JP3000532B2 - 木材の処理方法および装置 - Google Patents

木材の処理方法および装置

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JP3000532B2
JP3000532B2 JP3213304A JP21330491A JP3000532B2 JP 3000532 B2 JP3000532 B2 JP 3000532B2 JP 3213304 A JP3213304 A JP 3213304A JP 21330491 A JP21330491 A JP 21330491A JP 3000532 B2 JP3000532 B2 JP 3000532B2
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光彦 棚橋
親義 大田
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Hisaka Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スギ、カラマツ、ポプ
ラ、アルビチヤ等の軟質材や、スギ、ヒノキ等の成育過
程において除去される間伐材等のように、細かったり曲
ったりした木材を、堅牢化するとともに、直状化ならび
に自由な形状に成形し、木材を高付加価値化、有効利用
する木材の処理方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スギ等の軟質材は、建築材料として利用
されているものの、堅牢度が低いため、利用範囲が限定
されている。また、カラマツ、ポプラ、アルビチヤ等の
未利用の軟質材、および、スギ、ヒノキ等の成育過程に
おいて除去される間伐材等は、小径木で、しかも湾曲し
ており、おまけに極めて軟らかいため、有効利用されな
いまま放置或いは廃棄されているのが現状である。
【0003】そこで、従来、このような木材の堅牢化を
図るため、木材内部にフェノール樹脂等の樹脂剤を注入
させ、その樹脂剤の硬化により木材の堅牢化を図る方法
が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに、従来は木材内部にフェノール樹脂等の樹脂剤を注
入させ、その樹脂剤の硬化により木材の堅牢化を図って
いるが、木材内部に多量の樹脂剤を注入させるため、樹
脂剤費が嵩み加工コストが高くなるとともに、木材内部
に樹脂剤を均一に注入させるのに、特殊な注入装置、時
間(約1日)及び手間を要するという問題がある。更
に、厚肉木材への均一な樹脂剤注入は非常に困難なのが
現状である。また、木材内部に樹脂剤を注入して堅牢化
を図っているから、木材の特質である吸水性等が失われ
てプラスチックのようになり、木材が持つ性能、機能、
特質を完全に失しなくなってしまう上、廃材となった場
合には樹脂剤による焼却時の公害(有害物質の煙、高温
による焼却炉への影響等)が発生するという問題があ
る。
【0005】本発明者は、上述のような問題点を解決す
べく鋭意研究を進めた結果、木材を高温高圧容器内で水
蒸気と高周波により急速に加熱軟化させた後、圧縮成形
して固定化することが、木材の堅牢化に極めて有効な手
段であることを見出した。
【0006】そこで、本発明の目的は、木材を高温高圧
容器内で水蒸気と高周波により急速に加熱軟化させた
後、任意の形状に圧縮成形して固定化することにより、
木材の堅牢化を図るとともに、製材加工を不要化した木
材の処理方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、木材を高温高圧容器内で水蒸気と高周波によ
り急速に加熱軟化させた後、この木材を圧縮成形してそ
の変形を高温高圧雰囲気内に置いて固定化するようにし
たものである。
【0008】
【作用】木材を高温高圧容器内で水蒸気と高周波との高
温高圧雰囲気中に置くと、木材は水蒸気を吸収して温度
が上昇するとともに高周波により内部から温度が上昇し
(数秒〜数分間加熱することによって木材の温度が100
〜230℃となる)、これにより木材が急速に加熱軟化す
る。この状態で、木材に機械的な圧縮力を加えれば、木
材は吸収した水分を絞り出しながら断面積比で1/3〜2/3
程度に圧縮される結果、木材中に形成されている微細な
