JP2997311B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents
車両のサスペンション装置Info
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- JP2997311B2 JP2997311B2 JP2278684A JP27868490A JP2997311B2 JP 2997311 B2 JP2997311 B2 JP 2997311B2 JP 2278684 A JP2278684 A JP 2278684A JP 27868490 A JP27868490 A JP 27868490A JP 2997311 B2 JP2997311 B2 JP 2997311B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両のサスペンション装置に関し、特に、
ばね上とばね下との間に減衰力特性可変式のショックア
ブソーバを備えるものの改良に係わる。
ばね上とばね下との間に減衰力特性可変式のショックア
ブソーバを備えるものの改良に係わる。
(従来の技術) 一般に、車両のサスペンション装置においては、ばね
上(車体側)とばね下(車輪側)との間に、車輪の上下
動を減衰させるためのショックアブソーバが装備されて
いる。このショックアブソーバには、減衰力特性可変式
のものとして、減衰力特性(減衰係数の異なった特性)
が高低2段に変更可能なもの、減衰力特性が多段又は無
段連続的に変更可能なもの等種々のものがある。
上(車体側)とばね下(車輪側)との間に、車輪の上下
動を減衰させるためのショックアブソーバが装備されて
いる。このショックアブソーバには、減衰力特性可変式
のものとして、減衰力特性(減衰係数の異なった特性)
が高低2段に変更可能なもの、減衰力特性が多段又は無
段連続的に変更可能なもの等種々のものがある。
そして、このような減衰力特性可変式のショックアブ
ソーバの制御方法として、例えば特開昭61−163011号公
報に開示されるように、ばね上絶対速度及びばね上とば
ね下との間の相対速度を各々の検出手段により検出し、
そのばね上絶対速度の符号とばね上ばね下間相対速度の
符号とが一致するか否かを調べ、符号が一致しないとき
には、ショックアブソーバの発生する減衰力が車体の上
下振動に対して加振方向に働いていると判定して、ショ
ックアブソーバの減衰力特性を低減衰側(つまりソフト
側)にし、符号が一致するときには、減衰力が制振方向
に働いていると判定して、ショックアブソーバの減衰力
特性を高減衰側(つまりハード側)に切換え、もって、
車体に伝達される加振エネルギーに対して制振エネルギ
ーを大きくし、車両の乗心地性及び操縦安定性を共に向
上させるようにしたものは知られている。
ソーバの制御方法として、例えば特開昭61−163011号公
報に開示されるように、ばね上絶対速度及びばね上とば
ね下との間の相対速度を各々の検出手段により検出し、
そのばね上絶対速度の符号とばね上ばね下間相対速度の
符号とが一致するか否かを調べ、符号が一致しないとき
には、ショックアブソーバの発生する減衰力が車体の上
下振動に対して加振方向に働いていると判定して、ショ
ックアブソーバの減衰力特性を低減衰側(つまりソフト
側)にし、符号が一致するときには、減衰力が制振方向
に働いていると判定して、ショックアブソーバの減衰力
特性を高減衰側(つまりハード側)に切換え、もって、
車体に伝達される加振エネルギーに対して制振エネルギ
ーを大きくし、車両の乗心地性及び操縦安定性を共に向
上させるようにしたものは知られている。
また、ばね上絶対速度の代りにばね下絶対速度を検出
し、このばね下絶対速度の符号とばね上ばね下間相対速
度の符号とが一致するか否かに応じてショックアブソー
バの減衰力特性を切換える方法、あるいはばね上ばね下
間相対速度の代りに、ショックアブソーバの実際の減衰
力を検出し、この減衰力の符号と、ばね上絶対速度から
算出される理想の減衰力としてのスカイフックダンパー
の力と符号とが一致するか否かに応じてショックアブソ
ーバの減衰力特性を切換える方法等も知られている。
し、このばね下絶対速度の符号とばね上ばね下間相対速
度の符号とが一致するか否かに応じてショックアブソー
バの減衰力特性を切換える方法、あるいはばね上ばね下
間相対速度の代りに、ショックアブソーバの実際の減衰
力を検出し、この減衰力の符号と、ばね上絶対速度から
算出される理想の減衰力としてのスカイフックダンパー
の力と符号とが一致するか否かに応じてショックアブソ
ーバの減衰力特性を切換える方法等も知られている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、ショックアブソーバの減衰力特性が例えば
2段に変更可能なものの場合、ハード特性からソフト特
性に変更したとき、その変更に伴って発生する減衰力変
化分の作用により再度ショックアブソーバの減衰力をソ
フト特性からハード特性に変更しなければならないこと
がある。このことに起因して、減衰力特性が頻繁に変更
されるいわゆるハンチング現象が発生し、音や振動によ
り乗心地が悪くなるという問題がある。
2段に変更可能なものの場合、ハード特性からソフト特
性に変更したとき、その変更に伴って発生する減衰力変
化分の作用により再度ショックアブソーバの減衰力をソ
フト特性からハード特性に変更しなければならないこと
がある。このことに起因して、減衰力特性が頻繁に変更
されるいわゆるハンチング現象が発生し、音や振動によ
り乗心地が悪くなるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、ショックアブソーバの減衰力特性
の変更に伴う減衰力変化分の作用によるばね上及びばね
下の挙動を考慮して減衰力特性の変更制御を行うことに
より、ハンチング現象の発生を防止し得る車両のサスペ
ンション装置を提供せんとするものである。
目的とするところは、ショックアブソーバの減衰力特性
の変更に伴う減衰力変化分の作用によるばね上及びばね
下の挙動を考慮して減衰力特性の変更制御を行うことに
より、ハンチング現象の発生を防止し得る車両のサスペ
ンション装置を提供せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明の解決手段は、車両
のサスペンション装置として、ばね上とばね下との間に
設けられた減衰力特性が複数段に変更可能なショックア
ブソーバと、ばね上絶対速度又はばね下絶対速度とばね
上ばね下間相対速度との積の符号による制御則に基づい
て上記ショックアブソーバの減衰力特性を変更制御する
