JP2999330B2 - スライディングモード制御系を用いた制御方法 - Google Patents

スライディングモード制御系を用いた制御方法

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JP2999330B2 JP13857992A JP13857992A JP2999330B2 JP 2999330 B2 JP2999330 B2 JP 2999330B2 JP 13857992 A JP13857992 A JP 13857992A JP 13857992 A JP13857992 A JP 13857992A JP 2999330 B2 JP2999330 B2 JP 2999330B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えばロボットの各軸
を駆動するモータのようにパラメータ変動が大きく非線
形要素を含む制御対象への出力に切換え動作を導入する
ことによりロバストな制御を行うスライディングモード
制御系に係り,特に制御のチャタリングを抑制すること
のできるスライディングモード制御系を用いた制御方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば,ロボット等を駆動する場合,モ
ータに加わる負荷イナーシャや非線形項は大きく変動す
るため,PID制御によっては高精度な制御を行うこと
ができない。そこで,上記したようなスライディングモ
ード制御系が適用されている。上記したような一般的な
スライディングモード制御系23を用いたサーボ制御系
20,21,21a を図7,図8,図9に示す。一般的
なスライディングモード制御系は,通常二次システムを
制御対象としており,ここでは次式で表現されるモータ
システム2が制御対象として設定される。 Jθ″+C=τ+D …(1) ここで,J:慣性(ロボット等の場合は姿勢によって変
化する) θ:モータの回転角度 τ:トルク C:摩擦・粘性・遠心・コリオリ・重力項等の非線形項 D:外乱項 なお,以下の説明において,各符号の右肩に付した′は
その記号に関する一次時間微分,″は2次時間微分,^
は推定値をそれぞれ表す。上記各サーボ制御系20〜2
a では,制御量としての回転角度θ,回転角速度θ′
のそれぞれの目標値θd ,θd ′に対する誤差e,e′
を0に近づけるように,上記スライディングモード制御
系23がモータシステム2への制御指令値であるトルク
τを演算するための演算値切換えて出力するようになっ
ている。なお,サーボ制御系20は,非線形補償系6に
より演算された推定出力によって上記スライディングモ
ード制御系23からの制御指令値を補償して制御精度の
向上化を更に図るようになっている。また,サーボ制御
系21には上記モータシステム2を,例えば伝達関数等
により表現したモデル4を用いて制御状態を推定し,こ
のモデル4からの推定出力J^θ″+C^とモータシス
テム2へのトルクτとの差が減算器7により演算されて
外乱値δとして演算される。この外乱値δは外乱推定オ
ブザーバとしてのフィルタ5によって補償されて外乱推
定値δ^が演算され,この外乱推定値δ^によって上記
スライディングモード制御系23からモータシステム2
への制御指令値が補償される。
【0003】上記サーボ制御系21a は,上記した各サ
ーボ制御系20,21における非線形補償系6,モデル
4,減算器7,フィルタ5を組合わせることにより,上
記モータシステム2に対する制御のより一層の高精度化
が図られている。上記スライディングモード制御系23
では,非線形項Cや外乱項Dが急激に変化しても,これ
らの変動を抑制し,上記誤差e,e′を0にしておくこ
とができる制御系である。ここで,上記モータシステム
2に対する誤差システムは, Je″=τ−Jθd ″−C+D …(2) と表現することができる。いま,トルクτをスライディ
ングモード制御系23からの制御入力νとその他の制御
系(例えば非線形補償系6やフィルタ5)からの制御入
力ξとに分けて考えると, τ=ν+ξ …(3) となる。これにより,(2)式の誤差システムは, Je″=ν+E …(4) E=ξ−Jθd ″−C+D …(5) と記述される。ここで,上記制御入力ξを(−Jθd
−C+D)に対する補償入力と考えれば,(5)式のE
は上記制御入力ξによっては補償しきれなかった補償誤
差と考えることができる。また,次式のように,上記補
償誤差Eは誤差e,e′に関する項ED e,EV e′と
それらと無関係の項EC とに分離することができる。 E=EC +ED e+EV e′ …(6) この(6)式を(4)式に代入すれば, Je″=ν+EC +ED e+EV e′ …(7) と表現することができる。この(7)式の誤差システム
が漸近安定化するように,上記スライディングモード制
御系23の制御入力νが決定される。ここで,上記モー
タシステム2への制御出力を切換えるための切換変数S
が次式のように, S=e′+λe …(8) ここで,λ:誤差eの収束特性を決定する正数 定義される。そして,スライディングモード制御系23