空洞部分が小さくなって硬く、かつ、強い木質となると
ともに、湾曲した木材は真直ぐに矯正される。
【0009】同時に木質に含まれるヘミセルロースのア
セチル基が遊離して生じる酢酸が触媒となって、ヘミセ
ルロースとリグニンが部分的に解重合し、その結果、木
材腐朽菌(担子菌等)の成育を阻害させる性質を持った
フェノール化合物やフルフラール化合物等の化合物質が
生成する。これによって木材耐腐朽菌に対する耐朽性が
向上する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0011】図1は本発明の木材の処理方法を実施する
装置の第1の実施例を示すもので、1は高温高圧容器、
2はプレス機である。
【0012】上記高温高圧容器1は、高温高圧に耐え得
るよう高強度の鋼またはステンレスで製作され、有底円
筒形状の容器本体1aと、これの開口部に開閉可能に取
付けられた蓋1bとからなり、内部には高温( 100〜 2
30℃)、かつ、高圧( 1〜30kgf/cm2)の水蒸気が図示
されていない水蒸気発生装置からスチーム管3を通して
供給されるとともに、例えばマイクロ波等の高周波が高
周波発振器4から導波管5を通して供給される。
【0013】上記プレス機2は、直角にV字状に折曲成
形され、その内面側が向き合うように上記高温高圧容器
1内で上下に対向配置された一対のプレス金型6,6
と、これを昇降駆動する複数のプレスシリンダー7,7
…と、直角にV字状に折曲成形され、上記プレス金型
6,6とによって拡縮可能な空間Sが形成されるよう
に、上記プレス金型6,6の両端縁間に該プレス金型
6,6に対して摺動可能なように装架して対向配置され
た一対のプレス補助治具8,8とからなり、上記プレス
金型6,6をプレスシリンダー7,7…でお互いに近接
させる動作によって、該プレス金型6,6並びにプレス
補助治具8,8で上記空間S内の木材Wを圧縮成形す
る。
【0014】尚、図中、9は高温高圧容器1内の水蒸気
ドレン等を外部に排出するためのドレン管であり、10は
高温高圧容器1内を大気に開放するために排気管であ
る。
【0015】次に、上記のように構成された本発明装置
における木材の処理要領について説明する。
【0016】先ず、高温高圧容器1の容器本体1aの開
口部の蓋1bを開いて該高温高圧容器1を開放し、この
高温高圧容器1の容器本体1a内に処理しようとする木
材Wを導入し、この木材Wをプレス機2のプレス金型
6,6並びにプレス補助治具8,8により形成される空
間S内で、下側のプレス金型6上に載置支持、或いは、
図2に示すように、両プレス金型6,6によりプレス補
助治具8,8を介して挟持する。
【0017】次に、高温高圧容器1の容器本体1aの開
口部の蓋1bを閉じて該高温高圧容器1を密閉した後、
この高温高圧容器1内に水蒸気発生装置からスチーム管
3を通して高温( 100〜 230℃)、かつ、高圧(1〜30k
gf/cm2)の水蒸気を供給させるとともに、高周波発振
器4から導波管5を通して高周波を供給させ、この水蒸
気と高周波により木材Wを加熱する。この状態で、木材
Wを所定時間(数秒〜数分間)加熱すると、木材Wは高
温高圧の水蒸気を吸収して内部温度が上昇するととも
に、高周波により内部から温度が上昇し、これによって
木材Wは急速に加熱軟化する。
【0018】このようにして木材Wを急速に加熱軟化さ
せた後、プレス機2のプレス金型6,6をプレスシリン
ダー7,7…でお互いに近接させ、プレス金型6,6間
の空間S内に保持されている木材Wを、図3に示すよう
に、プレス金型6,6によりプレス補助治具8,8を介
して断面積比で1/3〜2/3程度になるように圧縮成形す
る。そして、この状態で木材Wを所定時間(数秒〜数十
分)置くと、木材Wは水蒸気によって化学変化を起こし
て圧縮が固定化される。
【0019】このようにして木材Wの圧縮が固定化され
ると、高温高圧容器1内への水蒸気および高周波の供給
を停止すると同時に、高温高圧容器1内の水蒸気ドレン
等をドレン管9を通して外部に排出するとともに、高温
高圧容器1内を排気管10を通して徐々に排気させて大気
に開放する。この後、高温高圧容器1の容器本体1aの
開口部の蓋1bを開いて該高温高圧容器1を開放し、プ
レス機2のプレス金型6,6をプレスシリンダー7,7
