JP2997707B2 - 基材上へのジルコニア被膜の形成法 - Google Patents

基材上へのジルコニア被膜の形成法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属、ガラス及び石英などの無機基材上への
ジルコニア被膜の形成法に関するものであり、詳しく
は、例えば、ステンレス板などの無機基材の表面に均一
なジルコニア被膜をコーティングするための方法に関す
るものである。
[従来技術とその欠点] 各種の無機基材の耐アルカリ性の向上、耐熱性や耐蝕
性の改善、更に、電気的特性の制御などを目的として、
無機基材の表面にジルコニア被膜を形成させることが考
えられる。また、合成樹脂基材の機能性を高めるため
に、同様にジルコニア被膜を形成させる方法が考えられ
る。これらの基材表面にジルコニア被膜を形成させる方
法として、例えば、水和ジルコニアゾルを利用し、これ
を基材上にコーティングする方法が考えられる。そし
て、ジルコニア被膜の形成に際しては、ピンホールがな
い上、全面に亘り均一な厚さを有し、しかも基材への密
着性が良好であることが望ましい。ところが、上述の水
和ジルコニアゾルを利用する方法によって基材上にジル
コニア被膜を形成させた場合、ピンホールがなく、基材
への密着性に優れた被膜を得ることは難しかった。
[発明の課題と解決手段] 本発明は上記実情に鑑み、水和ジルコニアゾルを利用
して、これを基材表面上に良好に密着させ、ピンホール
のない均一なジルコニア薄膜を形成させる方法について
鋭意検討を重ねたところ、特定の水和ジルコニアゾル中
に基材を浸漬処理後特定の引き上げ速度で基材を引き上
げ、しかも、その後、特定の加熱処理を施すことによ
り、良好なジルコニア被膜が形成させることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ゾル濃度が0.01〜5%
で、しかも、pHが5〜7.5である水和ジルコニアゾル中
に、予め、洗浄した基材を浸漬した後、ディッピング法
により前記基材を液面に対して垂直に0.1〜5mm/secの速
度で引き上げ、次いで、昇温速度6℃/min以下で170℃
以上の温度まで昇温し加熱処理することにより、基材表
面上にジルコニア被膜を形成させることを特徴とする基
材上へのジルコニア被膜の形成法に存する。
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
本発明においては、透明な水和ジルコニアのゾル中に
基材を浸漬処理するが、ここで用いられるゾルとして
は、通常、水性媒体、アルコール媒体又は水性アルコー
ル媒体中に水和ジルコニアゾル[ZrO(OH2)・xH2O,Zr
(OH)・xH2O,ZrO2・xH2O]が安定に分散しているゾ
ルであり、そのゾル濃度は、例えば、0.01〜5%、好ま
しくは、0.1〜3%である。そして、このゾルのpHは、
通常、5〜7.5程度であることが望ましい。ゾル濃度は
あまり低くすぎても高すぎても、基材表面上に良好な水
和ジルコニア層を形成することができない。又、ゾルの
pHが前記範囲外であると、処理する基材の表面が侵食さ
れる恐れがある。
このような水和ジルコニアのゾルの調製法としては、
特に限定されるものではないが、例えば、硝酸ジルコニ
ウム、硫酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、又は臭化
ジルコニウムなどのジルコニウム塩をアンモニアと接触
させ反応させることにより水和ジルコニアの沈澱を得、
次いで、この沈澱を解膠、安定化することにより水和ジ
ルコニアのゾルを得る方法が代表的である。この場合、
例えば、硝酸ジルコニウム[ZrO(NO3]とアンモニ
アとの反応により水和ジルコニアゾルを調製する方法を
例にとって説明するに、両者の反応は、通常、0.1〜1
重量%の硝酸ジルコニウムの希薄水溶液中に、該溶液の
pHが7.5〜8.0となるまで、アンモニア水を徐々に滴下す
ることにより行われる。この際の反応温度は、通常、0
〜10℃であり、反応温度が高いと水酸化ジルコニウムの
沈澱を良好に得ることができない。また、アンモニア水
の滴下速度は、できるだけゆっくりの方が望ましく、例
えば、10ml/分以下であることが好ましい。次いで、こ
