JP3000325U - よだれ掛け - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一重構造において、最も汚れやすい部分のみ
を取り替え得るようにしたので、生地の経済的な使用に
適し、また、安定して着用できるばかりでなく、体裁も
良好となるよだれ掛けを提供する。 【構成】 首掛け紐が取り付けられ且つ吸水材が充填さ
れた胸掛けと、胸掛けの下端に着脱可能に連結する腹掛
けとからなり、その連結につき、胸掛けの下端の裏側
と、腹掛けの上端の表に止着具を取り付けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、主として幼児に着用する（寝たきり老人等の着用にも有用な）よ だれ掛けに関する。

【０００２】

【従来の技術】

幼児の期間においては、口から常によだれを流しており、また、ミルクや食物 を与えると戻すことが多いので、それで衣服を汚さないように、よだれ掛けが着 用される。

【０００３】 従来、よだれ掛けは、吸水性の良好な綿織物の生地を使用し、内部に綿等を挾 んで一体に縫製したものが一般的であるが、着用したまま汚れた部分だけを取り 替え得るように、首掛け紐を有するよだれ掛け本体と、その前面に着脱可能に当 てられる取り替え用のアタッチメントからなるよだれ掛けが提案されている（実 開昭５５−１５１８１１号、実開昭５６−１３４３０２号、実開昭６３−１８３ ２１２号、実開平１−３０３０５号の各公報参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような従来のよだれ掛けによれば、よだれ掛け本体を常時着用させてお いても、アタッチメントだけを取り替えることにより、着衣の汚れの防止と、よ だれ掛けの衛生状態の保持とをなし得るが、よだれ掛け本体とアタッチメントと の二重構造において着用されるために、それだけ生地が不経済に多用されるとい う問題があった。

【０００５】 よだれ掛け本体を着用するために、それには首掛け紐が取り付けられているが 、アタッチメントを綿等の吸水材の充填により分厚くなっていると、薄い本体と 均衡が取れなく、着用が不安定となり、また、外観的によだれ掛けが二重である ことが明白に分かるために不体裁であるという問題もあった。

【０００６】 この考案は、上記のような実情に鑑みて、一重構造において、最も汚れやすい 部分のみを取り替え得るようにしたので、生地の経済的な使用に適し、また、安 定して着用できるばかりでなく、体裁も良好となるよだれ掛けを提供することを 目的とした。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、この考案は、首掛け紐が取り付けられ且つ吸水 材が充填された胸掛けと、胸掛けの下端に着脱可能に連結する腹掛けとからなり 、その連結につき、胸掛けの下端の裏側と、腹掛けの上端の表に止着具を取り付 けてよだれ掛けを構成した。

【０００８】 腹掛けを単独で着用できるように、その腹掛けに胴掛け紐を取り付けることも ある。

【０００９】 さらに、円形の生地を上端で二つ折りにするとともに、その間に吸水材を挾む ことにより胸掛けを半円形に形成し、胸掛けの表面に半円の円弧に沿って縁飾り を縫着し、腹掛けの上端部の両側には、胸掛けの両端部の下方が開くように切欠 き状に開放部を設けることもある。

【００１０】

【作 用】

よだれ掛けを上記のように構成したから、これを着用するときには、胸掛けに 腹掛けを連結し、首掛け紐により胸掛けを首に掛け止める。そうすると、幼児の 口から吐き出されるよだれやミルク等の戻しが胸掛けにかかるから、それが汚れ たときには、その胸掛けを取り外して新しいのと取り替える。

【００１１】 腹掛けが下重ねの連続となるし、胸掛けには吸水材が充填されているので、下 方へ汚れ物が流れる不都合が防止される。殊に、縁飾りがあるとそれが防止作用 を確実に果たすことになる。また、胸掛けが分厚くても、それが着用の言わば本 体となるために、釣り合いが保持されることになり、しかも、腹掛けが端による 下重ねの連続形態となるために、体裁も良好であり、縁飾りがあるとさらにそれ が顕著となる。

【００１２】

【実施例】

次に、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１３】 図面は、一実施例を示したもので、そのよだれ掛けは、首に掛けて胸当たりと なる上部の胸掛け１と、胴体に掛け止めて腹当たりとなる腹掛け３との組み合わ せからなるもので、胸掛け１に首掛け紐５と縁飾り６とを取り付け、腹掛け３に 胴掛け紐７を取り付けてあって、胸掛け１が取り替えのために比較的多数枚にお いて用意される。

【００１４】 胸掛け１は、汚れを吸収しやすいように、内部に吸水材９として綿が詰められ ており、綿織物からなる円形の生地を上端で二つ折りになし、その表裏生地８ａ ，８ｂの間に吸水材９を挾んで半円形に形成し、円弧形の周囲をジグザグ縫いの 糸１１で縫い合わせ、その縫い糸１１により飾り６の取り付けがなされている。 なお、吸水材９としては、綿の他に、不織布、木綿生地、スポンジ状シート、高 分子系吸水材等を使用できる。