…でお互いに離反させた後、圧縮成形された木材Wを高
温高圧容器1から取り出して大気に放置すると、木材W
は内部からの自己放熱により乾燥して処理を終了する。
【0020】上記実施例によれば、木材Wを高温高圧容
器1内で水蒸気と高周波の雰囲気内に置くと、木材Wは
表面から水蒸気、内部から高周波により温度が上昇し
(数秒〜数分間急速加熱することによって木材Wの温度
が 100〜 230℃となる)、これにより木材Wは急速に加
熱軟化される。この状態で、木材Wに機械的な圧縮力を
加えれば、木材Wは吸収した水分を絞り出しながら断面
積比で1/3〜2/3程度に圧縮される結果、木材W中に形成
されている微細な空洞部分が小さくなって硬く、かつ、
強い木質となるとともに、湾曲した木材Wは真直ぐに矯
正されるし、製材加工せずに木材を自由な形状に成形す
ることができる。また、木材Wを水蒸気と高周波の併用
により加熱しているから、水蒸気による表面からの伝熱
と高周波による内部加熱により木材Wが急速に加熱軟化
されるとともに、高周波が水蒸気の水分子に拡散されて
木材に均一に照射されるため、木材Wが迅速に、かつ、
均一に加熱軟化され、堅牢化の処理を容易にしかも短時
間に行うことができて作業性の向上が図れ、かつ、製材
加工の必要がなくなり残材の発生がなく、更に、廃材と
なっても公害の恐れは一切ない。
【0021】同時に木質に含まれるヘミセルロースのア
セチル基が遊離して生じる酢酸が触媒となって、ヘミセ
ルロースとリグニンが部分的に解重合し、その結果、木
材腐朽菌(担子菌等)の成育を阻害させる性質を持った
フェノール化合物やフルフラール化合物等の化合物質が
生成する。これによって木材耐腐朽菌に対する耐朽性が
向上する。
【0022】上記実施例では、木材Wに上下2方向から
圧縮力を加えて木材Wを圧縮成形するようにしている
が、図4に示すように、高温高圧容器1内の上下並びに
左右に、プレスシリンダー7,7…で互いに接近、或い
は、離反駆動するフラットなプレスプレート6a,6a
…をそれぞれ対向配置し、かつ、これらの隣接するプレ
スプレート6a,6a間に、直角に折曲成形されたL字
状のプレス補助治具8a,8a…をそれぞれ該プレスプ
レート6a,6a…に対して摺動可能に装架することに
よって上下左右4方向から、木材Wに圧縮力を加えて圧
縮成形するようにしてもよい。また、図5に示すよう
に、高温高圧容器1内の左右に、固定台1c上でプレス
シリンダー7,7…により互いに接近、或いは、離反駆
動する直角に折曲成形されたL字状のプレスプレート6
b,6bを対向配置するとともに、両プレスプレート6
b,6bの中間上方に、プレスシリンダー7により昇降
駆動するフラットなプレスプレート6cを配置し、か
つ、プレスプレート6b,6bの水平板間およびプレス
プレート6b,6bの垂直板とプレスプレート6cとの
間に、フラットなプレス補助治具8bおよび直角に折曲
形成されたL字状のプレス補助治具8c,8cをそれぞ
れプレスプレート6b,6bおよび6cに対して摺動可
能に装架することによって上方および左右の3方向か
ら、木材Wに圧縮力を加えて圧縮成形するようにしても
よい。
【0023】また、対向配置されているプレス金型6,
6およびプレスプレート6a,6a、6b,6bは、互
いにプレスシリンダー7,7…で接近、或いは、離反駆
動するようにしているが、一方を固定して他方のみを駆
動することによって、木材Wを圧縮成形するようにして
もよい。
【0024】更に、上記プレス補助治具8,8a,8
b,8cはプレス金型6およびプレスプレート6a,6
b,6cの圧縮面(木材Wと当接する内側の面)に当接
して摺動自在に装架されているが、例えば、図6に示す
ように、プレス補助治具8dをプレスプレート6d,6
dの非圧縮面(木材Wと当接しない外側の面)に当接し
てプレスプレート6a,6a間に摺動自在に装架するよ
うにしてもよい。また、図7に示すように、プレス補助
治具8eを隣接するプレスプレート6e,6eに形成さ
せたスリット6e',6e'内にその両側辺8e',8e'をス
ライド自在に収納させてプレスプレート6a,6a間に
摺動自在に装架するようにしてもよい。
【0025】尚、上記説明ではプレス補助治具を用いて
木材Wの圧縮成形を行うようにしているが、例えば、図
8に示すように、プレスプレート6a,6a…だけでも
