JP2998757B1 - 酸化物超電導線材およびその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材およびその製造方法

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Abstract

【要約】 【課題】高い臨界電流密度を有する長尺の酸化物超電導
線材を作製する。 【解決手段】直径Dの丸形状芯材に、直径Dより小さ
な、直径または外接円の直径がdである、横断面が丸形
状または多角形状の酸化物超電導粉末が充填された金属
被覆線材を螺旋状に巻き付け、縮径加工して酸化物超電
導線材を作製する。あるいは、酸化物超電導粉末が充填
された横断断が丸形状または多角形状金属被覆線材を丸
形状芯材に螺旋状に巻つけ、その外側に金属被覆を行
い、さらに、縮径加工を行い酸化物超電導線材を作製す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い臨界電流密度
を有する長尺の酸化物超電線材を製造するための技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物超電導線材は、超電導マグネッ
ト、超電導ケーブルなどへの応用が期待され、特に、テ
ープ状の金属被覆した酸化物超電導線材は高い臨界電流
密度が得られることから、開発が行われている。
【0003】酸化物超電導材料を金属被覆した酸化物超
電導線材において、高い臨界電流密度を持つ線材を作製
しようとした場合、酸化物超電導材料の特性から、酸化
物超電導線材中の超電導部分である超電導フィラメント
を厚みに比べ、幅が大きい、アスペクト比の大きな、偏
平な形状に圧縮加工する必要がある。
【0004】このように酸化物超電導線材は、ロール等
による圧延加工によりテープ状線材とするため、最終横
断面形状において丸形状の酸化物超電導線材が必要な場
合、高い臨界電流密度を得るため、圧延加工によりテー
プ状線材とした後、酸化物超電導線材を直状で金属パイ
プに挿入する方法、または、圧延加工によりテープ線材
とした酸化物超電導線材を芯材に螺旋状に巻き金属管に
挿入する方法が用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
方法において長尺の線材を作製する場合、横断面が丸形
状の酸化物超電導線材を作製後、伸線加工が施される。
しかし、伸線加工を施すと超電導フィラメントあるいは
それを支持する金属部は、断面形状を維持したまま相似
形状で縮径され、挿入されたテープ状の酸化物超電導線
材中の超電導フィラメントは、偏平になるような圧縮加
工はされず、高い臨界電流密度が得にくい。
【0006】また、圧延加工されたテープ状の酸化物超
電導線材を直状で金属パイプに挿入したり、芯材に螺旋
状に巻く方法では、その後の伸線加工過程においてテー
プ状酸化物超電導線材が伸線方向に引き伸ばされるた
め、テ―プ状の酸化物超電導線材中の酸化物超電導粉末
が伸線方向に流動し、挿入前の圧延加工により配向した
酸化物超電導体組織が乱れたり、テ―プ状の酸化物超電
導線材中の酸化物超電導粉末密度の疎密が生じやすく、
挿入前の圧延加工の効果が薄れるため、高い臨界電流密
度が得にくいという問題点があった。
【0007】従って、本発明の目的は、酸化物超電導線
材の作製において、ロール等による圧延加工を必要とせ
ず、伸線加工などの縮径加工だけでアスペクト比の大き
い超電導フィラメントを持つ、高臨界電流密度を有する
長尺の酸化物超電導線材およびその製造方法を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化物超電導
粉末が充填された、横断面が丸形状または多角形状の金
属被覆線材を丸形状芯材に螺旋状に巻つけ、伸線加工な
どの縮径加工により作製される酸化物超電導線材におい
て、前記金属被覆線材の直径または外接円の直径dが、
丸形状芯材の直径Dより小さくすることで上記の目的を
達成する。すなわち、丸形状芯材は、縮形加工により全
長が増大する一方、巻き付けられた前記金属被覆線材
は、スプリングが伸びるように形状が縦長となっていく
ため、全長が増大することなく、伸線方向に変形して行
き、金属被覆線材の巻き間隔が広がっていく。この時、
前記金属被覆線材はこの隙間を埋めるよう変形され、し
だいにテープ形状となっていく。
【0009】前記金属被覆線材の直径または外接円の直
径dは丸形状芯材の直径Dの40%以下(d≦0.4
D)であることが好ましい。
【0010】さらに、本発明は、酸化物超電導粉末が充
填された、直径または外接円の直径がdである、横断面
が丸形状または多角形状の金属被覆線材を直径Dの丸形
状芯材に螺旋状に巻つけ、丸形状芯材の線径が、(D・
d/π)0.5以下になるまで縮径加工を行うことを特徴
とする。
【0011】また、酸化物超電導粉末が充填された、直
径または外接円の直径がdである、横断面が丸形状また
は多角形状の金属被覆線材を直径Dの丸形状芯材に螺旋
