JP2998854B2 - 樹脂積層アルミニウム - Google Patents

樹脂積層アルミニウム

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JP2998854B2 JP11216991A JP11216991A JP2998854B2 JP 2998854 B2 JP2998854 B2 JP 2998854B2 JP 11216991 A JP11216991 A JP 11216991A JP 11216991 A JP11216991 A JP 11216991A JP 2998854 B2 JP2998854 B2 JP 2998854B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂積層アルミニウ
ム、更に詳しくは、アルミニウム表面に印刷層を設けた
樹脂積層アルミニウムに関するもので、本発明の樹脂積
層アルミニウムは、外装材、その他の建築材料等として
好適なものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルミ
ニウム等の金属板を建築材料として用いる場合、その表
面に直接印刷を施すことが行われている。しかし、上記
のようにして施された印刷層は、耐候性等が著しく劣
る。そこで、印刷層の形成された金属板の表面に樹脂フ
ィルムを熱融着することも試みられたが、その場合、熱
融着時に印刷層が変色したり、印刷層を形成するインキ
組成物が溶融することにより、印刷層の図柄等が変形す
る等の問題がある。
【0003】従って、本発明の目的は、アルミニウム表
面に、樹脂フィルムの熱融着による悪影響を受けない所
望の印刷層の形成された樹脂積層アルミニウムを提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、印刷層を
有する樹脂積層アルミニウムにおける印刷層の形成手段
について種々検討した結果、アルミニウムの表面に特定
の粗面を形成し、次いで、該アルミニウム表面に印刷層
を形成した後、該印刷層の形成されたアルミニウム表面
に樹脂フィルムを熱融着することによって、上記目的を
達成し得る樹脂積層アルミニウムが得られることを知見
した。
【0005】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、アルミニウム表面にブラスト処理でJIS B 0
601による中心線平均粗さ(Ra)が0.5〜10.
0μmで、十点平均粗さ(Rz)が1.0〜30.0μ
mの中間粗面を形成した後、電解エッチング処理によ
り、JIS B 0601による中心線平均粗さが1.
0〜30.0μmで、十点平均粗さが1.0〜100μ
mの粗面を形成し、次いで、該アルミニウム表面に印刷
層を形成した後、該印刷層の形成されたアルミニウム表
面に樹脂フィルムを熱融着してなることを特徴とする樹
脂積層アルミニウムを提供するものである。
【0006】以下、本発明の樹脂積層アルミニウムにつ
いて詳述する。本発明に用いられるアルミニウムは、そ
の表面に、中心線平均粗さ(Ra)が1.0〜30.0
μmで且つ十点平均粗さ(Rz)が1.0〜100μm
の粗面を形成したもので、該粗面の中心線平均粗さ(R
a)は、好ましくは1〜15μm、より好ましくは1〜
10μm、更に好ましくは1.5〜5μm、その十点平
均粗さ(Rz)は、好ましくは3〜50μm、より好ま
しくは5〜30μm、更に好ましくは7〜25μmであ
る。上記粗面の粗さが上記の範囲よりも過少で有ると印
刷層のアルミニウム表面に対する密着性に劣り、また上
記範囲を超えると印刷層を形成するインキ樹脂組成物の
滲みや線柄のシャープさがなくなって、紗の寿命が短く
なる。また、アルミニウムとしては、厚さ0.5〜5m
mのものが好ましい。尚、中心線平均粗さ(Ra)及び
十点平均粗さ(Rz)は、いずれもJISB0601に
よる。ところで、JIS B 0601における中心線
平均粗さ(Ra、JISではRa75と表示されてい
る)とは、粗さ曲線(75%)からその中心線の方向に
測定長さ(L)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の
中心線をX軸、縦軸の方向をY軸とし、粗さ曲線(75
%)をy=f(x)で表したときに、次の式によって求
められる値をマイクロメートル(μm)で表したものを
いう。 ここに、L:測定長さ でもとめられるものであり、また、十点平均粗さ(R
z)とは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだ
け抜き取り、この抜取り部分の平均線から縦倍率の方向
に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高
(Y)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目
までの谷底の標高(Y)の絶対値の平均値との和を求
め、この値をマイクロメートル(μm)で表したものを
いう。
【0007】上記アルミニウムの表面に上記粗面を形成
する方法としては、例えば、ブラスト処理あるいはブラ
スト処理とウェットエッチング処理とを併用する方法を
挙げることができる。殊に、ブラスト処理をした後にウ
ェットエッチング処理を施すことによって粗面を形成す
る微小な各凹部の内部を末拡がりになった状態にするこ
とができ、印刷層及び樹脂フィルムの密着性を一層高め
ることができる。
【0008】上記ブラスト処理としては、軟質鉄粉によ
るブラスト処理を挙げることができる。その際、軟質鉄