こで得た水酸化ジルコニウムの沈澱を遠心分離した後、
この沈澱を解膠する。この解膠処理は、通常、0.5〜5
%の硝酸ジルコニウム水溶液中に、前記沈澱を添加し攪
拌処理することにより行なうことができる。解膠処理に
おける温度は、通常、70〜100℃、好ましくは80〜90℃
の温度で5〜60分、好ましくは10〜30分間保持した後、
室温まで冷却するのが望ましい。解膠処理により得られ
た水和ジルコニアゾルはpHが2以下と低いので、これを
透析によって溶液のpHを5以上とする。透析処理は前記
水和ジルコニアゾルをそのまま、又は、必要に応じて上
澄液のみを例えば、セロハンなどの透析膜のチューブ内
に仕込み、これを水媒体中に保持することにより行うこ
とができる。透析処理の温度は通常、室温でよく、その
処理時間は20〜30日程度である。このようにして本発明
で対象とする透明で、しかも、安定な水和ジルコニアゾ
ルを得ることができるが、更に場合によって、このゾル
を濃縮し所望のゾル濃度に調節してもよい。
また、別のジルコニウム溶液の調製法として、例え
ば、メタノールなどの低級脂肪族アルコール媒体中にテ
トラプロポキシジルコニウムなどのテトラアルコキシジ
ルコニウムを溶解した溶液に、水を含有する低級脂肪族
アルコールを徐々に滴下し加水分解反応を行なうことに
より水酸化ジルコニウムを生成させ、これよりジルコニ
アゾルを得る方法も挙げられる。
本発明において、上述のような水和ジルコニアゾルを
含む混合液中に、基材を浸漬しディッピング法によりそ
の表面にジルコニア被膜を形成させるが、本発明で対象
となる基材としては、通常、ステンレス、鉄板(冷間圧
延鋼板)、アルミニウム、銅などの金属製及びガラス、
石英などの無機質のものが挙げられ、なかでもステンレ
ス、ガラス及び石英が最も好適である。これら無機基材
の形状は特に限定されないが、通常、板状物が好まし
い。また、耐熱性を有する合成樹脂を基材とすることも
できる。
水和ジルコニアを被膜する無機基材は予め、その表面
を洗浄し脱脂しておく必要がある。この洗浄方法として
は、通常、ベンゼンなどの有機溶媒による洗浄、苛
性アルカリ水溶液による洗浄、硫酸などによる酸洗浄
及びこれらの組合せ、並びに水洗浄が挙げられる。これ
ら洗浄後の無機基材最終工程で十分に水洗浄し、次い
で、乾燥する必要がある。
基材を水和ジルコニアを含有する混合液中に浸漬する
場合、通常、基材はほぼ垂直に浸漬し、また、ほぼ垂直
に引き上げるのが好ましい。浸漬処理時の温度は、通
常、5〜40℃であり、この浸漬時間は、通常、10分以
上、好ましくは20分以上である。浸漬時間があまり短い
場合、基材の表面に均一なジルコニア被膜を形成させる
ことができず、また、あまり長くても効果に変りはな
い。この処理により、基材の表面に水和ジルコニアゾル
が密着する。
浸漬処理を終えた基材は該混合液中より引き上げる
が、この際の引き上げ速度は重要であり、本発明では液
面に対して垂直に0.1〜5mm/sec、好ましくは0.2〜3mm/s
ecの速度に調節する必要がある。要するに、基材の表面
に均一に密着したジルコニア成分をそのままの状態を保
ちながら引き上げる必要があり、そのためには制御され
た引き上げ速度が要求されるのである。
引き上げられた基材は。次いで、170℃以上の温度に
加熱することにより、ジルコニア成分を基材表面上に完
全に定着させ被膜を形成させる。この加熱時間が170℃
よりも低い場合には、強度及び密着性の面から良好なジ
ルコニア被膜を得ることができず、また、あまり高温だ
け基材が劣化するので、基材の耐熱性を考慮して決める
必要があるが、通常、基材が金属の場合には170〜300℃
程度である。また、加熱時間は、通常、170℃以上の温
度に達してから10〜60分程度である。本発明では、この
加熱処理の昇温速度が重要である。すなわち、急激な加
熱はジルコニア被膜の形成に悪影響を与えるので、常温
から170℃に至る昇温速度を6℃/min以下、好ましくは
2〜5℃/minに制御する必要がある。
このようにして表面にジルコニア被膜が形成された基
材を得ることができるが、このジルコニア被膜の厚さは
通常、0.3〜2ミクロンの範囲で調節可能である。ま
た、ジルコニア被膜の膜厚を厚くするために、上記した
ゾル中への浸漬処理、引き上げ及び加熱処理の一連の操