状に巻つけ、縮径加工する工程中、丸形状芯材の直径
が、(D・d/π)0.5より大きい段階で熱処理を施
し、その後、芯材径が、(D・d/π)0.5以下になる
まで縮径加工をした後、再度、熱処理を施すことを特徴
とする。
【0012】また、前記金属被覆線材を丸形状芯材に螺
旋状に巻つけ、その外側に金属被覆を行い、さらに、縮
径加工を行うことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、金属シース1に酸化物超電導粉末2が充
填された丸形状金属被覆線材3の断面図である。図2
は、金属シース4に酸化物超電導粉末5が充填された多
角形状金属被覆線材6の断面図である。また、図3は、
丸形状または多角形状の金属被覆線材8が丸形状芯材7
に螺旋状に巻つけられた集合体の模式図である。
【0014】この丸形状芯材7に金属被覆線材8を螺旋
状に巻き付けた集合体9を伸線加工などにより縮形加工
を行う。
【0015】この際、丸形状芯材7は、縮形加工により
断面積が減少し、全長が増大する。一方、金属被覆線材
8は、スプリングが伸びるように加工され、線材そのも
のの長さは変化せず、断面形状が縦長となっていく。金
属被覆線材中の酸化物超電導粉末は長手方向に流動せ
ず、密度の疎密が生じにくい。図4の縮径加工されてい
る金属被覆線材の模式図に示すように、金属被覆線材8
は、全長が増大することなく、伸線方向に変形していく
ため、金属被覆線の巻き間隔が広がっていく。さらに、
金属被覆線材が縮径加工されていくと、図5に示すよう
に金属被覆線材8は、この隙間を埋めるよう変形され、
しだいにテープ形状となっていく。
【0016】金属被覆線材8のこのような挙動は、金属
被覆線材8がほぼ直状になるまで継続することができ
る。
【0017】直径D、長さLの丸形状芯材に直径dの丸
形状金属被覆線材を巻きつけた場合、巻かれた丸形状金
属被覆線材の総長は、芯材の円周(D・π)と巻き回数
(L/dより、D・π・L/dであり、巻き付けられた
金属被覆線材は、全長がD・π・L/dになるまで、縮
径加工しても無理なく伸びることができる。
【0018】この時、丸形状芯材も同じ長さまで伸びる
が、縮径加工により断面積の減少を伴う。集合体の全長
がD・π・L/dになった時の芯材直径は、体積一定の
関係より、縮径加工後の丸形状芯材の直径をD’を用
い、(D/2)2・π・L(伸線前の芯材体積)=(D’
/2)2 ・π・(D・π・L/d)(伸線後の芯材体
積)の関係より、縮径加工後の丸形状芯材の直径は、
D’=(D・d/π)0.5となる。この時、丸形状芯材
7と金属被覆線材8の集合体である酸化物超電導線材1
0の構造は、図6のような丸形状芯材にテープ状の金属
被覆線材が縦添えされたように巻つけられた形態とな
る。
【0019】丸形状または多角形状の金属被覆線材の直
径または外接円の直径dが丸形状芯材の直径Dに比べ小
さくないと、丸形状または多角形状の金属被覆線材の長
さ(D・π・L/d)が短くなり、上記の効果が得られ
る縮径加工後の酸化物超電導線材の長さが短くなる。
【0020】幅および厚さの比(アスペクト比)が大き
い、例えばテープ状の金属被覆線材を芯材に巻き付けて
縮径加工した場合、幅方向への変形の度合が小さくな
り、上記の効果が薄くなる。このため、芯材に巻き付け
る酸化物超電導粉末を充填した金属被覆線材は、丸形状
あるいは多角形状の線材が望ましい。
【0021】また、テープ状に変形された、芯材に巻き
付ける酸化物超電導粉末を充填した金属被覆線材の幅
は、縮径加工された丸形状芯材の円周長(D’・π)と
ほぼ等しくなり、D’=(D・d/π)0.5の関係よ
り、縮径加工後の金属被覆線材の幅(W)は、W=D’
・π=(D・d・π)0.5となる。
【0022】さらに、縮径加工後、テープ状となった金
属被覆線材の厚みをTとすると、体積一定の関係より、
π・(D/2)2・D・π・L/d(縮径加工前の巻線の
体積)=(D・π・L/d)・W・T(縮径加工後の巻
線の体積)となり、T=(d2/4)・(π/D/d)
0.5となる。
【0023】一般的に、圧延加工によって得られるテー
プ状の酸化物超電導線材の場合、そのアスペクト比(幅
/厚み)が10以上である時に高い臨界電流密度が得ら
れやすい。
【0024】本方法の金属被覆線材の幅/厚み(アスペ
クト比)は、W/T=4D/dの関係より、本方法で、
アスペクト比≧10を得るためには、dがDの40%以
下(d≦4/10D)であることが望ましい。
【0025】このように集合体を縮径加工した後、丸形
状または多角形状金属被覆線材は、幅が(π・D・d)
0.5、厚みが(d2/4)・(π/D/d)0.5のテープ
形状となる。
【0026】集合体の全長がD・π・L/dになった
時、丸形状芯材の直径は、(D・d/π)0.5となる。
丸形状芯材がこの直径になるまで、金属被覆線材は、圧
延的作用を受ける。このため、より高い臨界電流密度を
得るためには、丸形状芯材の直径を目安にし、丸形状芯