粉としては、平均粒径1000μm以下、好ましくは1
00〜300μm程度のものが用いられ、通常はロック
ウェル硬さHR C40未満、好ましくはHR C20〜3
5程度のものが用いられる。尚、ロックウェル硬さHR
Cは、JIS B 7726及びJIS Z 2245
によって測定されるものである。
【0009】また、上記軟質鉄粉としては、還元処理を
受けたものが好ましく用いられ、このような軟質鉄粉
は、例えば、酸化鉄を熱時水素気流中で還元すること或
いは軟鋼をアンモニア雰囲気中で熱処理し、粉砕及び脱
窒処理することなどにより容易に入手することができ
る。また、これらの還元方法に限らず、その他の方法で
還元されたもの或いは他の径路で調製されたものであっ
ても用いることができる。通常は、鉄含量90%以上の
軟質鉄粉が好適に用いられる。即ち、炭素、酸化物、そ
の他の不純物含量ができる限り少ない鉄粉が好適に用い
られる。この際のその他のブラスト処理の操作、条件、
装置などは、特に限定されるものではない。
【0010】また、上記ブラスト処理と併用するウェッ
トエッチング処理としては、電解エッチング処理を挙げ
ることができる。この電解エッチング処理としては、例
えば、アルミニウム表面の処理法として従来から公知の
方法に制限されることなく用いることができる。例え
ば、特開昭52−38435号公報などに記載されてい
る電解エッチング手段を用いることができる。通常、電
解エッチング処理を行う場合には、水溶性塩化物を含む
電解質水溶液中で1クーロン/cm2 以上の直流電流によ
って実施するのが好ましい。
【0011】上述したブラスト処理と電解エッチング処
理とを併用する場合には、ブラスト処理で中心線平均粗
さ(Ra)が0.5〜10.0μmで十点平均粗さ(R
z)が1.0〜30.0μmの中間粗面を形成した後、
電解エッチング処理により中心線平均粗さが1.0〜3
0.0μmで、十点平均粗さ(Rz)が1.0〜100
μmの粗面とすることが好ましい。
【0012】電解エッチング処理を行う場合には、その
操作、条件及び装置などについては特に制限はないが、
エッチング処理を必要としない部分には絶縁物でマスキ
ングを行うことが望ましく、また、生成スマツドを除去
するために、電解エッチング処理の後水洗することも光
沢ある塗膜を得るために効果がある。また、電解エッチ
ング処理の温度は高い方が処理時間を短くすることがで
きるが、実用上、10〜60℃が好ましく、20〜40
℃が好ましい。
【0013】また、電解エッチング処理に用いられる水
溶性塩化物としては、各種のものを用いることができる
が、価格及び人体への安全性を考慮すると、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、塩化アンモニウムなどが好まし
い。塩化物を用いる場合には、水溶液中の塩素イオン濃
度0.1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより
好ましい。また、この際の通電量としては、通常、5〜
50クーロン/cm2 が好ましく、10〜40クーロン/
cm2 がより好ましい。
【0014】また、本発明においては、電解エッチング
処理が円滑有利に行われ、アルミニウム表面に均一なエ
ッチングを行の上で軟質鉄粉によるブラスト処理後直ち
に電解エッチング処理することが好ましい。ブラスト処
理後には、簡単なナイロン等による乾式ブラッシングで
十分ブラスト剤を除去できる。
【0015】尚、ウェットエッチング処理としては、上
述した電解エッチング処理に限らず、化学エッチング処
理等を採用することもできる。また、本発明に用いられ
るアルミニウムは、上述した粗面を形成することができ
るものであれば、特に制限されないが、アルミニウムを
主成分(90重量%以上)とするアルミニウム系金属で
あってもよい。好ましいアルミニウムとしては、いわゆ
るストリーク組織含有アルミニウム板を挙げることがで
きる。このストリーク組織含有アルミニウム板の一例と
しては、JIS H 4000に規定される純アルミな
いし合金系アルミニウム板を挙げることができる。この
ようなアルミニウム板を製造するには、鋳造により形成
された粒状金属組織を熱間圧延及び/または冷間圧延に
より圧延方向に金属組織を線状に加工した後、必要に応
じて低温なましなどの手段によりその線状組織を再結晶
(グレイン)化させない範囲で調質加工することによっ
て線状組織により構成されアルミニウム板として製造す
ることができる。
【0016】また、上記アルミニウムの表面に印刷層を
形成するために、本発明で用いられるインキ樹脂組成物
としては、以下に詳述するものが好ましく用いられる。
上記インキ樹脂組成物は、その固形分(溶剤成分を除い
たもの)のメルトフローインデックスが10〜500、
好ましくは20〜400、更に好ましくは30〜300
に調整されたもので、主として、インキベース樹脂、溶
剤、チキソトロピー付与剤、及び顔料または染料から構
成され、これに必要に応じその他の各種の添加剤が添加
される。上記メルトフローインデックスは、降下式フロ
ーテスターを使用いて所定温度、荷重30kg/cm2 でノ
ズル径1mm、ランド2mmのノズルから1grの試料を溶融
押出した時、単位時間に押出される溶融試料の容量で表
わされる値(mm2 /秒)で定義されるものであり、上記
所定温度としても、試料樹脂の溶融成形加工可能な温度
領域で且つ流動開始温度に近い温度が採用される。
【0017】メルトフローインデックスが10未満の場
合は、後述する熱融着の段階での金属板への密着が低下
する傾向がある。また、500を超える場合は、文字、