作を繰り返し実施しても差し支えない。
[発明の効果] 本発明の方法では、金属、ガラス及び石英などの基材
表面上に、ピンホールのない均一厚さを有するジルコニ
ア被膜を簡単に形成させることができる。また、このジ
ルコニア被膜の基材への密着強度は優れたものである。
従って、本発明で得られるジルコニア被膜を有する基材
は耐薬品性及び耐剥離性などに優れ、各種分野に利用価
値の高いものである。
[実施例] 次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の
記述に限定されるものではない。
実施例1 (水和ジルコニアゾルの調製) 0.3wt%硝酸ジルコニウム[ZrO(NO3]水溶液中
に、12.5vol%アンモニア水[NH4OH]を系内のpHが7.8
になるまで、5℃の温度で5〜6滴/分の速度で徐々に
滴下し水酸化ジルコニウムの沈澱を生成させた。
次いで、この沈澱を分離し、これを1wt%硝酸ジルコ
ニウム水溶液中に添加し5℃の温度で20分間攪拌し解膠
した後、速やかに85℃の温度に昇温し同温度で20分間攪
拌し、その後、これを室温まで冷却しゾル化した。この
ものには未解膠の水酸化ジルコニウム又は、水和ジルコ
ニアが存在するので、それを除くために、上記で得た混
合物を2500rpmにより20分間遠心分離操作を実施し、上
ずみのゾルを採取した。このゾルはpHが2又はそれ以下
であることや、硝酸塩の残留があるので、それを除く又
はpHを上げるためにそれをセロファンチューブに投入
し、これを蒸留水中に浸し、間欠又は連続流水により、
ゾルのpHが蒸留水のそれと同等となるまで透析を実施し
た。この透析は室温で、間欠の場合には、およそ3週間
から4週間,流水の場合は1週間から2週間で終了し、
ゾルのpHは5から7となる。このゾルの濃度が低い場合
には、これを0.1から3%のゾル濃度となるように濃縮
し、被膜形成の為の原液ゾルとした。
(ジルコニア被膜の形成) 上記方法により調製した水和ジルコニアゾル中に、予
め洗浄処理したsus304ステンレス板(30mm×20mm×0.5m
m)を垂直に全部、浸漬し、25℃の温度で30分間、保持
した後、0.5mm/secの速度でステンレス板を垂直に引き
上げ、次いで、これを4℃/minの昇温速度で180℃の温
度まで昇温し同温度で30分間、加熱することにより、ジ
ルコニア被膜が形成されたステンレス板を得た。
このジルコニア被膜を有するステンレス板を走査電子
顕微鏡、電子線マイクロアナライザー及びFT−IRスペク
トルなどにより分析した結果、ピンホールの全くない、
均一な被膜がステンレス板の全面にコーティングされて
いることが確認され、また、ジルコニア被膜の厚さを測
定したところ1.0ミクロンであった。
また、このジルコニア被膜の表面に粘着テープを貼っ
て、これを剥す密着性テストを100回繰り返し行ったが
ジルコニア被膜の剥離は全くなく密着強度の高いもので
あった。従って、ここで製造されたジルコニア被膜ステ
ンレス板は被膜強度が高く、しかも、耐熱性、耐薬品性
に優れたものである。
なお、ステンレス板の洗浄は下記の順序で行なった。
ベンゼン含浸布でふきとり ベンゼンによる洗浄(浸漬5分) 2%苛性ソーダ水溶液による洗浄(浸漬5分) 蒸溜水による洗浄 10%硫酸による洗浄(浸漬5分) 蒸溜水による洗浄 乾燥(110℃×1hr)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/12 C01G 25/02 C03C 17/25 C04B 41/87

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゾル濃度が0.01〜5%で、しかも、pHが5
    〜7.5である水和ジルコニアゾル中に、予め洗浄した基
    材を浸漬した後、ディッピング法により前記基材を液面
    に対して垂直に0.1〜5mm/secの速度で引き上げ、次い
    で、昇温速度6℃/min以下で170℃以上の温度まで昇温
    し加熱処理することにより、基材表面上にジルコニア被
    膜を形成させることを特徴とする基材上へのジルコニア
    被膜の形成法。
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