減衰力特性制御手段と、上記制御則に基づいてショック
アブソーバの減衰力特性を変更するとき、その変更に先
立って変更後のばね上絶対速度及びばね下絶対速度を推
定するばね上・ばね下絶対速度推定手段と、該推定手段
で推定されたばね上絶対速度及びばね下絶対速度を用い
かつ両者の差からばね上ばね下間相対速度を求めた上で
上記制御則に適用し、ショックアブソーバの減衰力特性
の変更後減衰力特性を元に戻すことが必要となるときに
は、上記減衰力特性制御手段によるショックアブソーバ
の減衰力特性の変更を禁止する変更制御規制手段とを備
える構成にしたものである。
のサスペンション装置として、ばね上とばね下との間に
設けられた減衰力特性が複数段に変更可能なショックア
ブソーバと、ばね上絶対速度又はばね下絶対速度とばね
上ばね下間相対速度との積の符号による制御則に基づい
て上記ショックアブソーバの減衰力特性を変更制御する
減衰力特性制御手段と、上記制御則に基づいてショック
アブソーバの減衰力特性を変更するとき、その変更に先
立って変更後のばね上絶対速度及びばね下絶対速度を推
定するばね上・ばね下絶対速度推定手段と、該推定手段
で推定されたばね上絶対速度及びばね下絶対速度を用い
かつ両者の差からばね上ばね下間相対速度を求めた上で
上記制御則に適用し、ショックアブソーバの減衰力特性
の変更後減衰力特性を元に戻すことが必要となるときに
は、上記減衰力特性制御手段によるショックアブソーバ
の減衰力特性の変更を禁止する変更制御規制手段とを備
える構成にしたものである。
(作用) 上記の構成により、本発明では、減衰力特性制御手段
の制御の下に、ばね上絶対速度又はばね下絶対速度とば
ね上ばね下間相対速度との積の符号による制御則に基づ
いてショックアブソーバの減衰力特性が変更されると
き、その変更に先立って、ばね上・ばね下絶対速度推定
手段で変更後のばね上絶対速度及びばね下絶対速度が推
定されるとともに、変更制御規制手段でこの推定のばね
上絶対速度及びばね下絶対速度を用いかつ両者の差から
ばね上ばね下間相対速度を求めた上で上記制御則を適用
し、ショックアブソーバの減衰力特性の変更の要否が判
定される。そして、減衰力特性を元に戻すことが必要と
なるときには、上記変更制御規制手段の規制を受けて、
上記減衰力特性制御手段によるショックアブソーバの減
衰力特性の変更が禁止される。一方、減衰力特性を元に
戻すことを必要としないときには、変更制御規制手段の
規制は働かず、減衰力特性制御手段によるショックアブ
ソーバの減衰力特性の変更が実行される。これにより、
減衰力特性の変更制御上のハンチング現象の発生が防止
される。
の制御の下に、ばね上絶対速度又はばね下絶対速度とば
ね上ばね下間相対速度との積の符号による制御則に基づ
いてショックアブソーバの減衰力特性が変更されると
き、その変更に先立って、ばね上・ばね下絶対速度推定
手段で変更後のばね上絶対速度及びばね下絶対速度が推
定されるとともに、変更制御規制手段でこの推定のばね
上絶対速度及びばね下絶対速度を用いかつ両者の差から
ばね上ばね下間相対速度を求めた上で上記制御則を適用
し、ショックアブソーバの減衰力特性の変更の要否が判
定される。そして、減衰力特性を元に戻すことが必要と
なるときには、上記変更制御規制手段の規制を受けて、
上記減衰力特性制御手段によるショックアブソーバの減
衰力特性の変更が禁止される。一方、減衰力特性を元に
戻すことを必要としないときには、変更制御規制手段の
規制は働かず、減衰力特性制御手段によるショックアブ
ソーバの減衰力特性の変更が実行される。これにより、
減衰力特性の変更制御上のハンチング現象の発生が防止
される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の第1実施例に係わるサスペンション
装置の部品レイアウトを示す。
装置の部品レイアウトを示す。
第1図において、1〜4は左右の前輪5L(左側の前輪
のみ図示する)および左右の後輪6L(左側の後輪のみ図
示する)に各々対応して設けられた4つのショックアブ
ソーバであって、各車輪の上下動を減衰させるものであ
る。該各ショックアブソーバ1〜4は、内蔵するアクチ
ュエータ25(第2図参照)により減衰力特性が高低2段
に変更切換え可能になっているとともに、車体(ばね
上)と車軸(ばね下)との間の相対変位を検出する車高
センサ(図示せず)を内蔵している。7は上記各ショッ
クアブソーバ1〜4の上部外周に配設されたコイルスプ
リング、8は上記各ショックアブソーバ1〜4内のアク
チュエータに対して制御信号を出力してその減衰力特性
を可変制御するコントロールユニットであり、該コント
ロールユニット8に向けて上記各ショックアブソーバ1
〜4内の車高センサから検出信号が出力される。
のみ図示する)および左右の後輪6L(左側の後輪のみ図
示する)に各々対応して設けられた4つのショックアブ
ソーバであって、各車輪の上下動を減衰させるものであ
る。該各ショックアブソーバ1〜4は、内蔵するアクチ
ュエータ25(第2図参照)により減衰力特性が高低2段
に変更切換え可能になっているとともに、車体(ばね
上)と車軸(ばね下)との間の相対変位を検出する車高
センサ(図示せず)を内蔵している。7は上記各ショッ
クアブソーバ1〜4の上部外周に配設されたコイルスプ
リング、8は上記各ショックアブソーバ1〜4内のアク
チュエータに対して制御信号を出力してその減衰力特性
を可変制御するコントロールユニットであり、該コント
ロールユニット8に向けて上記各ショックアブソーバ1
〜4内の車高センサから検出信号が出力される。
また、11〜14は各車輪毎のばね上の垂直方向(Z方
向)の加速度を検出する4つの加速度センサ、15はイン
ストルメントパネルのメータ内に設けられた車速を検出
する車速センサ、16はステアリングシャフトの回転から
前輪の舵角を検出する舵角センサ、17はアクセル開度を
検出するアクセル開度センサ、18はブレーキ液圧に基づ
いてブレーキが動作中か否か(つまり制動時か否か)を
検出するブレーキ圧スイッチ、19はショックアブソーバ
1〜4の減衰力特性について運転者がHARD,SOFT,CONTRO
Lのいずれかのモードに切換えるモード選択スイッチで
あり、これらのセンサ11〜17およびスイッチ18,19の検
出信号は、いずれも上記コントロールユニット8に向け
て出力される。
向)の加速度を検出する4つの加速度センサ、15はイン
ストルメントパネルのメータ内に設けられた車速を検出
する車速センサ、16はステアリングシャフトの回転から
前輪の舵角を検出する舵角センサ、17はアクセル開度を
検出するアクセル開度センサ、18はブレーキ液圧に基づ
