JP2997972B2 - 穴加工工具及びその製造方法 - Google Patents

穴加工工具及びその製造方法

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晃 市田
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東京タングステン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ドリル,ドリルブッシ
ュ,リーマー,エンドミル等の穴加工工具及びその製造
方法に関し,詳しくは,半導体基板等の穴加工等に用い
る穴加工工具及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,半導体基板,PCB基板等の穴加
工工具として,ドリル,ドリルブッシュ,リーマー,エ
ンドミル等が用いられている。これらの工具には,高強
度,高靭性超硬合金が使用されている。これらの超硬合
金は,WC−Co系合金を基にするものであり,用途に
応じて種々の添加物が含有され,その特性が検討されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,これら
の高靭性超硬合金からなる穴加工工具として,高温硬度
が優れ,且つ曲り難いという両者をともに兼ね備えたも
のが得られておらず,加工精度や,寿命のいずれも満足
するに至っていない。
【0004】例えば,PCB基板等に穿穴する際には,
従来の超硬合金を用いたドリルでは,ドリルの刃自体が
500〜700℃位にまで,温度上昇する為に,折損し
たり,折曲がりが生じたりして,不具合があった。
【0005】そこで,本発明の技術的課題は,高温にお
いても硬度を保持し,且つ靭性を有するとともに,経済
的な穴加工工具及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,刃部と
保持部とを有する穴加工工具において,少なくとも刃部
にCVD法によって形成された炭化タングステン被覆層
を有し,前記炭化タングステン被覆層以外の基材部分
は,Cr3 2 を含有する超硬合金によって形成され,
前記炭化タングステン被覆層は,前記炭化タングステン
被覆層以外の基材部分よりも高温硬度が高いことを特徴
とする穴加工工具が得られる。ここで,本発明におい
て,穴加工用工具とは,ドリル,ドリルブッシュ,リー
マー,エンドミル等の穴加工に用いられる工具を呼ぶ。
【0007】
【0008】また,本発明によれば,Cr 3 2 を含有
する超硬合金によって構成され,刃部と保持部を形成す
る基材を用意し,少なくとも刃部を形成する基材の表面
に,タングステンハロゲン化合物ガス及び炭化水素ガス
を含む原料ガスによるCVDによって炭化タングステン
被覆層を形成することを特徴とする穴加工工具の製造方
法が得られる。
【0009】ここで,本発明において,穴加工工具の少
なくとも刃部に形成する炭化タングステン被覆層は,タ
ングステンのハロゲン化合物,例えば,WF6 と炭素源
となる有機物,例えば,ベンゼン,トルエン等を水素還
元法により概ね700〜950℃で反応させて生成す
る。
【0010】また,本発明において,炭化タングステン
層は,WC及びW2 Cのうちのいずれでも良いが,特に
靭性を要求される部分には,WC層が好ましく,一方,
硬度のみを要求される部分には,被覆が容易なW2 C層
でも良い。というのは,硬度はWC被覆した場合より
も,W2 C被覆した場合の方が大きいためである。
【0011】また,本発明では,所望の穴加工工具の形
状に加工した後の超硬合金に,炭化タングステンを被覆
して,この穴加工工具に高温での硬度を付与するととも
に,半導体基板やPCB基板等に対する加工精度を向上
させたものである。そして,この穴加工工具によれば,
ダイヤモンドに比べて明らかに低廉で且つほぼ所望の特
性が確保できる。
【0012】
【実施例】以下,本発明の実施例について,図面を参照
して説明する。
【0013】図1は本発明の実施例に係る穴加工工具の
形状を示す断面図である。図1の例は,穴加工工具とし
て,マイクロドリル10を示している。このマイクロド
リル10は,円柱形状で中心軸方向中央部寄りに円錐面
を有する保持部1と,この円錐面の頂点から中心軸方向
に沿ってのびる刃部2とを備え,この刃部2の先端は尖
っている。この刃部2の表面には,CVDによるWC被
覆層6が形成されている。
【0014】WC被覆層6以外の工具形状の基材部分
は,Cr3 2 を含むWC−Co系合金(以下,母材と
呼ぶ)からなり,焼結合金中のWC粒子の粒径が,0.
