JP3000044U - 広角発光視線誘導ポール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 道路の中央分離帯、ガードレール等において
夜間走行車を安全誘導する視線誘導標の視認度を強め、
かつ狭隘な箇所にも容易に設置し得るものに改良する。 【構成】 頂部２筒内に太陽電池６を納め、中間部に発
光ダイオード１２を縦配列した円筒状の発光部３の外周
面に光の拡散措置を施して広角発光を可能にし、夜間点
滅を制御する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は道路の中央分離帯、ガードレール等に設置され、夜間において車両運 転者等へ注意を促すための自発光による視線誘導装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来視線誘導標といわれるものには、標柱等に反射シートや反射器を取り付け 車両の灯光の反射による誘導作用を利用した反射方式のものと、太陽電池を用い 自発光による点灯又は点滅方式のものがあるが、反射方式のものは車両からの入 射光が当らなければ視線誘導し得ないという欠点があった反面、この方式は簡易 な装置であって、狭隘な路側でも支障なく設置し得るという利点があった。（視 認性を補強した例として、実公昭５９−２３０５２公報によるものがあるが、反 射方式の本質的な難点を除去し得るものではない。）

【０００３】 これに対し自発光方式のものは、通常、丸型等の発光盤体を支持柱に取り付け 、一点集中的に発光せしめる方式（例えば実開昭６１−１５３１４公報）のもの であり、その機能は反射式のものの欠点を補うものであるが、反面、必要とされ る可視距離の光量を得るためには、かなり大きい盤面を必要とするのに対し、交 通量増大等に伴う道路事情から、機器装置の制約を受けるという難点があり、機 能を低下させず、かつ小幅で簡易に設置し得る誘導標が要望されていた。

【０００４】 更に、従来の方法のものは、発光ダイオードの特性上、横方面からの視認性が 非常に低く、車両の接近、通過時等に視認範囲が限定されるという性能上の問題 点も生じていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこれらの点に対処し、自発光による視線誘導標について、新たな視点 から従来の技術手段を見なおし、狭い設置箇所の制約にも応じ得る簡易形体のも のであって、しかも発光面が大きく、より視認性が高く、かつ横方面からも十分 視認出来る装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は縦長の筒体形状とし、筒体内頂部に太陽電池を備え、中段の発光部に おいて光源とする発光ダイオード群を縦列に配置すると共に、透明な筒体の大部 分の内壁面に光拡散パネルを重合した構造による拡散の作用により、灯光の視認 度を大にし、かつ広角により視認範囲を広げた。

【０００７】 また筒体内は狭小であるが太陽電池を水平に位置せしめ、かつ球面状に形成し た透明保護ケースを透して太陽光を効率的に受光せしめることにより、所定の制 御のもとに常夜点滅作動せしめることを可能にしたものである。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を図面にもとづいて説明する。図１に示すように、本考案は透 明保護ケース（１）、頂部（２）、発光部（３）、基柱（４）及び基底（５）か らなり、円筒状に形成される。頂部（２）はアルミ鋳物からなり、下方は開口し 、上方は台状に閉じて太陽電池（６）を載置し、配線孔（７）が設けてある。透 明保護ケース（１）はアクリル樹脂材からなり、上方を球面に形成し、下方を頂 部（２）に嵌着する。

【０００９】 発光部（３）の外殼はポリカーボネート樹脂材からなる透明パイプ（８）で、 該透明パイプ（８）の内周面には、正面から両側面にわたって光拡散パネル（９ ）を重合して周着せしめる。該光拡散パネル（９）は透明なアクリル樹脂材から なり、内側となる表面が全面にダイヤカットされており、灯光の一部が灯内で多 角に拡散する作用をなす。また残余の内周面（背面側）には、アルミ材からなり 片面に反射シートを貼付した反射板（１０）を、反射面が外側となるよう重合し て周着せしめる。

