を搬送される長尺材の先端に当
    接するストッパ面を備えたストッパブロックと、このス
    トッパブロックをラインに対して一定角度傾斜した軸に
    沿って移動させるストッパブロックガイドと、このスト
    ッパブロックガイドに沿って前記ストッパブロックを前
    後進させるストッパ移動手段と、これらストッパブロッ
    ク、ストッパブロックガイド及びストッパ移動手段を一
    括載置するコモンベースと、このコモンベースをライン
    方向にのみ移動可能に保持する基台と、前記コモンベー
    スを前後進させるコモンベース移動手段とからなる長尺
    材のストッパ装置において、前記コモンベースには、前記ストッパブロックの前進限
    位置を規定するストッパブロックストッパが付設され
    て、このストッパブロックストッパは、前記ストッパブ
    ロックガイドとハの字をなす位置に配置され、このハの
    字へストッパブロックの前部を突入することで、くさび
    効果により前進限位置のストッパブロックのがたつきを
    無くすものであることを特徴とした長尺材のストッパ装
    置。
JP6095235A 1994-05-09 1994-05-09 長尺材のストッパ装置 Expired - Lifetime JP3000848B2 (ja)

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