図形等の印刷がにじむ傾向がある。また、この樹脂組成
物は、チキソトロピー指数(TI値)が2〜8、好まし
くは3〜7、更に好ましくは4〜6に調整することが好
ましい。尚、TI値は、温度25°でBH粘度計を用い
てNo.7のローターを使用し、回転数2及び20回転で
測定された粘度N2 とN20の比、即ち、TI=N2 /N
20で示される。
【0018】次に、上記インキ樹脂組成物の各構成成分
について説明する。上記インキベース樹脂としては、耐
熱性が280℃以上あることが好ましく、280℃にお
ける加熱減量が、10%以下で且つアルミニウム板及び
後述するフッ素系樹脂フィルムと熱融着するものを用い
ることができる。
【0019】上記インキベース樹脂としては、例えば、
フッ素系樹脂、イミド系樹脂、シリコン系樹脂及びポリ
エーテルスルホン系樹脂が好ましく用いられる。
【0020】フッ素系樹脂は、特に制限されないが、フ
ッ素を含むオレフィンの重合によって得られるものが好
ましく、一般に、そのフッ素含有量が30重量%以上、
特に40重量%以上のものが好ましく用いられる。この
ようなフッ素系樹脂としては、例えば、エチレン−テト
ラフルオロエチレン系共重合体、エチレン−クロロトリ
フルオロエチレン系共重合体、ヘキサフルオロプロピレ
ン−テトラフルオロエチレン系共重合体、パーフルオロ
アルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系共
重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル等を
挙げることができる。本発明ではこれらのいずれも使用
可能であるが、特に、エチレン−テトラフルオロエチレ
ン系共重合体が好ましく、その中でも、フルオロオレフ
ィン、シクロヘキシルビニルエーテル、アルキルビニル
エーテル及びヒドロキシアルキルビニルエーテルを必須
構成成分とするフッ素系共重合体が好ましい。特にフッ
素系共重合体において、フルオロオレフィン、シクロヘ
キシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、ヒド
ロキシアルキルビニルエーテル及び他の共単量体に基づ
く単位の含有量がそれぞれ40〜60モル%、5〜45
モル%、5〜45モル%、3〜15モル%及び0〜30
モル%であり、且つ未硬化状態でテトラヒドロフラン中
で30℃で測定される固有粘度が0.1〜2.0dl/g
であるものが好ましい。更に、上記フッ素共重合体にお
いて、フルオロオレフィンがクロロトリフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン等のパーハロオレフィン
で、アルキルビニルエーテルが炭素数2〜8の直鎖状ま
たは分岐状のアルキル基を含有するもので、ヒドロキシ
アルキルビニルエーテルがヒドロキシブチルビニルエー
テルであるものが一層好ましい。
【0021】また、前記印刷層を形成するためのフッ素
系樹脂組成物の好ましい形態は可溶性樹脂液中に粒子状
フッ素樹脂が分散しているのが好ましい。粒子状フッ素
樹脂としてはフッ素樹脂フィルムと相互溶融しあい、し
かも粒子状樹脂のメルトフローが好ましくは10〜50
0、特に好ましくは20〜400、更に好ましくは30
〜300のフッ素樹脂が挙げられ、分散する粒子の粒子
径は一般に1〜80μが好ましく、粒子径がこの範囲に
あると熱融着時の密着強度、印刷性、印刷物の外観等が
良くなる。具体的に使用する樹脂としては、例えば、エ
チレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、エチレン
−クロロトリフルオロエチレン系共重合体、ヘキサフル
オロプロピレン−テトラフルオロエチレン系共重合体、
パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロ
エチレン系共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ
化ビニル等を挙げることができる。
【0022】また、これらの樹脂中にあらかじめ顔料ま
たは染料を使用した着色材の一部もしくは全部を混練
後、微粉砕した着色材含有粒子を用いることもできる。
上記無機顔料として、酸化チタン、カーボンブラック、
弁柄、鉄黒、紺青、群青、亜鉛華、黄鉛、クロムバーミ
リオン、コバルトブルー、焼成グリーン、硫化亜鉛、ブ
ロンズ粉、アルミニウム粉、パール顔料等が挙げられ、
有機顔料として、不溶性アゾ類アゾレーキ類、キナクリ
ドンレッド、カーミンレッド、ウォッチングレッド、縮
合アゾレッド、ペリレンレッド、アンスラキノン、ジス
アゾオレンジ、ジニトロアニリンオレンジ、アセトロン
オレンジ、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、アセト
ロンイエロー、塩素化フタロシアニン、ブリリアンオグ
リーンレーキ、フタロシアニン、インダスレンブルー、
ジオキサジンバイオレット、メチルバイオレット、蛍光
顔料、蓄光顔料等を挙げることができ、体質顔料とし
て、例えば、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ア
ルミナホワイト、クレー等を挙げることができる。ま
た、染料としては、通常の酸性染料、塩基性染料、油溶
染料、分散染料を挙げることができ、油溶染料として
は、例えば、アゾ系、トリアリールメタン系、アントラ
キノン系、アジン系のものが好ましく用いることができ
る。
【0023】更に、これらの粒子表面をナフタレン−ナ
トリウム錯体、ナトリウムなどのエッチング処理剤によ