材の直径が(D・d/π)0.5以下になるまで集合体を
縮径加工することが望ましい。
【0027】また、酸化物超電導体を用いた圧延により
作製したテープ形状の線材の場合、高い臨界電流密度を
得るために、圧延後、超電導体を内部に形成するよう熱
処理を施し、その後、内部に形成された超電導材料を配
向させるため、再度、ロール等による圧延を行い、さら
に熱処理を行う工程がとられている。
【0028】本発明においては、縮径加工を行っても金
属被覆線材の長さが変化せず、伸線方向に変形していく
間は、金属被覆線材は、均一にテープ形状に加工され
る。このような、圧延的作用が効いている内、すなわち
芯材径が、(D・d/π)0.5になるまでに集合体に熱処
理を加え、その後、伸線加工し、芯材径が、(D・d/
π)0.5以下になるよう集合体を伸線することにより、
均一に金属被覆線材を加工することができ、さらに、再
度、熱処理を行うことにより、高臨界電流密度を有する
酸化物超電導線材を得ることができる。
【0029】また、酸化物超電導粉末11を金属シース
12に充填した金属被覆線材8の直径または外接円の直
径dが大きい場合、金属被覆線材8を丸形状芯材7に螺
旋状に巻き付けた集合体の外側の凹凸が大きくなり、ス
ムーズな縮径加工が行われないこともある。金属被覆線
材8の外側にさらに金属管13などを被覆することで、
凹凸のない集合体にすることができ、均一に金属被覆線
材8を縮径加工することができる。
【0030】この時、前記の金属被覆線材8の長さ、
幅、厚み、アスペクト比、丸形状芯材の直径の目安等は
外側の金属管13の被覆の有無にかかわらず、同じ関係
を維持でき、図7に示す断面の酸化物超電導線材14を
得ることができる。このように作製した酸化物超電導線
材は、より均一な加工を行うことができ、高い臨界電流
密度を得ることができる。以下、実施例により本願発明
をより詳細に説明する。
【0031】
【実施例】実施例1 Bi23、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOを用
いて、Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.8:0.
3:1.9:2.0:3.0の組成比になるように配合
した。配合した粉末に、800℃から900℃の間の熱
処理および粉砕を複数回行った。得られた粉末をボール
ミルで粉砕し、粉末を得た。この粉末を外径10mm、
内径8mmの銀パイプに充填し、引き抜き加工を行い、
直径dが8mm、5mm、3mm、1mm、0.8mm
および0.5mmの丸形状金属被覆線材(試料1−1〜
1−6)を得た。また、同様に粉末を正方形状断面の銀
パイプに充填し、引き抜き加工により、外接円の直径が
8mm、5mm、3mm、1mm、0.8mmおよび
0.5mmの正方形状断面の金属被覆線材(試料1−7
〜1−12)を得た。なお、比較のため、粉末を銀パイ
プに充填し、引き抜き加工を行い、ロール圧延により幅
4mm、厚さ0.2mmおよび幅4mm、厚さ0.4m
mのテープ状線材(試料1−13および試料1−14)
を作製した。
【0032】得られた金属被覆線材およびテープ状線材
(試料1−1〜試料1−14)を、それぞれ、直径Dが
6mm、長さ1mの銀製丸棒の丸形状芯材に螺旋状に巻
つけ、集合体を作製し、外径1.2mmまで伸線加工を
行った。各集合体を大気中840〜850℃、50時間
の熱処理を行い、さらにこの熱処理を行った集合体を再
度、外径1.0mmまで伸線加工し、さらに大気中84
0〜850℃、50時間の熱処理を行った。これらの酸
化物超電導線材およびテープ状線材の臨界電流密度を直
流4端子法により液体窒素中で測定した。測定結果を表
1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1より、横断面が丸形状および多角形状
の金属被覆線材を丸形状芯材に巻き付け、縮径加工した
酸化物超電導線材は、金属被覆線材の線径または外接円
の直径が丸形状芯材の直径より小さい場合に、5,00
0A/cm2以上の高い臨界電流密度が得られることが
判った。さらに、金属被覆線材の線径または外接円の直
径が丸形状芯材の直径より、40%以下である、直径あ
るいは外接円の直径が2mm、1mm、0.8mmおよ
び0.5mmの場合、さらに高い臨界電流密度が得られ
ることが判った。また、直径または外接円の直径が1m
mおよび0.8mmの試料において、金属被覆線材がよ
り均一に加工され、より高い臨界電流密度が得られるこ
とが判った。なお、試料13および試料14のテープ状
線材の場合は、横断面が丸形状あるいは多角形状金属被
覆線を用いる場合に比べ、高い臨界電流密度が得にくい
ことが判った。
【0035】実施例2 Bi23、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOを用
いて、Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.8:0.