からの制御入力νが次式のように求められる。 ν=−(KC +KD |e|+KV |e′|)・sgn(S)…(9) 但し,sgn(x)はx≧0ならば1の値をかえし,x
≦0ならば−1の値をかえす符号関数である。
【0004】また,KC ,KD ,KV は,補償誤差係数
C ,ED ,EV に対して設定される制御ゲインであ
る。そこで,リアプノフ関数の候補としてある関数Vが
次式のように, V=S2 /2 …(10) 設定される。さらに,上記関数Vの時間微分V′は, V′=SS′ =S(e″+λe′) =S(Je″+λJe′)/J =S(−(KC +KD |e|+KV |e′|)・sgn(S) +EC +ED e+EV e′+λJe′)/J ≦|S|(−(KC +KD |e|+KV |e′|)+|Ec | +|ED |×|e|+|EV +λJ|×|e′|)/J =|S|((|EC |−KC )+(|ED |−KD )|e| +(|EV +λJ|−KV )|e′|)/J …(11) となる。そこで,各制御ゲインKC ,KD ,KV を, KC ≧|EC | …(12a ) KD ≧|ED | …(12b ) KV ≧|EV +λ×| …(12c ) とし,これらの条件式が成立すれば,(11)式の関数
Vの時間微分V′は, V′≦|S|((|EC |−KC )+(|ED |−KD )|e| +(|EV +λJ|−KV )|e′|)/J ≦ 0 …(13) となる。従って,上記関数Vは適性なスライディングモ
ード制御を実行するための周知のリアプノフ関数である
ことが分かる。上記リアプノフ関数Vは常に正で最小値
が0であり,もしV′≦0であればリアプノフ関数Vは
最小値(=0)に収束する。また,これにより切換変数
S(制御すべり面)は常に収束し,制御の応答性がS=
0の一定の応答関数によって決定される。即ち,リアプ
ノフの定理より,上記切換変数Sは漸近安定であり, S→0(t→∞) …(14) が補償され,切換変数Sが0になれば, e′=−λe …(15) が成立する。これによって,上記誤差eも漸近安定とな
り,この誤差eも0に収束する。この場合,上記した条
件式((12a )〜(12c )式)が成立する制御ゲイ
ンを選定することができるか否かが重要となる。そこ
で,上記誤差eの範囲を限定すれば,上記補償入力ξ,
回転角度θ,非線形項Cの上下限を見積もることは可能
であるため,上記補償誤差Eの上下限も決定することが
でき,更には各補償誤差係数EC ,ED ,EV の上下限
も見積もることができる。従って,上記各補償誤差係数
の上下限の見積り値よりも,十分に大きな値の制御ゲイ
ンKC,KD ,KV を設定すればよい。
【0005】ところで,図8のサーボ制御系21に用い
られた外乱推定オブザーバは,上記したように演算され
た外乱値δから外乱推定値δ^を更に推定し,この外乱
推定値δ^をフィードバックして上記外乱値δの影響を
取り除く制御手法である。ここでは,(1)式で表され
るモータシステム2を, J^θ″+C^=τ+δ …(16) δ=D−ΔJθ″−ΔC …(17) ここで,J^,C^:慣性J,非線形項Cの公称値又は
モデル(既知パラメータ) △J(=J−J^):慣性Jのモデル化誤差 △C(=C−C^):非線形項Cのモデル化誤差 δ:外乱項Dと上記モデル化誤差△J,△Cの影響を表
す項と書き直す。この(16)式で表されるモータシス
テムは外乱項Dの他にモデル化誤差△J,△Cの影響も
含めて,δが外乱値として扱われている。このモータシ
ステムに対して簡単な外乱推定オブザーバを適用すれ
ば,外乱推定値δ^は, δ^=ω(J^θ′+∫(C^−τ−δ^)dt) …(18) ここで,ω:外乱推定オブザーバの収束ゲインとなる。
上記外乱推定値δ^と外乱値δとの関係は(19)式の
ようになる。 δ^=ω/(s+ω)×(J^θ″+C^−τ) =ω/(s+ω)×δ …(19) ここで,s:ラプラス演算子
【0006】そして,外乱推定値δ^は,ω/(s+
ω)が1の値に漸近するという収束特性により外乱値δ
に収束して行く。ここで,上記外乱推定値δ^を用いて
トルクτを表すと, τ=u−δ^ …(20) ここで,u:制御量θ,θ′を目標値θd ,θd ′にそ
れぞれ追従させるための入力となる。そこで,(16)
式のモータシステムは, J^θ″+C^=u+(δ−δ^) …(21) となる。このとき, d(D−ΔJθ″−ΔC)/dt=δ′ =0 …(22) ならば,上記外乱値δは外乱推定値δ^によりキャンセ
ルされるので,(21)式の右辺第2項は0となり, J^θ″+C^=u …(23) が求められる。それにより,外乱値δの影響が除去さ
れ,更に慣性Jや非線形項Cは公称値としての推定値J
^やC^に置換えられるので,上記モータシステム2の
制御が非常に容易になる。例えば,上記入力uを, u=J^θd ″−GV e′−GP e+C^ …(24) ここで,GV :微分ゲイン GP :比例ゲイン とすれば,このときの誤差システムは, J^e″+GV e′+GP e=0 …(25) と表現できる。従って,誤差eは必ず漸近安定となり,
0の値に収束する。尚,同様の構成としては,上記スラ
イディングモード制御系によって負荷イナーシャの変動
を抑制するとともに外乱推定オブザーバによって摩擦等