木材Wの圧縮成形は可能である。
【0026】また、上記実施例では、丸太材を圧縮成形
して角柱に成形するようにしているが、用途に応じてプ
レス機2のプレス金型6,6を変更するようにすれば、
種々の形状のものを成形することができる。
【0027】例えば、仏壇用脚のように曲線になったも
のを成形する場合には、図9に示すように、対向面が曲
線になった上プレス金型11および下プレス金型12によっ
て、高温高圧容器1内で水蒸気と高周波により急速に加
熱軟化させた木材Wを圧縮成形させて固定化させる。
【0028】また、ログハウス用材を成形する場合に
は、図10に示すように、両側壁が曲面に成形されたキャ
ビティ13aの天井にインロウ用突条部13bを有する上プ
レス金型13、および、両側壁が曲面形状に成形されたキ
ャビティ14aの底部にインロウ用溝部14bを有する下プ
レス金型14によって、高温高圧容器1内で水蒸気と高周
波により急速に加熱軟化させた木材Wを圧縮成形させて
固定化させる。特に、ハウス内に臨む面がストレートな
ログハウス用材を形成する場合には、図11に示すよう
に、下面にインロウ用突条部15aを有する上プレス金型
15、これと対向して配置され、上面にインロウ用溝部16
aを有する下プレス金型16、この上下の両プレス金型1
5,16の一側端が内側面17aに沿って摺接するように配
置された固定の横プレス金型17、および、この固定の横
プレス金型17と左右に対向配置され、内側面18aが曲面
形状に形成される可動の横プレス金型18によって、高温
高圧容器1内で水蒸気と高周波により急速に加熱軟化さ
れた木材Wを圧縮成形させて固定化させる。
【0029】更に、床板用、机の天板用、家具用および
木型用等の板材を成形する場合には、図12に示すよう
に、断面形状が凹型状のプレス金型19、および、このプ
レス金型19内に嵌挿し得るプレス金型20によって、高温
高圧容器1内で水蒸気と高周波により急速に加熱軟化さ
せた木材Wを圧縮成形させて固定化させる。
【0030】更に、絞り丸太用の床柱等に使用するもの
を成形する場合には、図13(A)に示すように、断面形
状が凹型状のプレス金型21、および、このプレス金型21
内に嵌挿し得る圧縮成形面22aが波状のプレス金型22に
よって、高温高圧容器1内で水蒸気と高周波により急速
に加熱軟化された木材Wを圧縮成形させて固定化させ
る。そして、角柱で木目を出したいものを成形する場合
には、上記処理により木材Wの表面付近の年輪が、図13
(B)に示すように、プレス金型22の圧縮成形面22aに
よって圧縮されると同時に波状に形成されるから、これ
を図13(B)中においてB−B線で示す位置(年輪が圧
縮、かつ、波状に成形されている部位)から切断する
と、その切断面に自由な木目が現れる。
【0031】更に、板材を多数枚同時に成形する場合に
は、図14および図15に示すように、木材Wをそれぞれ載
置した両端にスペーサ23aを有するプレス金型23を複数
個積層し、これを高温高圧容器1内で水蒸気と高周波の
雰囲気内において各木材Wを加熱軟化させた後、最上部
から押えプレス金型24により加圧圧縮し、この押さえプ
レス金型24を最下部のプレス金型23に係止させて固定化
させる。
【0032】更に、製材後、乾燥時にねじれを生じた木
材でも、高温高圧容器1内で水蒸気と高周波により急速
に加熱軟化させた後、矯正させて固定化すれば、容易に
真直ぐにすることができる。
【0033】次に、図16は本発明方法を実施する装置の
第2の実施例を示し、31は高温高圧容器、32は受台、33
は押込みシリンダー、34はダイス、例えばローラーダイ
ス、35は固定化ケースである。
【0034】高温高圧容器31は、受台32、ローラーダイ
ス34および固定化ケース35を収納し得る密閉型の高温高
圧に耐え得るよう高強度の鋼またはステンレスで製作さ
れた容器で、例えば、図中左右に分割された有底筒状の
筒体31a,31bからなり、この両筒体31a,31bを突き
合わせて適当な固定手段で固定して2体分割型構造に構
成してある。この高温高圧容器31の内部には高温( 100
〜 230℃)、かつ、高圧( 1〜30kgf/cm2)の水蒸気が
図示されていない水蒸気発生装置からスチーム管37を通
して供給されるとともに、例えばマイクロ波等の高周波