いてブレーキが動作中か否か(つまり制動時か否か)を
検出するブレーキ圧スイッチ、19はショックアブソーバ
1〜4の減衰力特性について運転者がHARD,SOFT,CONTRO
Lのいずれかのモードに切換えるモード選択スイッチで
あり、これらのセンサ11〜17およびスイッチ18,19の検
出信号は、いずれも上記コントロールユニット8に向け
て出力される。
第2図は上記ショックアブソーバ1〜4の構造を示
し、第2A図はショックアブソーバ1〜4の減衰力特性が
HARDな特性(減衰係数の高い特性)のときを、第2B図は
ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性がSOFTな特性
(減衰係数の低い特性)のときを示す。尚、この図で
は、ショックアブソーバ1〜4に内蔵される車高センサ
は省略している。
し、第2A図はショックアブソーバ1〜4の減衰力特性が
HARDな特性(減衰係数の高い特性)のときを、第2B図は
ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性がSOFTな特性
(減衰係数の低い特性)のときを示す。尚、この図で
は、ショックアブソーバ1〜4に内蔵される車高センサ
は省略している。
第2図において、21はシリンダであって、該シリンダ
21内には、ピストンとピストンロッドとを一体成形して
なるピストンユニット22が摺動可能に嵌挿されている。
上記シリンダ21およびピストンユニット22は、それぞれ
別々に設けられた結合構造を介して車軸(バネ下)また
は車体(バネ上)に結合されている。
21内には、ピストンとピストンロッドとを一体成形して
なるピストンユニット22が摺動可能に嵌挿されている。
上記シリンダ21およびピストンユニット22は、それぞれ
別々に設けられた結合構造を介して車軸(バネ下)また
は車体(バネ上)に結合されている。
上記ピストンユニット22には2つのオリフィス23,24
が設けられている。そのうちの一方のオリフィス23は常
に開いている。また、他方のオリフィス24はアクチュエ
ータ25により開閉可能に設けられている。該アクチュエ
ータ25は、ソレノイド26と制御ロッド27と2つのスプリ
ング28a,28bとからなる。制御ロッド27は、ソレノイド2
6から受ける磁力と、両スプリング28a,28bから受ける付
勢力とによりピストンユニット22内を上下動し、オリフ
ィス24の開閉を行うようになっている。
が設けられている。そのうちの一方のオリフィス23は常
に開いている。また、他方のオリフィス24はアクチュエ
ータ25により開閉可能に設けられている。該アクチュエ
ータ25は、ソレノイド26と制御ロッド27と2つのスプリ
ング28a,28bとからなる。制御ロッド27は、ソレノイド2
6から受ける磁力と、両スプリング28a,28bから受ける付
勢力とによりピストンユニット22内を上下動し、オリフ
ィス24の開閉を行うようになっている。
上記シリンダ21内の上室29および下室30並びにこの両
室29,30に通じるピストンユニット22内の空洞は、適度
の粘性を有する流体で満たされている。この流体は、上
記オリフィス23,24のいずれかを通って上室29と下室30
との間を移動することができる。
室29,30に通じるピストンユニット22内の空洞は、適度
の粘性を有する流体で満たされている。この流体は、上
記オリフィス23,24のいずれかを通って上室29と下室30
との間を移動することができる。
以上の構成において、ショックアブソーバ1〜4は以
下の動作を行う。
下の動作を行う。
すなわち、ソレノイド26が通電されないとき、スプリ
ング28aが制御ロッド27を下方に付勢する力の方が、ス
プリング28bが制御ロッド27を上方に付勢する力よりも
強く設定されているので、制御ロッド27は下方に押し付
けられ、オリフィス24を閉じる(第2A図参照)。このた
め、流体の通り道はオリフィス23のみとなり、このショ
ックアブソーバ1〜4の減衰力特性はHARD(高減衰)特
性となる。
ング28aが制御ロッド27を下方に付勢する力の方が、ス
プリング28bが制御ロッド27を上方に付勢する力よりも
強く設定されているので、制御ロッド27は下方に押し付
けられ、オリフィス24を閉じる(第2A図参照)。このた
め、流体の通り道はオリフィス23のみとなり、このショ
ックアブソーバ1〜4の減衰力特性はHARD(高減衰)特
性となる。
また、ソレノイド26が通電されたとき、該ソレノイド
26の磁力により制御ロッド27が上方に引き上げられ、オ
リフィス24を開く(第2B図参照)。このため、両オリフ
ィス23,24共に流体の通り道となり、ショックアブソー
バ1〜4の減衰力特性はSOFT(低減衰)特性となる。
26の磁力により制御ロッド27が上方に引き上げられ、オ
リフィス24を開く(第2B図参照)。このため、両オリフ
ィス23,24共に流体の通り道となり、ショックアブソー
バ1〜4の減衰力特性はSOFT(低減衰)特性となる。
以上に述べたように、ショックアブソーバ1〜4の減
衰力特性は、ソレノイド26の非通電時にはHARD特性とな
るので、万一コントロールユニット7が故障しても、シ
ョックアブソーバ1〜4はHARD特性を保ち、操縦安定性
の悪化を防ぐことができる。
衰力特性は、ソレノイド26の非通電時にはHARD特性とな
るので、万一コントロールユニット7が故障しても、シ
ョックアブソーバ1〜4はHARD特性を保ち、操縦安定性
の悪化を防ぐことができる。
第3図はサスペンション装置の振動モデルを示し、m
sはばね上質量、muはばね下質量、zsはばね上変位、
zuはばね下変位、ksはコイルスプリング7のばね定
数、ktはタイヤのばね定数、v(t)はショックアブ
ソーバの減衰係数である。
sはばね上質量、muはばね下質量、zsはばね上変位、
zuはばね下変位、ksはコイルスプリング7のばね定
数、ktはタイヤのばね定数、v(t)はショックアブ
ソーバの減衰係数である。
第4図はサスペンション装置の制御部のブロック構成
を示す。第4図中、第1の車高センサ41、第1の加速度
センサ11および第1のアクチュエータ25aは車体左側の
前輪5Lに、第2の車高センサ42、第2の加速度センサ12
および第2のアクチュエータ25bは車体右側の前輪に、
第3の車高センサ43、第3の加速度センサ13および第3
のアクチュエータ25cは車体左側の後輪6Lに、第4の車
高センサ44、第4の加速度センサ14および第4のアクチ
ュエータ25dは車体右側の後輪にそれぞれ対応するもの
である。尚、アクチュエータ25a〜25dは、第2図中のア
クチュエータ25と同じものであり、車高センサ41〜44
は、ショックアブソーバ1〜4に内蔵されたものであ