の非線形項を補償しようとする構成のサーボ制御系が,
例えば特平2−297603号公報に開示されてい
る。上記開示のサーボ制御系によれば,(8)式に示し
た切換変数Sとは若干異なる特性の切換変数を用いて,
リアプノフ関数V(=S2 /2)の時間微分V′が負と
なるように上記スライディングモード制御系の制御入力
νが決定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように,スラ
イディングモード制御系23によれば,理論的には外乱
項D,非線形項Cや慣性Jの変動の影響を完全に打消す
ことができ,最適な制御を行うことができる。しかしな
がら,実際の制御を行うに際して,切換変数Sの符号に
よってコントローラ(不図示)を切換える必要があり,
アナログ式の制御構成によっては実現することができな
い。従って,コンピュータ(CPU)等を用いたディジ
タル式の制御構成により実現されている。そのため,あ
るサンプリング周期△T毎に制御が実行される。このよ
うに,上記スライディングモード制御系23によれば,
切換変数Sによって制御入力νを不連続に切換えて変化
させるため,サンプリング周期△T毎の制御においてチ
ャタリングと称する微小振動が発生する。上記したよう
に理論的には優れているスライディングモード制御が一
般的に普及していないのは,上記したようなチャタリン
グ現象が原因である。上記チャタリングの振動の幅は上
記制御入力νの不連続に変化した変化量やサンプリング
周期△Tに依存している。いま,上記誤差eやe′が微
小であれば,(9)式の制御則より制御指令値であるト
ルクτの不連続な変化分は,(9)式及び(3)式から
上記ゲインKC となる。従って,上記チャタリングの振
動の幅Wは, W∝ΔT2 C /J …(26) となる。従って,上記スライディングモード制御系によ
るチャタリングを抑制するためには,上記サンプリング
周期△Tを短くするか,或いは上記制御ゲインK C を小
さくすることにより実現することができる。しかしなが
ら,サンプリング周期△Tは上記CPUの演算速度等に
起因して短くするためには限界がある。また,上記制御
ゲインKC は条件式((12a )式)によって規制され
ており,通常この条件式を満たすために,上記制御ゲイ
ンK C が補償誤差係数EC に対してかなり大きな値に設
定されている。
【0008】これは,上記条件式((12a )〜(12
c )式)中の各補償誤差係数EC ,ED ,EV の値が不
確かなものであって大まかな値しか得ることができない
ため,これらの上下限値も大まかな値として設定され
る。そのため,これらに対応した各制御ゲインを各補償
誤差係数よりもかなり大きな値に設定しておかないと,
上記条件式を満たすことができないのである。そのため
上記したようにチャタリングが大きくなるとともに,制
御効率も悪くなる。他方,上記外乱推定オブザーバに関
しては,(22)式における仮定(δ′=0)が問題と
なる。上記外乱値δは一般に一定ではないため,その時
間微分δ′は0にはならない。そのため,回転角速度
θ″の変化や外乱項Dや非線形項Cの揺らぎ(外乱値δ
の変化に相当する)によって推定誤差を生じてしまう。
これは外乱推定オブザーバの(20)式により表現され
る特性に起因する。即ち,外乱推定値δ^は推定したい
外乱値δにフィルタ(ω/(s+ω))を乗じた値であ
る。そのため,信号が鈍り上記外乱値δの変化によって
推定誤差を生じてしまうことがある。そこで,上記外乱
推定オブザーバを用いる代わりに, δ a =J^θ″+C^−τ …(27) によって,直接外乱値δ a を演算し,この演算された外
乱値δ a 制御対象2にフィードバックすることが考え
られる。なお,(27)式によって演算された外乱値δ
a と(17)式に示した外乱値δとは本質的には同じと
考えられるが,実際にはCPU等で演算する際に時間遅
れ等を生じるために多少のズレが生じるので,上記(2
7)式によって演算された外乱値は,上記外乱値δと
区別して外乱値δ a と記載している。ところで,(2
7)式から明らかなように,上記演算された外乱値δa
を直接制御対象2にフィードバックすれば,回転角加速
度θ″やトルクτを直接フィードバックすることにな
り,上記サンプリング制御のように,少しでも遅れ時間
が存在するシステムにおいては,システムが逆に不安定
化することになる。そのため,上記外乱推定オブザーバ
は,(20)式のように,(27)式にフィルタ5を作
用させて外乱を推定しており,このフィルタ5によって
安定性を保っていた。このような理由で,従来のサーボ
制御系では,上記演算された外乱値δa がスライディン
グモード制御系の演算に用いられることもなかった。従
って,本発明の目的は,スライディングモード制御系を
用いて制御対象を制御する際に制御のチャタリングを抑
制することのできるスライディングモード制御系を用い
た制御方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,第1の発明が採用する主たる手段は,その要旨とす
るところが,制御量の誤差を0に近づけるための制御す
べり面に制御対象の制御状態が収束するように,上記制