【００１０】 次に、発光パネル（１１）はアルミ材からなり、頂部（２）の背面側に係着さ れ発光部（３）に懸架される。該発光パネル（１１）には８個の発光ダイオード （１２）素子が等間隔に取り付けられるよう挿通孔が施される。該発光ダイオー ド（１２）は発光ダイオード基板（１３）を有し、太陽電池（６）及び基柱（４ ）に収納された制御回路（１４）、蓄電池（１５）との間に配線、導通される。

【００１１】 上記実施例において、灯光が拡散し周囲に有効に及ぶ範囲を測定した結果は、 発光部（３）の軸芯から約２７０度であった。従って後背側の反射板（１０）の 回し幅はその死角範囲の９０度を基準とした。この連係手段により、周囲光によ り反射光を保持し易い反射板（１０）と点灯時の拡散灯光とは、全周面を一体と して視認せしめ得る結果が見られた。

【００１２】 また上記実施例において、制御回路（１４）は点灯判別回路及び点滅回路が設 定してあり、発光ダイオード（１２）の点滅は、全灯を同時に点滅せしめること 又は半数を交互に点滅せしめることのいずれかの仕組に切り替えられるものとし てある。この稼働を常夜可能とする所要電圧、電流量等の算定による太陽電池（ ６）の必要スケールの実地測定にもとづき、透明保護ケース（１）上面の面積を ７８．５ｃｍ^２と設定し、これを基礎として本考案によるテスト装置の躯体規模 を定めたものである。

【００１３】 更に、本考案による躯体の構成は、基底（５）を基柱（４）下方の継軸（１６ ）の部分から取り外し、該基底（５）に代わる同一内径で所要長さのポールを嵌 入して取り付け、該ポールを土中に埋設する方法、又は上記の取り外し後の継軸 （１６）と頂部（２）の各螺刻箇所を用いて、既存のポールへ取り付ける等によ る設置方法もあり、この脱着自在方式による実施例を図２に示す。この方式は、 現場の状況に応じポール設置の可能性を広げるための代替手段を用意したもので ある。

【００１４】

【考案の効果】 本考案は、遠方からの視認性増大をふくむ誘導効果の向上によって、交通事故 防止上の重要箇所において注意喚起させる効果が顕著と思われる上、狭隘な路側 にも設置が容易となり、かつ簡易迅速に路面設置を可能ならしめる効用は大きい 。また本考案の広角視認の特長を生かし、センターライン、カーブ地点等におい て、一定方向のみの走行車を指向して設置する従来方式を見なおし、双方向通行 の車両に対して誘導効果を及ぼし得る誘導標となし得る等の設置企画上の利点も 考えられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による正面図及び右側面断面
図である。

【図２】本考案の他の実施例による設置状態を示す説明
図である。

【符号の説明】 １ 透明保護ケース ２ 頂部 ３ 発光部 ４ 基柱 ５ 基底 ６ 太陽電池 ７ 配線孔 ８ 透明パイプ ９ 光拡散パネル １０ 反射板 １１ 発光パネル １２ 発光ダイオード １３ 発光ダイオード基板 １４ 制御回路 １５ 蓄電池 １６ 継軸

フロントページの続き (72)考案者 池田 典弘 愛知県知多郡阿久比町大字卯坂字下同志鐘 １番地 82 株式会社キクテック内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明保護ケース内に太陽電池を備えた頂
   部と、透明パイプを外殼とする発光部と、制御回路及び
   蓄電地を収納した基柱と、基底とから成る自発光点滅装
   置において、該透明パイプの内周面の正面と両側面には
   光拡散パネルを重合して周着すると共に、背面には反射
   板を外側向けに重合して周着し、該発光部に発光ダイオ
   ードを縦配列して懸架し、点滅制御されるよう構成した
   ことを特長とする広角発光視線誘導ポール。
2. 【請求項２】 基底を脱着自在の方式とした請求項１記
   載の広角発光視線誘導ポール。