る処理やコロナ放電処理などの表面処理を行ってもよ
い。また、前記可溶性樹脂はフィルムを熱融着する時の
温度に耐える樹脂であればいずれでも使用できるが、例
えば、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロエチレン共重合体(2F・4F・6F系樹
脂)、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重
合体(2F・4F系樹脂)、フルオロエチレン−ビニル
エーテル共重合体(FEVE系樹脂)などのフッ素系樹
脂や、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリフェニ
レンサルファイド樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコン系
樹脂等を挙げることができる。
【0024】また、その他の添加剤としては、チキソト
ロピック性付与剤、消泡剤、紫外線吸収剤、受酸剤等を
挙げることができる。溶剤としては、沸点120〜23
0℃の溶剤が好ましく使用でき、例えば、ミネラルスピ
リットなどの脂肪酸炭化水素、キシレンソルベントナフ
サ、トルエンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキシルア
ルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコールなどの
アルコール類、ブチルアセテートなどのエステル類、シ
クロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン
類、メチルセロソルブ、セロソルブ、カルビトールなど
のグリコールエーテル類、酢酸セロソルブ、酢酸ブチル
セロソルブ、酢酸カルビトールなどのグリコールエーテ
ルエステル類、ジメチルフォルムアミドなどのアミド類
を挙げることができる。
【0025】前記可溶性樹脂液中に粒子状フッ素樹脂が
分散しているフッ素系樹脂組成物は、粒子状フッ素樹脂
40〜95重量部に対し、可溶性樹脂が60〜5重量部
であるのが好ましく、着色剤は樹脂100重量部に対し
て着色剤10〜40重量部であるのが好ましく、チクソ
トロピック性付与剤、消泡剤、紫外線吸収剤、受酸剤等
の添加剤は樹脂に対して0〜20重量部であるのが好ま
しく、溶剤は、組成物の固形分が30〜60重量%にな
るように40〜70重量%添加するのが好ましい。
【0026】また、上記ポリイミド系樹脂は、特に制限
されない、通常、線状(縮合型)ポリイミド系樹脂、変
性型ポリイミド系樹脂、付加重合型ポリイミド系樹脂用
を好ましく用いることができ、特にこれらのフッ素化樹
脂を好ましく用いることができる。上記線状(縮合型)
のポリイミド系樹脂としては、例えば、芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを極性溶媒中で概略
等モル反応させ、ポリアミド酸を得た後、熱あるいは化
学脱水してイミド環に閉環し高分子量のポリイミド樹脂
を生成させることによって得られる樹脂等を挙げること
ができる。このようなポリイミド樹脂としては、具体的
には、パイラリン(デュポン社製)、uワニス(宇部興
産製)、LarcTPI(三井東圧製)等を挙げること
ができる。線状(縮合型)の場合、ポリイミド化された
樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が高く流動製が不足
し、溶剤の選択製も不足する傾向があるので、例えば、
BTDA(ベンゾフェノンテトラカルボン酸アンハイド
ライド)とDABP(3−3' −ジアミノベンゾフェノ
ン)を反応させたアミド酸溶液をインキバインダーとし
て用い印刷後熱処理により脱水縮合反応(ポリイミド
化)させて印刷層を得ることもできる。
【0027】また、変性ポリイミド系樹脂としては、例
えば、成形性を改良する為にイミド基以外のアミド、エ
ーテル、エステル基を導入し、主鎖に柔軟性を与えた樹
脂等であり、付加重合型ポリイミド系樹脂としては、例
えば、低分子量のイミドオリゴマーの末端に反応性の不
飽和結合(ナジック酸、マレイン酸、アセチレン等)を
導入し、熱反応により鎖延長や三次元架橋させ硬化させ
た樹脂等であり、具体的にはナジック酸末端付加型ポリ
イミドとしてLarc(NASA社製)等がアセチレン
末端付加型ポリイミドとしてサーミッド(NSC社製)
等を挙げることができる。
【0028】前記シリコン系樹脂としては、例えば、ポ
リジメチルシロキサン系樹脂及びその変性体、メチルフ
ェニルシロキサン系樹脂、ジフェニルシロキサン系樹
脂、ポリエステル変性シロキサン系樹脂、エポキシ変性
シロキサン系樹脂、ウレタン変性シロキサン系樹脂、ア
ルキッド変性シロキサン系樹脂等が挙げられる。また、
前記ポリエーテルスルホン系樹脂としては、例えば、ポ
リエーテルサルフォンを主成分とする樹脂及びこれらの
末端にスルホン基を有する樹脂を挙げることができる。
【0029】また、上記溶剤としては、沸点120〜2
30℃のものが好ましく用いられ、その好ましい具体例
としては、下記のものを挙げることができる。 脂肪族炭化水素;ミネラルスピリット 芳香族炭化水素;キシレン、ソルベントナフタ、テトラ
リン、ジペンテン、トルエン アルコール類;シクロヘキシルアルコール、2−メチル
シクロヘキシルアルコール エステル類;ブチルアセテート ケトン類;シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノ
ン、ジアセトンアルコール、イソホロン グリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール グリコールエーテル類;メチルセロソルブ(エチレング
リコールモノメチルエーテル)、セロソルブ(エチレン
グリコールモノエチルエーテル)、ブチルセロソルブ、
カルビトール グリコールエーテルエステル;酢酸セロソルブ、酢酸ブ
チルセロソルブ、酢酸カルビトール(ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート) アミド類;ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトア
ミド
【0030】また、上記チキソトロピー付与剤として
は、コロイダルシリカ(アエロジル#400)、アルミ
ニウムアルコレート、有機ベントナイト、アルミニウム
キレート、硫酸バリウム等を挙げることができる。ま
た、上記顔料または染料としては、次のものを挙げるこ
とができ、これらの中から目的、用途に応じ適宜選択し
て使用することができる。上記無機顔料として、酸化チ
タン、カーボンブラック、弁柄、鉄黒、紺青、群青、亜
鉛華、黄鉛、クロムバーミリオン、コバルトブルー、焼
成グリーン、硫化亜鉛、ブロンズ粉、アルミニウム粉、
パール顔料等が挙げられ、有機顔料として、不溶性アゾ
類アゾレーキ類、キナクリドンレッド、カーミンレッ
ド、ウオッチングレッド、縮合アゾレッド、ペリレンレ
ッド、アンスラキノン、ジスアゾオレンジ、ジニトロア
ニリンオレンジ、アセトロンオレンジ、ジスアゾイエロ
ー、ハンザイエロー、アセトロンイエロー、塩素化フタ
ロシアニン、ブリリアンオグリーンレーキ、フタロシア
ニン、インダスレンブルー、ジオキサジンバイオレッ
ト、メチルバイオレット、蛍光顔料、蓄光顔料等を挙げ
ることができ、体質顔料として、例えば、沈降性硫酸バ
リウム、炭酸カルシウム、アルミナホワイト、クレー等
を挙げることができる。また、染料としては、通常の酸
性染料、塩基性染料、油溶染料、分散染料を挙げること
ができ、油溶染料としては、例えば、アゾ系、トリアリ
ールメタン系、アントラキノン系、アジン系のものが好
ましく用いることができる。
【0031】また、その他の添加剤としては、ゲル化
剤、増粘剤、酸化防止剤、消泡剤、つや消し剤、紫外線
吸収剤、光安定剤を挙げることができる。また、必要に
応じて架橋剤又は硬化触媒を添加することができ、この
架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート、ブチル
化メラミン、アルミニウムキレート等を好ましく用いる
ことができ、硬化触媒としては、例えば、ジブチルチン
ラウレート等を好ましく用いることができる。
【0032】本発明で用いられるインキ樹脂組成物は、
上述の各成分からなるもので、各成分の好ましい配合割
合は、樹脂100重量部に対し、溶剤50〜150重量
部、チキソトロピー付与剤0〜10重量部で、これに目
的、用途に応じて適量の顔料又は染料(通常10〜40
0重量部)、及びその他の添加剤を加え、更に、必要に
応じて架橋剤又は硬化触媒を10〜25重量部加えるこ
とができる。また、各成分の配合に際しては、得られる
樹脂組成物のメルトフローインデックスが10〜500
となるように各成分及びそれらの配合量を選定する必要
がある。
【0033】また、上記印刷層の形成には、上記インキ
樹脂組成物の薄膜を密着形成し得る手段であれば制限な
く適用することができるが、このような形成手段として
は、例えば、上記インキ樹脂組成物をスクリーン印刷等
によりアルミニウム板に直接印刷する方法を挙げること
ができる。上記印刷層は特に制限されず、文字、図柄等
の任意の種々の形状に形成される。
【0034】また、上記印刷層の形成された上記アルミ
ニウムの表面に熱融着される樹脂フィルムとしては、フ
ッ素系樹脂フィルムが好ましく用いられる。このフッ素
系樹脂フィルム3を構成するフッ素系樹脂としては、例
えば、エチレン−四フッ化エチレン系共重合体、三フッ
化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン共重合体、フッ
化ビニル重合体、フッ化アルコキシエチレン樹脂、四フ
ッ化エチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−六フッ化
プロピレン共重合体等を挙げることができ、特にエチレ
ン−四フッ化エチレン系共重合体が好ましいが、その中
でも、四フッ化エチレン/エチレンの含有モル比が40
/60〜60/40のものが好ましく、一般式CH2
CH−Cn 2n+1(但し、式中のnは2〜10の整数で
ある)で表されるパーフルオロアルキルビニルモノマー
の含有量が0.1〜10モル%であり、且つ容量流速
(メルトフローインデックス)が10〜500mm3 /秒
であるものが好ましく、10〜100mm3 /秒であるも
のが特に好ましい。
【0035】尚、「容量流速」は、降下式フローテスタ
ーを使用して、所定温度、荷重30kg/cm2 のもとに、
ノズル径1mm、ランド2mmのノズルより1gの試料を押
出し、その際の単位時間に押出される溶融試料の容量で
表される。上記所定温 度は、試料樹脂の溶融成形加工
可能な温度領域(流動開始温度と熱分解開始温度との間
の温度範囲)で且つ流動開始温度に近い温度が採用され
る。容量流速の値が上記範囲以外では、密着性の不足又
は立体感の不足の傾向がある。
【0036】上記エチレン−四フッ化エチレン系共重合
体が、上記容量流速を有していることは、密着強度が大
きい良好なフッ素系樹脂フィルムが得られるので好まし