御対象への制御指令値を切換えて出力するスライディン
グモード制御系を用いた制御方法において,上記制御対
象の制御状態を表現するモデルの推定出力J^θ”+C
と上記制御指令値τとから,上式(27)に従って
乱値δ a 演算し,上記演算された外乱値δ a に基づい
て上記スライディングモード制御系の制御ゲインを決定
することを特徴とするスライディングモード制御系を用
いた制御方法として構成されている。また,上記目的を
達成するために,第2の発明が採用する主たる手段は,
その要旨とするところが,制御量の誤差を0に近づける
ための制御すべり面に制御対象の制御状態が収束するよ
うに,上記制御対象への制御指令値を切換えて出力する
スライディングモード制御系を用いた制御方法におい
て,上記制御対象の制御状態を表現するモデルからの推
定出力J^θ”+C^と上記制御指令値τとから,上式
(27)に従って外乱値δ a を演算し,上記演算された
外乱値δ a を外乱推定オブザーバに入力して外乱推定値
δ^を求め,上記求められた外乱推定値δ^と上記外乱
δ a との差に基づいて上記スライディングモード制御
系の制御ゲインを決定することを特徴とするスライディ
ングモード制御系を用いた制御方法として構成されてい
る。更に,上記目的を達成するために,第3の発明が採
用する主たる手段は,その要旨とするところが,制御量
の誤差を0に近づけるための制御すべり面に制御対象の
制御状態が収束するように,上記制御対象への制御指令
値を切換えて出力するスライディングモード制御系を用
いた制御方法において,上記制御対象の制御状態を表現
するモデルの推定出力J^θ”+C^と上記制御指令値
τとから,上式(27)に従って外乱値δ a 演算し,
上記演算された外乱値δ a に基づいて上記スライディン
グモード制御系の制御ゲインを決定するとともに,上記
スライディングモード制御系による制御指令値τの上記
制御対象への出力周期を上記外乱値δ a の演算周期より
も短かく設定したことを特徴とするスライディングモー
ド制御系を用いた制御方法として構成されている。そし
て,上記目的を達成するために,第4の発明が採用する
主たる手段は,その要旨とするところが,制御量の誤差
を0に近づけるための制御すべり面に制御対象の制御状
態が収束するように,上記制御対象への制御指令値を切
換えて出力するスライディングモード制御系を用いた制
御方法において,上記制御対象の制御状態を表現するモ
デルからの推定出力J^θ”+C^と上記制御指令値τ
とから,上式(27)に従って外乱値δ a を演算し,上
記演算された外乱値δ a を外乱推定オブザーバに入力し
て外乱推定値δ^を求め,上記求められた外乱推定値δ
と上記外乱値δ a との差に基づいて上記スライディン
グモード制御系の制御ゲインを決定するとともに,上記
スライディングモード制御系による制御指令値τの上記
制御対象への出力周期を上記外乱推定値δ^と上記外乱
δ a との差の演算周期よりも短かく設定したことを特
徴とするスライディングモード制御系を用いた制御方法
として構成されている。
【0010】
【作用】上記第1の発明に係るスライディングモード制
御系を用いた制御方法においては,先ず制御対象の制御
状態を表現するモデルの推定出力J^θ”+C^と上記
制御指令値τとから,上式(27)に従って外乱値δ a
演算される。演算遅れがほとんどない外乱値δ a を用
いることにより,外乱に対するロバスト性を補償しなが
ら,スライディングモード制御系の制御ゲインが満たす
べき条件を把握することができる。それによって,上記
条件を満たす範囲内で上記制御ゲインを極力小さく設定
することができる。その結果,上記制御ゲインに依存す
る制御のチャタリングを抑制することができる。既述の
通り上記外乱値δ a は上記制御対象に直接フィードバッ
クするとシステムが不安定化するが,上記外乱値δ a
上記制御ゲインの変更に用いても安定性が損なわれない
理由は,スライディングモード制御の非線形特性にあ
る。スライディングモード制御において制御器を不連続
変化させることによって,制御入力のパワースペクトル
は,全周波数帯域に拡散し,結果として一巡伝達関数の
ゲインを小さく抑えることが可能であり,一巡伝達関数
のゲインが小さく抑えられれば,スモールゲイン定理な
どから安定余裕が拡大し,上記外乱値δ a を直接上記制
御ゲインの変更に用いても不安定化しないからである。
また,上記第2の発明に係るスライディングモード制御
系を用いた制御方法においては,上記第1の発明に係る
制御方法において演算された外乱値δ a が外乱推定オブ
ザーバに入力されて外乱推定値δ^が求められる。そし
て,上記外乱値δ a と上記求められた外乱推定値δ^
の差が演算される。当然ながら,上記外乱値δ a 自体よ
りも上記差の値の方が小さな値であるので,この差に基
づいて上記満足すべき条件を満たす範囲内で得た制御ゲ
インの値は第1の発明に係る制御ゲインよりも小さなも
のを得ることができる。従って,上記制御のチャタリン
グをより抑制することができる。例えば,非線形補償系
や外乱推定オブザーバをスライディングモード制御系と
組合わせた構成とすることにより,補償誤差係数を小さ
く抑えるための補償誤差を決定することができる。例え