が高周波発振器38から導波管39を通して供給される。
尚、40は高温高圧容器31内の水蒸気ドレン等を外部に排
出するドレン管、41は高温高圧容器31内を大気に開放す
るための排気管である。
【0035】受台32は、高温高圧容器31内の所定位置に
支柱42,42を介して水平に設置され、その上面には、図
17に示すように、処理しようとする木材Wを水平に載置
支持するV字状の溝43が形成してある。
【0036】押込みシリンダー33は、受台32上に載置支
持される木材Wに対応して高温高圧容器31の側壁31cの
外側に適当な手段にて取り付け固定され、側壁31cを気
密に貫通して高温高圧容器31内に突入するピストンロッ
ド33aの先端部にプッシャー44を固設している。
【0037】ローラーダイス34は、高温高圧容器31内の
受台32と固定化ケース35との間に適当な手段にて設置さ
れ、図18および図19に示すように、複数個(但し、偶数
個)のローラーダイス単体45,45…で構成される。ロー
ラーダイス単体45は、フレーム46に平行に2本の同一径
のローラー47,47を回転自在に支持してあり、隣接する
ローラーダイス単体45,45…の各ローラー47,47…を組
み合わせると 形状となるように、隣接するローラーダ
イス単体45,45の位相を90゜ずらして配置するととも
に、順次重合わせたローラーダイス単体45,45…を一体
に固定してローラーダイス34を構成する。尚、本実施例
においては、ローラーダイス34は4個のローラーダイス
単体45,45…を用い、これらを2個1組として受台32に
近いものから第1組および第2組とし、この第1組およ
び第2組のローラーダイス単体45,45…の各ローラー4
7,47間の間隙Lを、木材Wの断面積比が1/3〜2/3程度
になるように順次狭く設定している。
【0038】固定化ケース35は、高温高圧容器31内の所
定の位置に平行に支柱48,48を介して設置され、図20に
示すように、上下に分割されたコ字状の上ケース35aと
下ケース35bとからなり、この上ケース35aと下ケース
35bとを四角筒状となるように突き合わせて掛止金具4
9,49…により固定して2体分割型構造に構成してあ
る。
【0039】次に、上記のように構成された本発明装置
の第2の実施例における木材Wの処理要領を説明する。
【0040】先ず、高温高圧容器31を開放してこの高温
高圧容器31内に処理しようとする木材Wを導入し、この
木材Wを受台32上に載置支持する。次いで、高温高圧容
器31を閉じて密閉した後、高温高圧容器31内にスチーム
管37を通して高温、かつ、高圧の水蒸気を供給するとと
もに、高周波発振器38から導波管39を通して高周波を供
給させ、この水蒸気と高周波により木材を加熱する。そ
して、この状態で、木材Wを所定時間(数秒〜数分間)
加熱すると、木材Wは高温高圧の水蒸気を吸収して内部
温度が上昇するとともに、高周波により内部から温度が
上昇し、これによって木材Wは急速に加熱軟化される。
【0041】このようにして木材Wを急速に加熱軟化さ
せた後、押込みシリンダー33のピストンロッド33aを伸
長して、このピストンロッド33aの先端に固設したプッ
シャー44で、受台32上に載置支持された木材Wをローラ
ーダイス34へ押込み、このローラーダイス34で木材Wを
順次ローラーダイス単体45,45…の各ローラー47,47…
により引抜き加工して断面積比で1/3〜2/3程度に圧縮成
形させた後、その状態のままで固定化ケース35内へ押込
む。
【0042】次に、この状態で、木材Wを固定化ケース
35内で所定時間(数秒〜数十分)置いて固定化させた
後、高温高圧容器31内への水蒸気および高周波の供給を
停止すると同時に、高温高圧容器31内の水蒸気ドレン等
をドレン管40を通して外部に排出するとともに、高温高
圧容器31内を排気管41を通して徐々に大気に開放する。
そして、この後、高温高圧容器31を開いて開口し、固定
化ケース35の掛止金具49,49…を解除して固定化ケース
35の上ケース35aを下ケース35bから分割させた後、固
定化ケース35の下ケース35bより圧縮形成された木材W
を高温高圧容器31から外部に取出して大気に放置する
と、木材Wは内部からの自己放熱により乾燥して処理を
終了する。
【0043】上記第2の実施例では、受台32上に載置支