い。上記フッ素系樹脂フィルムの厚さは、特に制限され
るものではないが、通常、10〜100μであることが
好ましい。また、上記フッ素系樹脂フィルムの熱融着
は、常法によって行うことができる。
【0037】その一例を挙げると、アルミニウム板を、
上記フィルムを構成する樹脂の軟化温度以上に予熱し、
然る後、耐熱ゴムを用いたプレスロールで上記樹脂フィ
ルムをアルミニウム板を圧着させる。その際、プレス圧
力、ロール表面速度、アルミニウム予熱温度を一定範囲
内に制御することが好ましい。これらの条件をうまく選
定しないと、気泡の巻込みによるシワの発生が生じやす
い。プレス圧力は、通常、5〜30kg/cmが好ましく、
10〜25kg/cmのロールプレス圧力、ロール表面速度
は、3〜50m/分が好ましく、5〜20m/分がより
好ましい。
【0038】また、予熱温度は、使用するフッ素系樹脂
フィルムによって適切な温度の選定が行われることはい
うまでもないが、大凡の温度範囲としては、270〜3
40℃を挙げることができる。上述したフィルムの熱融
着法の詳細については、特願昭51−40916号明細
書、特願昭52−13023号明細書などに詳述されて
いる。尚、ロールプレス圧力は、ロール軸方向の長さの
単位長(cm)当りで表示している。
【0039】また、フッ素系樹脂フィルムとしては、例
えば、カーボンブラック、クロムバーミリオン、フタロ
シアニンブルー等の着色剤で半透明に着色したものも用
いることができる。また、上記樹脂フィルムとしては、
上記フッ素系樹脂フィルム以外に、塩ビ系樹脂フィル
ム、(メタ)アクリル系樹脂フィルム、ポリエチレン系
樹脂フィルム等を用いることができる。上記フッ素系樹
脂フィルム以外の樹脂フィルムも、フッ素系樹脂フィル
ムと同様に容量流速は、10〜500mm3 /秒であるも
のが好ましく、その厚さは30〜100μmであること
が好ましい。また、これらの樹脂フィルムが備えるその
他の特徴も基本的には前述したフッ素系樹脂フィルムと
同様であり、得られる樹脂積層アルミニウムの用途等も
同様である。また、フッ素系樹脂フィルム等の樹脂フィ
ルム自体を着色したものを用いることにより、装飾性を
更に高めることもできる。
【0040】本発明の樹脂積層アルミニウムは、建築材
料として極めて好適であり、その優れた装飾性故に、中
でも、外壁材、パネル材、笠木、目かくし材等の外装用
部材に好ましく適用することができる。また、自動車、
電車、オートバイ等の車輌の部材、飛行機、ヘリコプタ
ー、船舶、プラント等の部材としても好ましく適用する
ことができる。勿論、本発明の樹脂積層アルミニウム
は、上記用途に限定されるものでないことはいうまでも
ない。
【0041】
【実施例】次に、本発明の各実施例を図1を参照しなが
ら以下に説明するが、本発明は以下の各実施例に何等制
限されるものではないことは言うまでもない。尚、下記
実施例Aは、本発明の基本的な一実施例で、下記実施例
1〜4は、それぞれ実施例Aのより具体的な実施例を示
すものである。実施例A図1は、本発明の一実施例であ
る樹脂積層アルミニウムの概略を示す部分断面図、図2
a、b、及びcはそれぞれ本発明の樹脂積層アルミニウ
ムの形成に好適なアルミニウム表面の断面曲線の具体例
を示す線図である。
【0042】本実施例の樹脂積層アルミニウムは、アル
ミニウム板1の表面に所定の中心線平均粗さ(Ra)及
び十点平均粗さ(Rz)からなる粗面1’を形成し、該
アルミニウム板1の表面に印刷層2を形成した後、該印
刷層2の形成されたアルミニウム板1の表面にフッ素系
樹脂フィルム(樹脂フィルム)3を熱融着により積層し
てなるものである。即ち、上記アルミニウム板1の表面
に、中心線平均粗さ(Ra)が1.0〜30.0μm及
び十点平均粗さ(Rz)が1.0〜100μmの粗面
1’を形成し、該粗面1’に印刷層2を形成するという
構成を採用したもので、そうすることにより目的とする
所望の樹脂積層アルミニウムを得ることができる。尚、
図1では上記粗面1’が一つの層を形成しているものと
して太線で示してある。
【0043】図2に示す3つのグラフは、粗面の形成さ
れたアルミニウム基材の断面曲線(ラワン材表面様模様
の筋方向に対して垂直な断面)を示しており、図2の
a、b及びcは、JIS B 0601の規定に基づい
て測定した中心線平均粗さ(Ra)がそれぞれRa=
2.0μm、Ra=2.0μm及びRa=1.4μm、
また十点平均粗さ(Rz)がそれぞれRz=11.0μ
m、Rz=9.5μm及びRz=7.0μmの場合を示
している。
【0044】実施例1 本実施例では、アルミニウム基材として、JIS H
4000に規定するA3004P−34(厚さ2密着)
のアルミニウム板1を1250mm×2500mmの大きさ
に裁断したものを用意した。そして、このアルミニウム
板1をサンドブラスト処理(還元鉄粉:80メッシュ、
ニューマ圧力:3kg/cm2 )して中心線平均粗さ(R
a)を1.8μm、十点平均粗さ(Rz)を10.5μ
mの微小な凹部を形成するように荒らした後、シートレ
ベラーを用いてアルミニウム板1の歪を1mm以下になる
ように調整した。次いで、得られたアルミニウム板1を
4%の塩化ナトリウム水溶液中で電流密度3.3A/dm
2 の条件で電解エッチングして中心線平均粗さ(Ra)
が3.5μmで十点平均粗さ(Rz)が25μmの粗面
1’を形成した。
【0045】また、印刷インキとしては、下記配合割合
の配合物をインキミルによって分散、混練してインキ樹
脂組成物を調製したものを用いた。このインキ組成物に
おけるインキベース樹脂は、テトラフルオロエチレン、
カルボキシルペンタメチルビニルエーテル、フドロキシ