ばこの補償入力ξは, ξ=J^θd ″+C^−δ^ …(28) として表すことができ,この補償誤差ξを用いて制御対
象を線形化することにより外乱値を外乱値δ a と外乱推
定値δ^との差に置換えることができる。更に,第3の
発明に係るスライディングモード制御系を用いた制御方
法においては,第1の発明に係る制御方法により制御ゲ
インが決定されるとともに,スライディングモード制御
系による制御指令値τの上記制御対象への出力周期が,
例えばCPUの演算能力の許す範囲内で上記外乱値δ a
の演算周期よりも短く設定されている。上記チャタリン
グの大きさは上記スライディングモード制御系による制
御指令値の出力周期に依存しているため,上記チャタリ
ングの大きさは抑制される。そして,上記第4の発明に
係るスライディングモード制御系を用いた制御方法にお
いては,上記第2の発明と同様に上記差により上記スラ
イディングモード制御系の制御ゲインが決定されるとと
もに,スライディングモード制御系による制御指令値τ
の上記制御対象への出力周期が上記差の演算周期よりも
短く設定される。それによって,第3の発明と同様にチ
ャタリングの大きさを抑制することができる。
【0011】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施例に係るスライディングモー
ド制御系を備えたサーボ制御系を示すブロック図,図2
は図1のサーボ制御系に非線形補償系を加えた構成のサ
ーボ制御系を示すブロック図,図3は図2のサーボ制御
系に外乱推定オブザーバを加えたサーボ制御系の構成を
示すブロック図,図4は図1のサーボ制御系に演算・出
力周期を換えるためのスイッチを備えたサーボ制御系の
構成を示すブロック図,図5は図2のサーボ制御系に演
算・出力周期を換えるためのスイッチを備えたサーボ制
御系の構成を示すブロック図,図6は図3のサーボ制御
系に演算・出力周期を換えるためのスイッチを備えたサ
ーボ制御系の構成を示すブロック図である。但し,図7
乃至図9に示した上記従来のサーボ制御系20,21,
21a と共通する要素には,同一の符号を使用するとと
もに,その詳細な説明は省略する。本実施例に係るサー
ボ制御系1は,図1に示すように,モータシステム2
(制御対象)の制御状態を表現するモデル4らの推定
出力J^θ″+C^,上記モータシステム2からの回
転角度θ,回転角速度θ′(それぞれ制御量)とこれら
に対応する目標値θd ,θd ′との誤差e,e′に基づ
いてスライディングモード制御系3により演算され上記
モータシステム2へ出力されるトルクτ(制御指令値)
とから,減算器7により外乱値δ a 演算され(即ち,
上式(27)に従って外乱値δ a が演算され),上記演
算された外乱値δ a に基づいて上記スライディングモー
ド制御系3の制御ゲインを決定するようになっている。
詳しくは,例えばロボットのサーボ制御系を考えると,
モータシステム2を表す(1)式の非線形項Cは回転角
速度θ′に比例する項b(θ′,θ)θ′と回転角速度
θ′に比例しない項g(θ,θ′)とに分離することが
でき,また慣性Jは回転角度θと時間tの関数となり,
次式のモータシステムとして, Jθ″+bθ′+g=τ+D …(29) と表される。また,スライディングモード制御系3の機
能を実現するために,制御ゲインKC ,KD ,KV が満
たすべき条件式((12a )〜(12c )式)は,
(5)式及び(6)式から補償入力ξに依存することが
分かる。そこで,(29)式に次式のような補償入力ξ
を与える。 ξ=J^θd ″+b^θ′+g^ …(30) そして,C=bθ′+gであるから,(30)式と
(5)式とにより,補償誤差Eは, E=−ΔJθd ″−Δbθd ′−Δbe′−Δg+D …(31) ここで,△b(=b−b^):bのモデル化誤差 △g(=g−g^):gのモデル化誤差 が導かれる。また,次の各式から, EC =−ΔJθd ″−Δbθd ′−Δg+D …(32a ) ED =0 …(32b ) EV =−Δb …(32c ) 条件式((12a )〜(12c )式)は,それぞれ, KC ≧|−ΔJθd ″−Δbθd ′−Δg+D| …(33a ) KD ≧0 …(33b ) KV ≧|(J^+ΔJ)λ−Δb| …(33c ) となる。そして,補償入力ξが次式の場合, ξ=J^θd ″+b^θd ′+g^ …(34) 上記(31)式,(32a )〜(32c )式と同様に補
償誤差E等が与えられ,上記条件式((12a )〜(1
c )式)は, KC ≧|−ΔJθd ″−Δbθd ′−Δg+D| …(35a ) KD ≧0 …(35b ) KV ≧|(J^+ΔJ)λ−b^−Δb| …(35c ) となる。上記(33a )〜(33c )式及び(35a
〜(35c )式から分かるように,条件式((12a
〜(12c )式)は目標値θd が定量的に与えられてい
るため,後はモデル化誤差△b,△gや外乱値δがどれ
くらいであるかが分かれば,上記各制御ゲインを求める
ことができる。そこで,本実施例では(4)式に示した