る。
を示す。第4図中、第1の車高センサ41、第1の加速度
センサ11および第1のアクチュエータ25aは車体左側の
前輪5Lに、第2の車高センサ42、第2の加速度センサ12
および第2のアクチュエータ25bは車体右側の前輪に、
第3の車高センサ43、第3の加速度センサ13および第3
のアクチュエータ25cは車体左側の後輪6Lに、第4の車
高センサ44、第4の加速度センサ14および第4のアクチ
ュエータ25dは車体右側の後輪にそれぞれ対応するもの
である。尚、アクチュエータ25a〜25dは、第2図中のア
クチュエータ25と同じものであり、車高センサ41〜44
は、ショックアブソーバ1〜4に内蔵されたものであ
る。
また、r1〜r4はそれぞれ第1〜第4の車高センサ41〜
44からコントロールユニット8に向けて出力されるばね
上ばね下間相対変位信号であり、これらの信号はいずれ
も連続値をとる。この信号は、ショックアブソーバ1〜
4が伸びるときを正とし、縮むときを負とする。尚、車
両が静止しているときの相対変位(つまり第3図に示す
ばね上変位zsとばね下変位zuとの差zs−zu)を零と
し、これからの偏差でもって相対変位の大きさを表わ
す。
44からコントロールユニット8に向けて出力されるばね
上ばね下間相対変位信号であり、これらの信号はいずれ
も連続値をとる。この信号は、ショックアブソーバ1〜
4が伸びるときを正とし、縮むときを負とする。尚、車
両が静止しているときの相対変位(つまり第3図に示す
ばね上変位zsとばね下変位zuとの差zs−zu)を零と
し、これからの偏差でもって相対変位の大きさを表わ
す。
G1〜G4はそれぞれ第1〜第4の加速度センサ11〜
14からコントロールユニット8に向けて出力される上下
方向(Z方向)のばね上絶対加速度信号であり、これら
の信号はいずれも連続値をとる。この信号は、ばね上が
上向き加速度を受けるときを正とし、下向き加速度を受
けるときを負とする。
14からコントロールユニット8に向けて出力される上下
方向(Z方向)のばね上絶対加速度信号であり、これら
の信号はいずれも連続値をとる。この信号は、ばね上が
上向き加速度を受けるときを正とし、下向き加速度を受
けるときを負とする。
その他、車速センサ15からは車速信号VSが、舵角セン
サ16からは舵角信号θHが、アクセル開度センサ17から
はアクセル開度信号TVOがそれぞれコントロールユニッ
ト8に向けて出力されており、これらの信号はいずれも
連続値をとる。車速信号VSは、車両が前進するときを正
とし、後退するときを負とする。舵角信号θHは、運転
者の側から見て、ステアリングホイールが反時計回りに
回転するとき(つまり左旋回時)を正とし、時計回りに
回転するとき(つまり右旋回時)を負とする。
サ16からは舵角信号θHが、アクセル開度センサ17から
はアクセル開度信号TVOがそれぞれコントロールユニッ
ト8に向けて出力されており、これらの信号はいずれも
連続値をとる。車速信号VSは、車両が前進するときを正
とし、後退するときを負とする。舵角信号θHは、運転
者の側から見て、ステアリングホイールが反時計回りに
回転するとき(つまり左旋回時)を正とし、時計回りに
回転するとき(つまり右旋回時)を負とする。
さらに、ブレーキ圧スイッチ18からはブレーキ圧信号
BPがコントロールユニット8に向けて出力されており、
この信号はON,OFFの2値をとる。ONはブレーキ操作中で
あることを、OFFはそうでないことを意味する。
BPがコントロールユニット8に向けて出力されており、
この信号はON,OFFの2値をとる。ONはブレーキ操作中で
あることを、OFFはそうでないことを意味する。
v1〜v4はコントロールユニット8からそれぞれアクチ
ュエータ25a〜25dに向けて出力されるアクチュエータ制
御信号であり、これらの信号は、「1」と「0」の2値
をとる。「1」のときは、アクチュエータ25のソレノイ
ド26(第2図参照)には通電されず、ショックアブソー
バ1〜4の減衰力特性はHARD特性となる。また「0」の
ときは、アクチュエータ25のソレノイド26に通電され、
ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性はSOFT特性とな
る。
ュエータ25a〜25dに向けて出力されるアクチュエータ制
御信号であり、これらの信号は、「1」と「0」の2値
をとる。「1」のときは、アクチュエータ25のソレノイ
ド26(第2図参照)には通電されず、ショックアブソー
バ1〜4の減衰力特性はHARD特性となる。また「0」の
ときは、アクチュエータ25のソレノイド26に通電され、
ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性はSOFT特性とな
る。
さらに、モード選択スイッチ19からはモード選択信号
がコントロールユニット8に向けて出力されており、こ
の信号は複数の並列信号で、本実施例の場合はHARD,SOF
T,CONTROLの3値をとる。HARDは運転者がHARDモードを
選択していることを、SOFTはSOFTモードを選択している
ことを、CONTROLはCONTROLモードをセンタしていること
を意味する。そして、後述するように、HARDのときには
全ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性がHARD特性に
固定され、SOFTのときには全ショックアブソーバ1〜4
の減衰力特性がSOFT特性に固定され、CONTROLのときに
は各ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性はそれぞれ
車両の運転状態および路面の状態等に応じてHARDまたは
SOFT特性に自動的にかつ独立して切り換えられる。
がコントロールユニット8に向けて出力されており、こ
の信号は複数の並列信号で、本実施例の場合はHARD,SOF
T,CONTROLの3値をとる。HARDは運転者がHARDモードを
選択していることを、SOFTはSOFTモードを選択している
ことを、CONTROLはCONTROLモードをセンタしていること
を意味する。そして、後述するように、HARDのときには
全ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性がHARD特性に
固定され、SOFTのときには全ショックアブソーバ1〜4
の減衰力特性がSOFT特性に固定され、CONTROLのときに
は各ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性はそれぞれ
車両の運転状態および路面の状態等に応じてHARDまたは