ブチルビニルエーテルの各成分比が約50:1.5:2
3:25.5(核磁気共鳴法による)からなるものを常
法により重合して得られた共重合体(FEVE)で、こ
のFEVE100gを、下記配合割合のように酢酸カル
ビトール80g、トルエン20g中に溶解させたものを
インキベースとして用いた。 FEVE:100g 酢酸カルビトール:80g トルエン:20g 焼成グリーン:50g コロイダルシリカ:10g
【0046】また、樹脂フィルムとしては、下記条件で
加熱溶融押出法によって成形されたテトラフルオロエチ
レン−エチレン共重合体からなる無孔質の透明フィルム
(厚さ:50μm)3を用いた。 テトラフルオロエチレン/エチレンのモル比:53/4
7 流動開始温度:280℃ 熱分解開始温度:350℃ 300℃における容量流速:90mm3 /秒 上記印刷インキを用いて、表面処理を施した上記アルミ
ニウム板1上に100mm角の格子をスクリーン印刷を行
って図1に示す印刷層2を形成し、この印刷物を120
℃の熱風循環乾燥器内で10分間乾燥させた。更に、印
刷されたアルミニウム板1を窒素雰囲気中で310℃に
予熱し、図1に示すように印刷面に透明フィルム3を加
圧力20kg/cm2 で圧着し、引き続いて315℃で10
分間加熱処理して熱融着させて作製した樹脂積層アルミ
ニウムを本発明品1として得た。
【0047】実施例2 本実施例では、印刷インキとして、下記配合割合の配合
物をインキミルによって分散、混練してインキ組成物を
調製したものを用いた。このインキ組成物におけるイン
キベース樹脂としては、ジフルオロエチレン−テトラフ
ルオロエチレン−ヘキフルオロプロピレン共重合体(カ
イナー9301:三菱油化株式会社製)を用い、このカ
イナー9301を、下記配合割合のようにイソホロン/
シクロヘキサノン(1/1)に溶解させたものをインキ
ベースとして用いた。この印刷インキを用いて実施例1
と同様にアルミニウム板1上に印刷し、図1に示す印刷
層2の形成されたアルミニウム板1を空気中で予熱した
以外は実施例1と同様に透明フィルム3を熱融着させて
作製した樹脂積層アルミニウムを本発明品2として得
た。 カイナー9301:100重量部 イソホロン:75重量部 シクロヘキサン:75重量部 弁柄:50重量部 コロイダルシリカ:10重量部
【0048】実施例3 本実施例では、印刷インキとして、下記配合割合の配合
物をインキミルによって分散、混練してインキ組成物を
調製したものを用いた。このインキ組成物におけるイン
キベース樹脂としては、カイナー9301を用い、下記
配合割合のようにイソホロン/シクロヘキサノン(1/
1)に溶解させ、更に、エチレン−テトラフルオロエチ
レン共重合体の微粒子(アフロンCOP Z8820)
を分散させたものをインキベースとして用いた。この印
刷インキを用いて実施例1と同様にアルミニウム板1上
に印刷し、図1に示す印刷層2の形成されたアルミニウ
ム板1を空気中で予熱した以外は実施例1と同様に透明
フィルム3を熱融着させて作製した樹脂積層アルミニウ
ムを本発明品3として得た。 アフロンCOP Z8820:90重量部 カイナー9301:10重量部 イソホロン:75重量部 シクロヘキサノン:75重量部 コバルトブルー:50重量部
【0049】実施例4 本実施例では、印刷インキとして、下記配合割合の配合
物をインキミルによって分散、混練してインキ組成物を
調製したものを用いた。このインキ組成物におけるイン
キベース樹脂としては、アセチレン末端付加型ポリイミ
ド樹脂(サーミッドFA700:カネボウNSC株式会
社製)を下記配合割合のようにシクロヘキサノンに溶解
させたものを用いた。この印刷インキを用いて実施例1
と同様にアルミニウム板1上に印刷し、図1に示す印刷
層2の形成されたアルミニウム板1を空気中で予熱した
以外は実施例1と同様に透明フィルム3を熱融着させて
作製した樹脂積層アルミニウムを本発明品4として得
た。 サーミッドFA700:100重量部 チタンイエロー:50重量部 コリダルシリカ:10重量部 シクロヘキサノン:75重量部
【0050】実施例5 本実施例では、印刷インキとして、下記配合割合の配合
物をインキミルによって分散、混練してインキ組成物を
調製したものを用いた。このインキ組成物におけるイン
キベース樹脂としては、エポキシ変性シリコン樹脂(東
芝シリコンTSR−194)を下記配合割合のようにイ
ソホロンに溶解させたものを用いた。この印刷インキを
用いて実施例1と同様にアルミニウム板1上に印刷し、
図1に示す印刷層2の形成されたアルミニウム板1を空
気中で予熱した以外は実施例1と同様に透明フィルム3
を熱融着させて作製した樹脂積層アルミニウムを本発明
品5として得た。 エポキシ変性シリコン樹脂 100重量部 (東芝シリコンTSR−194) チタンイエロー 50重量部 コロイダルシリカ 10重量部 イソホロン 150重量部
【0051】実施例6 本実施例では、印刷インキとして、下記配合割合の配合
物をインキミルによって分散、混練してインキ組成物を
調製したものを用いた。このインキ組成物におけるイン
キベース樹脂としては、ポリジメチルシロキサン系樹脂
(信越化学製KR−271)を下記配合割合のようにイ
ソホロンに溶解させたものを用いた。この印刷インキを
用いて実施例1と同様にアルミニウム板1上に印刷し、
図1に示す印刷層2の形成されたアルミニウム板1を空
気中で予熱した以外は実施例1と同様に透明フィルム3
を熱融着させて作製した樹脂積層アルミニウムを本発明
品6として得た。 ポリジメチルシロキサン系樹脂 100重量部 (信越化学製KR−271) 弁柄 40重量部 コロイダルシリカ 5重量部 イソホロン 150重量部