誤差システムに替えて,次の誤差システムを考えた。 J^e″=ν+E …(36) E=ξ−J^θd ″−ΔJθ″−C+D =ξ−J^θd ″−C^−ΔJθ″−ΔC+D =ξ−J^θd ″−C^+δ …(37)ここで,上式(37)における外乱値δを,上式(2
7)から演算可能なδ a に置き換えれば,上式(37)
は,次式(37′)のように表すことができる。 E=ξ
−J^θ d ”−C^+δ a …(3
7′) 即ち,上式(37)を上式(37′)に置き換え
れば,上記(36)式及び(37)式から分かるよう
に,補償誤差Eは上記(27)式から演算可能な外乱値
δ a 及びそれぞれ既知の値ξ,J^,C^,θd ″によ
り構成されることになり,上記補償誤差Eも演算可能で
ある。また,(36)式の誤差システムに対し(8)式
の切換変数Sを定義すれば,(10)式の変数Vの時間
微分V′を表す(11)式は, V′=SS′ =S(e″+λe′) =S(J^e″+λJ^e′)/J^ =S(ν+EC +ED e+EV e′+λJ^e′)/J^ =S(−(KC +KD |e|+KV |e′|)・sgn(S) +EC +ED e+EV e′+λJ^e′)/J^ ≦|S|(−(KC +KD |e|+KV |e′|)+|EC | +|ED |×|e|+|EV +λJ^|×|e′|)/J^ =|S|((|EC |−KC )+|ED |−KD )|e| +(|EV +λJ^|−KV )|e′|)/J^ …(38) として表すことができる。そこで,制御ゲインを満たす
べき条件式((12a )〜(12c )式)は, KC ≧|EC | …(39a ) KD ≧|ED | …(39b ) KV ≧|EV +λJ^| …(39c ) に変換することができる。ここで,上記補償誤差Eは演
算可能であってこれにより各補償誤差係数(EC
D ,EV )も演算可能である。また,誤差eの収束特
性を決定する正数λ,慣性推定値J^は既知であるた
め,条件式((39a )〜(39c )式)を満足させる
最小ゲインも演算可能である。例えば,上記したロボッ
トのモータシステムを表す(29)式について,補償入
力ξとして, ξ=J^θd ″+C^ =J^θd ″+b^θ′+g^ …(40) を考えれば, E=δ a …(41) となる。そこで,上記条件式((39a )〜(39c
式)は,次の条件式で, KC ≧|δa | …(42a ) KD ≧0 …(42b ) KV ≧λJ^ …(42c ) で表される。ここで,上記演算された外乱値δa ,正数
λ,慣性推定値J^は既知であるので,上記(42a
〜(42c )式の条件式を満たす制御ゲインを正確に求
めることができる。既述の通り上記外乱値δ a は上記モ
ータシステム2に直接フィードバックするとシステムが
不安定化するが,上記外乱値δ a を上記制御ゲインの変
更に用いても安定性が損なわれない理由は,スライディ
ングモード制御の非線形特性にある。スライディングモ
ード制御において制御器を不連続変化させることによっ
て,制御入力のパワースペクトルは,全周波数帯域に拡
散し,結果として一巡伝達関数のゲインを小さく抑える
ことが可能であり,一巡伝達関数のゲインが小さく抑え
られれば,スモールゲイン定理などから安定余裕が拡大
し,上記外乱値δ a を直接上記制御ゲインの変更に用い
ても不安定化しないからである。上記外乱値δ a を演算
するのにはほとんど遅れを伴わないので,外乱に対する
ロバスト性を補償することが可能となる。また,上記補
償入力ξとして, ξ=0 …(43) の場合,補償誤差Eは, E=−J^θd ″−C^+δ =−J^θd ″−b^θ′−g^+δ =−J^θd ″−b^θd ′−b^e′−g^+δ …(44) となる。そこで,外乱値δを上式(27)に従うδ a
置き換えれば,C ≧|−J^θd ″−b^θd ′−g^+δa | …(45a ) KD ≧0 …(45b ) KV ≧|−b^+λJ^| …(45c ) 或いは, KC ≧|−J^θd ″−b^θ′−g^+δa | …(46a ) KD ≧0 …(46b ) KV ≧λJ^ …(46c ) これらの条件式((45a )〜(45c )式または(4
a )〜(46c )式)を満たす最小の制御ゲインを演
算することも可能である。従って,上記スライディング
モード制御系3の制御ゲインを的確に与えることができ
る。その結果,上記サーボ制御系1,1a についてスラ
イディングモード制御系3による制御のチャタリングの
振動の大きさを十分に抑制することができる。一方,上
記各条件式((42a )〜(42c )式及び(46a
〜(46c )式)において,回転角加速度の目標値
θd ″や回転角速度の目標値θd ′が例え0である場合
でも,上記制御ゲインKD 等はg^や外乱値δa によっ
て0にならない。このような場合,上記サーボ制御系
1,1a では,スライディングモード制御系3において
チャタリングを生じる可能性がある。そこで,図3に示
すサーボ制御系1b のように,外乱推定オブザーバとし
てのフィルタ5及び減算器8を付加した構成とすること
により,上記補償入力ξに対し上記フィルタ5からの外
乱推定値δ^を付加することにする。例えば,(40)