3:1.9:2.0:3.0の組成比になるように配合
した。配合した粉末に、800℃から900℃の間の熱
処理および粉砕を複数回行った。得られた粉末をボール
ミルで粉砕し、粉末を得た。この粉末を外径10mm、
内径8mmの銀パイプに充填し、引き抜き加工を行い、
直径dが1mmの丸形状金属被覆線材を得た。得られた
金属被覆線材を直径Dが6mm、長さ1mの銀製丸棒の
丸形状芯材に螺旋状に巻つけ、集合体を作製し、第1の
伸線加工を行い、丸形状芯材の直径が3.0mm、2.
0mm、1.5mmおよび1.0mmの試料2−1から
試料2−4を作製し、各集合体を大気中840〜850
℃、50時間の熱処理を行った。
【0036】さらに、この熱処理を行った集合体を再
度、第2の伸線加工を行い、その後、大気中840〜8
50℃、50時間の熱処理を行った。これらの酸化物超
電導線材の臨界電流密度を直流4端子法により液体窒素
中で測定した。測定結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2より、最終形状において、丸形状芯材
の直径が、(D・d/π)0.5 =(6・1/3.14)
0.5mm=1.38mm以下まで伸線加工した酸化物超
電導線材において、高い臨界電流密度が得られることが
判った。また、第1の伸線後の丸形状芯材の直径が1.
38mm以上の線材に熱処理をし、さらに第2の伸線加
工および熱処理を行い、丸形状芯材の直径を1.38m
m以下とした試料2−3−2〜試料2−3−4におい
て、高い臨界電流密度が得られた。均一加工の点から試
料2−3−2〜試料2−3−3において、より高い臨界
電流密度が得られた。
【0039】縮径加工を行っても金属被覆線材の長さが
変化せず、伸線方向に変形していく間は、金属被覆線材
は、均一にテープ形状に加工される。このような、圧延
的作用が効いている内、すなわち芯材径が、(D・d/
π)0.5以下になるまで均一な加工ができることが判っ
た。また、芯材径が、(D・d/π)0.5以下になる前
まで伸線加工および熱処理を行った後、さらに、芯材径
が、(D・d/π)0.5以下になるまで伸線加工し、さ
らに再度熱処理を行うことにより、高臨界電流密度を有
する酸化物超電導線材を得ることが判った。
【0040】実施例3 Bi23、PbO、SrCO3、CaCO3、CuOを用
いて、Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.8:0.
3:1.9:2.0:3.0の組成比になるように配合
した。配合した粉末に、800℃から900℃の間の熱
処理および粉砕を複数回行った。得られた粉末をボール
ミルで粉砕し、粉末を得た。この粉末を外径10mm、
内径8mmの銀パイプに充填し、引き抜き加工を行い、
直径dが1.0mmの丸形状金属被覆線材を得た。得ら
れた丸形状金属被覆線材を、それぞれ、直径Dが6m
m、長さ1mの銀製丸棒の丸形状芯材に螺旋状に巻つ
け、集合体を得た。
【0041】集合体の外側に、さらに内径8mm、外径
10mmの銀管を被せた集合体を作製した。伸線加工を
行う際に、集合体の長さを目安に加工してもよいが、断
線等がおこる場合もあるので、長さを目安にすることは
望ましくないため、伸線加工において、丸形状芯材の直
径D’が、(D・d/π)0.5 =(6・1/3.14)
0.5mm=1.38mmになる時点を目安に伸線加工
し、丸形状芯材の直径が1.3mm、集合体の外径が
2.16mmになるまで伸線し、大気中で、840〜8
50℃、50時間の熱処理を行った。次に、丸形状芯材
の直径が1.5mm、集合体の外径が、2.5mmにな
るまで伸線した。この外径2.5mmの集合体に、大気
中840〜850℃、50時間の熱処理を施し、その
後、さらに伸線し、丸形状芯材の直径1.3mm、外径
2.16mmまで再度、伸線し、再び大気中で、840
〜850℃、50時間の熱処理を行った。この線材の断
面形状を調査したところ、丸形状芯材の直径は、1.3
mm、金属被覆線材の幅は、4.1mm、厚みは、0.