5〜0.8mmであることが好ましい。また,表面のWC
被覆層6は,WC粒子が厚み方向に2〜4個整列した長
さに相当する1〜3μmの厚みに形成されている。この
WC被覆層6の厚みが1〜3μmとした理由は,WC被
覆層6が厚くなれば,刃部2の曲がりも無く都合が良い
が,靭性が失われるため,不具合を生じるので1〜3μ
mという薄い厚さとした。
【0015】また,一般に超硬合金からなる母材であれ
ば,刃部2のエッジも鋭くすることは容易であるが,本
発明のようにCVDで形成したWC被覆層6の場合は若
干劣る。
【0016】しかし,通常の超硬合金では,元々早期に
刃部2の極突端は,磨滅しやすいが,本発明の実施例に
よれば,WC被覆層形成後の磨耗が大幅に改善されるの
で,この穴加工工具を用いると穴開け精度が実質的に改
善される。このように,母材の刃部にWC被覆層6を形
成することで,ミニドリルの刃部自体の曲りが改善さ
れ,その結果として,基板等に設けた穴の直芯性も改善
された。
【0017】次に上記した穴加工工具を製造する方法に
ついて説明する。
【0018】重量で,10%Co,1%Cr3 2
0.5%TaC,0.2%VC,残部WCからなる組成
を有するWC−Co系超硬合金を用意し,図1で示す形
状に加工して母材を得た。一方,反応槽をArガスで十
分置換し,さらに母材表面をアセトン等で清浄して,油
脂等の付着がない状態にした。反応槽に母材が挿入され
るが,この母材の保持部1は,鋼等で固定され,中心軸
に沿って回転される。次に,WF6 80cc/ 分,H2
20cc/ 分,Ar50cc/ 分,C7 8 270cc/ 分の
ガス比で,約875℃で約10分間反応させ,母材の刃
部に2μmのWC層6を被覆形成した。
【0019】母材のみでは,抗折力(TRS)400 k
g/mm2 で,ロックウエル硬度(HRa)は93.0であ
ったが,得られたWC層6を有する工具は,HRaにつ
いては94.0に向上し,ヤング率については6700
0kg/ mm2 に達した。また,本発明の実施例に係る加工
工具の高温硬度は,表1に示す通りであった。
【0020】
【表1】
【0021】上記表1に示すように,本発明の実施例に
係る穴加工工具は,従来の被覆を施さない,母材のみの
合金に比べて,室温での硬度及び高温での硬度が共に優
れていることが判明した。
【0022】また,図2は,本発明の実施例に係る加工
工具の磨耗量の測定方法を示す図である。図2で示すよ
うに,磨耗量は,加工前のドリル刃の直径d0 から,加
工後のドリル刃の直径dを減じた値(d0 −d)で示さ
れる。
【0023】本発明の実施例に係る加工工具の磨耗量を
調べるために,刃部の径が0.6mmのドリルを用い,
1.6mm×3の寸法を有する基板を,80000rpm の
回転速度で,軸方向に2.0m/分の送りスピードで穴
開けした。その結果を図3に示す。図3の縦軸は磨耗
量,横軸はヒット数を夫々示している。図示のように,
本発明の実施例に係る加工工具は,ダイヤモンドを使用
した超硬合金工具には及ばないが,従来例に係る加工工
具よりも磨耗量が少なく,穴開け加工の寿命が1.4倍
と長くなった。
【0024】尚,本発明の実施例においては,炭化タン
グステン層として,CVDによるWC被覆層を用いた
が,W2 C被覆層も条件を適宜調節することによって,
同様に形成することができる。
【0025】
【発明の効果】以上,説明したように,本発明によれ
ば,Cr3 2 を含有する超硬合金からなる基材の刃部
をCVD法による炭化タングステン被覆層で被覆するこ
とによって,前記炭化タングステン被覆層以外の基材部
分よりも高温硬度が高い刃部を有するとともに,高靭性
を有し,且つ安価な穴加工工具及びその製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に実施例に係る穴加工工具の母材の形状
を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例に係る穴加工工具の磨耗量の測
定方法を示す図である。
【図3】図2の測定方法による磨耗量の測定結果を示す
図である。
【符号の説明】
1 保持部 2 刃部 5 刃部先端 6 WC被覆層 10 マイクロドリル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23P 15/28,15/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刃部と保持部とを有する穴加工工具にお
    いて,少なくとも刃部にCVD法によって形成された炭
    化タングステン被覆層を有し,前記炭化タングステン被
    覆層以外の基材部分は,Cr3 2 を含有する超硬合金
    によって形成され,前記炭化タングステン被覆層は,
    記炭化タングステン被覆層以外の基材部分よりも高温硬
    度が高いことを特徴とする穴加工工具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の穴加工工具において,前
    記炭化タングステン被覆層は,WC及びW2 Cの少なく
    とも一種からなることを特徴とする穴加工工具。
  3. 【請求項3】 Cr 3 2 を含有する超硬合金によって
    構成され,刃部と保持部を形成する基材を用意し,少な
    くとも刃部を形成する基材の表面に,タングステンハロ
    ゲン化合物ガス及び炭化水素ガスを含む原料ガスによる
    CVDによって炭化タングステン被覆層を形成すること
    を特徴とする穴加工工具の製造方法。
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