式に替えて, ξ=J^θd ″+C^δ^ =J^θd ″+b^θ′+g^−δ^ …(47) を定義する。但し,上記外乱推定値δ^としては, δ^=ω/(s+ω)×δa …(48) 若しくは, δ^=ω2 /(s2 +2ζωs+ω2 )×δa …(49) ここで,ω,ζ:外乱推定オブザーバの収束ゲイン等が
考えられる。それによって,上記条件式((42a )〜
(42c )式)は, KC ≧|δa −δ^| …(50a ) KD ≧0 …(50b ) KV ≧λJ^ …(50c ) とすることができる。即ち,上記フィルタ5により求め
られた外乱推定値δ^と上記演算された外乱値δa との
差に基づいて上記スライディングモード制御系3b の制
御ゲインKC が求められる。例えば,上記外乱推定値δ
^が外乱値δa に収束すれば,上記制御ゲインKC を0
にすることができる。その結果,スライディングモード
制御系3b によるチャタリングの振動の大きさを抑制す
ることができる。更に,(43)式に上記外乱推定値δ
^を付加すれば,上記条件式((46a)〜(46c
式)は, KC ≧|−J^θd ″−b^θd ′−g^+δa −δ^|…(51a ) KD ≧0 …(51b ) KV ≧|−b^+λJ^| …(51c ) 或いは, KC ≧|−J^θd ″−b^θ′−g^+δa δ^| …(52a ) KD ≧0 …(52b ) KV ≧λJ^ …(52c ) となる。従って,上記回転角加速度の目標値θd ″や回
転角速度のθd ′が0になれば,通常gも0になる。ま
た,上記外乱推定値δ^が外乱値δa に収束すれば,上
記制御ゲインKC も0にすることができる。その結果,
同様に上記スライディングモード制御系3b によるチャ
タリングの振動の大きさを抑制することができる。他
方,上記したように補償入力ξを計算する場合,この計
算に時間を要し,上記サンプリング周期△Tを大きくせ
ざるを得ない。そこで,図4乃至図6に示すように,上
記サーボ制御系1〜1b にそれぞれ対応したサーボ制御
系11〜11b の構成を採用した。即ち,モータシステ
ム2へのトルクτを構成するスライディングモード制御
系3,3b により演算された制御入力νの出力周期と,
非線形補償系6,フィルタ5,減算器7,8により演算
された補償入力ξのそれぞれの出力周期を異ならせるた
め,上記各サーボ制御系11,11a ,11b にスイッ
チ9及びスイッチ10,10a ,10b を設け,各構成
要素からの信号をオンオフさせる構成とした。この場
合,特に上記スライディングモード制御系3,3b から
の制御入力νが速い出力周期で演算・出力され,上記補
償出力ξが上記制御出力νと比べてゆっくりした周期で
演算・出力される。これにより,CPUの演算能力に制
限があっても,上記制御入力νと補償入力ξとの相対的
な演算・出力周期の差を設けることにより上記CPUの
演算能力の制御範囲内でできるだけ短い周期で上記スラ
イディングモード制御系3,3b の出力切換えを行うこ
とができる。その結果,上記スライディングモード制御
系によるチャタリングの振動の大きさを抑制することが
可能となる。
【0012】
【発明の効果】第1の発明は上記したように構成されて
いる。従って,上記モデルからの推定出力J^θ”+C
と制御指令値τとから,上式(27)に従って直接
乱値δ a を演算することができる。それにより,スライ
ディングモード制御系の制御条件を正確に設定すること
ができ,この制御条件を満たす範囲内で上記スライディ
ングモード制御系の制御ゲインを極力小さくすることが
できる。その結果,上記制御ゲインの大きさに起因する
チャタリングを抑制することができる。しかも,上記外
乱値δ a の演算にはほとんど遅れを伴わないので,外乱
に対するロバスト性を補償することができる。第2の発
明は上記したように構成されている。従って,上記求め
られた外乱推定値を上記外乱値に収束させた場合,上記
スライディングモード制御系の制御ゲインを例えば0ま
で低減化することができる。その結果,上記制御ゲイン
に起因するチャタリングを防止することが可能となる。
第3の発明は上記したように構成されている。従って,
上記スライディングモード制御系による制御指令値の上
記制御対象への出力周期が,例えばディジタル計算機の
演算能力の範囲でできるだけ短く設定されるので,上記
出力周期に起因するチャタリングの振動の大きさを抑制
することが可能となる。第4の発明は上記したように構
成されている。それにより,第3の発明と同様に上記ス
ライディングモード制御系による制御指令値の制御対象
への出力周期ができるかぎり短く設定されるので,これ
に起因するチャタリングの振動の大きさを抑制すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るスライディングモー
ド制御系を備えたサーボ制御系を示すブロック図。
【図2】 図1のサーボ制御系に非線形補償系を加えた
構成のサーボ制御系を示すブロック図。
【図3】 図2のサーボ制御系に外乱推定オブザーバを
加えたサーボ制御系の構成を示すブロック図。
【図4】 図1のサーボ制御系に演算・出力周期を換え
るためのスイッチを備えたサーボ制御系の構成を示すブ
ロック図。
【図5】 図2のサーボ制御系に演算・出力周期を換え
るためのスイッチを備えたサーボ制御系の構成を示すブ