【００１５】 首掛け紐５は、綿織物の生地を二つ折りにして縫着することにより帯状に形成 され、胸掛け１の前面の上端にその一端を糸により取り付け、他端を雄雌スナッ プ１５ａ，１５ｂにより止めるようにしてある。従って、幼児に胸掛け１を掛け る時に、具合良く前においてその止着具を止めることになる。

【００１６】 縁飾り６は、透けて見えるレース編み地であつて、編み模様を施したテープが 使用され、それを弛ませながら糸１１で止め、体裁良く胸掛け１の前面から周囲 に食み出させてある。そこで、この縁飾り６により腹掛け３の連結部分が隠れ、 胸掛け１や腹掛け３の形状とも相まって、デザインが幼児向きに非常に斬新とな る。また、幼児がミルクや食べ物を戻したときに、この縁飾り６により受け止め られるために、汚れ物が腹掛け３へ流下することのないように、縁飾り６がそれ を防止するストッパーの作用を果たす。

【００１７】 腹掛け３は、綿織物の生地を二つ合わせにして周囲で縫着した薄手で、形状に ついては、下方部が略半円形であって、上端部の両側に切欠きにより開放部１６ ，１６を設け、幼児が運動しやすく、開放部１６，１６から手を前に差し伸べ得 るようにしてある。また、こうすることによりデザインも良好となる。

【００１８】 胸掛け１に対する取り付けについては、上端部を胸掛け１の円弧形の縁部の下 になる重ね代として、円弧に沿った縁形状に形成し、その縁取りのためにテープ １９が表裏二つ折りにして挾み縫着してある。そして、そのテープ１９の部分に 中央と両端とにおいて雄スナップ２１ａ，２１ａ，２１ａを取り付け、それに対 応して胸掛け１の裏面に雌スナツプ２１ｂ，２１ｂ，２１ｂを取り付けてある。

【００１９】 胴掛け紐７は、これも綿織物の生地を二つ合わせにして帯状に縫製したもので 、一端を腹掛け３の一端裏面に糸で止め、その取り付け位置を半円部分の上端と してある。また、他端を止めるために、雄スナップ２３ａを腹掛け３の他端裏面 に取り付け、雌スナップ２３ｂを胴掛け紐７の先端に取り付けてある。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案のよだれ掛けによれば、最も汚れやすい部分の 胸掛けと、汚れにくい腹掛けとからなるものであって、使用においては、吸水材 が充填された胸掛けの取り替えにより、合理的に着衣の衛生が清潔に保持される ことはもちろん、胸掛けと腹掛けとの組み合わせが二重構造ではなく、一連の連 続構造となるために、生地が無駄に使用されなく経済的に製造できる。また、胸 掛けが分厚くてもそれが首に掛けられる言わば本体であるために、着用しやすく 均衡が保持される。さらに、胸掛けの吸水性と、腹掛けの下重ねの連続構造から 、胸掛けから腹掛けに汚れが波及する不都合が防止され、体裁も至って良好であ る等の優れた効果がある。

【００２１】 加えて、腹掛けを単独で着用できるように、その腹掛けに胴掛け紐を取り付け たときには（請求項２）、腹掛けを着用したまま胸掛けを容易に取り替えること ができる。また、これに適当なデザインを付けて、腹巻き等の別の機能を持たせ ることもできる。

【００２２】 さらに、胸掛けの表面に半円の円弧に沿って縁飾りを縫着し、腹掛けの上端部 の両側には、胸掛けの両端部の下方が開くように切欠き状に開放部を設けたとき には（請求項３）、さらに、胸掛けの汚れの防止効果が大きく、体裁も良好とな るし、幼児の運動の妨げにならなく、快適に着用できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】よだれ掛けを分離して組み外し状態で示す一部
切欠した斜視図である。

【図２】同よだれ掛けを組み立て状態で示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１ 胸掛け ３ 腹掛け ５ 首掛け紐 ６ 縁飾り ７ 胴掛け紐 ９ 吸水材 １６ 開放部 ２１ａ，２１ｂ 止着具としての雄雌スナップ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 首掛け紐が取り付けられ且つ吸水材が充
   填された胸掛けと、胸掛けの下端に着脱可能に連結する
   腹掛けとからなり、その連結につき、胸掛けの下端の裏
   側と、腹掛けの上端の表に止着具を取り付けたことを特
   徴とするよだれ掛け。
2. 【請求項２】 腹掛けを単独で着用できるように、その
   腹掛けに胴掛け紐を取り付けたことを特徴とする請求項
   １記載のよだれ掛け。
3. 【請求項３】 円形の生地を上端で二つ折りにするとと
   もに、その間に吸水材を挾むことにより胸掛けを半円形
   に形成し、胸掛けの表面に半円の円弧に沿って縁飾りを
   縫着し、腹掛けの上端部の両側には、胸掛けの両端部の
   下方が開くように切欠き状に開放部を設けたことを特徴
   とする請求項１または２記載のよだれ掛け。