持されている木材Wを押込みシリンダー33でローラーダ
イス34および固定化ケース35に押込むことにより、木材
Wを圧縮成形するようにしているが、図21に示すよう
に、押込みシリンダー33でローラーダイス34および固定
化ケース35を、受台32上に載置支持されている木材Wに
覆い被せるように押込むことにより、木材Wを圧縮成形
することも可能である。即ち、押込みシリンダー33を高
温高圧容器31のもう一方の側壁31dに適当な取付手段で
取付け、この押込みシリンダー33の高温高圧容器31の内
部に突入されたピストンロッド33aの先端部に、固定化
ケース35の後端を一体に固設し、この固定化ケース35の
先端部にローラーダイス34を一体に固設するとともに、
高温高圧容器31の側壁31cの内側に、木材Wに先端を当
接させたストッパー50を固設させ、かつ、受台32を転動
体51,51…を介して軌道台52上に移動自在に載置させて
なり、押込みシリンダー33のピストンロッド33aを伸長
させてローラーダイス34および固定化ケース35を、受台
32上に載置支持される木材Wに覆い被せるように押込む
と、木材Wはローラーダイス34により断面積比で1/3〜2
/3程度に圧縮成形された後、その状態のままで固定化ケ
ース35内に押込まれる。このとき、木材Wはストッパー
50により位置が固定されたままであり、また、受台32が
ローラーダイス34で押され転動体51,51…を介して軌道
台52上を図中右方向に移動して逃げるため、木材Wにロ
ーラーダイス34および固定化ケース35を覆い被せること
ができる。
【0044】上記第2の実施例では、木材Wをローラー
ダイス34による圧縮成形で断面円形から断面角形に形成
しているが、断面円形、断面長方形、断面六角形その他
多角形および用途に応じて種々な形状のものに形成する
ことができる。例えば、図22に示すような円錐形状をな
した筒体のコーンダイス53を用い、このコーンダイス53
を図16のローラーダイス34に換えて受台32と固定化ケー
ス35の間に設置し、木材Wをコーンダイス53の大径口53
aから押込んで小径口53bから押出すことにより、木材
Wを断面円形に圧縮成形することができる。また、図23
に示すようなコーンダイス54を用いれば、断面円形から
断面角形に圧縮成形することができる。
【発明の効果】
【0045】以上説明したように、本発明によれば、ス
ギ、カラマツ、ポプラ、アルビチャ等の軟質材や、ス
ギ、ヒノキ等の間伐材を堅牢化するに当たり、従来一般
的に行われているように、木材中に樹脂剤を注入してそ
の効果により堅牢にするのではなく、木材を高温高圧容
器内で水蒸気と高周波により急速に加熱軟化させた後、
機械的な圧力を加えて任意の形状に圧縮成形して固定化
することにより木材を堅牢化することができる。この結
果、樹脂剤が不要となり、加工コストを大幅に軽減する
ことがてきるとともに、堅牢化の処理を容易にしかも短
時間に行うことができて作業性の向上が図れ、かつ、製
材加工の必要がなくなり残材の発生がなく、更に廃材と
なっても公害の恐れは一切ない。また、木材を高温高圧
容器内で水蒸気と高周波により急速に加熱軟化させた上
でプレス加工や引抜き・押込み加工により圧縮成形して
固定化しているので、湾曲している木材でも容易に直状
化することができるとともに、種々の断面形状の成形が
可能で広範囲に利用することができる。更に、吸収した
水分を絞り出しながら木材を圧縮成形すると、成長歪み
が抜かれて乾燥時に割れが発生しないと同時に短時間で
乾燥することができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木材の処理方法を実施する装置の第1
の実施例を示す縦断面略図である。
【図2】図1のA−A線における圧縮前の状態を示す断
面図である。
【図3】図1のA−A線における圧縮時の状態を示す断
面図である。
【図4】第1の実施例のプレス機の変形例を示す断面図
である。
【図5】第1の実施例のプレス機の他の変形例を示す断
面図である。
【図6】プレス補助治具の変形例を示す要部拡大図であ
る。
【図7】プレス補助治具の他の変形例を示す要部拡大図
である。
【図8】プレス補助治具を用いないプレス機の変形例を
示す断面図である。
【図9】仏壇用脚の成形例を示す断面図である。
【図10】ロクハウス用材の成形例を示す断面図である。