ロック図。
【図6】 図3のサーボ制御系に演算・出力周期を換え
るためのスイッチを備えたサーボ制御系の構成を示すブ
ロック図。
【図7】 本発明の背景の一例となる従来のサーボ制御
系の構成を示すブロック図。
【図8】 本発明の背景の別例となる従来のサーボ制御
系の構成を示すブロック図。
【図9】 本発明の背景の更に別例となる従来のサーボ
制御系の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1,1a ,1b ,11,11a ,11b ,20,21,
21a …サーボ制御系 2…モータシステム(制御対象) 3,3b ,23…スライディングモード制御系 4…モデル 5…フィルタ 6…非線形補償系 7…減算器 8…減算器 9…スイッチ 10,10a ,10b …スイッチ δ…外乱値 δ^…外乱推定値 τ…トルク(制御指令値) e…誤差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/00 - 13/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御量の誤差を0に近づけるための制御
    すべり面に制御対象の制御状態が収束するように,上記
    制御対象への制御指令値を切換えて出力するスライディ
    ングモード制御系を用いた制御方法において, 上記制御対象の制御状態を表現するモデルの推定出力J
    ^θ”+C^と上記制御指令値τとから,次式(27)
    に従って外乱値δ a 演算し,上記演算された外乱値δ
    a に基づいて上記スライディングモード制御系の制御ゲ
    インを決定することを特徴とするスライディングモード
    制御系を用いた制御方法。 δ a =J^θ”+C^−τ …(27) ここで,J^は慣性の推定値,θ”はモータの回転角度
    の2階時間微分,C^は非線形項の推定値である。
  2. 【請求項2】 制御量の誤差を0に近づけるための制御
    すべり面に制御対象の制御状態が収束するように,上記
    制御対象への制御指令値を切換えて出力するスライディ
    ングモード制御系を用いた制御方法において, 上記制御対象の制御状態を表現するモデルからの推定出
    J^θ”+C^と上記制御指令値τとから,次式(2
    7)に従って外乱値δ a を演算し,上記演算された外乱
    δ a を外乱推定オブザーバに入力して外乱推定値δ^
    を求め,上記求められた外乱推定値δ^と上記外乱値δ
    a との差に基づいて上記スライディングモード制御系の
    制御ゲインを決定することを特徴とするスライディング
    モード制御系を用いた制御方法。 δ a =J^θ”+C^−τ …(27) ここで,J^は慣性の推定値,θ”はモータの回転角度
    の2階時間微分,C^は非線形項の推定値である。
  3. 【請求項3】 制御量の誤差を0に近づけるための制御
    すべり面に制御対象の制御状態が収束するように,上記
    制御対象への制御指令値を切換えて出力するスライディ
    ングモード制御系を用いた制御方法において, 上記制御対象の制御状態を表現するモデルの推定出力J
    ^θ”+C^と上記制御指令値τとから,次式(27)
    に従って外乱値δ a 演算し,上記演算された外乱値δ
    a に基づいて上記スライディングモード制御系の制御ゲ
    インを決定するとともに,上記スライディングモード制
    御系による制御指令値τの上記制御対象への出力周期を
    上記外乱値δ a の演算周期よりも短かく設定したことを
    特徴とするスライディングモード制御系を用いた制御方
    法。 δ a =J^θ”+C^−τ …(27) ここで,J^は慣性の推定値,θ”はモータの回転角度
    の2階時間微分,C^は非線形項の推定値である。
  4. 【請求項4】 制御量の誤差を0に近づけるための制御
    すべり面に制御対象の制御状態が収束するように,上記
    制御対象への制御指令値を切換えて出力するスライディ
    ングモード制御系を用いた制御方法において, 上記制御対象の制御状態を表現するモデルからの推定出
    J^θ”+C^と上記制御指令値τとから,次式(2
    7)に従って外乱値δ a を演算し,上記演算された外乱
    δ a を外乱推定オブザーバに入力して外乱推定値δ^
    を求め,上記求められた外乱推定値δ^と上記外乱値δ
    a との差に基づいて上記スライディングモード制御系の
    制御ゲインを決定するとともに,上記スライディングモ
    ード制御系による制御指令値τの上記制御対象への出力
    周期を上記外乱推定値δ^と上記外乱値δ a との差の演
    算周期よりも短かく設定したことを特徴とするスライデ
    ィングモード制御系を用いた制御方法。 δ a =J^θ”+C^−τ …(27) ここで,J^は慣性の推定値,θ”はモータの回転角度
    の2階時間微分,C^は非線形項の推定値である。
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