SOFT特性に自動的にかつ独立して切り換えられる。
第5図はコントロールユニット8の制御フローを示
す。この制御動作は、コントロールユニット8に搭載さ
れた制御プログラムによって実行される。この制御プロ
グラムは、別に設ける起動プログラムにより、一定周期
(1〜10ms)で繰り返し起動される。以下、この制御動
作を流れに沿って説明する。
す。この制御動作は、コントロールユニット8に搭載さ
れた制御プログラムによって実行される。この制御プロ
グラムは、別に設ける起動プログラムにより、一定周期
(1〜10ms)で繰り返し起動される。以下、この制御動
作を流れに沿って説明する。
先ず、ステップS1でモード選択信号がHARDであるか否
かを判定する。この判定がYESのHARDのときには、ステ
ップS12でアクチュエータ制御信号v1〜v4の全てに
「1」をセットし、ステップS11でこの制御信号v1〜v4
を出力する。これにより、全てのショックアブソーバ1
〜4の減衰力特性はHARD特性となる。このときは、以上
で動作を終了する。
かを判定する。この判定がYESのHARDのときには、ステ
ップS12でアクチュエータ制御信号v1〜v4の全てに
「1」をセットし、ステップS11でこの制御信号v1〜v4
を出力する。これにより、全てのショックアブソーバ1
〜4の減衰力特性はHARD特性となる。このときは、以上
で動作を終了する。
モード選択信号の値がHARDでないときには、続いて、
ステップS2でモーデ選択信号の値がSOFTであるか否かを
判定し、その判定がYESのSOFTのときには、ステップS13
でアクチュエータ制御信号v1〜v4の全てに「0」をセッ
トし、ステップS11でこの制御信号v1〜v4を出力する。
これにより、全てのショックアブソーバ1〜4の減衰力
特性はSOFT特性となる。このときは、以上で動作を終了
する。
ステップS2でモーデ選択信号の値がSOFTであるか否かを
判定し、その判定がYESのSOFTのときには、ステップS13
でアクチュエータ制御信号v1〜v4の全てに「0」をセッ
トし、ステップS11でこの制御信号v1〜v4を出力する。
これにより、全てのショックアブソーバ1〜4の減衰力
特性はSOFT特性となる。このときは、以上で動作を終了
する。
上記両ステップS1,S2での判定が共にNOのとき、つま
りモード選択信号の値がCONTROLのときには、ステップS
3でばね上ばね下間相対変位信号r1〜r4を入力した後、
ステップS4でこのr1〜r4を数値微分法などにより微分し
て、ばね上ばね下間相対速度1〜4を求める。上記
ステップS3,S4及び車高センサ41〜44により、ばね上と
ばね下との間の相対速度1〜4(つまりばね上絶対
速度とばね下絶対速度との差(S1−u1)〜(S4−
u4))を検出する相対速度検出手段51が構成されてい
る。
りモード選択信号の値がCONTROLのときには、ステップS
3でばね上ばね下間相対変位信号r1〜r4を入力した後、
ステップS4でこのr1〜r4を数値微分法などにより微分し
て、ばね上ばね下間相対速度1〜4を求める。上記
ステップS3,S4及び車高センサ41〜44により、ばね上と
ばね下との間の相対速度1〜4(つまりばね上絶対
速度とばね下絶対速度との差(S1−u1)〜(S4−
u4))を検出する相対速度検出手段51が構成されてい
る。
続いて、ステップS5でばね上絶対加速度信号G1〜
G4を入力した後、ステップS6でこのG1〜G4を数値積
分法などにより積分して、上下方向車体絶対速度G1〜
G4を求める。このG1〜G4は、加速度センサ11〜14
の位置における上下方向のばね上絶対速度なので、ステ
ップS7でこれを各ショックアブソーバ1〜4の位置にお
ける上下方向のばね上絶対速度S1〜S4に変換する。
S1〜S4は、G1〜G4のうち、3つが判っていれば
求められるので、以下、G1〜G3を用いることとし、
G4は予備の値とする。ここで、第1図に示すように、
水平面内に適当に原点を取り、xy座標を取ったときの、
加速度センサ11〜13の座標を(xG1,yG1)〜(xG3,
yG3)、ショックアブソーバ1〜4の座標を(xS1,yS1)
〜(xS4,yS4)とするとき、S1〜S4は以下の式で求
められる。
G4を入力した後、ステップS6でこのG1〜G4を数値積
分法などにより積分して、上下方向車体絶対速度G1〜
G4を求める。このG1〜G4は、加速度センサ11〜14
の位置における上下方向のばね上絶対速度なので、ステ
ップS7でこれを各ショックアブソーバ1〜4の位置にお
ける上下方向のばね上絶対速度S1〜S4に変換する。
S1〜S4は、G1〜G4のうち、3つが判っていれば
求められるので、以下、G1〜G3を用いることとし、
G4は予備の値とする。ここで、第1図に示すように、
水平面内に適当に原点を取り、xy座標を取ったときの、
加速度センサ11〜13の座標を(xG1,yG1)〜(xG3,
yG3)、ショックアブソーバ1〜4の座標を(xS1,yS1)
〜(xS4,yS4)とするとき、S1〜S4は以下の式で求
められる。
但し、2つの係数行列とその積は、予め求めておい
て、定数として与えている。上記ステップS5〜S7及び加
速度センサ11〜14により、各ショックアブソーバ1〜4
の位置における上下方向のばね上絶対速度S1〜S4を
検出するばね上絶対速度検出手段52が構成されている。
て、定数として与えている。上記ステップS5〜S7及び加
速度センサ11〜14により、各ショックアブソーバ1〜4
の位置における上下方向のばね上絶対速度S1〜S4を
検出するばね上絶対速度検出手段52が構成されている。
しかる後、ステップS8で次式により判定関数hiを求め
る。
る。
hi=i・Si(i=1,2,3,4) つまり、この判定関数hiは、各車輪におけるばね上ば
ね下間相対速度iとばね上絶対速度Siとの積の値で
ある。
ね下間相対速度iとばね上絶対速度Siとの積の値で
ある。
続いて、ステップS9で上記判定関数hiが零又は正の値
である(hi≧0)ならばvi=1とし、判定関数hiが負の
値である(hi<0)ならばvi=0とする。
である(hi≧0)ならばvi=1とし、判定関数hiが負の
値である(hi<0)ならばvi=0とする。
続いて、ステップS10で第6図に示すショックアブソ
ーバの減衰力特性を変更制御する上でのハンチングを防
止するためのサブルーチンを実行し、その後、ステップ
S11でアクチュエータ制御信号v1〜v4を出力し、リター
ンする。上記ステップS8,S9,S11により、ばね上ばね下
間相対速度iとばね上絶対速度Siとの積である判定
関数hiを算出し、この判定関数hiが零以上であるか否か