【図11】別のロクハウス用材の成形例を示す断面図であ
る。
【図12】板材の成形例を示す断面図である。
【図13】絞り丸太用の柱等の成形例を示す断面図であ
る。
【図14】複数枚の板材の成形例の図面で、圧縮前の状態
を示す。
【図15】複数枚の板材の成形例の図面で、圧縮時の状態
を示す。
【図16】本発明の木材の処理装置の第2の実施例を示す
縦断面略図である。
【図17】第2の実施例における受台の詳細斜視図であ
る。
【図18】第2の実施例におけるローラーダイスの詳細斜
視図である。
【図19】上記ローラダイスのフレームを除いた状態を示
す斜視図である。
【図20】第2の実施例における固定化ケースの詳細斜視
図である。
【図21】第2の実施例の変形例を示す縦断面略図であ
る。
【図22】ダイスの変形例を示す斜視図である。
【図23】ダイスの他の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 高温高圧容器 2 プレス機 4 高周波発振器 6 プレス金型 7 プレスシリンダー 8 プレス補助治具 31 高温高圧容器 32 受台 33 押込みシリンダー 34 ダイス 35 固定化ケース 44 プッシャー 45 ローラーダイス単体 W 木材

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材を高温高圧容器内で水蒸気と高周波
    により急速に加熱軟化させた後、この木材を圧縮成形し
    てその変形を高温高圧雰囲気内に置いて固定化したこと
    を特徴とする木材の処理方法。
  2. 【請求項2】 内部に高温、かつ、高圧の水蒸気と高周
    波が供給される高温高圧容器と、 この高温高圧容器内にプレス金型を適宜に対向配置し、
    この対向配置する少なくとも一方のプレス金型を適宜の
    手段で駆動して木材を圧縮成形するプレス機とからな
    り、 木材を高温高圧容器内で水蒸気と高周波により急速に加
    熱軟化させた後、プレス機で圧縮成形して固定化するよ
    うにしたことを特徴とする木材の処理装置。
  3. 【請求項3】 上記プレス機のプレス金型を木材の用途
    に応じて種々のプレス金型に取換えるようにしたことを
    特徴とする請求項2の装置。
  4. 【請求項4】 内部に高温、かつ、高圧の水蒸気と高周
    波が供給される高温高圧容器と、 この高温高圧容器内の中央部に配置されたダイスと、 上記高温高圧容器内のダイスの一端側方に配置され、処
    理しようとする木材を支持する受台と、 上記高温高圧容器内のダイスの他端側方に配置された分
    割構造の固定化ケースと、 上記高温高圧容器の側部に固設され、上記受台で支持さ
    れる木材を上記ダイスを通して上記固定化ケースに押込
    む押込みシリンダーとからなり、 木材を高温高圧容器内で水蒸気と高周波により急速に加
    熱軟化させた後、押込みシリンダーによりダイスを通し
    て固定化ケースに押込むことにより、木材をダイスで圧
    縮成形してその変形を固定化ケースで固定化するように
    したことを特徴とする木材の処理装置。
  5. 【請求項5】 内部に高温、かつ、高圧の水蒸気と高周
    波が供給される高温高圧容器と、 この高温高圧容器内の側部に固設され、そのピストンロ
    ッドが高温高圧容器の内部に気密に突入した押込みシリ
    ンダーと、 この押込みシリンダーのピストンロッドに一端を固設し
    た分割構造の固定化ケースと、 この固定化ケースの他端に固設したダイスと、 上記高温高圧容器内に配置され、上記押込みシリンダー
    のピストンロッドを伸長すると上記ダイスを通して上記
    固定化ケースに押込まれるように木材を支持する受台と
    からなり、 木材を高温高圧容器内で水蒸気と高周波により急速に加
    熱軟化させた後、押込みシリンダーによりダイスおよび
    固定化ケースを受台に支持されている木材に覆い被せる
    ことにより、木材をダイスで圧縮成形してその変形を固
    定化ケースで固定化するようにしたことを特徴とする木
    材の処理装置。
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