18mmで丸形状芯材を囲むように配置され、 アスペ
クト比は22.7となっていた。この酸化物超電導線材
の臨界電流密度を直流4端子法によって液体窒素中で測
定した結果、臨界電流密度は、12,000A/cm2
であった。
【0042】金属被覆線材の外側にさらに金属管などを
金属被覆することで、凹凸のない集合体にすることがで
き、均一に金属被覆線材を縮径加工することができ、高
臨界電流密度を有する酸化物超電導線材を得ることが判
った。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明において、酸化物
超電導線材の作製において、ロール等による圧延加工を
必要とせず、伸線加工などの縮径加工だけで、アスペク
ト比の大きい超電導フィラメントを持つ酸化物超電導線
材を作製することができ、粉末密度の疎密の乱れを防
ぎ、圧延効果を保ち、高い臨界電流密度の酸化物超電導
線材を供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属シースに酸化物超電導粉末が充填された丸
形状金属被覆線材の断面図である。
【図2】金属シースに酸化物超電導粉末が充填された多
角形状金属被覆線材の断面図である。
【図3】丸形状または多角形状の金属被覆線材が丸形状
芯材に螺旋状に巻き付けられた集合体の模式図である。
【図4】縮径加工されている金属被覆線材の模式図であ
る。
【図5】図4の金属被覆線材が、さらに縮径加工されて
いる金属被覆線材の模式図である。
【図6】図5の金属被覆線材が、さらに縮径加工された
金属被覆線材と丸形状芯材の集合体の模式図である。
【図7】金属被覆線材を丸形状芯材に巻つけ、その外側
に金属管の被覆を行い、さらに縮径加工された酸化物超
電導線材の断面図である。
【符号の説明】
1金属シース 2酸化物超電導粉末 3丸形状金属被覆線材 4金属シース 5酸化物超電導粉末 6多角形状金属被覆線材 7丸形状芯材 8金属被覆線材 9金属被覆線材が丸形状芯材に螺旋状に巻き付けられた
集合体 10酸化物超電導線材 11酸化物超電導粉末 12金属シース 13金属管 14酸化物超電導線材

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超電導粉末が充填された横断面が丸
    形状または多角形状の金属被覆線材を丸形状芯材に螺旋
    状に巻つけ、縮径加工により作製される酸化物超電導線
    材において、前記金属被覆線材の直径または外接円の直
    径dが、丸形状芯材の直径Dより小さいことを特徴とす
    る酸化物超電導線材
  2. 【請求項2】前記金属被覆線材の直径または外接円の直
    径dが、丸形状芯材の直径Dの40%以下であることを
    特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材
  3. 【請求項3】酸化物超電導粉末が充填された、直径また
    は外接円の直径がdである、横断面が丸形状または多角
    形状の金属被覆線材を直径Dの丸形状芯材に螺旋状に巻
    つけ、丸形状芯材の直径が、(D・d/π)0.5以下に
    なるまで縮径加工することを特徴とする酸化物超電導線
    材の製造方法
  4. 【請求項4】酸化物超電導粉末が充填された、直径また
    は外接円の直径がdである、横断面が丸形状または多角
    形状の金属被覆線材を直径Dの丸形状芯材に螺旋状に巻
    つけ、縮径加工する工程中、丸形状芯材の直径が、(D
    ・d/π)0.5より大きい段階で熱処理を施し、その
    後、丸形状芯材の直径が、(D・d/π)0.5以下にな
    るまで縮径加工をした後、再度、熱処理を施すことを特
    徴とする請求項3に記載の酸化物超電導線材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記金属被覆線材を丸形状芯材に螺旋状に
    巻つけ、その外側に金属被覆を行い、縮径加工を行うこ
    とを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記
    載の超電導線材の製造方法。
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