に応じて各ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性をHA
RD特性又はSOFT特性に変更するよう制御する減衰力特性
制御手段53が構成されている。
ーバの減衰力特性を変更制御する上でのハンチングを防
止するためのサブルーチンを実行し、その後、ステップ
S11でアクチュエータ制御信号v1〜v4を出力し、リター
ンする。上記ステップS8,S9,S11により、ばね上ばね下
間相対速度iとばね上絶対速度Siとの積である判定
関数hiを算出し、この判定関数hiが零以上であるか否か
に応じて各ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性をHA
RD特性又はSOFT特性に変更するよう制御する減衰力特性
制御手段53が構成されている。
第6図に示すハンチング防止サブルーチンにおいて
は、先ず、ステップS21で各ショックアブソーバ1〜4
の減衰力特性を変更するのか否かを判定する。この判定
は、第5図中のステップS9で設定したアクチュエータ制
御信号viの値と、1サイクル前に設定したアクチュエー
タ制御信号viの値とを比較して行われる。そして、判定
がNOのとき(つまり減衰力特性を変更しないとき)はそ
のままリターンする一方、判定がYESの減衰力特性を変
更するときには、ステップS22でこの減衰力特性の変更
がHARD特性からSOFT特性への変更(viの値が「1」から
「0」に変化するとき)であるか否かを判定する。
は、先ず、ステップS21で各ショックアブソーバ1〜4
の減衰力特性を変更するのか否かを判定する。この判定
は、第5図中のステップS9で設定したアクチュエータ制
御信号viの値と、1サイクル前に設定したアクチュエー
タ制御信号viの値とを比較して行われる。そして、判定
がNOのとき(つまり減衰力特性を変更しないとき)はそ
のままリターンする一方、判定がYESの減衰力特性を変
更するときには、ステップS22でこの減衰力特性の変更
がHARD特性からSOFT特性への変更(viの値が「1」から
「0」に変化するとき)であるか否かを判定する。
そして、上記ステップS22の判定がYESのとき、つまり
HARD特性からSOFT特性への変更のときには、ステップS2
3でこの減衰力特性の変更に伴う減衰力の変化分ΔFを
算出する。
HARD特性からSOFT特性への変更のときには、ステップS2
3でこの減衰力特性の変更に伴う減衰力の変化分ΔFを
算出する。
ここで、ショックアブソーバの減衰力Fは、 F=−V(t)・ =−(V+bs)・ である。但し、Vは可変定数係数であり、SOFTのときは
零、HARDのときは正の所定値Vmとなる。bsは固定減衰
係数であって、SOFTのときの減衰係数となる。
零、HARDのときは正の所定値Vmとなる。bsは固定減衰
係数であって、SOFTのときの減衰係数となる。
従って、減衰力特性のHARD特性からSOFT特性への変更
に伴う減衰力の変化分ΔFは、 ΔF=(Vm+bs)・−bs・ =Vm・ である。
に伴う減衰力の変化分ΔFは、 ΔF=(Vm+bs)・−bs・ =Vm・ である。
続いて、ステップS24で上記減衰力変化分ΔFによる
ばね上及びばね下の上下加速度の変動量Δs(=ΔF/
ms),Δu(=−ΔF/mu)をそれぞれ算出した後、ス
テップS25でこの変動量Δs,Δuを考慮して、減衰
力特性のHARD特性からSOFT特性への変更後所定時間Δt
秒経過した時におけるばね上及びばね下の上下方向絶対
速度s,uを推定する。この絶対速度s(Δt),
u(Δt)はそれぞれ下記の式により求める。尚、所
定時間Δtは、サンプリングタイムである。
ばね上及びばね下の上下加速度の変動量Δs(=ΔF/
ms),Δu(=−ΔF/mu)をそれぞれ算出した後、ス
テップS25でこの変動量Δs,Δuを考慮して、減衰
力特性のHARD特性からSOFT特性への変更後所定時間Δt
秒経過した時におけるばね上及びばね下の上下方向絶対
速度s,uを推定する。この絶対速度s(Δt),
u(Δt)はそれぞれ下記の式により求める。尚、所
定時間Δtは、サンプリングタイムである。
s(Δt)=s+(ΔF/ms)・Δt u(Δt)=u+(ΔF/ms)・Δt 続いて、ステップS26で上記の推定した絶対速度s
(Δt),u(Δt)を用いて、次式により判定関数
hi(si(Δt),ui(Δt))を求める。
(Δt),u(Δt)を用いて、次式により判定関数
hi(si(Δt),ui(Δt))を求める。
hi=(si(Δt)−ui(Δt))・si(Δt) この判定関数hiは、第5図中のステップS8で求めた判
定関数hi(=i・si)と同じものであって、減衰力
特性のHARD特性からSOFT特性への変更後所定時間Δt秒
経過した時におけるばね上ばね下間の相対速度i(Δ
t)をばね上絶対速度s(Δt)とばね下絶対速度
u(Δt)との差から求めている。
定関数hi(=i・si)と同じものであって、減衰力
特性のHARD特性からSOFT特性への変更後所定時間Δt秒
経過した時におけるばね上ばね下間の相対速度i(Δ
t)をばね上絶対速度s(Δt)とばね下絶対速度
u(Δt)との差から求めている。
判定関数hiを求めた後、ステップS27でこの判定関数h
iが零又は正の値であるか否かを判定する。この判定がY
ESのときには、ステップS28でviを変更前の値(つまりv
i=1)のままにし、しかる後リターンする。一方、判
定がNOのとき(つまり判定関数hiが負の値のとき)に
は、直ちにリターンする。
iが零又は正の値であるか否かを判定する。この判定がY
ESのときには、ステップS28でviを変更前の値(つまりv
i=1)のままにし、しかる後リターンする。一方、判
定がNOのとき(つまり判定関数hiが負の値のとき)に
は、直ちにリターンする。
上記ステップS22の判定がNOのとき、つまりSOFT特性
からHARD特性への変更のときには、ステップS29でこの
減衰力特性の変更に伴う減衰力の変化分ΔFを算出す
る。このときの減衰力変化分ΔFは、 ΔF=bs・−(Vm+bs)・ =−Vm・ である。
からHARD特性への変更のときには、ステップS29でこの
減衰力特性の変更に伴う減衰力の変化分ΔFを算出す
る。このときの減衰力変化分ΔFは、 ΔF=bs・−(Vm+bs)・ =−Vm・ である。
続いて、上述のHARD特性からSOFT特性への変更のとき
のフロー(ステップS24〜S28)と同様に、ステップS30
で上記減衰力変化分ΔFによるばね上及びばね下の上下
加速度の変動量Δs(=ΔF/ms),Δu(=−ΔF/
mu)をそれぞれ算出した後、ステップS31でこの変動量
Δs,Δuを考慮して、減衰力特性のHARD特性からSO