【0052】実施例7 本実施例では、印刷インキとして、下記配合割合の配合
物をインキミルによって分散、混練してインキ組成物を
調製したものを用いた。このインキ組成物におけるイン
キベース樹脂としては、ポリエーテルサルフォン系樹脂
(住友化学製5003P)を下記配合割合のようにジメ
チルアセトアミドに溶解させたものを用いた。この印刷
インキを用いて実施例1と同様にアルミニウム板1上に
印刷し、図1に示す印刷層2の形成されたアルミニウム
板1を空気中で予熱した以外は実施例1と同様に透明フ
ィルム3を熱融着させて作製した樹脂積層アルミニウム
を本発明品7として得た。 ポリエーテルサルフォン 100重量部 (住友化学製5003P) 焼成グリーン 50重量部 コロイダルシリカ 10重量部 ジメチルアセトアミド 150重量部
【0053】比較例1 本比較例では、実施例1の印刷インキを用いて透明フィ
ルム上に実施例1と同一の印刷パターンの印刷を行った
後、この印刷面を内側にして実施例1で用いたアルミニ
ウム板1の粗面側に実施例1と同様に透明フィルムを熱
融着して作製した樹脂積層アルミニウムを比較品1とし
て得た。
【0054】比較例2 本比較例では、実施例1のアルミニウム板1の表面をR
a0.3μmの粗面に調整した以外は実施例1と同様に
作製した樹脂積層アルミニウムを比較品2として得た。
次いで、本発明品1〜4及び比較例1、2を用いて、印
刷位置精度、印刷層及び透明フィルムの密着性、屋外に
所定期間曝露した場合における密着性についての試験を
それぞれ下記要領で行い、それぞれの試験結果及び評価
を下記表1に示した。下記表1に示した結果及び評価に
よれば、印刷位置精度、密着性、耐熱性のいずれにおい
ても本発明品1〜4が比較品1、2よりも優れているこ
とが判る。
【0055】〔印刷位置精度及び評価〕1250×25
00mmのアルミニウム板または樹脂フィルムに1200
×2400mmの大きさで100mm角の格子をスクリーン
印刷し、アルミニウム板に樹脂フィルムを熱融着した
後、印刷された格子模様が、融着前と比較して最大限位
置ズレしたポイントの位置ズレ寸法を測定する。この位
置ズレ寸法の程度によって印刷位置精度の評価を行っ
た。
【0056】〔密着性試験及び評価〕本試験は、積層樹
脂アルミニウムを実際使用する場合に行われる曲げ加
工、絞り加工を想定して開発された試験で、通常行われ
ている密着性評価よりも条件を厳しくしたものである。
この試験が完全にないと曲げ部分に浮きが生じたり、剥
離が生じたりする。この試験は、カッターナイフによっ
て100マスの碁盤目の切り込みを入れ、その部分の裏
側から絞り深さ5mmのエリクセン絞りを行って試験片を
作製する。この試験片を沸騰水で8時間、−20℃下で
16時間を1サイクルとする試験を7サイクル行い、そ
の後、碁盤のテープによって剥離試験を行って残ったマ
ス目を記録し、残ったマス目の数によって密着性の評価
を行った。
【0057】〔屋外曝露密着性試験及び評価〕本試験
は、試験片をフィルム面を外側にして90度折り曲げ、
この試験片を屋外に36ケ月曝露した後、この試験片の
折り曲げ部分に浮き、剥離が有るか否かによって密着性
の評価を行った。
【0058】〔耐熱変色試験及び評価〕本試験は、この
試験片の印刷層及び樹脂フィルムの変色の有無を視認し
てその評価を行った。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の樹脂積層アルミニウムは、アル
ミニウム表面に、樹脂フィルムの熱融着による悪影響を
受けない所望の印刷層の形成されたもので、任意の図柄
等を精度よく表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の樹脂積層アルミニウムの一実施
例を拡大して示す断面図である。
【図2】図2a、b、及びcはそれぞれ本発明の樹脂積
層アルミニウムの形成に好適なアルミニウム表面の断面
曲線の具体例を示す線図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板 1’粗面 2 印刷層 3 透明フィルム(樹脂フィルム)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−292137(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム表面にブラスト処理でJI
    S B 0601による中心線平均粗さ(Ra)が0.
    5〜10.0μmで、十点平均粗さ(Rz)が1.0〜
    30.0μmの中間粗面を形成した後、電解エッチング
    処理により、JIS B 0601による中心線平均粗
    さが1.0〜30.0μmで、十点平均粗さが1.0〜
    100μmの粗面を形成し、次いで、該アルミニウム表
    面に印刷層を形成した後、該印刷層の形成されたアルミ
    ニウム表面に樹脂フィルムを熱融着してなることを特徴
    とする樹脂積層アルミニウム。
  2. 【請求項2】 上記印刷層が、フッ素系樹脂またはイミ
    ド系樹脂をインキベース樹脂とするインキ樹脂組成物で
    形成されている、請求項1に記載の樹脂積層アルミニウ
    ム。
  3. 【請求項3】 上記樹脂フィルムが、メルトフロー・イ
    ンデックス10〜500mm/秒のフッ素樹脂フィル
    ムである、請求項1または2記載の樹脂積層アルミニウ
    ム。
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