FT特性への変更後所定時間Δt秒経過した時におけるば
ね上及びばね下の上下方向絶対速度s,uを推定す
る。続いて、ステップS32で上記の推定した絶対速度
s(Δt),u(Δt)を用いて、判定関数hi(si
(Δt),ui(Δt))を求める。
のフロー(ステップS24〜S28)と同様に、ステップS30
で上記減衰力変化分ΔFによるばね上及びばね下の上下
加速度の変動量Δs(=ΔF/ms),Δu(=−ΔF/
mu)をそれぞれ算出した後、ステップS31でこの変動量
Δs,Δuを考慮して、減衰力特性のHARD特性からSO
FT特性への変更後所定時間Δt秒経過した時におけるば
ね上及びばね下の上下方向絶対速度s,uを推定す
る。続いて、ステップS32で上記の推定した絶対速度
s(Δt),u(Δt)を用いて、判定関数hi(si
(Δt),ui(Δt))を求める。
しかる後、ステップS33でこの判定関数hiが負の値で
あるか否かを判定し、この判定がYESのときには、ステ
ップS34でviを変更前の値(つまりvi=0)のままに
し、しかる後リターンする。一方、判定がNOのとき(つ
まり判定関数hiが負の値のとき)には、直ちにリターン
する。
あるか否かを判定し、この判定がYESのときには、ステ
ップS34でviを変更前の値(つまりvi=0)のままに
し、しかる後リターンする。一方、判定がNOのとき(つ
まり判定関数hiが負の値のとき)には、直ちにリターン
する。
以上のサプルーチンのフローのうち、ステップS21〜S
25,S29〜S31により、判定関数hiの値に基づいてショッ
クアブソーバ1〜4の減衰力特性を変更するとき、その
変更に先立って変更後所定時間Δt経過した時のばね上
絶対速度s(Δt)及びばね下絶対速度u(Δt)
を推定するばね上・ばね下絶対速度推定手段54が構成さ
れており、また、ステップS26〜S28,S32〜S34により、
該推定手段54で推定したばね上絶対速度s(Δt)及
びばね下絶対速度u(Δt)を用いて上記判定関数hi
を求め、ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性の変更
後減衰力特性を元に戻すことが必要となるときには、該
ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性の変更を禁止す
る変更制御規制手段55が構成されている。
25,S29〜S31により、判定関数hiの値に基づいてショッ
クアブソーバ1〜4の減衰力特性を変更するとき、その
変更に先立って変更後所定時間Δt経過した時のばね上
絶対速度s(Δt)及びばね下絶対速度u(Δt)
を推定するばね上・ばね下絶対速度推定手段54が構成さ
れており、また、ステップS26〜S28,S32〜S34により、
該推定手段54で推定したばね上絶対速度s(Δt)及
びばね下絶対速度u(Δt)を用いて上記判定関数hi
を求め、ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性の変更
後減衰力特性を元に戻すことが必要となるときには、該
ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性の変更を禁止す
る変更制御規制手段55が構成されている。
したがって、このような制御によれば、運転者がCONT
ROLモードを選択している場合、ばね上ばね下間相対速
度i(=si−ui)とばね上絶対速度siとの積
i・siである判定関数hiが零又は正の値のときには
(hi≧0)(すなわち、ばね上が上方に運動しかつショ
ックアブソーバ1〜4が伸びてその減衰力が下方に働く
とき、及びばね上が下方に運動しかつショックアブソー
バ1〜4が縮んでその減衰力が上方に働くとき)には、
ショックアブソーバ1〜4の発生する減衰力がばね上の
上下振動に対して制振方向に作用すると判断して、該シ
ョックアブソーバ1〜4の減衰力特性はHARD特性に変更
される。また、上記判定関数hiが負の値のとき(hi<
0)(上記と逆のとき)には、ショックアブソーバ1〜
4の発生する減衰力がばね上の上下振動に対して加振方
向に作用すると判断して、該ショックアブソーバ1〜4
の減衰力特性はSOFT特性に変更される。これにより、ば
ね上に伝達される加振エネルギーに対して制振エネルギ
ーが大きくなり、乗心地性及び操縦安定性を共に向上さ
せることができる。
ROLモードを選択している場合、ばね上ばね下間相対速
度i(=si−ui)とばね上絶対速度siとの積
i・siである判定関数hiが零又は正の値のときには
(hi≧0)(すなわち、ばね上が上方に運動しかつショ
ックアブソーバ1〜4が伸びてその減衰力が下方に働く
とき、及びばね上が下方に運動しかつショックアブソー
バ1〜4が縮んでその減衰力が上方に働くとき)には、
ショックアブソーバ1〜4の発生する減衰力がばね上の
上下振動に対して制振方向に作用すると判断して、該シ
ョックアブソーバ1〜4の減衰力特性はHARD特性に変更
される。また、上記判定関数hiが負の値のとき(hi<
0)(上記と逆のとき)には、ショックアブソーバ1〜
4の発生する減衰力がばね上の上下振動に対して加振方
向に作用すると判断して、該ショックアブソーバ1〜4
の減衰力特性はSOFT特性に変更される。これにより、ば
ね上に伝達される加振エネルギーに対して制振エネルギ
ーが大きくなり、乗心地性及び操縦安定性を共に向上さ
せることができる。
しかも、上記判定関数hiの値に基づいてショックアブ
ソーバ1〜4の減衰力特性をHARD特性からSOFT特性に、
又はSOFT特性からHARD特性に変更するときには、その変
更に先立って、変更後所定時間Δt経過した時のばね上
絶対速度s(Δt)及びばね下絶対速度u(Δt)
を推定するとともに、このばね上絶対速度s(Δt)
及びばね下絶対速度u(Δt)を用いて判定関数hi
(u(Δt),s(Δt))を求める。そして、こ
の判定関数hiからショックアブソーバ1〜4の減衰力特
性の変更後に該減衰力特性を元に戻すことが必要となる
ときには、ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性の変
更が禁止されるので、減衰力特性の変更制御上のハンチ
ング現象の発生を防止することができ、音や振動の抑制
により乗心地性の向上を図ることができる。
ソーバ1〜4の減衰力特性をHARD特性からSOFT特性に、
又はSOFT特性からHARD特性に変更するときには、その変
更に先立って、変更後所定時間Δt経過した時のばね上
絶対速度s(Δt)及びばね下絶対速度u(Δt)
を推定するとともに、このばね上絶対速度s(Δt)
及びばね下絶対速度u(Δt)を用いて判定関数hi
(u(Δt),s(Δt))を求める。そして、こ
の判定関数hiからショックアブソーバ1〜4の減衰力特
性の変更後に該減衰力特性を元に戻すことが必要となる
ときには、ショックアブソーバ1〜4の減衰力特性の変
更が禁止されるので、減衰力特性の変更制御上のハンチ
ング現象の発生を防止することができ、音や振動の抑制
により乗心地性の向上を図ることができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上
記実施例では、ばね上絶対速度sとばね上ばね下間相
対速度(=s−u)との積の符号によりショック
アブソーバ1〜4の減衰力特性をHARD特性またはSOFT特
性に変更するようにしたが、本発明は、下記の式で表わ
される一般的な判定式hの符号によりショックアブソー
バ1〜4の減衰力特性をHARD特性またはSOFT特性に変更
するようにしてもよい。
その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上
記実施例では、ばね上絶対速度sとばね上ばね下間相
対速度(=s−u)との積の符号によりショック
アブソーバ1〜4の減衰力特性をHARD特性またはSOFT特
性に変更するようにしたが、本発明は、下記の式で表わ
される一般的な判定式hの符号によりショックアブソー
バ1〜4の減衰力特性をHARD特性またはSOFT特性に変更
するようにしてもよい。
h=(s−u){s+g(s−u)} ここで、gはゲイン値であり、g=0のときは、実施
例の場合と同じ判定関数hi(=・s)となる。ま
た、g=−1のときは、ばね下絶対速度uとばね上ば
ね下間相対速度との積の符号によりショックアブソー
バ1〜4の減衰力特性をHARD特性またはSOFT特性に変更
するものである。
例の場合と同じ判定関数hi(=・s)となる。ま
た、g=−1のときは、ばね下絶対速度uとばね上ば
ね下間相対速度との積の符号によりショックアブソー
バ1〜4の減衰力特性をHARD特性またはSOFT特性に変更
するものである。
また、上記各実施例では、ショックアブソーバ1〜4
の減衰力特性が高低2段に変更可能な場合について述べ
たが、本発明は、ショックアブソーバの減衰力特性が3
段以上の多段に変更可能な場合にも同様に適用すること
ができるのは勿論である。
の減衰力特性が高低2段に変更可能な場合について述べ
たが、本発明は、ショックアブソーバの減衰力特性が3
段以上の多段に変更可能な場合にも同様に適用すること
ができるのは勿論である。
(発明の効果) 以上の如く、本発明における車両のサスペンション装
置によれば、ばね上絶対速度又はばね下絶対速度とばね
上ばね下間相対速度との積の符号による制御則に基づい
てショックアブソーバの減衰力特性を変更するとき、そ
の変更に先立って変更後のばね上絶対速度及びばね下絶
対速度を推定し、これらを用いて制御則を適用しショッ
クアブソーバの減衰力特性の変更後減衰力特性を元に戻
すことが必要となるときは減衰力特性の変更が中止され
るので、減衰力特性の変更制御上のハッチング現象の発
生を防止することができ、乗心地性の向上を図ることが
できるものである。
置によれば、ばね上絶対速度又はばね下絶対速度とばね
上ばね下間相対速度との積の符号による制御則に基づい
てショックアブソーバの減衰力特性を変更するとき、そ
の変更に先立って変更後のばね上絶対速度及びばね下絶
対速度を推定し、これらを用いて制御則を適用しショッ
クアブソーバの減衰力特性の変更後減衰力特性を元に戻
すことが必要となるときは減衰力特性の変更が中止され
るので、減衰力特性の変更制御上のハッチング現象の発
生を防止することができ、乗心地性の向上を図ることが
できるものである。
図面は本発明の実施例を示すもので、第1図はサスペン
ション装置の部品レイアウトを示す斜視図、第2図はシ
ョックアブソーバの主要部を示す縦断側面図、第3図は
サスペンション装置の振動モデルを示す模式図、第4図
はサスペンション装置の制御部のブロック構成図、第5
図は制御フローを示すフローチャート図、第6図はハン
チング防止サブルーチンを示すフローチャート図であ
る。 1〜4……ショックアブソーバ 53……減衰力特性制御手段 54……ばね上・ばね下絶対速度推定手段 55……変更制御規制手段
ション装置の部品レイアウトを示す斜視図、第2図はシ
ョックアブソーバの主要部を示す縦断側面図、第3図は
サスペンション装置の振動モデルを示す模式図、第4図
はサスペンション装置の制御部のブロック構成図、第5
図は制御フローを示すフローチャート図、第6図はハン
チング防止サブルーチンを示すフローチャート図であ
る。 1〜4……ショックアブソーバ 53……減衰力特性制御手段 54……ばね上・ばね下絶対速度推定手段 55……変更制御規制手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015
Claims (1)
- 【請求項1】ばね上とばね下との間に設けられた減衰力
特性が複数段に変更可能なショックアブソーバと、 ばね上絶対速度又はばね下絶対速度とばね上ばね下間相
対速度との積の符号による制御則に基づいて上記ショッ
クアブソーバの減衰力特性を変更制御する減衰力特性制
御手段と、 上記制御則に基づいてショックアブソーバの減衰力特性
を変更するとき、その変更に先立って変更後のばね上絶
対速度及びばね下絶対速度を推定するばね上・ばね下絶
対速度推定手段と、 該推定手段で推定されたばね上絶対速度及びばね下絶対
速度を用いかつ両者の差からばね上ばね下間相対速度を
求めた上で上記制御則に適用し、ショックアブソーバの
減衰力特性の変更後減衰力特性を元に戻すことが必要と
なるときには、上記減衰力特性制御手段によるショック
アブソーバの減衰力特性の変更を禁止する変更制御規制
手段とを備えたことを特徴とする車両のサスペンション
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2278684A JP2997311B2 (ja) | 1990-10-16 | 1990-10-16 | 車両のサスペンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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1990
- 1990-10-16 JP JP2278684A patent/JP2997311B2/ja not_active Expired - Fee Related
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